カズマが勇者してる
「いらっしゃいませー!」
酒場の少し露出の多い制服を着て注文の品をテーブルに運ぶ。
うーん、なんでスカートこんなに短いし胸元がすごくあいているんだろう。
凄く、すごく恥ずかしい。
「アクアちゃん、休憩入っていいよー」
「はい、ではまた少し失礼しますね」
「彼氏さんとゆっくりしてきていいからねー」
「で、ですからカズマさんは彼氏ではなくってっ!」
職場の同僚の冗談を受けながら少し大きめのバスケットを持ち酒場を出る。
向かうところはカズマさんが働いている外壁作業場。近くに来ると親方さんが出迎えてくれた。
「おうっ、アクアの嬢ちゃん。カズマならそこで待ってるぜ」
「今日もお邪魔させていただきます」
「おっ、アクア。今日もありがとう」
「はい、お待たせしました」
休憩所につくとカズマさんがお茶を用意して待ってくれていたので近くに座る
お腹の鳴るカズマさんに笑いかけながらバスケットからサンドイッチを取り出す。
体力仕事のためボリュームのある大きなお肉を挟んだお腹にたまるものである。
「おっ、新入り。今日も彼女の弁当か?」
「か、彼女ではなくてですね!私はカズマさんの仲間というか!」
そんなこんなで仕事を始めて2ヶ月
ようやく資金がたまったので装備を整え冒険へと向かうことにしたのだ。
仕事をやめるときにとても引き留められましたが時々手伝うのでと言ったらしぶしぶ許してくれました。
「よしっ、と中々様になってるんじゃないか」
「はいっ、とてもお似合いですよ」
俺は急所を守る胸当てやローブのような防具を身にまとい腰にはショートソードを差している。ロングソードもいいかと思ったけどこちらの方が軽くて扱いやすかったのだ。服装はジャージだけどまぁ仕方がない
「それにしてもアクアはそれでよかったのか?」
装備は俺にお金をかけたからアクアの装備はないようなものなのだが、どうやらアクアが今着ている服が魔力補助などついているらしく無理に装備を変えるよりもこのままが良いとのこと
武器はロングボウ、元々あるスキルの補助によりこういうのが使いやすいらしい。
そして胸当て…なのだが
「なぁアクア?なんで胸当てを買ったんだ?防具は必要ないとか言っていたが」
「えっあっ…そ、その…」
そういうとアクアはその並みよりは大きい胸を押さえて赤面をして恥ずかしがる
「そ…その…胸当てをしないと…弓を使うときに…胸が…」
「えっ…あっ…そ、その…すまん」
ごめんね童貞だし弓道の経験ないから知らなかったわ!!!!
二人で赤面しながら俺達はクエストの目的地に向かった。
「ああああああああああ!!! 助けてくれアクアああああああああ!」
「ま、待ってください!《パワード》!…伏せてください!」
巨大なカエル、ジャイアントトードに追われているカズマは急いで逃げながらもアクアの射線に誘導する
そしてアクアの声と共に大きく横っ飛びで逃げると同時にアクアが矢を飛ばす。
支援魔法により強化された矢はかすかな衝撃波を生み出しながらジャイアントトードの頭部を貫く。
頭部を貫かれたジャイアントトードは地面に伏せる。どうやら倒すことが出来たようだ。
「やったやりましたよカズマさん!次は動きを鈍くしてみますのでカズマさんも倒してみまぷぎゅっ」
「アクアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!???」
後ろに迫っていたジャイアントトードに気づかなかったアクアは食われてしまい、カズマはショートソードを抜いてジャイアントトードに向かって走り出した。
「うぅっ…気持ち悪いです…」
「今日はもう帰ろうか…クエストは三日もあるし。仲間を募ったほうが良いかもしれない」
「そうですね…今日はもうお風呂に入りたいです…」
涙目の私を引き連れ大衆浴場へと向かい、汚れを落とした後に酒場へと向かう
倒したカエル2体の引き取り価格は一体5000エリス、カズマさんの土木作業の給料と同じらしいです。
それにしてもこのカエルのから揚げ少し硬いですけどおいしいですね…
「それにしても駆け出しでろくに装備も整っていない俺達に仲間になってくれるやつとかいるのか?」
「うーん、私の職業のアークプリーストですが。回復支援でとても高い性能を誇るんですよ。回復職が少ないので必要性は高いと思うんです」
「でも俺と同じような下級職が来てもなぁ…」
「ではいっそのこと上級職限定と書いてみますか?」
私は募集の紙に「上級職のみ募集しています」と書いてみる
カズマさんは来るのか…?というもっともなツッコミをするがお試しですよと言って張り出してみる。
今日はもう来ないだろうしということで馬小屋に行き、今日のところは休むことにした。
馬小屋にて就寝しようとして少し経った頃、俺は目を覚ます。
今日のクエストで少し昂っていたみたいだ、それもそうかなと自分で納得する。
自分より大きな生き物を自分で殺したのだ。本来なら吐いてもおかしくない、転生すると少しそういうのは抑えられるんだろうか
と薄目を開けると視界の端に淡い光が見えたので視線を向ける。
するとアクアが窓から見える月に向かい、両手を胸に当て祈りのようなものを捧げていた。
淡い青の光がアクアの体をわずかに光らせており、こういうのを見るとアクアが女神だったことを再認識する。
普段のアクアは良くも悪くも普通の女の子といった感じであり、今日唐揚げを頬張る彼女は年下にも見えた。
「(でもなんというか…アクアに向かって性欲はわかないんだよなぁ…)」
神聖が強すぎるというか綺麗すぎて汚せないというか…
というか何をしているのだろう…見た目は神に祈りをささげるようなポーズだが…
「……よしっと…あら?カズマさん、起こしてしまいましたか?」
「ん?あぁ、なんとなく寝付けなくなっただけだ。ところで何をしていたんだ?」
「えっと…私の教徒に神託を…」
神託…神のお告げみたいなやつだったか…そういえばアクシズ教っていうのがいるんだったな。
周りからの評判は散々だったけど最近はなんか少しずつましになってるとか聞いたような…
「もしかして最近アクシズ教がまともになってきたのは」
「えっと…話を聞くとちょっとあれでしたので…」
話を聞くと定期的に神託を行っているらしい、熱心だな。
俺は明日も早いし早めに寝たほうが良いぞと言って毛布をかぶりなおす。
俺は今日アクアが食われたことを思い出す。
俺も…少しは強くなった方がいいかもしれないな…
少し駆け足気味になりました。
めぐみんは次回だ…
よく考えたけどこれダグネス味方になるかなこれ