やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。with 貞操逆転世界 作:神納 一哉
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雪ノ下が出て行ったあとに寝落ちしていた俺は、雪ノ下が出て行ってからどのくらいたっていたかはわからないが、部屋に入ってきた医者に優しく肩を揺さぶられて起こされた。
「眠っているところを起こしてすまないね。いくつか質問をさせてもらいたいのだが構わないかな?」
「ええ。まあ」
「比企谷八幡君。先ほど雪ノ下雪乃さんに搾精させたそうだが、強制ではなかったかね?」
「ええ、まあ。その、口でしてもらいました」
「ふむ。口淫に嫌悪感は無いと。君と雪ノ下雪乃さんとの関係は?」
「一応、恋人?」
「一応とは?」
「あー、その、告白して付き合い始めたばかりなんで」
「なるほど。君から告白したのかね?」
「ええ、まあ。好きだったんで」
「おや、君は雪ノ下雪乃さんと面識があったのかね?」
「あー、なんていうか、その、ひとめぼれです。ここで事故の謝罪をされてお詫びに搾精をさせてほしいって言われたので、そういうことをするならその前に恋人になっときたいなあと思いまして。口でしてもらう前にキスもしておきたかったし」
ファーストキスよりフェラが先ってのはなんか嫌だったし。
「では、告白をして口吻をしてから搾精を?」
「まあ、そういうことです」
「ふむ。男性側から求めるとは稀有な事例だ」
「そうっすか」
「君は女性との接触や、性行為に嫌悪感を持たないのかね?」
「へ?いやまあ、高校生になったばかりだから自重しないといけないとは思ってるんですが、求められればやぶさかでもないというかなんというか…」
「そっちも積極的なんだ…。君は凄いな」
なんか葉山みたいなことを言い出したぞこの医者。ってか胸のプレートに葉山って書いてあるし。なんとなく顔つきも似てるし、こいつもしかして葉山の父親か?
「さて、これで問診は終了。それでは失礼するよ。なにかあったらナースコールを押してくれたまえ。スタッフが確認に来るから」
「うっす」
葉山医師を見送ってからベッドに倒れ込み、目を閉じる。
これって、夢じゃねえんだよなあ。
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「それでは、失礼いたします」
「はい。ありがとうございました」
「まあ後のことは入院中に処理するとして、とりあえず今は傷を治すことに専念しなさい。またお見舞いには来るし、あんたの準備は家でしておくから」
「はい。お手数をおかけしますがよろしくお願いします。お義母様」
「じゃあね。お兄ちゃん、お義姉ちゃん」
「ええ。またね。小町さん」
葉山弁護士(葉山母)、母ちゃん、小町の順に声をかけてから病室を出ていく。俺が返事をするよりも早く雪ノ下が返事をしているため、結果、俺は一言も発しないまま、病室内は再び俺と雪ノ下の二人きりになった。
「何か飲む?」
「いや、いい」
「そう」
雪ノ下がベッド脇に置いてある椅子に腰を下ろすと、まっすぐに俺の顔を覗き込む。
「ふふ。アナタ」
「その呼び方はまだちょっと早いんじゃないか」
「一時間くらい早くても問題ないと思うのだけれど。今日のうちにそういう間柄になるのだから」
「雪ノ下」
「あら?自己紹介の練習かしら?」
「いや、お前を呼んだだけなんだけど」
「私のことは雪乃と呼びなさい。あと少しで貴方も雪ノ下なのだし」
「そうなんだよなあ」
溜息をついて雪ノ下の言葉に同意する。
葉山弁護士が市役所に書類を提出し受理された時点で、俺の名前は雪ノ下八幡に変わるのだ。
何故そんなことになったのかというと、雪ノ下にされた搾精が関わってくる。搾精と問診の結果、俺はSSランクに認定されたらしい。
問診で俺が雪ノ下を恋人と言ったこと、雪ノ下が語ったと言われる搾精時の状況などから性に積極的だと認定された。
そして雪ノ下から息子さんをくださいと言われた母ちゃんが、
「八幡。あんた雪乃さんのことはどう思ってるの?」
と聞いてきたので、
「恋人」
だと答えたら、そこからとんとん拍子に話が進んで、気が付けば俺が雪ノ下家に婿入りすることになっていた。うん。こっちは普通に男が嫁ぐ世界なんだよね。
高校一年で結婚と思ったが、この世界では普通に15歳で結婚できるそうだ。むしろ学生婚が推奨されているとのこと。
聞けば聞くほど凄い世界に来てしまった。後で雪ノ下と話をするときに情報を擦り合わせるとしよう。
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病室で二人きりになった後、俺は雪ノ下に俺のことを話した。かなり長くなったが、雪ノ下は途中に口を挟むことなく話を聞いてくれた。
「……つまり、八幡は違う世界からこの世界にタイムリープしてきたということかしら?」
「ああ。俺は高校二年の冬に
「男性は搾精に嫌悪感を持つから、寝ている間にしておこうと思っただけなのだけれど」
「ああ、そんなこと言ってたな。まあ俺の居た世界とは貞操観念が違うから驚いたってだけだ。男はお淑やかにってのがこっちの世界の普通なんだよな?」
「そうね。貴方みたいに進んで性行為を受け入れる男性は居ないわよ」
「俺の居た世界は女はお淑やかにってのが普通なんだが。だからそういった行為をするときも、基本は男が上になる。こっちの世界は女が上になるのが普通なのか?」
「男が攻めるなんて、夢物語だけなのだけれど。その夢物語でも攻めはタチが担うのであって、男性というわけではないのだけれど。むしろタチ×タチが圧倒的に多いわね」
タチ×タチって、それ貝合わせですよね。それとも双頭ディルド?
「雪ノ下もヤッたことあるのか?そういうの」
「……何回か姉さんに襲われたことはあるわ。でも貝合わせだけだから、私はまだ処女よ。
恥ずかしげもなくカミングアウトをする雪ノ下。雪ノ下さんと姉妹で貝合わせか…。なにそれエロい。
「俺の居た世界では重婚はNGなんだが。それ以前に結婚可能年齢は18歳だったけど、結婚するのは就職して自立をしてからというのが一般的だったのだが」
「こっちの世界では少子化が深刻な社会問題になっていて15歳で結婚が可能になっているわ。学生で結婚をしても国から結婚報奨金が支給されるから独立できるし、学費や税金、健康保険は免除されるわね。子供が生まれれば15年の間養育費も支給されるようになるから、一般的な会社員くらいの収入は手に入るわよ」
「独立した場合の世帯主は、俺達の場合は雪ノ下になるんだよな?女性上位社会ってやつ?」
「一概にそうとも言えないのだけれど。まあ世帯主は基本的に女性がなるわね。ただ、重婚できるのは男性だけだから、ある意味では男性上位社会とも言えるのではないかしら?」
「そのことだけを考えれば女性上位・男性優位社会なんじゃねーか?」
「言いえて妙ね。その認識で構わないと思うわ」
「その、重婚ってのはしなきゃ駄目なのか?」
「そうね。雪ノ下家としては最低限、姉さんとも結婚してもらうのは確定しているわ。正妻が私、姉さんは第二夫人ね」
「俺は雪ノ下」
「雪乃」
「ゆきのし」
「雪乃」
「……雪乃だけでいいんだが」
「そう言ってくれるのはとても嬉しいし、女冥利に尽きるわ」
そう言って微笑むと、雪ノ下
「雪乃」
……雪乃は俺にキスをしてきた。軽く触れるだけのバードキス。
考えていることにまで突っ込みいれてくるってどういうことなの?怖いよ!
「八幡の初めては私がいただくわ。それが一番最初に八幡に愛された女としての権利だから。そして私と存分に愛し合ったら、姉さんにも八幡の愛をわけてあげてほしいの」
「二股ってのは抵抗あるんだけど」
「女が一人の男に尽くすのは美徳だけれども、男は複数の女を孕ますのが美徳とされているの」
「……とりあえず暫くは雪乃だけでいい」
「そう。今はそれでいいわ。八幡」
「なんだ?」
「好きよ」
ぽしょりと耳元でそう囁くと、再び俺の唇は雪乃の唇で塞がれるのであった。