冬に入って少したったころ。
ルーが新人の文官娘を何人か引き連れてシャシャートの街に出かけていった。
新人の文官娘達は、ビッグルーフ・シャシャートの会計の手伝いなどを行うらしい。
ルーは、シャシャートの街のイフルス学園に呼ばれてるそうだ。
なんでも、新しい魔道具を仕入れたので、その内容や、魔道具の改良でルーの意見を聞きたいらしい。
ルー自身も、色々な人達との意見交流がしたいからと何度も行きたがっていた。
しかし、妊娠中ということで遠慮してもらっていた。
無事、秋に出産が終わって、体調も回復。
生まれたばっかりのルプミリナを置いて、学園での交流に行くのはと迷っていたようだが…。
悩んだ末、結局アンに任せて行くと決めたようだ。
アルフレートもルプミリナの子守の手伝いをしてくれるそうだ。
もちろん、父親として俺も手伝う。
ルーが村を離れるのは二週間の予定らしいが、長くなるかもしれないとのこと。
ただ、どうなっても春前には戻ると言っている。
泊まる場所はビッグルーフ・シャシャート近くのホテルを予定しているようだが、研究などであちこちを転々とするかもしれないとのことで、特にひとつに決めてはいないらしい。
シャシャートの街で頑張っているマルコスとポーラ、それにミヨによろしくと伝えておいた。
さて、冬だ。
温泉地に行って、死霊騎士や、ライオン一家と一緒に温泉でも入るかな。
始祖さんもいるといいけど。
私の名前はルー。
ルールーシー=ルー。
大樹の村の村長の嫁で吸血鬼。
シャシャートの街の魔道具職人が私のご主人様。
どうやら、始祖様が色々な手段を使って集めた学園の講師たちが私を呼んでいるらしい。
いつもの連中じゃないから、アッチの交流ではないと思うけど…。
なんだか少し嫌な予感がしたから、詳しく内容を聞いてみた。
最近仕入れた魔道具に、とんでもないものが映っていたようで、それを私に見てもらいたいらしい。
なんだか凄く嫌な予感がしたから、詳しく内容を聞こうとしたら…。
どうやらご主人様が関わっているらしい。
本人に直接聞いてくれと疲れた声で始祖様に言われてしまった。
妊娠中は、ほとんどご主人様のところに行けなかったから、この機会に行ってみようとは思ってたんだけど…。
何やらかしたのかしら、ご主人様ってば。
……。
いつもの熱烈ハグや挨拶もそこそこに、何があったのか聞いてみた。
そしたら、あまりに私に会えなくて寂しくなったから、日課の記録石鑑賞をしていたらしいんだけど、それを借金取りに見られたらしい。
いやいやいや。
日課はともかくとして借金?
ご主人様、借金なんてあったの?
え、今までは始祖様に売った記録石のレシピやなんかで食いつないでいたけど、ティアの記録石の収集でお金使っちゃって、無一文になって、たまたま記録石を売りにきた人に、借金してしまった…?
なにそれ。
それ、もしかしてハメられてない?
っていうかティアの記録石買ってんじゃないわよ。
私とえっちしたりセックスしたり子作りしてるのに、一人になったらティアの記録石でオナニーしてるの?
どうしてくれようかしら…。
え、問題はそこじゃない?
その借金取りが、私の記録石を気に入っちゃって、私の記録石を幾つか売ることになったって…!
ちょっと、それほんとにヤバくない?
始祖様が頭抱えてたのって、もしかしてこれ?
私のご主人様だから、不用意なことした人や、いつものやり過ぎた人みたいに消せないってこと、かしら。
その借金取りはもともとティアの記録石を持っていたようだから、扱いは心得てるだろうけど…。
私が直接関わったことの無い人が、自分の記録石を持っていると考えると、ちょっと怖い。
ああもう!
それで、ご主人様。
その借金取りは、いったいどこの人なの?
はいはいそうよね学園よね、分かってたわよ全くもう!!
……じゃあ、その借金取りに呼ばれてるから学園に行って来るわ。
そんな暇無いっ、…わけないかな。
時間を指定されてるわけでもないし。
まぁ、私もご主人様とは久し振りだし。
学園には、夜に着ければいいかな。