お姉ちゃんにおまかせっ1(導入)
「ふんふふ~ん♪」
シズルは鼻歌交じりに軽やかな足取りでランドソルの街を歩いていた。
日頃から滅多な事がない限りは笑顔を絶やすことのない彼女だが、今日はそれ以上に上機嫌なようで、輝かんばかりの笑顔を見せている。
「ふっふっふー。マスターからの無茶振りも、クレープ屋のお仕事もない。
リノちゃんは別命で一時的にランドソルの街を離れている。
……そして、なによりっ!
いつも弟くんの身の回りのお世話を独占している自称従者のコッコロちゃんも、
今日は何か特別な用事があるらしくて弟くんの側を離れているんだよね~
つまりっ。今日は弟くんが完全にフリーな状態!!」
シズルは拳を固く握りしめると、胸の中で強く自分に向かって宣言する。
このチャンス。絶対にモノにしてみせるっ!!
「でも、マスターからは弟くんに過剰な接触は避けるようにって言われちゃってるけど……。
こんなチャンス。今後あるかどうかわからないんだし……ちょっとくらいならいいよね?」
――っと、いけないっ。あんまりのんびりしてたら遅刻しちゃうかも」
「よぉ姉ちゃん。そんなに楽しそうにどこに行くんだい?
なんなら俺がもっと楽し……うぉっ!?」
シズルの独り言を聴きつけた男が下卑た笑いを浮かべながら背後から彼女の肩へと下衆な手を伸ばす…………ことができなかった。
男はシズルから感じた恐ろしいまでの殺気に本能的に危険を感じると、咄嗟に体ごと手を引きながら大きく後ずさる。
同時に鋭い白銀の光を放つ何かが男の目の前を横切って行った。
「……ねぇ? 私に何か用かな?
悪いんだけど今忙しいから、たいした用じゃなければ後にしてくれないかな?」
大きく後退したはずの男の首元に、一瞬で距離を詰めたシズルが大振りな剣の切っ先を突きつける。
シズルは変わらずにこやかな笑顔を浮かべているが、彼女から男に向かって放たれている殺気が尋常ではない。
異変に気づいた周囲の人々も遠巻きに怯えながらも二人から目を離すことができなかった。
(私をお姉ちゃんと呼んでいいのは小さい子供と血は繋がってない大切な弟妹だけなんだからね)
本音を言えばこんな下卑た男なんかとは一秒だって長く関わり合いたくなどない。
だが、あんなのに『姉』呼ばわりされたことに、つい反射的にカッとなってしまったのだ
そのせいで思わず殺気を放ってしまい、
結果こんな男と無駄な会話をすることになってしまった。と、シズルは内心で酷く後悔していた。
もちろんシズルは、こんな街中で白昼堂々と男を殺す気などない。
その気になれば最初の一撃で男の首を切り飛ばすことのなど彼女の実力を持ってすれば造作もないことだ。
だが、それをしてしまえば自分の大切な愛刀が下らない男の血で汚れてしまう。
自分の殺気に気づけない程に恐ろしく愚鈍な者ならば、仕方ないがそのまま振り抜いた剣の側面部を当て、早々にご退場願うだけだ。
お気に入りの愛刀を下卑た男に触れさせてしまうというのは心底残念で仕方ないのだが、これ以上つまらない男のつまらない話でつまらない時間に付き合わされるよりは万倍もマシだ。
そして、今回の男は自分の殺気に気づける程度には鈍くない。
ならばもう一段階殺気のレベルを上げて、このまま対峙すること自体が危険だと分からせてあげればいい。
(いつまでもその情けない顔を私に見せ続けるつもりなら……死ぬよ?)
もし自分が気まぐれを起こしてたった一歩踏み込むとしよう。
たったそれだけで、恐怖に顔を引き攣らせたまま動けずにいる憐れな男は、自身に突きつけられている白刃に首を切り裂かれるのだ。
「ひっ!? ひえぇぇぇぇーーーっ!!」
シズルの目論見通り男は情けない声を上げながら一目散に逃げ出すのだった。
その様子に無駄な時間を消費してしまったと呆れたように溜め息を付く。
「まったく。これで遅刻して弟くんに嫌われちゃったら、許さないんだからね。
その時はラビリンスの総力を挙げてアイツの居場所を突き止めて、数十回は生まれてきたことを後悔させちゃうんだから。
……なんてね。もう顔も記憶から消去しちゃってるし。どうでもいいや。
そもそも弟くんがお姉ちゃんのことを嫌いになるなんて天地がひっくり返ってもあり得ないことだし。
ともあれ。無駄な時間使っちゃたし、少し急がないと本当に遅刻しちゃいそうかな?」
シズルがふと目についた時計を見ると、約束の時間がもう間近まで迫っていた。
優しい彼のことだから、時間に遅れたらもしかしたら自分の身に何かあったのではと心配を掛けてしまうだろう。
そう思うや否や彼女は華やかな純白のドレスの裾を翻しながら慌てて街中を駆け出すのだった。
最愛の『弟くん』が待つ、待ち合わせ場所まであと少しだ。
*
シズルより一足早く待ち合わせ場所に到着していた騎士が備え付けられているベンチに下ろしていた腰を上げる。
「そろそろ時間だけど、もしかして何かあったのかな?」
街の中心部ということもあり大勢の人が行き交う場所で、きょろきょろと周囲を窺いシズルの姿を探し始めていると、
「ごめんねーっ。弟くん、お待たせーっ」
後ろから聞き覚えのある声を耳にすると同時に、背中にどん。という衝撃と温かく柔らかな感触が伝わってきた。
「ちょっと遅刻しちゃったね。ごめんね。
……うぅ、弟くんを待たせちゃうなんて、お姉ちゃん失格だよね?
本当にごめんねっ」
「怒ってないけど、ちゃんと来てくれて安心した」
その言葉通り、彼はコッコロと途中までの道中を一緒に着いて来てもらい、結果的にシズルよりもほんの数分程度早く到着しただけだ。
彼女と別れてからは、ふと目についた人がどこまで行くのかと、その後姿を眼で追えるところまで追ってみたり、
近くの花壇の土の上でせっせと餌を運んでいる蟻を眺めたりと、ぼうっと待ち呆けていた。
やがてに集合時間になってもシズルの姿が現れないことに不安を感じ始めていた。
「うぅ……お姉ちゃんの遅刻を笑顔で許してくれるなんて、ほんとーに優しい弟くんだよー」
シズルは抜け目なくこっそりと彼の身体に回していた腕に力を込める。
背中に豊満な身体を押し付けながら、甘えるように抱きつき始める。
「あぁ~……弟くんの体温かいよぉ。
ここのところずうっとご無沙汰だったんだし、
しっかり弟くん成分を補充しなきゃっ」
さらに強く抱き締める力を強めながら、彼の体を撫で回しつつ、ぐいぐいと自分の身体も押し付け擦りつける。
「弟くん弟くん弟くん弟くん弟くん弟くん
弟くん弟くん弟くん弟くん弟くん弟くん
弟くん弟くん弟くん弟くん弟くん弟くん」
細くしなやかな指先が、騎士の体を撫で回す。
押し付けられたシズルの豊かな双丘がむにゅむにゅと形を変えながら、背中にその柔らかさと温かさを伝えてくる。
はぁはぁと息を荒げたシズルの熱い吐息が首筋に当たる。
シズルから送り込まれてくる様々な感触は騎士に言いようのない不思議な高揚感と気恥ずかしさを与えた。
それらの出所の正体は彼の性的な興奮と快楽から来るものなのだが、彼はまだそれを自覚することができない。
自身の変化に戸惑いつつ、ドキドキする原因がシズルと触れ合っていることだと気づき、恍惚とした表情で惜しげもなく身体を押しつけて来る彼女に声を掛ける。
「あ、あの……」
「――ハッ!? ごめんね弟くんっ。もしかして強く抱き締めすぎちゃって、痛かった!?」
そう言いながらシズルが慌てて騎士の身体から離れる。
同時に、彼が感じていた気恥ずかしさは治まったきたが、代わりに無意識に何故か残念な想いが込み上げてきていた。
振り返るとシズルが本当に申し訳なさそうに両手を合わせながら頭を下げている。
「痛くはなかったけど……」
「けど?」
シズルはわずかに顔を上げ小首を傾げていたが、彼が顔を赤くし恥ずかしそうに照れている様子に気づくとニヤリと笑った。
「シズルお姉ちゃんの胸が当たって、なんだかドキドキした」
彼の口から概ね予想通りの言葉が出てきたことに、シズルは内心で自身の勝利を確信した。
「そっかぁ~。うんうん。そうだよねぇ~。弟くんも、もう『そういうお年頃』だもんね~」
自分自身もほんのりと頬を染めながらも、どこか嬉しそうな表情で騎士に微笑みかける。
「お年頃って?」
シズルの様子に騎士はもしかしたら彼女は、今の自分が感じているこの不思議な感覚の正体を知っているかもしれない。と感じ尋ねる。
彼は自身が感じ始めている性的な興奮に一切自覚がない。
そして当然シズルもそのことを理解している。
「あはは。弟くんは記憶喪失関係なく、元々こういうことにあんまり興味なかったもんね。
……うん。いい機会だし、お姉ちゃんがしっかり教えてあげるよ」
シズルは一瞬だけ困り顔を浮かべ躊躇したが、すぐにかぶりを振り決意する。
「……………………ごめんね」
シズルがどこか儚げな笑顔と謝罪の言葉と共に最愛の弟に手を差し出す。
彼にはシズルの笑顔と言葉の意味がわからなかったが、彼女の手を握り返すと、また一度どくんと胸が高鳴るのを感じた。
そして、彼女に導かれるままにこの近くに存在する『ラビリンス』の隠しアジトの建物へ入っていくのだった。
*
「えへへ。驚いたでしょ。実はここも『ラビリンス』のアジトの一つだったんだよ。
外から見ただけじゃ、ただの一軒家だけど~。
実は入るためにも、この特別な鍵がなきゃ開けられないんだよ。すっごいでしょ!
……えーと、確か『カードキー』って言ったかな?」
シズルはそう言いながら、小さな薄い板状の物を彼に見せる。
そして、フェイクで付けられているドアノブの鍵穴とは別の場所にある細く小さな横穴にそれを差し込むと、
『ピッ』という不思議な音を立てながら開錠された。
シズルに案内されながら建物の内部に入っていくと、やはりここも以前迷い込んでしまったことがある他の『ラビリンス』のアジトと酷似していた。
シズルは先に騎士をテーブルに着かせると、キッチンがあるらしい更に奥の方へと入っていく。
設置されている家具一つとっても普通のランドソルの街にある家庭やギルドハウスとはどこか異なる雰囲気を醸し出している。
それらを物珍しそうに椅子に座りながらも周囲をキョロキョロと見回していると、ハーブティーを淹れたカップを二つ用意したシズルが戻ってくる。
片方を騎士の前に置き、自分はテーブルを挟んで彼の向かい側の席にゆっくりと腰を下ろす。
「見ての通り内装もマスターの『オブジェクトの変更』を使ってるんだよ。
ちゃんとアジトとしての機能も備わってるし、多少の蓄えもあるから、
少しの間ならここでひっそりと隠れて生活するくらいのことはできるんだ」
シズルはどこか誇らしげに説明していき、騎士はそれをうんうんと頷きながら楽しそうに聞いている。
「あーでも、ほんっとーに緊急用だから、滅多な事では使わないよーにっ!!
マスターからも厳しく言われちゃってるんだけどね……てへっ」
可愛らしくペロっと小さく舌を出しながら、そう説明を締めくくる。
「そんな大事なところ勝手に使っちゃって良かったの?」
「あったり前だよっ! 弟くんの事だもん!
弟くんがお姉ちゃん相手にドキドキ興奮しちゃったんだから、
一刻も早くお姉ちゃんが弟くんの熱く燃え滾る衝動を鎮めるあげなきゃっ」
「……もう大丈夫みたいだよ?」
騎士が感じていた不思議な高揚感もシズルと話している間に大分落ち着いてきていた。
「えーーーっ!? 本当にっ!?
そんなー。うぅ……せっかく大チャンスだと思ったのにー」
シズルが驚いたように声を荒げながらテーブルから大きく身を乗り出し、騎士の顔を覗き込む。
……が、騎士はそれをただ不思議そうに見つめ返すだけだ。
その様子から彼がすっかり元通りに戻ってしまったのだと悟りがっくりとうなだれた。
「シズルお姉ちゃん?」
騎士が心配そうにシズルに声を掛ける。
「あ、ううん。ごめんね。せっかく弟くんが元気になったのに、残念がっちゃダメだよね」
シズルも騎士が男として自分を求めてくれるのなら文句なく大歓迎だが、間違っても自分から彼に迫るような、はしたないマネをしてはいけないと弁えている。
顔だけ上げて苦笑いを浮かべながら、彼を見ると不意に彼の視線が自分の胸元へと集中していることに気づく。
元々大きく胸元が空いていたドレスを着ているのだが、胸をテーブルに乗せていたこともあり、隙間がさらに大きく広がってしまっていた。
先端部が見えるかどうかというギリギリのラインが、図らずも彼の好奇心を刺激する。
「……弟くん?」
シズルは何気なく声を掛けたつもりだったのだが、呼ばれた彼自身がハッとしたように大慌てで視線を逸らす。
彼も声を掛けられるまで自分がシズルの胸を凝視していたことに気づいていなかったのだ。
「ごめんなさい」
無意識にシズルに対して謝罪の言葉を口にしていた。
自分でもわからずに何故か女性の胸を凝視することはいけないことだと感じ取ったのだ。
「あれあれ~? 弟くん、なんで謝るのかな~?」
それをシズルはニヤニヤとからかうような視線と笑みを彼に送る。
自らの原因不明の羞恥心と戸惑いに狼狽えている騎士の姿が可笑しく、シズルはさらに楽しそうに追い打ちを掛ける。
頬を染め俯いている騎士に顔を寄せると、耳元でそっと一言呟く。
「お姉ちゃんのおっぱい気になる?」
シズルにとってはからかい混じりの何気ない一言のつもりだったのだが、その一言に彼はびくりと体を大きく震わせる。
言いようのない羞恥心に襲われながら必死に考えつつ、視線をふらふらと泳がせる。
どこか嗜虐的な笑みを浮かべたシズルと顔を合わすことができない。
そう思い視線をずらすと今度は、その彼女の今にもこぼれそうな大きな二つの膨らみに視線が奪われそうになってしまう。
彼女の大きく、柔らかな二つの球体。
人によって大小様々あり、今までの経験上なんとなく大きければ大きいほど柔らかい気もする。
しかし、考えてみると自分は不意に押し付けられた時に感じる柔らかさと温かさを知っているだけで、その全貌を見たことがない。
「………………少しだけ」
それが彼が頬を真っ赤に染めながら、恥ずかしそうに俯き、やっとの想いで絞り出した答えだった。
本当は『少しだけ』どころか、大いに興味があるのだが、それをそのまま伝えることがどうしてもできなくて……。
結果、彼に意味のない虚勢を張らせてしまっていたのだった。
もちろんシズルも彼が『少しだけ』しか興味がないとは思っていない。
「ふふーん。素直でよろしい。
(これくらいで勘弁してあげないと、弟くんがかわいそうだもんねっ)」
シズルも彼から正直な答えを聞くことができたことに満足し、彼の頭を優しく撫でる。
その行動に騎士も自分の答えでシズルを怒らせてしまったり、傷つけていないということがわかり安堵していた。
「それじゃ、ベッドの部屋に行こっか」
シズルはひとしきり騎士の頭を優しく撫で回し、心地良さそうに目を細めている姿を堪能したところで、そう切り出す。
彼の現在の望みは胸を見たり触れる事だが、当然それだけで終わるはずがないとシズルは覚悟を決めていた。
――のだが、
「……え? 今からもう寝るのか。って?
ううん。そうじゃなくてね……その、
……ふ、普通はこういうことはベッドで二人きりでするものなんだよ」
「そうなの?」
声を上擦らせつつも必死に恥ずかしさを押し込めながら説明したのだが、いまいち彼にはどういう事か伝わっていないようだ。
シズルも彼の反応は予想していた。
おそらく実際に行為を始めないと彼も自分にどれだけ恥ずかしいお願いをしてしまったのか気づかないだろう。
「うん。でもね、これだけは最初に弟くんにわかって欲しいんだ。
……女の子はね、本当に好きな男の子にしか、おっぱいを見せたりとか、触らせたりなんてしないんだよ。
お姉ちゃんは、弟くんのことが大好きだから、弟くんのエッチなお願いも聞いてあげるし、
弟くんに女の子の体のこといっぱい教えてあげるんだからね」
自分の本気の想いが、記憶や常識のほとんどを失ってしまっている今の彼の心にどれだけ届いてくれるだろう?
きっと体の動かし方は生物としての本能が覚えている。
もしかしたら目覚めた雄の衝動のままに襲われて、ただそれだけで終わってしまうかもしれない。
でも、それでも構わないとさえシズルは思っていた。
(だって私は本当に弟くんの事が大好きなんだもん)
悪戯に彼の芽生えかけた異性への好奇心を刺激し、目覚めさせてしまったのだから、それは当然の報いだ。
でも、それでも構わない。
たった一度きりでも……いや、もしかしたら子供が覚えたての遊びに夢中になるように、
ただ快楽だけを求めて何度も何度もせがまれてしまうかもしれない。
例えそうなったとしても、きっと自分は求められるままに応えてしまうだろう。と確信していた。
だからせめて、と今の彼の気持ちを聞かせてもらうことだけを望んでいた。
「ありがとう。僕もシズルお姉ちゃんのことが大好きだよ」
シズルの目が大きく見開かれる。
彼女にはその一言を聞かせてもらえただけで十分過ぎるのだった。
衝動のままに彼の身体を力いっぱい強く抱きしめる。
「弟くんっ!!
えへへぇ~。よかった……よかったよぉ~
うんうんっ。そうだよね。弟くんはお姉ちゃんのこと大好きだもんね!
弟くんのこと、ほんのちょっぴりでも疑っちゃってごめんね」
彼からの好きという言葉に、シズルは胸の内からどんどん溢れ出る嬉しい気持ちが抑えられずにいた。
伝えたい言葉が出てきては、それをストレートに伝え続ける。
頬をすり寄せ、胸を押し付け、肩を強く抱き締め、自分の好意を全力で彼に伝える。
「――ハッ!? 弟くんごめんね。
あんまりにも嬉しすぎてお姉ちゃん、ちょっと我を失っちゃってたよ、てへっ」
感情の昂ぶりが収まり始め、暴走状態だったシズルが理性を取り戻すが、
その頃には騎士は、シズルから惜しみなく与えられ続けられた柔らかな女性の身体の感触や、言葉ですっかり茹で上がってしまっていた。
頬を紅潮させ、ふらふらとしている騎士の手を引きながら、シズルは彼を寝室へと連れ込むのだった。