やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。with 貞操逆転世界 作:神納 一哉
学校へ向かう車内で、隣に座る雪乃に質問をする。
「なあ雪乃。
「そうね。そう捉えてもらって構わないわ」
「マジかぁ。それって雪ノ下家からの推薦?」
「
「皆さん若いし、新卒採用だよね?強制だったりしないよな?」
「あの、八幡様。私たち雪ノ下パレスの従業員は、
助手席に座っている警備員の女性がそう答えた。
「そうですか。強制じゃなければ大丈夫です。ありがとうございます」
「こちらこそ。ご配慮ありがとうございます」
「雪乃、昼休みや放課後は部室に集まるということでいいのか?」
「そうね」
「詳しい話はそのときにしよう。学校に着いたら俺は職員室に行くんだよな」
「ええ、職員室までは案内するわよ。その後はお昼になったら結衣さんと優美子さんに部室まで案内してもらって」
「わかった」
今朝、
9人もの候補が増えていたことに、朝から気疲れしてしまう八幡なのであった。
× × ×
「では最後に、事故にあって入院していた生徒が今日から登校してきたから紹介する。雪ノ下、入りなさい」
「ええと、雪ノ下八幡です。よろしくお願いします」
「よし、雪ノ下の席はあそこの男子席の廊下側の前の角だ。三浦の後ろだな」
「あー、優美子の後ろか」
「ん?雪ノ下、三浦とは知り合いなのか?」
「ええ、まあ。候補です」
「は?候補?」
「ええ」
「そ、そうか。じゃあ三浦、雪ノ下の案内はお前に任せた。ではこれで朝礼を終わる」
優美子に後を任せて、そそくさと担任の先生は教室を出ていった。いや、教員会議で聞いてるんじゃないんかい。
「八幡くん。とりあえず席に座るし」
「お、おう。了解。結衣はどこだ?」
「結衣はあっちの方にいる。多分誰かに捕まってるし。あーしと一緒に候補になってるっていう話はしてるから」
「なるほど了解」
俺と優美子を見る女子はざわついていて、その中心に結衣の姿が見えたので、ひとまずは流すことにした。男子はというと後ろの方に集まって女子に聞こえないように何かを話し合っている。葉山も戸部も金髪ではなく黒髪で、他の男子も髪を染めている者は見た感じ一人もいない。あ、戸塚は相変わらず戸塚だった。まあ今のところ知り合いにもなっていないのだが。ギブスが取れるまでは体育でペアにもなれないし、どうやってお近づきになるかな。
「えーと、普段からこんな感じ?」
「ん?何が?」
「男子と女子の距離」
「見てわかるように席は離れてるし、休み時間もあんなで男子は後ろに固まってることが多いし。そもそも八幡くんみたいに女子に話しかけてはこないし」
「せっかく家族以外の女性と話せる機会なのに、もったいないよなあ」
「そもそもそんな考え方、普通の男はしないし。家のパパも親戚の男も、集まるときは男だけで固まってるし。八幡くんの家もそうでしょ?」
「あー、親戚の集まりとか出たことないからわからないな」
向こうの世界では親戚の集まりに出たことは無かったから、多分大丈夫だろう。
「話は変わるけど、昼飯って部室で食べるんだよな?昼休みになったら部室に連れていってくれるか」
「ん。わかったし」
想像していたよりもこの世界の男は弱い存在かもしれないと思う八幡なのであった。
× × ×
昼休みを迎えて、優美子と結衣に特別棟1階にある奉仕部の部室へと連れてきてもらった。雪乃をはじめ、静さんも含めて学校にいる候補は全員が揃っていた。
雪乃と一緒にお弁当を食べた後、候補のみんなもそれぞれ昼食を食べ終えたので、今朝、車の中で考えたことを切り出すことにした。
「なあ雪乃、従業員も候補ということなら、結衣と優美子と静さんにも
「そうね。そういうことなら前倒しして予定通りに、静さんには2002号室、結衣さんには1401号室、優美子さんには1402号室を割り振りましょう。急ですがいつなら引っ越せますか?静さん」
「待て待て待て待て、いきなり何の話だ。もっとわかるように説明してくれ」
「あー、
「八幡くんと同じ建物内で生活できるのか。本当にいいのか?」
「ええ、無理のない予定を組んで、引っ越ししてくれると助かります」
「わかった。今週末に手配する」
「では静さんの携帯に住所と部屋番号を送っておきますが、よろしければ今日、放課後に部屋を見に来ませんか?鍵も渡せますし、
「ふむ。では時間を作るとしよう。自分の車で着いていけばいいのか」
「ええ、私たちの乗る車に着いてきてください。静さんの部屋の駐車場に誘導しますので。とりあえず放課後は静さんが空くまで、私たちはここで待機していますね」
「ああ、わかった」
静さんがマンションを見に来ることが確定したようだ。
「なあ、どうせなら結衣と優美子も連れて行った方がいいんじゃないか?」
「そうね。手間は省けるわね」
「結衣とあーしにも部屋くれるん?」
「ええ。私が妊娠すれば八幡との性行為が解禁になるわけだけど、そのときに
「八幡くんと寝るための部屋ってわけね。とりあえず
「あ、あたしも用意しないと。八幡くんとの
「結衣、
「ふぁっ、ゴメン」
結衣と優美子も見に来ることが確定したらしい。まあ車の手配は雪乃に任せておけばいいだろう。たしか
× × ×
結衣と優美子とは途中で別れて(
「ええと雪ノ下くん、聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」
「誰?そんで何?」
「あ、俺は葉山隼人、よろしく」
「ああ、よろしく。葉山って呼んでもいいか?俺のことは雪ノ下で構わない」
「えっと、さすがにその名前を呼び捨てにすることは俺の立場からするとできないから、八幡くんと呼ばせてもらってもいいかな。俺のことは呼び捨てで構わないから」
「わかった。で、何の用だ?」
「話が早くて助かるよ。君が雪ノ下家の関係者だということはわかるのだけれど、どのような立場なのか聞いてもいいかな?」
「簡単に言うと雪乃が正妻、陽乃さんが第二夫人だ」
「ほ、本当に?あの二人の夫なんだね?てか高ランクなんだね。凄いな。俺は
「お、おお。サンキュな」
葉山の奴、あからさまに嬉しそうな表情を浮かべていやがった。そんなに
葉山が離れてから暫くしても男たちは誰も話しかけには来ないので、葉山が代表で話を聞きに来たという形になっているのだろう。戻った葉山を男子で囲んでいることからも明白である。