※この作品はR-18です。

撃ち出せッ! オナニーアスリートッ!   作:我楽娯兵

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完全に深夜テンションで書いてます。


英雄の伝説

――オナニー。それは神の代に生まれた行為である。

「創世記」38章にオナンという名の男が登場する。

彼は兄エルが早死にしたため、その代わりに子孫を残すべく兄嫁タマルと結婚させられた。

しかしオナンは兄のために子を残すことを嫌い、性交時は精液を膣の中に放出せず、寸前で陰茎を抜き精液を地に漏らして避妊をしようとした。

しかしこの行為は主の意志に反するものとされ、オナンは主によって命を絶たれた。

オナンがおこなったのは膣外射精であるが、語義が転じて生殖を目的としない射精行為としてオナニーという言葉が使われるようになった。

これは自慰それ自体が罪だとされたのではないという見方もある。

 

(wikipedia引用)

 

 

「何やってるの医療班。早く担架を!!」

 

巨大な国際競技場にて行われた過酷な競技の末に、とある人物は瀕死の傷を負っていた。

そのもの弦部勃竜。あまたの大会を制覇し、まさに生きる伝説と呼ばれた男であった。

白い担架に乗せられた全裸の勃竜は荒い息で苦悶の表情を浮かべていた。

勃竜は競技中の行為により心臓を致していた。

まさに地獄の苦しみ。

 

「ま、まさか……この心臓の高鳴り、恋か!!」

 

「シショウ!! それは不整脈です!!」

 

担架の上で叫んだ勃竜に追い縋る女がいた。

グラマラスナなナイスボディ。まさに日本人では到達しえないであろう肉体美を薄いガウンで隠していた。

彼女もまさに勃竜のように競技に挑戦しようとしていた挑戦者(チャレンジャー)であった。

しかし、彼女の師匠たる勃竜の異変にてこの世界祭典の挑戦券を手放し、師に寄り添っていた。

 

「皇(すめらぎ)よ。何故ここに居る……」

 

「なぜって……死に掛けているあなたを見捨てることなんて私には出来ません」

 

「馬鹿野郎!!」

 

担架より転げ落ちた勃竜は震える足腰を奮い立たせ皇(すめらぎ)の肩を強く掴んだ。

その目は死に瀕した男の目ではなかった。

 

「一体どれだけここにくる為に身を粉にして奮闘してきた!! 一体どれだけの精魂を費やしてきたのだ!!」

 

「シショウ……」

 

「今すぐ会場に戻るのだ皇(すめらぎ)。俺はもう……ガハッ!!」

 

膝を突き呻く勃竜。その姿はまさしく英雄の死に姿だった。

 

「お前に、俺の子を託す。『種』ではないぞ……『子』だ!!」

 

「ッ!? あなたは一体どれだけの伝説を残せば……」

 

「この生涯にて功績を建てれぬのなら。先行く者に託すのみだ……さらば――」

 

ぷっつりと糸の切れたようにうな垂れた勃竜。

最後の最後までアスリートとしてその生涯を全うした。

 

「シショウ、シショウッ!!」

 

死してなお天へと撃ちださんとするペニスは、最後の一滴まで瞬時に発射された。

降り注ぐ精液の雨とでもいうのか。勃竜に収められていた最後の精子たちが、天へと昇ってゆく。

勃竜の魂が如く。

生ける伝説は今、死した伝説となった。

栄光なる死。この競技、『オナニー』という競技に常に付きまとう死の影に勃竜も呑まれたのだ。

死の射精を終えた勃竜の体は枯れ果てたと言うに相応しい様相になっていた。

肌の潤いは消えうせ、黒々としたはずの髪の毛は灰色に染まっていた。

『世界最強のオナニスト』と呼ばれた弦部勃竜は今この場にて、テクノブレイクを果たした。

 

 

 

 

 

二二世紀末、自慰行為が競技として世間一般に浸透した世界。

オナニーを恥ずべきひとりエッチと呼ばれていた時代は遠い昔。オナニーとは他者と競う競技となっていた。

生殖能力を世間に示す行為として、テレビで、ラジオで、SNSで、配信される16歳以上の肉体競技。

ボクシングにはパンチ力が必要だ。マラソンには脚力が必要だ、器械体操には全身の筋肉運動が必要だ。

だが!! オナニーにはそれらは必要とされない。

万人が持ち合わせている生理機能が、万人を――超人と変える。

オナニーには性欲の強さが最大の武装なのだ!!。

あまねく人間が持ち合わせた性欲を、下品と蔑まれた悠久の時を経て、肉体の美へと、高尚で手に汗握る『戦いへと』昇華させた。

オナニーは人々をアスリートへと変え、そのもの達は『オナニスト』と呼び讃えられた。

そして四年と五年、四ヶ月、五ヶ月と一年一ヶ月の開催日時の変更を行いながらとある世界祭典が開催される。

――オナニンピック。

世界各地に存在する自称最強の性欲の持ち主たちが一同に集うオナニーの祭典。

その肉体に蓄えられた青臭い精液と性欲を使い。

量、飛距離、回数、発射速度――妄想力。

肉体の限界に挑む『死』と隣り合わせの競技の数々。

まさにく古代ローマのコロッセオで行われたグラディエートと同じ。

人の死に喚起する娯楽。

快楽と苦痛と、悦楽と苦悶の表裏一体が現されたオナニンピック。

その過酷な道にとある青年が飛び込んだ。

その者、下田猛。

人一倍の性欲と妄想力、精液の生成能力を持った青年が『オナニスト』への道へと歩みだす!!。

青年は捧げる。

青臭い、性欲と妄想、桃色の世界へと勃ったのだ!!。




少し前、友人とのカラオケ帰りバイクを走らせている最中に考えた内容です。
オナニーの競技化。
TENGA EGGの開発者、佐藤雅信氏はまさにこの作品で書かれているオナニンピックの現実版『マスターベータソン』で勃起持続時間で優勝を飾ったそうです。


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