やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。with 貞操逆転世界 作:神納 一哉
退院してから早一週間が過ぎた、ゴールデンウィーク前日の金曜日の放課後。奉仕部の部室の
俺の隣には部長の雪乃が座っており、後ろの机には顧問である静先生が座っている。長机は縦長のロの字型に並べられていて、俺と雪乃が短辺の一角に座り、長辺の俺側に結衣、優美子、姫菜、沙希が座り、長辺の雪乃側にめぐり、南、裕子、遥が座っている。この一週間の間に学校
未だに雪乃しか抱いていないにもかかわらず、着々と候補が増えているのである。溜息ぐらいついてもいいよね?
とりあえず現在の状況を簡単にまとめてみるとしよう。
正妻 雪ノ下雪乃 15歳(2101号室)
第二夫人 雪ノ下陽乃 18歳(2001号室)(俺の予想に反して陽乃さんは雪ノ下姓を選んだ)
総武高校 候補 由比ヶ浜結衣 15歳(1401号室) 三浦優美子 15歳(1402号室) 平塚静 26歳(2002号室) 城廻めぐり 16歳(1403号室) 川崎沙希 15歳(1404号室) 海老名姫菜 15歳(1405号室) 相模南 15歳(1406号室) 大崎裕子 15歳(1407号室) 米倉遥 15歳(1408号室)
コンシェルジュ兼施設管理者 候補
運転手兼警備員 候補
縁談 候補 比企谷
縁談は比企谷家と雪ノ下家から持ち込まれたもので、祥子と碧は俺の
総武高校で増えた候補との邂逅を思い浮かべ、俺はもう一度小さく溜息をついた。
interlude… 城廻めぐりとの邂逅
月曜日の放課後、奉仕部の部室でみんなと静さんを待っていたら、扉をノックされたので雪乃が来訪者を受け入れた。その来訪者は室内に入って来るとまっすぐに俺の横へと近づいて来た。
「雪ノ下くん。あなたは雪ノ下陽乃さんとどのような関係なのかな?」
「陽乃さんは俺の第二夫人ですが」
「はるさんが第二夫人なの?」
「ええ。正妻はここにいる雪乃ですので」
「雪乃さんははるさんの何なのかな?」
「私は、雪ノ下陽乃の妹よ」
「じゃあ、ここにいる他の女の子たちは?」
「八幡の候補です」
「それじゃあ、私も候補に入れてくれないかな?」
「それ以前にすることがあると思いますが」
「あっ、そうだね。ごめんなさい。では改めまして、私は2年C組の城廻めぐりと言います。はるさんに
「ちょっと待て、何かおかしい…」
「八幡、ごめんなさい。姉さんから話は聞いているの。とりあえず何も言わずにめぐりさんを迎え入れてあげてくれないかしら?」
雪乃に言葉を遮られ、迎え入れてあげて欲しいと言われてしまえば俺に拒否権はない。
「雪乃、後で説明を頼むな」
「ええ。それはもちろん。姉さんも交えて説明させてもらうわ」
「じゃあとりあえずよろしく。めぐりさんと呼ばせてもらっても?」
「ありがとう。名前呼びでいいよ。私も八幡くんって呼ばせてもらうね」
めぐりさんが候補になったのはこんな感じである。候補の4人(めぐりさん含む)の
「ごめんなさい。八幡くん。めぐりはね、私と雪乃ちゃんが仲違いしていたときに、雪乃ちゃんの代わりにした
「その、姉さんの話を聞くと、めぐりさんは姉さんの傍に居られれば良いみたいなので、無理に抱かれなくてもいいわ。便宜上部屋を割り当てているけれど、おそらく使うことは無いでしょうし」
「
「そのときはめぐりさんにいろいろと奪われそうね。ご愁傷様」
「まあ、八幡くんとヤった後なら女相手に貞操を守る必要もないから受け入れるわよ。
「まあ、姉さんがいいなら止めないわ。八幡もわかってくれたかしら?」
「……まあ、めぐりさんが陽乃さんありきの
「ありがとう八幡くん」
案外、こっちの陽乃さんはポンコツだな。そんなことを考えながら、基本こちらからはめぐりさんに関わらないでおこうと心に決めた八幡なのであった。
interlude… 川崎沙希との邂逅
火曜日の昼休み、奉仕部の部室で食事をし終わってから雪乃の淹れてくれた紅茶を飲んでまったりしていると、扉をノックする音がして雪乃が来訪者を迎え入れた。
来訪者はポニーテールのクラスメイト、川崎沙希で、彼女は雪乃の前へとまっすぐに歩いてくると、ちらりと俺を一瞥してから深々と頭を下げた。
「1年F組の川崎沙希です。由比ヶ浜さんから雪ノ下さんが正妻とお聞きしましたのでご挨拶に伺いました。私も候補に加えてください」
「では川崎さんの気持ちを、彼にもわかるようお伝えください」
「はい。ええと、私の家は父親がAランクで、私を含めて兄弟姉妹4人いてそれなりに仲がいいんだけどさ、学校だと男子と女子が基本的には別行動をしているじゃない。そんな中でさ、由比ヶ浜さんと三浦さんと雪ノ下くんは、まるで家族みたいに話していて、それってさ、私の理想に合致するんだ。これから先、雪ノ下くんみたいな男は現れないだろうし、ろくに会話もできない奴と家族になるのって無理だと思ったから、雪ノ下くんと家族になりたくて話に来ました。よろしくお願いします」
なんか優美子と話したときと同じような展開だな。
「私としては歓迎しても良いと思うのだけれど、皆さんはどう思うかしら?」
「あーしは歓迎するし」
「あたしも歓迎」
「八幡くんに一任する」
「八幡くん次第かなぁ」
まあ、断る理由もないし、悪い奴じゃないし。
「じゃあよろしく。沙希って呼んでもいいか?」
「ありがとう。うん。そう呼んでくれて構わないよ。私も、その、八幡って呼んでもいい?」
「あー、雪乃以外にはくん付けで呼ばれているからどうだろうな。どうする?この際みんな呼び方を改めてみるか?」
「よ、呼び捨てにしていいなら、私も八幡と呼ばせてもらう。その代わり私のことも呼び捨てにしてほしいのだが、構わないか?」
「わかった。けど呼び捨てにするのは家族しかいない場所でな。学校内では静先生って呼ぶ」
「ああ。それでいい。よろしくな八幡」
「あーしもこれからは八幡って呼ぶし。そしたらみんなのことも呼び捨てにしたいし。目上の人は今までどおりかもしれないけど」
「あたしも、優美子と同じでみんなのこと呼び捨てにできたら嬉しいな」
「そうね。では私もみんなのことを基本的には呼び捨てにさせてもらうわ。先生はさすがに学校内では呼び捨てにできませんから、八幡と同じように対応します。よろしくね、結衣、優美子、めぐり、沙希、静先生」
「ん。よろしく。八幡、雪乃、結衣、めぐり、沙希、静先生」
「よろしく。八幡、雪乃、優美子、めぐり、沙希、静先生」
「よろしくね。八幡、雪乃、結衣、優美子、沙希、静先生」
「ああよろしく。八幡、雪乃、結衣、優美子、沙希、めぐり」
「うん。よろしく。八幡、雪乃、結衣、優美子、めぐり、静先生」
こうして、沙希の加入とともに、お互いのことを基本的に呼び捨てにすることになったのであった。もちろん陽乃や他の候補たちも基本は呼び捨てで呼び合うことになったのは言うまでもないだろう。
interlude… 海老名姫菜との邂逅
火曜日の放課後、結衣と優美子、新しく沙希を加えて奉仕部の部室へと向かおうとしたとき、教室の扉の前で一人の女子生徒が俺たちの行く手を遮った。向こうの世界では貴腐人だった海老名さんだ。
「あんた、邪魔なんだけど」
「八幡に何か用なのかい?」
すかさず優美子と沙希が俺と海老名さんの間に入って威嚇する。君たちもう少し穏便にね。
「…あの、雪ノ下くん、ちょっといいかな?」
「ここだと他の人の邪魔になるから、一緒に来てもらってもいいか?」
「うん」
「じゃ、あーし達に着いてくるし。沙希、そっち側よろしく」
「はいよ」
囚人護送よろしく、優美子と沙希で海老名さんを挟んで特別棟一階の奉仕部の部室へ向かって歩き始める。俺は結衣に鞄を預けてから松葉杖を突きながら優美子たちの後を追うのであった。
部室に到着して、俺が
「それでは、自己紹介とあなたの気持ちを八幡にもわかるようにお伝えください」
「はい、1年F組、海老名姫菜です。クラスメイトを観察していて、雪ノ下くん、三浦さん、由比ヶ浜さんの三人が仲良くしているのに気づきました。そして今日のお昼休み後から川崎さんがそこに加わったのを見て、私もその仲間に入りたいと思ったので、放課後になってから雪ノ下くんに話しかけました。
こちらの海老名さんは貴腐人ではないようだが、エロには貪欲なようだ。こちらでは
「その、
「あー、うん。妄想するだけだから気にしないで。興味あればシてみたいってだけだから」
「わかりました。では候補ということで」
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
「家族内では名前で呼び合うことになっているので、これからは姫菜と呼ばせてもらうわ。私のことは雪乃と呼んで頂戴」
「あーしは優美子。よろしく、姫菜」
「あたしは結衣だよ。よろしくね、姫菜」
「私は沙希。よろしく、姫菜」
「私はめぐりだよ。よろしくね、姫菜」
「私は静だ。家族内では呼び捨てでもいいが、学校内では静先生と呼んでくれると助かる。よろしく、姫菜」
「俺は八幡だ。よろしく。姫菜。他にも候補がいるから、彼女たちの紹介は
「了解。みんな、よろしくね。迎え入れてくれてありがとう」
そう言って微笑んだ姫菜は、今までに見たことがない、晴れやかな笑顔だった。
interlude… 相模南・
水曜日の朝、雪乃と別れてからまっすぐに1年F組の教室へと向かい、自分の席に腰を下ろすと、三人の女子生徒が俺の前に現れた。結衣、優美子、沙希だと思ったのだが、彼女たちではなかった。
「おはよー。雪ノ下くん」
「おはよう。雪ノ下くん」
「おっはー。雪ノ下くん」
「お、おう。おはよう。えーっと…」
「ウチ、同じクラスの相模南。よろしく」
「私はC組の大崎裕子。ゆっこって呼ばれてまーす。よろしく」
「私はA組の米倉遥。よろしくねー」
うん、相模グループだね。優美子や結衣に対抗して俺に声をかけてきたのか?
「てか、雪ノ下くんって、何ランクなの?何人も
「一応、Sランクだが」
「えっ、マジ!?じゃあウチらも侍らせてくれる?ゆっこも遥もいいよね?」
「うん。雪ノ下くんが良ければ、お願いします」
「そうだね。仲良し
「あー、とりあえず候補にするってことでいいか?で、昼休みに飯食った後で特別棟1階にある奉仕部の部室に来てくれ。そこで顔合わせするから。ちなみにJ組の雪ノ下雪乃が正妻だ」
「えっ、簡単に受け入れられた」
「ヤバい、なにこの包容力」
「旦那様って呼んでもいいですか?」
「とりあえず名前で呼び合うことにしているから、俺のことは八幡って呼んでくれ。俺は南、裕子、遥って呼ばせてもらうし、みんなからも名前で呼ばれると思う。ただ、相手の立場を考えて、場合によっては敬称を付けて呼んであげてくれると助かる」
「わかった。てか、敬称を付けて呼ばなきゃいけない相手って誰?」
「
「その言い方だと、他にも社会人の嫁って居るの?」
「居るぞ。厳密に言えば候補なのだが」
「まあSランクなら当然か。じゃ、顔合わせ楽しみにしておくね」
「おう、三人ともよろしくな」
この調子でどんどん候補が増えていくなんてことはないよな?……ないよね?