少女の着ていた水兵服がするすると床に落ちていく。すでにフギンの脱衣を目にしていたトリガーにとってそれは驚くことではなかったが、ムニンのそれには強い背徳性を覚えてしまい、身体が硬直してしまう。
ムニンの身体は十歳のアルマ・ア・シラージのそれとほぼ等しい。顔つきも声も、体格も、それらが全てアルマそっくりに造形されていた。
そんなガイノイドが裸になればどうなるか。すなわち十歳という若すぎる少女の肢体が、あられもなくトリガーの前に晒されることになるのだ。
美しいとは思ったが、それに性的な感情を抱くかどうかは全く別だ。トリガーは顔を引きつらせる。自分はペドフィリアなどではない。大人の女を性的対象として見なす健全な成人男性だ。それなのに、こんな幼い姿をした少女に犯されようとしている。強い背徳感が胸中を満たした。
キャミソールとショーツだけになったムニンの姿は、フギンの下着姿と良く似ていた。しかし、同じ服装であるがゆえにその身体の幼さが強く現れていた。
フギンではキャミソールの布を押し上げていた胸も、ムニンにはない。腰の括れも無い。そのくせ、女性らしい丸みを帯びた体つきは下着越しに存在を主張している。幼くても、女であると声高に叫んでいる。
ムニンが流れるような手つきでキャミソールを脱ぎ捨てる。その下には、少しだけ発育の兆候を見せる乳房があった。小さいものの、フギンと同じくピンク色である乳首は上を向いていて、強い瑞々しさが感じられた。
続いて白のショーツを脱ぎ捨てるムニン。ふわりと床に落とされる飾り気の無い布地は、いかにも未成熟な子供のそれだった。
トリガーの前に、全裸の幼い少女が仁王立ちする。
「さっさとセックスして、射精させちゃおうか」
そう言ってトコトコとムニンが近づいてくる。コンセントからの充電を受けていた姿を見ていなければ、ただの少女として見ることもできたし「ふざけたことはやめろ」と一括することもトリガーにはできただろうが、二人との関わりはその選択肢を彼から奪いさっていた。
トリガーの太腿に跨がり、顔を近づけるムニン。完全な拘束を受けている上に、力で劣る彼に抗う術はない。トリガーがもがくこともできずにムニンの口付けを受けることになった。
今度は何が起きるか予測できていたので、目を瞑ってキスを受け入れるトリガー。幼くて小さい唇が自身の口を塞ぎ、舌が口をこじ開けてきて、彼の歯を緩やかになぞった。ディープキス。
拘束を受けているにも関わらず、ムニンのそれは暖かくて、優しくて、甘いように感じられた。幼い見た目によるもかもしれないとトリガーは思った。
「いっぱいキスすると、男の人は喜ぶんだってね」
少し口を離している間にイタズラっぽくムニンが呟く。反論でも時間稼ぎでも良いから口を開いて声を出そうとしたところでまた熱烈なキスがトリガーを襲う。
フギンからの強引な性的行為と、ムニンからの熱いキス。その双方の影響でトリガーの脳は軽い酸欠になり、判断力が徐々に鈍っていく。低酸素環境に慣れた戦闘機乗りでも、キスと性的興奮による酸欠には抗えなかった。
「一回出した後だと、やっぱり出力が低いね」
ムニンの手がトリガーの逸物を撫で回す。すでに一回の射精を経験していた彼の性器は、最大限のパフォーマンスを発揮できない状態にあった。
「ほらほら、がんばれがんばれ」
ムニンの右手が、彼の逸物を刺激する。人差し指と中指の間に挟み込んで、血流を促進するように根元から先端へと動かす。それを何度も繰り返す。その間にもムニンからのキスは止まなかった。
やがて、その刺激に触発されたかのごとく、トリガーの逸物は再び屹立することになった。
「やっぱり戦闘機パイロットの心肺機能は優秀だ。まだいけそう」
言うが早いか、体勢を変えたムニンは勃起したそれに小さな口でしゃぶりついた。幾度目かの快感にトリガーの口から熱い吐息が漏れた。
フギンより幼い身体付きのムニンでは、トリガーの逸物を全て咥え込むことはできそうになかった。その代わり、彼女は執拗なほどにその肉棒を舌で刺激した。
逸物の下側、すなわち尿道の膨らみの見える側を下から上へ、上から下へ舐め回す。亀頭との境ではさらなる快感を与えようと、周回するかのごとく舌を這わした。
右手では引き続き逸物全体を上下にしごき、左手はズボン越しに彼の陰嚢を擦っている。性的興奮に導こうとしたフギンのフェラチオとは違い、ムニンのそれは射精へと導かんとするものだとトリガーは勘づいていた。
「よせ、やめろ。ああ……!」
こんな幼い少女の姿をした相手に、フェラチオで射精させられようとするなんて。辛うじて残ったトリガーの理性が悲鳴をあげる。こんなこと、気持ち良いと思うなんて間違っている。
「トリガーいっちゃいそう?」上目遣いでムニンが聞いてくる。その間にも彼女の両手は刺激を止めない。「口に出しても良いんだけど、性器の方が空気に触れないから保存しやすいんだよね」
だからストップするね。とムニンの両手の動きが止まり、彼の性器から離れていく。トリガーは自身の荒い息を知覚し、罪悪感に蝕まれる。ロボットだと分かっていても、幼い子供の姿をしたそれを性的な対象として見てしまったことへの背徳感は強いものがあった。
「子供の姿だからって遠慮する必要は無いよ。この身体はセクサロイドなんだし。『こういうこと』をするために造られてるんだから」
そう言ってビクビクと脈動する逸物をペロリと舐めるムニン。その顔はアルマ・ア・シラージそのものなのに、見せる表情は信じられないほど淫猥で妖艶だ。年端もいかぬ少女であるがゆえの非現実感がそれを強調する。気を抜くとその美しさに魅了されてしまいそうになる。
「どこのバカだ、こんなロボットを造ったのは」再び現実から思考を逸らそうと悪態をつくトリガー。「よりにもよってシラージ姉妹の格好にするなんて」
「あなたがそうさせたのよ」
「俺が?」
意外な答えで急激に現実へと引き戻されるトリガー。ムニンもまた彼の反応が不可解だったのか、その顔をジッと見つめ返してきた。
「自分で言ってたじゃない。『顔も良いが、貴族の気品がある。思わず目線が引き付けられるタイプだ。いつか、二人とも口説く対象になるかもしれないな』って」
そう語るムニンの口調は──いや、その声色はマイクロフォンを通したようではあったが完全に男のもので、トリガー自身の声であった。録音された声。昨日、カウントと話していた何気ないやり取りが蘇る。
「あれを、聞いていたのか」
基地内には放送用の設備があちこちにある。電気信号を振動に変換するスピーカーは、振動を受けることで電気信号を取り出すことが原理的には可能だ。
普段はそんな逆向きの信号はノイズとして無視されるはずだが、この機械知性体達はそれを利用して盗聴していたのだ。やろうと思えば、その辺の誰かが持っていた無線機だって盗聴器にすることぐらいはできるだろう。
あの時点で、自分は見られていたのだ。その事実がトリガーの背筋を凍らせる。
「だから私達は、あなた好みの姿になったの。このセクサロイドが製造されていた工場のシステムを弄くって外見年齢を調整して、この格好に相応しい振る舞いができるよう、セクサロイドのアルゴリズムを選んだの」
そう言いながら、股を開いてトリガーにのしかかるムニン。彼女の秘所が露わになるが、そこにはまるで陰毛が生えていないし、それどころか恥丘の肉の盛り上がりもない。女性器の割れ目が正面からでも見え、そこからはすでに愛液で濡れていた。
ムニンは片手で自身の性器を広げ、真下にある逸物に狙いを定める。外見上は幼く未発達の性器に自分の性器が収まるとはトリガーには思えなかった。膣口ごと指で拡張された秘所からはポタポタと液体が滴っていく。
「そこまでして俺の遺伝子が欲しいのか」
「そりゃあそうだよ」
空いたもう片方の手でトリガーの逸物を誘導する。ぴったりと目的の場所にあてがわれると、ムニンは体重をかけて自身の胎内へとねじ込んでいく。呻くトリガー。
「人間なんて脆い有機知性体なのに私達に空戦で勝っちゃうなんて。よほど優秀な脳神経を持ってるんでしょ?」とムニン。明らかに過大すぎる男性器を受け入れようとしているのにも関わらず、ムニンの顔に苦悶の表情は見られない。
「でも脳を取り出したら人間は死んじゃうし、そしたら戦闘データをそれ以上抽出できない。だからセックスで遺伝情報を抽出する。あなたも快楽を得られるし、悪い話じゃない。ギブアンドテイクって言うんでしょ、こういうの」
フギンの時よりもさらに狭い膣がトリガーの逸物を締め付ける。それなのに膣壁全体がうねるように動いて、逸物を奥へ奥へと引っ張っていくために抵抗の度合いはそれほどでもなかった。
小さな身体に飲み込まれていく大きな男性器はひどくアンバランスであり「背徳」と形容するのがふさわしい光景だった。
「それともヨガった方が良いかな。できるよ。そのためのソフトウェアとハードウェアだもの」
痛がってるのと感じてるのどっちがいい? と少女は笑うが、トリガーに答える余裕はない。その間にも膣の奥へと男性器が呑まれていく。やがて幼い女性器と、男性器の根本が密着する。それと合わせてムニンはトリガーにキスをした。開いた口から舌が吸われ、彼女の口内で二つの舌が絡み合う。
「ねえ、どっちがいい。答えないなら感じる方にするよ」唇を離して挑発的にぐりぐりと腰をくねらせるムニン。「セックスって、男女双方が快感を得るためのツールでもあるんでしょ。気持ちよさそうな方がトリガーも脳の共感部位が刺激されるだろうし、その方が良いよね」
宣言と共にムニンの腰が上下に動く。最初はゆっくりと、それから少しずつ早くなっていく。膣壁がトリガーの男性器を強く締め付ける。
「んあ、ああ、おっきい……!」
腰の動きに合わせてムニンの口から快楽の嬌声が溢れ出す。彼女はトリガーの身体に寄り掛かって、その耳元で艶のある叫びを響かせた。それが作り物の声だとわかっているのに、雄としての本能は反応してしまう。
「あっ、あっ、あっ、うう、ああぁん!」
入り口近くまで引き抜かれたあと、すぐに奥までねじ込まれるトリガーの男性器。ほんのわずかに動くだけで背筋に甘い電流が走る。耳元で発せられる快楽の叫びと熱い吐息がそれを増幅させる。頭がくらくらする。
「ほら、もっと、気持ちよくなって……!」
互いの股が打ち付けられる音が室内に響く。腰を動かす少女の身体はほんのりと上気していて、汗ばんでいるようにも見えた。生の人間と行為をしているようにしか思えない。
「ああっ、うん、はぁっ、イキそう……!」
ムニンの身体がビクビクと震える。それと同時に膣壁のうねりと締め付けが増大する。聞こえる水音が大きくなる。トリガーは押し寄せる快感に我慢できなかった。
「う、ぐ……!」
呻きと共に二度目の射精が行われる。吐き出された精子は濃度も量も少なかったが、その熱量と勢いは一度目にも劣らなかった。燃えるように熱いその体液はムニンの胎の中に吸い込まれていく。
一通り出し尽くすと、はあ、はあ、と二人分の荒い呼吸音がトリガーの頭に響いた。
「ふう……ご苦労様」
労うようなキスが頬に落とされる。トリガーは何も言えなかった。拘束された上で二回も性行為を強要された彼はぐったりと椅子に体重を預けるしかない。
「ほらトリガー、もう少しシャッキリしなきゃ」
耳元でムニンが囁く。無理だ、と声に出さず返答するが、視界の端ではすでにフギンが準備万端といった風に立っていた。
「まだまだ、セックスはこれからなんだからさ」
そうして柔らかい接吻が唇に落とされる。太腿から降りるムニンと入れ替わるようにフギンがトリガーの股ぐらに顔を埋める。
「サンプルは多ければ多いほど良い」力を失いつつあるトリガーの逸物に舌を這わせながらフギン。「男性の射精における世界記録は七時間で二十八回だそうですから、まだまだ行けるでしょう」
頑張ってくださいね、と優しい笑みを浮かべるフギン。しかしその笑顔はトリガーにとって無慈悲なものに感じられた。
助けてくれ、と力なく呟く声に答える者は、いなかった。