執筆が中々進まず……、やっとこさです。
今回は、前半ギーシュが3Pされたような描写だけと、後半は、ワルドとの手合わせ。
アルビオンとは、空に浮かぶ浮遊大陸だった。
アスタルテがモンモランシーから聞いて始めて知ったことだ。
この時期に、トリステインに最も近づき、浮遊する魔法の船で航行が可能になるのだとか。
どうりで港町だというのに、船がなく、水辺が無いと思ったとアスタルテは納得した。
「とことんまで魔法に染まった社会なのですわね。」
「当たり前ですわ。」
「当たり前では無い世界も存在しますのよ? わたくしがかつていた世界がそうでした。」
「っ、そうでした、申し訳ありません。」
「謝らなくてもいいのです、モンモランシーさん。わたくしが無知なのがいけないのですから。」
「いいえ! いいえ! そんな!」
「……すっかり腰巾着ね。」
キュルケが、小馬鹿にしたようにフッと笑う。
モンモランシーは、キッとキュルケを睨むが、アスタルテが落ち着くよう肩を叩いた。
「ですが、アスタルテ様!」
「お気持ちは嬉しいですわ。ですが、わたくし達の仕事、そして騒ぎとなればいくら貴族の子といえど……。」
「あっ…。も…申し訳ありませんでした…。」
青ざめたモンモランシーが、アスタルテに跪き深く頭を下げて謝罪した。
そこへ、ルイズとワルドが帰ってきた。彼女達は、アルビオンヘの船を予約しに行ったのだ。
「アルビオンへの出航は、明後日になるそうだ。」
「先を急ぐのに…。」
「仕方ないさ。落ち着くんだ、ルイズ。」
「…うん。」
「あらあら…、可愛い顔をして。」
「ちょっ…、なによ?」
「今のルイズさん、とても可愛らしいですわよ? ああ…、とても美味しそう…。」
「ひっ…。」
美味しそうと言われ、妖艶に笑われて、チロッと赤い舌先を出したそのアスタルテの顔を見て青ざめたルイズは、咄嗟にワルドの後ろに隠れた。
「あの…ルイズになにをされたのだ?」
「とてもとても気持ちの良いことですわ。」
「っ…。」
そう言われてルイズは、反射的にボンッと赤面した。
これは…、この場では聞いちゃいけないことだとワルドは瞬時に判断し口をつぐんだ。
「さて、明後日とはいえ、英気を養いましょう。ここは宿でしたわよね? ルイズさん、今夜も…。」
「い、いや…ワルドと一緒の部屋にするわ!」
「あら?」
「ああ、ちょうどいい。僕もそう思ってたところなんだ。」
「まあ! ルイズさんたら! 婚姻前でオトメ(処女)を捧げるのですか!?」
「ち、ちがうわーーー!!」
キャアキャアっとはしゃぐアスタルテに、ルイズは真っ赤かな顔で全力否定したのだった。
ワルドは、アスタルテの本性的なモノを感じて、眉間を指で押さえていた。
結局、アスタルテは、モンモランシー(と猫ギーシュ)と同じ部屋になった。
ギーシュは、アスタルテと同室になると聞いて、ニギャー!ギャー!っと泣き叫んだ。
「モンモランシーさん、今夜は三人で楽しみましょうね?」
「はい…!」
欲望で目をギラギラとさせたモンモランシーがそう返事をした。
「……私も混じろうかしら…。」
「止めた方が良い。」
キュルケが興味深そうに呟いていたので、タバサがやんわりと止めたのだった。
***
そして部屋に入った二人と一匹は、さっそくとベットに猫ギーシュを放った。
ギーシュは、すぐ逃げようとしたが、絡みついてきた変幻自在のアスタルテの髪の毛が逃走を阻む。
ギーシュの体が半獣の姿に変じた。
「な、なんで…こんな姿…。」
「まあ、ギーシュったら、可愛いわ。」
「も、モンモランシー…、た、頼む…やめてくれ…、浮気をした僕が悪いんだ…。いくらでも謝る…、だから頼むからやめてくれ…!」
「いや~よ。こんな気持ちの良いこと覚えちゃったら…、もう戻れないわ…。」
「モンモランシー!」
すでに人を辞めてもいいと言わんばかりのモンモランシーに、ギーシュは絶望する。
「さあ、ギーシュ君、楽しみましょう。」
「ギーシュ。気持ちよくさせてね。」
「うわああああああああああ!!」
ギーシュの絶望の悲鳴は、アスタルテの髪の毛によって作り出される暗闇の空間に飲まれたのだった。
***
翌朝、ワルドがアスタルテとモンモランシーの部屋を訪ねた。
「あら、ワルドさん。どうしましたの?」
「早朝から起こしてすまない。………お楽しみ…だったのか?」
「まあ…、そこそこ。」
黒いドレス姿ではなく、シーツで体を巻いているアスタルテの妖艶な姿にワルドは、息を呑みかけた。
モンモランシーの方を見れば、毛布の隙間から裸であることを匂わせる素足を出していて、スヤスヤと寝ている。その傍らには、ぐったりとしている金色の猫…。
「それで? なにか御用で?」
「……ここではなんだ、外に行ってから話さないか?」
「よろしいですわよ。では、着替えますので。」
「ああ。」
「…ルイズさんとは?」
「いや…、そういう意味で同室になったわけでは…。」
「あら? お堅いのですわね。」
「婚姻前でそのようなことをしたら…、ヴァリエール公爵に殺されかねない。」
「まあ。」
あら、意外ねっとばかりにアスタルテは、わざとらしく手で口を押さえ、部屋の奥に行き、シーツを取り去って着替えを始めたため、ワルドは慌てて戸を閉めて外に出た。
そして着替え終えたアスタルテが部屋から出てきて、ワルドを先頭にして歩きながら話をした。
「それで? わたくしになにか御用で?」
「……貴女の正体を見極めたい。」
「あら? ルイズさんから聞かなかったのですか?」
「にわかに信じられなくてな。……悪魔だとは。」
「それで? わたくしを殺そうと?」
「違う。悪魔とは言え、貴女はルイズの使い魔だ。だが、ルイズに害をなすのなら僕は……。」
「わたくしは、ルイズさんにお力の象徴になろうと思っていましてよ?」
「象徴?」
「ルイズさんがどのような目で周りから見られているかご存じでしょう? この社会では、メイジの実力は使い魔を見よという言葉があると聞いていますわ。だからこそ、わたくしが、ルイズさんの力が強大であることを示す象徴となろうと思いまして。」
「なるほど。」
「納得がいかないと? わたくしがそこまで強いとは思えないと?」
「いや…そういうわけでは…。」
「だからこそ、確かめたいのでしょう? わたくしの力を。」
「これでも一応、トリステイン王家に仕える身……、相手の力量は測れる目はあると思っているつもりだが。」
「ふふふ…。わたくし、あなたの力がどれほどなのか知りたいですわ。」
「それは…、ルイズにふさわしいかどうかということか?」
「そうですわ。婚姻を交わす身……、つまりはその間に結ばれた末の子を成す関係。力無き者では、ルイズさんの素質の受け皿にはふさわしくありませんわ。」
「貴女は、どこまでルイズのことを?」
「伝説の系統である可能性がある、という可能性を感じていますわ。」
「そうか…。」
「ちょっ、ワルド?」
「あら、ルイズさん。おはようございます。」
「あ、アスタルテ! どういうつもり、ワルド!」
「少し腕試しをするだけさ。」
「そういうことですわ。ルイズさん、ジャッジ。」
「えっ、ちょっ…。」
ワルドが杖を抜き、アスタルテは、デルフリンガーを抜いた。
ほどよく距離を取り、試合が始まる。
ワルドがエアハンマーを放つと、アスタルテが髪とドレスをフワリッと舞わせるように回避し、踊るようにデルフリンガーを振るった。
エアニードルをまとわせた杖でその剣戟を防ぐワルドに、ニッコリと笑ったアスタルテが、文字通り舞い踊るように凄まじい攻撃を繰り出す。
「さすがですわね。ヴィヴィ以来ですわ。これだけの実力者に出会えたのは。」
「それは、光栄だ。」
「ですが、もう十分ですわね。」
「僕は、ルイズにふさわしかったかい?」
「ええ。たいしたものですわ。きっと素晴らしい子が産まれるでしょうね。」
「それはよかった。」
「ちょ、ちょっとぉ!? なにを話してるわけ!?」
「ルイズさん、あなたの子供が楽しみですわ。」
「何言ってんのよー!!」
ルイズは、真っ赤かなって、絶叫したのだった。
R18作品なのに、全然R18描写が書けない……。
これじゃあ、形ばかりのR18だわ…。
さーて、ワルドは、一応婚約者として認められたけど……?
裏切ってからのお仕置きはどうしてやろうかな~?