※この作品はR-18です。

重婚提督はハーレムの夢を見るか   作:@新十二

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今回エッチシーンはないです。
次作冒頭予定だったのですが、切りが良さそうだったので投稿しました。


幕間 長門の溜息

 春の陽気に執務室の窓を開け、そこから舞い込みそよぐ風に、いつも妹が羨ましがる長い黒髪をふわりとなびかせる。

 窓際にたたずんでいるだけなのに、どこか貫禄と品位、そして美しさを纏う艦娘長門。

 

 彼女は本日の秘書艦ではない。

 しかし日頃から苦労の絶えない大淀に、昼休憩くらいはゆっくり過ごさせてやりたいと、少し春の日差しを浴びてくるように勧めて、自らでその間の留守番を請け負った。

 

 

 この鎮守府で守護神と言えば、大和・武蔵だろう。

 彼女等より前線に赴く機会の多い長門は、戦場での守護神と言えるかもしれない。

 

 連合艦隊旗艦を任せられる事の多い長門は、それ故に、仲間に対し細心の注意を払う。

 自らの号令で、誰かが沈むような事はあってはならないからだ。

 かといって逃げ腰になるわけではない。

 これまで彼女は常に前に立ち、その力をもって敵を薙ぎ払いながら、いつも勝利への針路を切り開いてきた。

 

 長門が戦場にいる。

 それだけで艦娘達は勇気に湧き、強大な敵を前にしても怖気づく事はない。

 存在そのものが味方を鼓舞する、艦娘長門とはそういう象徴であり誇りだった。

 

 

 自らが力を持つからこそ、それに付き従ってくれる仲間への配慮を憚らない。

 艦種や役割など関係ない、全ての皆の無事の帰還、これこそが長門の勝利だ。

 

 経過の戦い、そんな点で起きる勝った負けたはどうでもいい。

 誰もが無事なまま、最終的な作戦目標を撃破すれば良いだけの事。

 その大局的な意味で言うのであれば、これまでただの一度も敗けはないのだ。

 

 

 それが今のこの時までしっかりと紡がれている有難み。

 これは彼女の双肩にのしかかる重圧でもある。

 

 だがどうだ。

 彼女はそれすら軽々と支え、この重圧こそ自分の誉れとでも言わんばかりだ。

 

 戦艦長門

 皆が憧れる彼女は、その何モノにも屈しない、決して折れぬ心の強さを体現していた。

 

 

 

……

 

 

 

 廊下から大きな歌声が聞こえてくる。

 その声に長門は笑みを見せ、長いまつ毛で目を閉じる。

 そういえば、海防艦の娘達が昼食後に報告書の提出に来るとの事だ。

 

 

 

 うむっ、元気が良くてけっこう!

 

 

 

『てぇ~とくぅ~の、おっちんぽはぁ~!』

 

「つよいぞお~っ! はいっ!」

「つよいぞお~っ! おうっ!」

 

『なん~~~どっうっても、たーまっぎ~れなーい』

 

「すごいぞお~っ! はいっ!」

「すごいぞお~っ! おうっ!」

 

 

『ちんぽっちんぽっ、でかーいちんぽ~~っ』

『ちんぽっちんぽっ、でかーいちんぽ~~っ』

 

 

 

 

 んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんっ!?!?!?

 

 

 それはちょっと、わんぱくが過ぎやしないか? 佐渡様…大東ぉ……。

 

 

ガチャリッ

 

 

「いひっ、佐渡様の報告だぁ!」

「大東も来たぜぃ!」

 

 

「あ、あぁ。よく来たな。佐渡、大東」

 

 

「あんれ? 長門さんじゃんっ」

「どしたの? 頭いてぇの?」

 

 

「いやぁ? 少し考え事をしていただけだ。問題ない」

 

「だよなっ?」

「長門さんが具合悪い事なんてないもんなっ!」

 

 

「ふふっ、そうとも。大淀は今昼に出ていてな、報告書は代わりに私が受け取ろう」

「おしゃっ、任せるぜぃ」

「また潜水艦のヤツラとっちめてやったぞ」

 

 

「よく頑張った。うん、報告書もよく書けている、いつもすまないな」

「いひっ! これが佐渡様達の仕事さぁ。な?」

「近くで敵潜にウロウロされたくねーもんな?」

 

 

 海防艦、形りは小さいが彼女達は重要な役割を担っている。

 常日頃から海上護衛隊としての船団護衛、敵潜掃討隊として近海の哨戒など、長期に渡っているこの戦いにおいて、生命線とすら言えるものを彼女達は支えている。

 ここを怠るような事があれば、せっかく物資を運んできた輸送船が、入港を目の前にして海の藻屑となってしまうという様な事が起こるだろう。

 

 

 目前で補給を絶たれる。

 極めて効果的である、こんな敵の跳梁を許すわけにはいかない。

 そのため頻繁に出撃する彼女達は、燃費の面でも、またその対潜能力の面でも長門にはないものをもっている。

 

 だがそれ故に、この近海で何かが起きた時、ソレに最初に出くわすのが哨戒を勤める彼女達である可能性も高い。

 

 

「特に異常はなかったのだな?」

「心配ねーって長門さん」

「何か見つけたら、どんなちっさいモノでもすぐ報告。忘れてないさ!」

 

 

「そいつは頼もしい。ところでさっきの唄だが……」

「んあ?」

「清霜さんに教わったやつだぜっ」

 

 

「…清霜が?」

「あぁ、なんでも司令はちんぽで大和型倒せるんだってな」

「大和型だぜぇ~すげーよなぁ。さすが提督だ」

 

 

「でもどうやって倒すんだろな?」

「そんなにデカくもないのになぁ?」

「見た事あるのか?」

 

「前に司令んとこの風呂すげーって聞いて、入りにいった時見たぜ」

「きゃーって女みたいな悲鳴上げてたよなっ」

「そ、それで?」

 

 

「一緒に陸奥さんも入ってたよな」

「あたい達と一緒に、背中の流しっこしてくれたんだ」

 

「でも司令のちんぽ、フニャフニャだったよな」

「最大仰角になるとすげーって噂だけど、あれじゃ無理だよな」

「フニャフニャ…、フニャフニャだったんだな?」

 

「うん、フニャってた」

「あれでどうやって倒すんだろうなぁ?不思議だぜぃ」

 

 

「そ、そうか(陸奥、助かったぞ)。ふーむ、しかしこれはあまり良くないかもしれんぞ」

「え! なんでだ?」

「なんかマズイのか?」

 

「あぁ。仮にその噂が本当だとするなら、大和型を倒せるなんて話が広がるのはマズいな」

「っは! 敵に知られるかもしれないのか!」

「そいつはダメだ!」

 

 

「どこで誰とも知れん輩の耳に入るのはよろしくない。大声で歌うのはひかえた方がいいだろう。そうだな…、鎮守府の建物内や宿舎などなら大丈夫かもしれんが……」

「これ機密ってやつか!?」

「じゃあ秘密にしないとだなっ!」

 

 

「うむ、それがいいだろう。清霜には私から伝えておこう」

『わかった!!』

 

 

「よし、いいこだ。そぉ~ら、貰いものだがこれを持ってくといい。宿舎に戻ったら海防艦のみんなで分けるんだ」

「おおっ!」

「お菓子かこれ?」

 

「いつも頑張ってくれているからな。これからも宜しく頼む」

「ああっ、まかせとけ!」

「大事なお役目だぁ、バリバリやるぜぇ!」

 

「ありがとう…。さぁ帰って構わんぞ」

「またなっ長門さん!」

「早くいこうぜ! 山分けだーっ」

 

 

「あ、コラ。廊下は走るなぁ~」

 

『はーい』

 

 

 はぁ~~~~っ。

 

 

 陸奥の機転のおかげだな……。

 後で清霜にも問いたださねばならんが、夕雲にも少し釘をさしておくか……。

 

 

 

 

 心地よい風は、依然と春の陽気を運んでくる。

 長門は少しだけ疲れまなこで、また窓の外を眺め始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

    長門の溜息 おしまい

 

 

 

    




追記:またあとがきをブログに載せてます。
   宜しければ、目次ページのURLからお願いします。
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