ルイズとのベロチューあります、注意。
夢を見た。
『お前を食べるためだよ。』
狼はそう言った。
すると、赤い頭巾を被った少女は言った。
『ええ、しってるわ。はじめからわかっていたわ。
わたしは、あなたにたべられたいんだもの。
だからよりみちまでしてさそったのに、あなた、おくびょうだから。
おおかみさん。
さあ、
わ た し を た べ て。』
夢はそこで終わった。
「…はっ!」
ルイズは、目を覚ました。
ルイズは、びっちょりと汗をかいていた。
そして身動きがあまり取れないことに気づいた。
スースー…っと、静かな他人の寝息が聞こえる。
甘い…酔ってしまいそうな香りがする。
「あ…。」
アスタルテだ。
ルイズを抱きしめて眠っている。
ルイズは、凄まじい勢いで昨日のことを思い出した。
アスタルテに、女性器を舐められた…。
「ああああああああああ!」
「…ルイズさ…ん?」
「は、離して!」
「うーん…、もうちょっと寝かせて…。」
「いやぁ!」
アスタルテの細腕からは想像も出来ない力である。さすが悪魔。
やがてアスタルテは、暴れるルイズによって目を覚まし、ルイズを離した。ルイズは、離された瞬間ベットから転がり落ちた。
「いっ…つ…。」
「だいじょうぶ?」
「や…、やだやだやだ!」
アスタルテがベットの上からのぞき込むように見てきたため、ビクッと震えたルイズが壁際に逃れ身体を丸めた。
アスタルテは、困ったように微笑む。
「そんな初々しい反応をされますと…、もっと意地悪しちゃいたくなりますわ。」
「ひっ…。」
「冗談ですわ。」
「…もう!」
からかわれたのだと理解したルイズは、怒った。
「なんであんなことしたのよ!」
「性交はもっとも簡単な儀式なのですわ。ほんの少し唾液ですが、確実に貴女の身にはなったと思いますわよ。」
「わ、私は…ただ…。」
「魔法が使いたいのでしょう? 聞きましたわ。だからこそ、力を制御する力が必要だと思いましたの。」
「どういうこと?」
「貴女には、力がある。それは紛れもない事実。ですが、その力はまだ目覚めていない。ならば、その力を制御できれば良いのでは?」
アスタルテがベットに座った。
「わたくしは、まだ貴女の魔法を見たことがありませんが…、爆発と言うぐらいですから相当な殺傷力はおありじゃないですか?」
「ひ、人に向けたことは…。」
「あら? ありませんの? では、想像してみてはいかが? 爆発巻き込まれる、貴女を蔑ろにしてきた者達の姿を。」
「っ…。」
アスタルテの微笑みと声は、甘い。まるで目と耳を通って全身に染み渡るような毒のような甘さがある。
導かれるままルイズは、想像してしまう。自分が起こす失敗の魔法の爆発に巻き込まれ、死傷するであろう、自分を馬鹿にしてきた者達の姿を。そして自分の足下に汚い血を撒き散らして転がるのだ。それを想像しただけで、心臓がドクリッと震える気がした。
「正直ね。」
「う…、ぁ…。わ、私は、そんなこと…。」
ハッとしたルイズは、そんな想像を振り払うように首を振った。
「嘘を言ってはいけませんわ。心臓が震えたでしょう? 楽しくて。」
「ぁ…。」
アスタルテがベットから降り、床を四つん這いではい、ルイズに猫のように近づいた。
息がかかるほど顔が近づき、ルイズは、逃げ場を失う。
「自分のお気持ちに正直なりなさいな。自分を閉じ込めていては、その力もただの宝の持ち腐れですわよ?」
「いや…、私…そんなこと…そんなことのために魔法を使いたくない…。」
「なら、どうして先ほど、それもいいかも…なーんて、顔したのかしら?」
「そんな顔…。っ!」
してないと、言いかけた言葉は、アスタルテの唇によって封じられた。
両手で顔を固定され、言葉を放とうとして開いていた口の中に遠慮なくアスタルテの舌が入って来た。
んー、むーっとルイズは、力の限り暴れる。アスタルテの舌を噛もうともしたが、巧みに舌を絡められ、歯を、上顎の裏から下顎までじっくりと舐められた。
呼吸もままならず、やがてルイズの抵抗が弱くなっていく。
どれくらい時間が経っただろう…。やがて部屋のドアが外からノックされた。
『ルイズー。早く起きないと遅刻するわよー?』
「……それは困るかしら?」
「ぷはっ…。」
その声を聞いてアスタルテがやっとルイズを解放した。解放されたルイズは、顔を真っ赤にして呆けた。
「美味しかったわ。貴女の魔力。」
「ふ、ふざけないで!」
グシグシと乱暴に唾液まみれになった口を拭い、ルイズはキッとアスタルテを睨んだ。
「これだけの濃い魔力をため込んじゃって…。今にも爆発しちゃいそう。」
「うるさい!」
「それより学校はいいのですか?」
「ぁ…。行かなきゃ…。」
「下着も忘れずにね。」
「っ!」
そうだった。下はすっぽんぽんだったことを今更思い出したのだった。
***
ルイズは、大慌てで着替えると、アスタルテを連れて、アルヴィーズの食堂に向かった。
「朝ごはん?」
「…そうよ。」
後ろでクスクスと笑っている気配を感じながら、ルイズは、ムスッとした顔で早足で歩いていた。しかしアスタルテは、決して遅れずついてくる。意地悪で途中で立ち止まってみても、こけることなくピタッと止まり、再び歩き出せば絶妙な距離を保ってついてくる。
やがて食堂に到着して入る。
急いで自分の席に向かうが、その途中、アスタルテの存在に気づいた生徒達が、皆アスタルテに注目していた。
多くの者達が、その美しさと高貴な雰囲気にほれぼれとしたような声を漏らしたり、見惚れていたりしていた。
ルイズは、その視線を感じながら今すぐに、コイツ(アスタルテ)は悪魔だと声を大にして叫びたかった。しかし、オスマンから公にすることを禁止されているため言えない。
後ろを振り向くと、アスタルテが立ち止まる。太陽の明かりが差し込む食堂内でも、人ならざるアスタルテの美しさはひとつも損なわれない。黒い髪も、同じ色のドレスも、闇の暗さこそお似合いそうだが、太陽の下でも、これはこれで良い。本当に、悪魔なのか?って思ってしまうほどだ。
ああ、なんて背徳的な美しさなのだろう! そんな美しい存在に自分は…。
「ルイズさん?」
「…ぁ、なんでもない!」
「?」
思わずアスタルテに見惚れてしまったルイズは、慌てて背中を向けてズカズカと自分の席に行った。
「ミス・アスタルテ様。」
「なぁに?」
すると、そこへ一人のメイドがやってきた。
「学院長より命を賜り、身の回りのお世話をすることとなりました、メイドのシエスタと申します。」
「まあ、学院長さんったら。」
「今日からよろしくお願いします。」
「…よろしくお願いしますわ。」
もらっておけるモノは遠慮無くもらっておこうと思ったアスタルテは、頭を深く下げてくるメイドにそう言ったのだった。
「椅子を持って参ります。少々お待ちを。」
「助かるわ。」
シエスタが、やがて椅子を一つ持ってきて、アスタルテが座れるよう引いた。
アスタルテが席に着くと、間もなく彼女のためにあらかじめ用意されていた朝食が運ばれてきた。
ナプキンを膝にかけてもらい、飲み物を注いでもらいながら、アスタルテは、優雅に食事を摂った。その美しさたるや…、食事中の者達が思わず見とれてしまい、食事の手が止まり、だらしなく口に運ぼうとした食事を落とすほどだった。ただ食べているだけだというのになんという美しさ! 人間の王族の者でもこうはいくまい!
「…ごちそうさま。あら、ルイズさん、食べなかったのですか?」
「えっ、あ…。」
「食欲が無いの?」
「だ、誰のせいで…。」
「無理をしてはいけませんわ。」
「っ…。だから…。」
「それより、授業は? もう他の方々は行かれたみたいですわよ?」
「あっ!」
ハッとして周りを見ると、ほとんどの生徒達がいなくなっていた。
ルイズは、ほとんど食べ残してアスタルテをつれて急いで教室に向かったのだった。
***
「まあ。」
アスタルテは、教室には行ってまず目に入った、様々な使い魔達の姿を見て、感激したように声を漏らした。
「あの…使い魔は、後ろなの…。」
「分かったわ。」
ルイズに言われるまま教室の後ろの使い魔達が集まっているところへ行く。アスタルテが来ると、使い魔達は、まるで操られたように道を空け、アスタルテが立てる空間を作った。
それを見ていた生徒達がざわつく。
曰わく、本当に使い魔にしてしまったのか。
曰わく、あの方はどこの姫様なんだとか。
曰わく、ゼロのルイズにいいようにされて可哀想に…っとも。
そんなデカいひそひそ話は、しっかりとルイズとアスタルテの耳に届いていた。
ルイズは、身を小さくして耐え、アスタルテは、ほうっ…と、呆れたように片手を頬に添えてため息を吐いた。
やがて授業が始まる。
女性教員、シュヴルーズによる挨拶に始まり、無事に進級試験を終えた生徒達を労う言葉を語った。
「中には…、とても高貴な方をお呼びになった方もいらっしゃるわね。」
「おーい、ゼロのルイズ! どこからお姫様をさらってきたんだよ!」
「下手すると国際問題だぜ!?」
「そ、そんなこと言われたって…。」
「ご安心を。」
すると、アスタルテがよく通る声で言った。
「わたくしの国は…、もう…ありませんから。」
アスタルテは、両手を組んで儚げな笑みを浮かべてそう言った。
まさか…っと、生徒達は思った。
亡国の姫君。そんな言葉が脳裏を過ぎる。
別の意味でざわつきだす生徒達を、シュヴルーズが叱って黙らせた。
そして授業がやっと始まる。
アスタルテは、授業の内容に耳を傾けた。
この世界は、どうやら魔法主義社会であり、その魔法を使える者達をメイジといい、そして彼らが支配階級にあるのだと理解した。
そして、さらにメイジもその力量によって階級があり、ドット、ライン、スクウェア…、使える属性の数で決まるらしい。自分に合った属性は、生まれ持った素質によるのだろう。
ならば…っと、アスタルテは、ルイズの後ろ姿を見た。
彼女はどうなるのだろうっと。
やがて、シュヴルーズが教卓に置いた石に錬金という魔法を施せとルイズを名指しした。
途端、教室内がざわっ!となる。
赤毛の妖艶な少女が、それだけはやめて…っと言っているのが聞こえた。
どうやらルイズの爆発の魔法は、相当なようだ。
アスタルテは、ワクワクしながらルイズの魔法を待った。
そして……、錬金と唱えた途端、大爆発が起こった。
教室内に爆風とすすけた煙が舞う。使い魔達は右往左往、生徒達も大パニック。
「ちょ、ちょっと失敗しちゃったみたい。」
「なにが、ちょっとだよ!」
「何を唱えても爆発ばっか、これだからゼロのルイズは!」
っと、ケホッと煙を吐いて髪の毛も服もすすけてしまった生徒達が口々に文句を言う。
「素晴らしいわ…!」
そんな中、アスタルテだけが恍惚の顔でルイズを見つめていた。
その声に、生徒達が耳を疑い、アスタルテを見る。
「皆様…、ゼロゼロ…と、ルイズさんを蔑むようですが。よ~くお考えくださいな。自分があの教卓の上の小石のように錬金をされて、この教室内をこのような有様にするほど力で爆発される光景を!」
両腕を広げて、周りを見ろと大げさに示すアスタルテ。
それを聞いて生徒達は、ゾッとした。
ただ爆発するからと、それは失敗だと疎んできたが、その爆発が自分達に向けられたらどうなるかなど、まったく念頭に入れていなかったのだ。
教卓を見れば、教卓は木っ端微塵。その上にあった小石なんて影も形も無い。
生徒達は、初めて、自分達が蔑んできた相手の恐ろしさを理解した。
「夜道には…、お気を付けなさい、ね?」
アスタルテの笑う気配と、声が耳に響き、背筋が震え上がった。
それは…、すなわち、復讐されるフラグなのではっと思って恐怖した、今日までルイズをゼロと蔑んでいた生徒の何人かがルイズに直接謝り倒しに行ったのは別の話である。
ギーシュは、次回かな?
猫化フラグ。
アスタルテモードだけど、殺されはしません!
あと、シエスタがオスマンの命でアスタルテ専属のメイドになってますが、捏造ですので。学院の平民達の間では、恐らく学院の客として高貴な呼ばれた存在として説明されているかも。どう見ても平民じゃないしな……。
アスタルテが、自分の国(※魔界)は、もうないということにしていますが、自分が追放された時点で自分の支配からは外れたのでそういうことにしました。