やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。with 貞操逆転世界 作:神納 一哉
エロシーンはありません。
可愛い
病院の待合室の受付で息子のことを尋ねると、手前の席に座っていた弁護士が立ち上がり、名刺を差し出してきたのでそれを受け取る。
その弁護士と共に看護師に案内されたのは、会社にある小会議室のような部屋であった。
その部屋の中には白衣を着た医師と、八幡と同じ総武高校の制服を着た黒髪の綺麗な少女がテーブルを挟んで向かい合う形で座っていた。
医師の横に弁護士が座り、私は少女の隣に座るように促されたのでそれに従って少女の横に座る。
「比企谷八幡君のお母様でよろしいでしょうか?」
「ええ。八幡の母、比企谷
「私は八幡君の治療及び検査を担当させていただきました葉山と申します。本日午前7時38分に八幡君は当院に救急搬送されてきました。意識喪失状態でしたのでそのままCTスキャンをかけ、結果、左足脛骨骨幹部開放骨折と左足第一中足骨亀裂骨折でした。左足脛骨骨幹部開放骨折であったため、電話でお母様に同意をいただき、午前8時10分に手術を開始、創外固定法で左足脛骨を固定し、滅菌処理後、左足の脛の部分をギブスで覆いました。また第一中足骨は亀裂骨折でしたので左足の甲の部分をギブスで固定いたしました。午前8時35分に手術完了。八幡君は病室に搬送いたしました。入院三週間、全治二カ月となります」
「八幡君の病室に関しては私の雇主である雪ノ下家が用意させていただきました。私は雪ノ下家の顧問弁護士を務めさせていただいております葉山
「八幡くんのお母様、先ほどは電話で失礼いたしました。雪ノ下雪乃です。治療中の八幡くんの勉強については私が責任をもって教えることをお約束いたします。それからご報告ですが、八幡くんとお付き合いさせていただくことになりましたのでよろしくお願いします。お付き合いをすることになりましたので、八幡くんの搾精は私が行いました」
「比企谷さん。落ち着いて聞いてほしいのですが、搾精の結果、八幡君はSSランクに認定されました」
………………は?
「え、SSランクですか!?」
「はい、国内でも八幡君だけだと思います。いや、正直信じられないのですが、射精量、精子の運動量、性行為への積極性、持続力など、どれも最高レベルです」
「あの、事故のお詫びに八幡くんの意識が戻らないうちに搾精をしておこうと思ったのですが、彼が目覚めたのでその旨を伝えると、私を自分の隣に座らせ、私の目を見て好きだと言ってくれました。嬉しくなった私は八幡くんにキスをしたのですけど、拒むことなくむしろ舌を絡ませてくれました。それから搾精をしたあとでお掃除フェラをしていたら、おち〇ぽ様が復活して、そのうち八幡くん自ら腰を使って、私の喉奥に射精してくれました」
「八幡が自主的に腰を動かしたの?あの子にそんな積極性があったなんて…。それに連続射精しているわよね」
SSランクといえば幻のような存在である。女を組み敷く男、そんな夢物語の登場人物のような存在。まさかそれがうちの子だなんて。
親としては誇らしいが、優しいけど内向的でコミュ障と思っていた子が性に積極的な男だったと聞かされてもどういう反応をしたらいいのかわからない。
「とりあえず事故についての処理についてはそれで構いません。道交法ではどうしても自動車側の方が加害者になってしまいますもの。治療費に入院費、物的補填までしていただけて、
「いえ、事はそう簡単ではございません」
「事故にあった時点では八幡はただの男子高校生ですから、過剰な施しをしていただく謂れはありません。雪ノ下さんもそう思いますよね?」
「そうですね。事故に会う前の身分を考えると、
「八幡のケアについては、八幡と話してから決めてもいいかしら?今のところはそちらからの話しか聞いていないから決めかねます」
「失礼しました。もちろん八幡くんからも話を聞いてもらってから決めていただいて構いません」
「ではケアについての話の続きは八幡君も交えてということでよろしいですか?」
「ええ。構いません」
一旦八幡のケアについての話を切り上げると、私達は病院関係や事故処理の書類の処理を開始するのであった。
× × ×
ぼへーと天井を眺めていたら扉がノックされたので、来訪者を招き入れたら妹の小町だった。
「どうじょ」
と噛んでしまったのは気のせいだ。
小町は若干涙目で吊られた俺の左足を眺めた後、
「馬鹿!ボケナス!八幡!」
との罵声を浴びせてきた。八幡は悪口じゃないだろ。
「なんで車の前に飛び出しちゃったの!?」
「いや、犬が轢かれそうだったんで、気が付いたら飛び出してた」
「わんちゃんは無事だったの?」
「ああ」
「そっか。わんちゃんの代わりに轢かれるなんて、なんかお兄ちゃんらしい」
「まあな」
「高校デビュー、失敗だね」
ぽつりとそんなことを言ってきたので、安心させるためにも雪ノ下のことを話す。
「いや、そうでもない。恋人できたし」
「なんですとー!?恋人ってどういうこと!?」
「車に乗っていたのが同級生でな。お詫びに来てくれたんだが、お兄ちゃんひとめぼれしてな。交際を申し込んでOKされたんだ」
「えっ!?お兄ちゃんから申し込んだの!?マジで!?」
「ああ」
「襲われなかった?」
「まあある意味襲われたかな。キスしたし、学校に行けなくなったから搾精もしてもらった」
「ええええええっっ!!童貞卒業しちゃったの?」
うーん。やっぱり小町もそっち方面の話はオープンなんだな。
「いや、口でしてもらった」
「嫌じゃなかった?」
「まあ、気持ちよかったぞ」
「ほえー。お兄ちゃんってもしかしてエッチなことに抵抗ないの?」
「好きな相手なら嫌じゃないぞ。むしろ率先するまでもある」
「うわ。羨ましい」
「羨ましいってなんだよ」
「男から求めてくるなんて夢物語じゃん。お兄ちゃんみたいな男が他にいるとも思えないし」
「俺みたいな奴なんて探せばどっかにいるんじゃねえか?」
「普通の男は交際を申し込んでなんか来ないよ。キスやエッチには嫌悪感しか持ってないし。小町もキスされてみたいなあ」
そんなことを言って上目遣いで俺を見てくる小悪魔な小町。さすがにそれは駄目だろ。
そんなことを考えていると扉が開いて母ちゃん、雪ノ下、葉山医師、それからスーツ姿の女性が室内に入ってきた。
「あら、小町来ていたのね。八幡、大丈夫?」
「ああ、心配かけてごめん。母ちゃん」
「あんた、3週間入院だって。とりあえず明日着替えとか持ってくるけど、なんかあんたの部屋から持ってくるものある?」
「部屋から持ってくるものは特にないけど、高校の教科書とか貰ってきてくれると助かる」
「教科書なんかは明日私が預かってくるわ」
「悪いな。頼む雪ノ下」
「ええ。任せておいて」
雪ノ下はそう微笑んでから母ちゃんへと向き直り、キリっとした表情で口を開いた。
「八幡くんのお母様、まだまだ若輩者の私ですが精一杯頑張ります。八幡くんのお世話をしたいので、どうか私に息子さんをください」
いきなり何言っちゃってんのこの子!?ぶっ飛びすぎじゃない!?
「八幡。あんた雪乃さんのことはどう思ってるの?」
「恋人」
「好きなのかい?」
「好きだ。むしろ愛しているまである」
「即答!?お兄ちゃんポイント高いよ!」
「嬉しいわ、八幡。幸せになりましょう」
雪ノ下が満面の笑みを浮かべる。でれのん?でれのんなの!?まあ可愛いから許す。
「……葉山弁護士、婚姻届あります?」
「ええ、ございます。雪乃さんの証人欄には雪乃さんのお母様とお父様の名前を代筆できます」
「では八幡の証人欄に私と連名で名前を書いてもらえますか?」
「私でよろしいのですか?」
「ええ。お願いいたします」
「畏まりました。では八幡君の書類の名義は雪ノ下八幡に変更します。学校の手続きは雪乃さんに任せて良いですか?」
「ええ。私が世帯主ですから構いません」
とんとん拍子に話が進んでいき、気が付くと俺の前に新郎欄以外記入されている婚姻届とボールペンが差し出されていた。
え?あの、俺まだ15歳ですけど。
「私と家族になるのは嫌かしら?嫌でなければ結婚してほしいのだけれど」
雪ノ下が俺の後ろに回り込み耳元でそう囁いたので、俺は弁護士の女性(おそらく葉山の母親)からボールペンを受け取り新郎欄に自分の名前を書いた。
「………交際開始数時間で結婚か。実感わかねえな」
「家族が増えるだけよ。そう、少しづつ、ね」
そう言って微笑む雪ノ下を見ながら、後でいろいろと話をしなければいけないなと思うのであった。
× × ×