やがて単に胸を揉むという行為に満足したのか騎士の手が胸から離れると、さらに少女のしなやかな肢体をなぞるようにするする下降していく。
むきだしの腹部に到達すると素肌の感触を確かめるように手がその場所で止まる。
「んっ……。ちょっぴりくすぐったいけど、あなたの手。すごく温かいです」
「シオリちゃんもすごく温かいよ」
驚くくらいほっそりとして、滑らかな白い腹部をお腹を撫でているとシオリも自分の手を重ねてきた。
少しずつ。初めて触れられる部位が増えていくたびにシオリは徐々に自分が騎士のモノなっていくような嬉しさを感じていた。
すごく優しい心の持ち主である彼は絶対に自分を大切に扱ってくれると信じている。
たった一度切りの関係だとしても、もっともっと彼のモノになりたい。
そんな思いから、
「騎士さん。そろそろ私の一番大切な場所ももらって欲しいです」
自分でも驚くくらいすごく大胆なことをすんなりと口走ってしまったと思ったが、訂正する気は起きなかった。
騎士は熱っぽい視線とともに向けられた言葉に頷くと、彼女の浅葱色のスカートの裾を指先でつまむように捲り上げる。
もともと丈が非常に短いスカートということもあり、万一捲れてしまっても下着が見えないようにと、黒い布を一枚だけ宛がっていたりもするのだが……。
そんな少女の工夫にまったく気づいた様子もなく、そのささやかな防壁を躊躇なく捲り上げてしまうのだった。
シオリは騎士の眼前に自身の純白の下着が曝け出されると、羞恥心から反射的に内股を締めてしまったが、すぐに力を緩める。
(だいじょうぶ。騎士さんならだいじょうぶだから――)
心の中で『だいじょうぶ』と何度も自分に言い聞かせる。
初体験で緊張するのは仕方ないにしても、自分が変に動くよりも『経験者』である彼に全て任せた方がいい。
これまでにも何度か不本意ながら恥ずかしい目には遭わされてしまったこともあるが、それでも乱暴なことをされたことは一度足りともないのだ。それだけは断言できる。
現在進行形で下着を脱がされてしまい、もはや隠すべき場所が隠れていないところまで、ずり下ろされてしまっているが、だいじょうぶに決まっている。
騎士は彼女の両足から完全にパンツを脱がすと、それをベッドの脇に置き、
「シオリちゃん見ててね」
そして今度は自分の番と言わんばかりに練習の成果を披露し局部を露出させた。
「え、ええっと……そ、その……は、初めてみましたけど、こ……こんな風になっているんですね……」
とりあえず当たり障りのなさそうなコメントをしてみた。
ある程度の形状を想像したことはあるが、実物の生々しさとややグロテスクな肉感に正直少し引いてしまったが、彼に見ててと自慢げに言われてしまったため、その感想を正直に言うのも憚れた。
(……あれ? 騎士さん、なんだか少しだけむずかしい顔してる?)
自信満々だったのだから、やはりちゃんと褒めるべきだったのだろうか?
「す、すごく大きくて、り……立派だと思います……よ?」
心にも無いてきとうな事を言ってしまっているという罪悪感のせいか最後が疑問形になってしまった。
他に比較対象知らないし、知りたくもないのだから仕方ない。
でも確かに初めて見て『大きい』とは思ったのだから嘘は言ってない。
そんな思春期の少女が自身の羞恥心と優しさとの葛藤の末に必死に絞り出した誉め言葉だったりするのだが……。
実際には自分で衣服を脱ぐことができたことを褒めて欲しかった騎士はますます不思議そうに首を傾げてしまうのだった。
ともあれ、そんなささやかなすれ違いにお互いが気づくこともないまま、性器を曝け出し合った二人は次のステップへと移行する。
騎士がシオリの両足を大きく開かせると、その間に自身の身体を割り込ませる。
「――っ!?」
シオリはその行動に思わず息を飲む――と同時にとんでもないことに気づいてしまったようだ。
足を大きく開いたことにより、ぴっちりと閉じられていた陰唇もわずかに開いてしまい……。
――ナカを見られている!?
本来ならば決して誰にも見せてはいけない惨状が騎士の視線に晒されてしまっている。
その事実に気づくや否や、開いた分だけ必死に閉じようと膣や割れ目全体が余計活発に蠢く。
すでに自分でもわかるくらいに濡れてしまっている膣はヒクヒクと痙攣するように蠢き、まるで自分が騎士を誘惑しているようにさえ思えてきてしまい、さらに混乱に拍車をかける。
膣全体が充血し淫液がどんどん滲み出ているのがわかる。そしてその様子を騎士に見られるのがたまらなく恥ずかしい。
いつまでもこんな恥ずかしい思いをするくらいなら、何でもいいからさっさと突っ込んで終わって欲しい――
「はぅ!? …………………………あれ?」
シオリが本気でそんなことを思い始めるのとほぼ同時に、望み通り突っ込まれたのだが、
確かに自分の中に何かが入ってきて細かく動いている感じはあるが、全然痛みもなければ……なんかすごく小さい――もっと大きい気がしたのに、と不思議そうに自身の下腹部に視線を向けると、
「あ……。指、ですか?」
「痛かった?」
自分の狭い膣口に指を挿入し、くにくにと解すように動かしている騎士と目が合った。
「いえ、平気です。といいますか、さっき見た時より全然小さい気がしていたので納得しました」
実際には男に秘所をまさぐられているという、普段の彼女からすればトンデモない状況にも関わらず、すごく冷静な返事をしてしまうシオリ。
これが本当に騎士の陰茎だとしたらまた状況は変わっていたのだろうが。
「壁。このままゆっくり破いていっちゃうね」
この状況に置いて『壁』という聞きなれない単語にシオリはいまいちピンとこなかったが、騎士が膣内に入れたままの指に力を込め始めたことで、処女膜のことだと気づく。
「まっ、待ってください、騎士さんっ!!」
とっさに声を出したことで痛みや出血が出る前に止めてもらえたことに心底安堵する。
さすがにシオリもいくら相手が想い人とはいえ、こんな方法で処女を喪失させられるのは嫌だったのだろう。
「あ、あの……騎士さん? 指ではなくて、で、できれば、その……お、おちん……ちん……で、ハジメテをもらってくれませんか?」
「それだとすごく痛いと思うよ」
これまでの経験から、シオリが提案してきた方法だといくら自分が痛くないようにと強く願いながら能力を使っても血は出るし、本人たちは平気だと言っていたが、痛そうに涙を流してしまっていたのを知っている。
だからこそ騎士なりに極力痛みを感じさせないようにする方法として、陰茎よりも小さい指を試してみようと思っていたのだが。
「痛くてもですっ。女の子の大切な場所なんですから、ちゃんと男の人の大切な場所でもらって欲しいです……」
「そういうものなの?」
「そういうものです。痛くても……多分、その痛みも含めて大切な初めての思い出になるんだと思います。だ、だから……お、お願いしますっ」
シオリの懇願にまだどこか複雑そうな表情をしながらも、彼女が引く気がないことを察し、膣口から指を引き抜く。
引き抜かれた指に少女の愛液がたっぷりと絡みつき、厭らしく糸を引くとぷつりと切れた。
シオリ自身はまるで自身の厭らしさを見せつけられたような錯覚を感じたのだが、指を突っ込んだ当の騎士の方は別段特に気にした様子はなかった。
どうやらまだ単純な性欲のみがあるだけで、性的な嗜好というものがほとんど芽生えていないのだろう。
「できるだけ痛くしないようにがんばるね」
その言葉と同時に目の前のただ一人の少女のためにプリンセスナイトの能力を発現させる。
これまでにも無意識にその力が微弱ながら放出されシオリに流れ込んでいたが、騎士が意識的にその力を解放したことで、桁違いの力の奔流が一気に彼女の全身を駆け巡った。
「ふぁぁぁぁっああぁぁぁあんんんっ!?」
突然の不意打ちに全身がびくん、と跳ねる。
こんなの反則だ。わずかに残った理性でシオリは本気でそう思っていた。
全身が一気に熱くなり秘所が疼く。
今まで経験したことがない以上の興奮と快楽が一気に押し寄せてくるのだ。
普段ならとっくに絶頂してるレベルなのにイく直前で寸止めされている。
まるで自分の意志に反して、身体が目的を果たすまでイくのを拒んでしまっているようだった。
すっかり熱に浮かされてしまっているが、それでも理性の最後の一欠けらくらいは残してもらえているらしい。
こんなことができるのなら、最初から是非なんか問わずさっさとヤってしまえばいいのに。
――どうしてそうしなかったんだろう……。
そんな発想ができないくらい純粋で……優しくて温かい人で……。
押し寄せてくる快楽の波に耐えながら、シオリは騎士の行動に疑問を感じ納得がいく答えを探し始める。
(本当に私のことを好きで大切だと想ってくれているから……ですよね?)
もはや残されていた思考力では考えれば考えるほどより一層騎士に対して好意的な考え方しかできなくなっていた。
シオリが視線を騎士に向けると、彼は自らの陰茎を握りしめ、今まさにナカに侵入を果たそうとしているところだった。
「あぅ……」
ぐしょぐしょに濡れ熱くなっている下腹部に同じくらい熱く固いものが触れるのがわかった。
さらにそれがグイグイと押し込まれていく。
微調整が済んだのか細かく動かしていた手を止めると、代わりにぐっと腰を突き出す――狭い膣口を押し拡げ、さらに一部が裂かれたような衝撃を感じた。
不思議と痛みを感じることはなかったが、ずぶずぶとゆっくりと膣内に入り込んでくる熱く固い異物感。
自分の秘所に押し付けられていたはずの、大きく膨らんでいた先端部が見えなくなっていた。
「あ、あぅぅ。……は、入っちゃってますよね。き、騎士さんの………………おちんちん」
繋がってしまった。
まだそんなに中までは入りこんではないと思うけど、処女を喪失したのは間違いない。
痛みを抑えられたせいか、もともと出血量が少なかったのか、淫液と混ざり合いだいぶ色は薄まっているが間違いなく破瓜の出血をしていた。
「シオリちゃん、だいじょうぶだった?」
浅い結合状態のまま、どこか不安そうな表情で訊ねる騎士。
彼もシオリの処女膜を突き破った瞬間、とっさに動きを止めていた。
いくら望まれたとはいえ、大切な少女を傷つける行為にはいつまで経っても、たとえ何度経験したとしても慣れることはないのだろう。
「は、はい……。え、えぇっと……。実は初めてはもっと痛いのかな? って思ってたんですが……
想像してたよりもというか、むしろ全然痛みを感じなかったくらいで……」
「それならよかった」
ほっ。と安堵の息を吐く騎士。その様子にシオリも理由に察しがついた上で、あえて確認してみた。今も絶え間なく流れ込んでくる熱い力を感じているのだから、きっと考えている通りの答えが返ってくるに違いないという確信を込め。
「やっぱり騎士さんの、あの力のおかげなんですよね?」
「うん」
普段の彼らしい短い言葉と首肯。その様子にイヤらしさや下心の様なものは感じられない。
どうやら最初のまるで媚薬を盛られたような身体の熱感と疼きも、きっと痛みをなくすための副作用みたいのものだったのだろうとシオリは結論づけた。
それならば――
(ちょ、ちょっとくらいなら、自分の気持ちに正直なっても、いいよね?
ほ、ホントに、ほんの少しだけだもん)
入口付近で動きを止めている大きく熱い塊をもっと奥まで欲しいというもどかしさ。
初体験でいきなり『おねだり』をするのは、すごく恥ずかしいが、きっかけを作ったのは彼の方からなのだ。
そんな想いからシオリが口を開くのとほぼ同時に、
「シオリちゃん。そろそろ動いていい?」
どうやら騎士の方も我慢の限界が来ていたらしいがそれも当然だろう。
今も敏感な先端部だけが彼女の膣に咥え込まれているだけだ。
奥に引き込もうとするように締め上げられ、絡みつく膣襞になぞられる感触に思い切り腰を打ち付けたい衝動を必死に我慢していたのだ。
動くのはダメだとしても、せめてもう少し中まで入れたい。まるでそんなことを切望してそうな顔をしていた。
「……くすっ。はい。私も騎士さんに動いて欲しいって思ってました」
同じ想いだったことに思わず小さく吹き出し照れ笑いを浮かべる。
それを合意の意志ととった騎士がゆっくりと腰を突き出す。
「んっ、あ……あぁっ!! は、入って、き…………ふぁぁぁぁっ」
両手で腰を掴み、誘われるままにずぶずぶと腰を突き出していき最深部を突くと、シオリはたまらず嬌声を上げた。
彼女の喘ぎ声に妙な興奮を覚えた騎士は、
試すように少し腰を引くと、再び最奥をひと突き。
「――んっ」
あまり声を上げてくれなかった。もう一回。
「あぅっ」
もう一回。
「はぅっ……」
さっきから細かく最奥を突かれる衝撃が伝わってくるが、それが正直もどかしい。
あんまり乱暴すぎるのはまだダメだと思うけど、できればもっと大きく激しく動いて欲しい。
「き、騎士さん……?
――え? どうしたらさっきみたいにかわいい声を出してくれるのか……てぇっ!?
そ、そんなことを考えながら動いてたんですかっ!
し、知りませんっ! そんなことっ!!」
どうやら奥まで届いたときに声を出してしまったせいで、そこが自分の気持ちいい場所だと思い込まれてしまったようだ。
「……………………で、でも色んな動き方をしてみたら、わかるかもしれません……よ?」
婉曲的に自分の弱点は別の場所だと伝えてみたが、きっと騎士はほとんど意味を理解していないだろう。
それでも、こう言えばもっと色々な動き方をしてくれるはず。
「試してみるね」
シオリの思惑通り、騎士は最奥を突く以外の動きを始めると、彼女の反応を確かめながらペースや動きに変化をつけ始めるのだった。
「んっ、んっ、んっ、あっ、んっ、あぅぅっ」
シオリの腰を掴みながら、一定のリズムで腰を振り続ける騎士。
どうやら色々試している内に、夢中になってしまったのだろう。
「んっ……ふふっ、こ、これが、き、騎士さんが……あんっ。気持ちいい、動き方、なんですねっ……っ」
「シオリちゃんはここだよね」
「ふぁあぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁんんっ!?」
完全に油断したタイミングの一撃に声を抑えることができず思い切り喘ぎ声を出してしまった。
羞恥心と照れ隠しに騎士に抗議の声を上げようとするが、
「ちょ、ちょっと、き、騎士さ……ふぁぁぁぁぁあああああぁっぁぁぁんっ!!
ま、待ってくださ……ふぁぁぁああっ!! ん、んんんんっ!?」
執拗に膣壁の一定の場所に陰茎を擦りつける騎士。
どうやらすでにウィークポイントを見つけ出されてしまっていたようだ。
騎士に声をかけることを諦め、必死に声が出ないように口を塞ぐが、その間も全く悪気のない騎士の攻めは止まらない。
やがて――
「――――――っ!! ひぅっ!? くぅ……あ、あぁ、あぁっ、あっ♪ …………はぁ、はぁ…………う、うぅ~」
ベッドのシーツを握りしめ、背中を仰け反らせながら、必死に口を固く閉じる。
それでなんとか漏れる声は最低限に抑えることにはできたものの、イかされてしまったことには変わらない。
絶頂時に膣内に入っている陰茎を何度も何度も強く締め上げ、まるで何かを絞り出そうとしている動きをしていたのを否応なく意識させられた。
(身体が騎士さんの、欲しがっちゃってるのかな……)
絶頂直後のいくらか冷静さを取り戻した思考力でぼんやりと考える。
身体の熱感や疼きは一時的にわずかに収まってはいるものの、多分まだまだ全然足りない。
もっともっと彼に愛されたい。
ゆっくりと上体を起こすと、求めるように両手を伸ばし、それを騎士の首に絡めながら身体を密着させる。
「騎士さんの気が済むまででいいので……もっとしてください」
耳元で囁かれた甘い言葉に騎士はシオリが『せいえき』を求めているのだと感じた。
セックスをしている最中はこんなにも気持ちいいし、最後に『せいえき』を出す瞬間が一番気持ちいい。出している間中ずっとだ。
それならきっとシオリちゃんも、気持ちよく幸せな気分にしてあげられるに違いない。
「シオリちゃんの中にいっぱい出してあげるね」
「え?」
一瞬意味がわからなかった。戸惑っている間に騎士よりも行動がワンテンポ遅れる。
その間にも騎士はどんどんと自身の射精に向けての行動を進めていく。
未だに下半身が繋がったまま抱き着いてきたシオリの肩と背中に手を回すと、覆い被さるようにしてベッドに押し倒す。
そしてびちょびちょと湿った水音を立てながら激しく腰を打ち付け始め、徐々に加速していく。
完全に逃げるには手遅れの詰んだ状況に持ち込まれて、ようやくシオリは察した。
「で、ですから、な、中に出しちゃったら、あ、赤ちゃんっ。子供が、できちゃうんですってば~っ!!」
シオリの必死の叫びにまるで興味がなさそうに腰を振り続けている騎士。
今の彼にとってはそんなことよりも、彼女の溶けてしまいそうなくらい熱くトロトロの膣内で陰茎を動かし一刻も早く射精をすることの方が大事だったようだ。
「……も、もう、知らないですからね……わ、私だって本当は…………本当は欲しいんだから」
もしかしたら自分の本当の気持ちを引き出すためにわざだったのだろうか?
膣内で入ってきた時よりもさらに大きく膨れ上がり、まさに爆発寸前のそれに観念すると同時に受け入れる覚悟を決めてしまう。
今まさに自分の膣内に射精しようとしている騎士の姿に「自分は必死に止めようとしたけど、騎士さんが止めてくれなかった」という言い訳ができてしまうと思いついてしまった以上、彼の精液を拒絶する理由がなくなってしまったのだ。
「――シオリちゃんっ!!」
自分の名前を呼びながら力強く抱きしめられた。
直後、受け入れていた陰茎が何度も激しく躍動するのと同時に熱い塊が自分の奥底に流し込まれていく感覚が伝わってきた。
(射精されちゃった……)
好きになった人の熱い精を奥深くに放たれている。シオリはその事実を受け入れると同時に、どこか充足感のようなものを得ていた。
膣内にある騎士の熱く固い陰茎の感触とは別の。そこから放出される、それ以上の熱さの塊のようなものをさらに上の方で感じる。
全身を燃え上がらせてしまうのではないかと思うくらいに熱いのだが、すっと自分の中に溶け込んでいくように感じられ、そこに違和感や嫌悪感といったものは一切なかった。
シオリは無意識に熱を感じる下腹部に手を当てると、内側にあるはずのその熱を感じ取れた気がしたのは果たして錯覚だったのだろうか?
(――って!? もしかして……で、デキちゃったんじゃ……っ!?)
たったの1回。それも正真正銘の初体験で。
(ううん。いくらなんでもこんな簡単にデキちゃうはずないよ。
……で、でもアタったら、直感的にわかる場合があるって本にも……)
偶然聞きかじった程度にも等しい、まるで根拠のない知識……というよりも、まさに雑学。
だが、再び腹部に当てていた手に意識を向ける――うん、やっぱり熱い。
実際に今こうして自分の胎内に予感めいたものを感じさせる現象が起きてしまっている以上、シオリにはそれを否定することができなかった。
(どうしよう……)
求められるままに応じ、最後の一線まで許してしまったのは、もちろん自分なりに覚悟を決めたつもりだったのだが……。
どうやらつもりだったらしい。はっきり言って、こんなにも早々と二人の愛の結晶化が起きてしまうなんて、完全に予想外だ。
かといって、後悔があるわけではない。それこそ始める前に感じた『今しかない』という想いがあったからこそ、今こうして彼と添い遂げることができたのだ。
もしかしたら、子供を作ることができるタイミングが『今しかない』と本能的に悟ったのだとしたら――うん。それなら成果として十分すぎるものだと思う。……多分。
腹部に感じる強い熱感に不安と混乱に頭をかき乱されながらも、なんとか自分の妊娠の可能性を肯定的に認めることができるようになってきた。
その直後、
「赤ちゃん、いないね」
騎士の口から自分の覚悟を全否定する言葉が放たれるのだった。
「え!? もしかして騎士さんわかるんですかっ!?」
まるで確信しているかのような彼からの言葉。正直妊娠していないのは残念だが、今デキてしまうよりはいいに決まっている。
「だってほらっ……いないよ?」
シオリの膣穴からずるりと陰茎を引き抜くと、逆流してきた精液が零れ落ちている膣口や下腹部周辺を見渡すが、それらしい姿はないと。
「……ぷっ。ふ、ふふっ。あはは。あ、当たり前じゃないですか。そんなすぐにできるわけないですよ。ふふっ」
自分にこれだけのことをしておきながら、相変わらず何も知らずに惚けたようなことを言う騎士に、シオリは堪えきれず笑い出してしまった。
こんな簡単に騎士の言葉を真に受けてしまうあたり、きっと自分の予感も全然当てにならない気がしてきた。
そう思いながら、シオリは騎士に『本当に作りたいと思った人としか絶対にしてはいけない』という約束をして赤ちゃんの作り方を教えてしまう。
「え、えっと……赤ちゃんの作り方はわかりましたよね?
そ、それで、その……私は騎士さんとの赤ちゃん、作っちゃっていいんですか?」
「シオリちゃんならいいお母さんになれるよ」
概ね予想通りの答えが返ってきたことに、シオリは安堵とともに少しだけズルいことをしてしまったという罪悪感を抱いた。
自分たちが今どれだけ大切な話をしていたかを、騎士はまだ理解し切れていなのはわかりきっていた。
そんな相手に言質を取るような真似をしてしまったのだ。
だが、たとえ騎士がそんな状況だろうと、彼自身の口から自分との子を望んでいるとはっきり言って欲しかったのだ。
そして実際にその言葉を聞いてしまった瞬間、最初の決意がぐらりと大きく揺らいでしまうのを感じた。
(……どうしよう。やっぱり私も、すごくズルくて悪い女だ……)
もしかしたらすでに彼と経験してしまった他の女性たちも同じ想いをしているのかもしれない。
もちろん彼自身が選んだ本当の恋人が目の前に現れてしまったら、その時は潔く身を引こう……。
だけど、騎士さんが恋人を作る『前』までなら――
「騎士さん。さっそく作りたい思いますので、良かったら、もっといっぱいシてもらってもいいでしょうか?」
シオリは体を起こし膝立ちになると、離れてしまった騎士にすっと身を寄せる。
膣口からさらに騎士の精液が零れてしまい少しもったいない気がしたが、大丈夫そうだと小さく頷いた。『ソコ』に視線を向けると、まだまだすごく元気そうだから。
シオリの視線に気づくと騎士は、まるで前にもこんなことがあったような……と既視感を覚え…………あ、と思い至る。
「……できるかぎりなら」
つい先日、自分の限界を知ったばかりの彼には、さすがにいくらでもしてあげるよ。とは言えなかったが、
そんな彼の姿にシオリはまだ見ぬライバルに思わず対抗心を燃やしてしまう。
騎士の両肩に手を添えると、さらに身を乗り出し位置を調整する。
未だに硬く反り返っている陰茎が宛がわれたのを確信すると、ぐっと腰を沈め飲み込み始めた。
(あぅ……やっぱり、まだキツいかも)
一度入れたのだからと思ったものの、やはり一度入れただけでは、まだまだ狭くキツすぎるのだろう。
騎士の能力のおかげで痛みがないとはいえ、やはり自分で強引に奥まで入れるにはまだ無意識の内に抵抗感や恐怖心が残っているのはしかたのないことだ。
どうやって入れようかと半ば責任感めいた想いで思索に耽っていたのだが――すでにシオリの味を知ってしまった騎士が黙っている理由などない。
「――ふあぁっぁぁぁあぁっんんっ!!」
不意に下から大きく突き上げられると、その勢いで一気にずぶりと奥深くまで飲み込んでしまった。
シオリが上手く入れることができず苦労してることに気づくこともなく、早く中に入りたいと言わんばかりに腰を突き出したのだ。
「――き、騎士さんっ。………………もうっ♪」
嬌声をあげてしまった恥ずかしさのあまり奇襲をしかけてきた騎士を叱責しようとしたが、再び自分の奥深くで厭らしく蠢く熱く固い感触に気づくと、自らも腰を振り始める。
元はといえば、一回目の時も騎士のおかげで最奥まで入れることができたのだから、今だって騎士に動いてもらう必要があり、
そして、自分たちは『愛し合って』いるのだから、怒る必要などどこにもないと気づいたのだった。
シオリは、羞恥心とはしたなさを感じながらも、騎士の精を絞り出し受け止める行為にひたすら没頭するのだった。
***
行為後も二人は一緒の布団の中にいた。当然このまま二人で一夜を過ごすつもりだろう。
「あうぅ……うぅ~~~~」
シオリがすでに何度目になるか分からない呻き声を上げた。
声を出したところでどうにもならないのは自身も理解しているが、それでも出てしまうのは仕方がなかった。
今更になって自分のあまりにも大胆な行為に耐え切れなくなってしまっていた。
清純でどこか儚げな少女にとって、密かな好意を抱いていた相手と二人きりで過ごす夜が、まさか自分が思い描いていた想像をはるかに超えた展開になるなんて予想できるわけがなかったのだ。
多少なりともイケナイ行為に興味も関心もあったが、本当にオトナになってしまうなんて思いもよらなかった。
もちろん行為そのものに対しての後悔があるわけではない。嬉しいに決まっている。
そして騎士に打ち込まれた数発分の精液が、行為の証として自分の胎内にしっかり残されていた。
「赤ちゃんできてるといいね」
「――――――っ!?」
そんな沸騰寸前の少女に追い打ちをかけると、そのまま彼女を抱き枕に、疲労し切った身体を休めるように穏やかな眠りに就くのだった。