朝。
クロたちと遊ぶ。
まずはボール遊び。
続いてフライングディスクや追いかけっこ。
楽しい。
楽しいのだが……
疲れる。
その時は寝転がって日向ぼっこだ。
そうだ。
一旦休憩だな。
うおっ。
待て待て。
みんな乗ってきたら埋もれてしまう。
順番だ
順番。
ははは。
まずはクロとユキか。
クロの子供たちも周りで横になるといい。
のんびりタイムだ。
今日は完全休養日。
久し振りに朝からクロたちと遊ぶことにした。
楽しかったな。
うん、わかってる。
次はザブトンの子供達とだな。
おお。
また新しい劇を作ったのか。
よし。
じゃあ見せてもらおう。
大樹の木陰でいいのか?
おっと、どうしたザブトン。
劇を見るのに着替えは必要ないだろう。
えっ。
参加?
俺も?
内容を知らないのだが……
大丈夫?
よし。
任せろ。
指示だけはしてくれよ。
リクエスト?
そうだな……
着替えは三回までで頼む。
なかなかの大作だった。
途中俺の出番があったが、黒子のザブトンの子供にカンペを貰ったりで良い感じになったと思う。
いつの間にか観客が結構出来てたからな。
ハイエルフたちが途中から演奏してくれて、より場面が盛り上がったように思った。
俺のフォローもしてくれたしな。
ただ、ザブトン。
着替えは三回までと言ったのに結局五回になったのは……
なるほど。
確かに観客ウケも良かったし盛り上がったが。
いや、すまん。
嬉しくないわけじゃないんだ。
ああ。
次も期待してる。
もちろんザブトンの子供達にもな。
うん。
なので観客たち。
アンコールは却下だ。
はい、ブーイングしない。
わかってる。
今度はちゃんと告知してからやるから。
まだ朝。
さて、クロやザブトンたちとも遊んだ。
次は何をしようか。
いや。
今日は完全休養日。
気の向くままでいいだろう。
とりあえずはぶらぶらと歩くか。
おっ。
あれは、セナか。
「あっ、村長。こんにちわ!見回りですか?」
「いや、今日は休養だ。だから何かないかとその辺をぶらぶらしているんだ」
「それって結局見回りのような…」
「ははは。まあ心の持ちようだな。セナはどうしたんだ?」
「あ、はい。今日はラムリアスさんと一緒に仕事に行く予定なんです。だからここでラムリアスさんを待ってるんです」
「なるほど。そういえばラムリアスもそんなことを言ってたな。どんな仕事なんだっけ?」
「えー…っと、その。その時によって場所は違うんですけど。ラムリアスさんと一緒に、色んなところの掃除をしたり、気持ちよ…じゃなくて気分を良くする箇所を刺激して依頼主さんに満足してもらう感じです」
「ふむ、マッサージみたいなもんかな。ラムリアスは本職だし掃除も得意だろうけど、セナは大丈夫か?」
「はいっ。実は掃除に関してはもう、ラムリアスさんより私の方が上手なんです!……前はダメダメだったんですけど」
「おおっ、頑張ったんだな。えらいぞ」
「ありがとうございますっ。 あ、ラムリアスさんです」
「お、本当だ。 それじゃあセナ、仕事頑張ってくるといい」
「はい、村長。 ラムリアスさんと、お仕事、頑張ってきますね。それではっ」
うーむ。
それにしてもラムリアスより掃除が上手になったのはすごいな。
鬼人族メイドたちは気付いたら部屋がぴかぴかになるくらい手際もいいのに。
すごく頑張ったんだろうな。
次会ったときにでも、もう一度褒めよう。
努力が実を結んでるのを見るのは嬉しいものだ。
良い情報も聞けたし、散策を再開しよう。
村の皆と話をするのもいいかもな。
って思ったそばからアンか。
アンも出かけるのか?
「ご主人さま。度々申し訳ないですが、仕事が入ってしまいましたので……」
そう言うな。
仕事なら仕方ないだろう。
それに、ほかの鬼人族メイドたちもいる。
こっちは大丈夫だから行って来い。
それにしてもアンも仕事か。
「私も、と申しますと…? ああ、セナ様やラムリアスですか」
ああ。
さっき出口の方に向かっていったが。
そういえば移動手段はどうしてるんだ?
ここからだと五村以外はかなりかかると思うが……
「彼女たちは向こうで馬車が用意されているようです。私の方は、ハクレン様に送って貰う予定です」
なるほど。
ん?
行きはハクレンに送って貰うとして、帰りはどうするんだ?
「今回の仕事はハクレン様と一緒に、とのことですので、折角なので向こうで一泊してから昼頃…。いえ、夜に帰ってこれると思います」
ハクレンと一緒に仕事……
大丈夫なのか?
昔ほどではないが、今でも面倒なことはしたがらないだろう?
あ。
そういえばどんな仕事をしてるのか聞いてなかったな。
丁度良いから教えてくれ。
詳しくは聞けてないんだ。
「仕事内容、ですか。そうですね、まずは酒場での給仕、ポーション素材の採取と、最後に……」
採取?
ポーションの素材なら、ルーの許可さえ貰えば村の薬草畑から持っていっていいぞ
もしかしてそこでしか採れない特殊な素材なのか?
「いいえ、そこでしか採れないというわけではないのですが…。そうですね、薬草類ではなく、牛の乳絞りのようなものなので。」
そうか。
ポーションといえば薬草だと思っていたが……
薬草以外の素材も必要なんだな。
ああ。
話の腰を折ってすまない。
最後はどんな仕事なんだ?
「はい。最後は…、そうですね。最後も同じく搾り仕事です。色んな種族のものを一本づつ丁寧に搾っていきます。これが一番時間のかかる作業となりますが、ハクレン様の仕事ぶりはとても好評のようで、依頼主もとても満足しておられます」
おお。
あのハクレンが。
細かい仕事は面倒くさがって雑になるんだろうと思ってたんだが……
反省だな。
いや、ここはハクレンを褒めるべきか。
もしかして、帰ってきたあとにくっつくようになるのは、褒めて欲しがってたのだろうか。
うーむ。
よし。
明日帰ってきた時はちゃんと労ってから褒めることにしよう。
「ご主人さま。私も頑張るのですが、褒めるのはハクレン様だけなのでしょうか」
怒られた。
うーむ。
みんな色々とやっているんだな。
しかし、誰が何をやっているかなんて意外と知らないもんだな。
今日はぶらぶらしながらそれを聞きに回ってみるか。
おっと。
キアービット発見。
何か探してるようだが……
聞いてみるか。
おーい。
「村長、どうしました? ああ。ちょっとティアを探しているのだけど、見当たらないのです」
「ティアなら昨日から出てるぞ。ガーレット王国の人に呼ばれたようでな」
「ああ、またですか。全く、あの国も困ったものです」
「マルビットやルィンシアがこっちにいるから回らなくなったとかじゃないのか?」
「それはないですね。お母さまはともかく、補佐長が仕事を放置するなんてほぼありえませんから。なのでティアの出張はあの国の甘えです。ネームバリューの高いティアを使って他国への根回しを行っているのでしょう。……そろそろ釘を刺しにいかないといけません」
「なるほど…。俺もティアがいないと寂しいからな。頼んだ」
「頼まれました。……村長、俺もと言っていましたが、別に私は寂しいわけではないのでそこだけはお間違えのないよう」
ははは。
相変わらず素直じゃないな。
だがまあそこもキアービットの魅力か。
ティアの行方も分かったからか、キアービットも行ってしまった。
おっと。
後姿をじっと見ていると危ないな。
またマルビットにからかわれるかもしれない。
じゃあ次は……
むっ。
アスレチックコースか。
よし。
歩き回るのは一旦やめて、アスレチックの改良をしよう。
ハイエルフや山エルフたちもいるみたいだしな。
「村長、このポールはどう使うんでしょうか」
「下のトランポリンで飛び跳ねて、このポールに掴まってからレールに沿って落ちて向こう岸にって寸法だ」
「なるほどっ。ひとつ私も考えたアトラクションがあるので、図面を見て欲しいです」
「あ、村長ー。私も用意してるのでこっちも見てください」
「ふふふ。これは自信作ですよ。リアさんと一緒に考えたものなんです」
「そういえばリアはどうしたんだ?」
「あー。また五村のエルフたちをしごきに行ってます。樹王と弓王がまだ頼りないようでして……」
「死んだ目をしてるって報告が来てますね」
「流石に可哀想なので夜には帰ってくるようです」
ふーむ。
リアの訓練は厳しいからな。
あの二人は特にしごかれてるようだから、身体を壊さないようにして欲しい。
少し手を緩めるよう言った方がいいかもしれないが……
え?
こっちに矛先が来るとまずい?
このままでいい?
……
なるほど。
なら樹王たちには悪いがこのまま頑張ってもらうか。
リアも楽しそうだしな。
ん?
そうだぞ。
訓練から帰ってきたあとはご機嫌だ。
ははは。
そうだな。
樹王たちに感謝して、続きをするか。
このグライダーは会心の作品になるはずだからな。
しまった。
夢中になって昼が少し過ぎてしまったな。
ここまでにしておこうか。
はい、ぶーぶー言わない。
言うなら後ろの鬼人族メイドに言って…
言わないのね。
うん。
アンじゃなくても怖いよな。
とりあえず昼食にするか。
ああ。
文官娘衆も一緒にな。
「以上です。概ね問題ないですが、一時倉庫だけでも作っておいた方がいいかもしれません」
「あ、それなら私たちで作っておきますね。村長、資材置き場から持っていっていいですか?」
「ああ、頼んだ。あと、いつも管理を任せてすまんが、お前たちも暇を作ってゆっくり休んでくれ。フラウもそうなんだが身体を壊しそうで見ていて怖い」
「あー…、大丈夫です。私たちも適度に息ヌキしてますから」
「そうなのか? だが文官仕事は座りっぱなしだし疲労やストレスも溜まるだろう。たまにはアスレチックなんかで思いっきり身体を動かすのも良いんじゃないか」
「一応こっちでもちゃんと身体を使って各自運動をしてますので……。というか、あのアスレチックは私たちにはちょっと…」
「ああ…、そうか。まあ運動してるなら大丈夫かな。あとは、フラウにも目を配ってやってくれ」
「はい。フラウレムさんも一緒にストレス解消してますので、精神的な面だけ気をつけて見ていこうと思います」
「それにしてもどんな運動なんです? 効果的なものならリアさんに教えてあげたいんですが」
「特に特別なものではありませんが……。身体を勢いよく動かしたり、しっかりと各部をマッサージ、あとは防音のきいた部屋で大声を出す。これで十分です」
防音…。
大声…。
おおっ。
カラオケかあ。
懐かしいな。
俺も元気だった頃は一人でよく行ったな。
ストレス解消に良いんだよな。
そういえば……
こっちではどんな歌があるんだろうか。
今度フラウにでも聞いてみるかな。
なんにせよ各自みんな運動もストレス解消も出来ているようだし、良いことだ。
いつも苦労させてしまっているからな。
安心だ。
うん。
今日のオムライスはなかなかうまい。
ああ。
トマトケチャップは素材が命だからな。
ルーたち以外にも好評だ。
さて。
次はどこに行こうか。
お、そうだ。
今日は完全休養日だしな。
昼から酒を飲むのもいいかもしれない。
となると…
「村長、酒スライムがどこにいったか分かります?」