※この作品はR-18です。

のんびり   作:ネイトン

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変わった患者

 ルーが、三日前から不在。

 

 これはまあいつものことなんだが。

 

 シャシャートの街のイフルス学園に行っている。

 

 今回はいつもの研究や意見交流ではなく、重病人関係。

 

 ルーを頼りに、人間の国からはるばるやってきた患者がいるらしい。

 

 当初は五村に来るように患者に伝えたようだが、容態が悪化。

 

 シャシャートの街から動けなくなった。

 

 なので仕方なく、ルーはシャシャートの街に移動。

 

 現在治療中のようだ。

 

 ルーの知識や経験、それと献身的な看病によって、患者は順調に回復していっているらしい。

 

 患者の身体のことを考えて、しばらくは戻れないとのこと。

 

 俺も病気だったので、そういうのを聞くと辛い。

 

 なんとか助けてあげて欲しい。

 

 これらは同行してるリザードマンたちからの連絡だ。

 

 

 それと、患者の体力を回復するためにあのクジラの肉と、新型のポーションが欲しいとあった。

 

 肉はまだまだあるから問題ないのだが……

 

 新型のポーションってなんだろう。

 

 手紙にはアンやハクレンが知っていると書いてある。

 

 ……

 

 もしかして、以前アンやハクレンが仕事で関わっていると言っていたポーションのことかな?

 

 重病人にまで効くようなポーション作りに携わっていたとは。

 

 すごいな。

 

 肉に関しては鬼人族メイドたちに任せて、新型ポーションのことをハクレンに聞きに行くか。

 

 

「村長、ハクレン様は疲れて部屋で寝ていますから、メイド長のところに行ってください。今ならお風呂場にいると思いますので」

 

 

 大きな樽を片手で軽々と持った鬼人族メイドがハクレンとアンの場所を教えてくれる。

 

 軽そうに持っているけど、それ五十キロくらいあるよな。

 

 クジラ肉の入った樽だと思うから、このまま馬車への運搬を任せよう。

 

 

「そうだな。

 じゃあ、肉のほかにも色々積んでおいてくれ。

 多分邪魔にはならないだろう」

 

「わかりました。

 生肉以外にも、燻製と塩漬けなど積み込んでおきます」

 

 

 よろしく頼む。

 

 さて、ハクレンは疲れて寝ているようだし。

 

 風呂場にいるアンに聞きに行くか。

 

 アンはよくお風呂に入る。

 

 一度理由を聞いてみたんだが……

 

 この時間帯だと一人で入れるからと言っていた。

 

 ……

 

 あとは、なかなか恥ずかしいセリフも言われてしまった。

 

「ご主人さまには、汚れた身体を……。いえ、綺麗な身体を見てもらいたいので」

 

 素直に照れた。

 

 なんにせよ、綺麗好きになったのは良い事だ。

 

 俺もお風呂は大好きだしな。

 

 ついでに防音の魔法も使ってお風呂場の掃除もしているそうだし。

 

 あ。

 

 防音の魔法がかかってるとなると、アンが出てくるまで待たないといけないか。

 

 困った。

 

 アンなら俺が入っても怒られることはないだろうが……

 

 変な雰囲気になってしまったら危ない。

 

 ここは素直に撤退するか。

 

 と思ったら、アンが居た。

 

 掃除が終わったのか。

 

 丁度良いタイミングだったみたいだな。

 

 

「…? ご主人さま、どうかしましたか?」

 

 

 いや、うん。

 

 お風呂上りのせいか、なんだかアンが艶っぽい。

 

 頬が上気して目も少しトロンとしている。

 

 ……

 

 なんだか変な気持ちになりそうだ。

 

 早くポーションのことを聞いて離脱しよう。

 

 

「新型のポーション……。ああ、アレですか。 ………ご主人さまが使われるのですか?」

 

「いや、ルーが看ている患者に必要らしくてな。何本か送って欲しいそうなんだ」

 

「そう、でしたか。私の部屋に在庫がありますので、それを使いましょう。馬車はどちらに? はい、ではすぐに用意します」

 

 

 ありがとう。

 

 ところで、そのポーションってアンとハクレンが採取した素材から作られてるポーションであってるか?

 

 おお。

 

 やっぱりそうなのか。

 

 状況的に重病人の治療にも効くようだから、すごいポーションなんだな。

 

 ルーも欲しがるくらいだしな。

 

 流石だ。

 

 

「ほぼ、ハクレン様頼みの成果です。私では、あまり効果が出ませんので、ハクレン様のものに混ぜて、廉価版としています。……私は、足を引っ張っているだけですので、褒めるならばハクレン様にお願いします」

 

 

 なるほど。

 

 だがアンもポーション作成に関わっているんだ。

 

 そう自分を卑下するな。

 

 誰が褒めなくても、俺が褒める。

 

 あとでハクレンにもな。

 

 

「ご主人さま……。 ぁの、はしたないと思いますが、慈悲を頂けますか? お風呂と、その言葉で、高まってしまったので………」

 

 

 ……

 

 ………

 

 頑張った。

 

 

 

 

 

 

 

 後で聞いたところ、積荷を積んだ馬車が何度も魔物や魔獣に襲われたようだ。

 

 目当てはクジラ肉とのこと。

 

 ……

 

 リザードマンたちを護衛につけておいてよかった。

 

 今後、クジラ肉の扱いには気をつけよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ルーが治療した患者が、人間国の王子だった。

 

 ルーに看病されている間中、何度も何度も求婚を繰り返していたとのこと。

 

 うん。

 

 俺がそこにいたら耕していた。

 

 人の妻に求婚するんじゃない。

 

 それも何度も。

 

 治療費はそれなりに分捕って、そのまま学園とマルーラに分配してきたようだ。

 

 これ以上、村にお金が入ると逆に問題なのでそれで良かったと思う。

 

 ルーは、求婚される度に、全員締め出して、病室内で王子をボコボコにしていたらしい。

 

 王子の側近には、治療の一環として受け入れさせたとのこと。

 

 ルーからの暴行については、王子からクレームは入らなかった。

 

 治療期間が長引くほど機会が増えるからむしろありがたいとニヤニヤしていたそうだ。

 

 ……

 

 そいつ、治療必要か?

 

 重病人というから心配していたが。

 

 ルーが良くても俺が……

 

 え?

 

 提案したって何を?

 

 男のアレを切り取る……?

 

 そっか。

 

 うん。

 

 凄い笑顔で言うのはやめよう。

 

 ちょっと俺もヒュンッ、ってなった。

 

 でも流石に王子だし、側近たちも反対しただろ?

 

 ……

 

 検討したのね。

 

 側近たちも苦労してそうだなあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一部以外全快した王子一行は、十日ほどシャシャートの街に滞在してから、王都に来たと魔王から聞いた。

 

 魔王国との極秘同盟の話をするためだそうだ。

 

 うーん。

 

 極秘案件を聞かせないで欲しい。

 

 大丈夫なのか?

 

 え?

 

 あの王子、魔王の奥さんにも求婚したの?

 

 ……

 

 王子の側近たちの尽力で、外交問題にはいっていないと。

 

 うーむ。

 

 なるほど。

 

 ルーがキレるわけだ。

 

 それで、魔王と魔王の奥さんの二人から殴られて、一ヶ月ぐらい重症で動けないと。

 

 でもって王子がルーを呼んでる?

 

 行かせないぞ。

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