前回の最後からちょっと前……具体的には一期のスタートからです。
赤と黒で構成された、異次元の物体が夜中の公園に突如出現する。
その物体は内側から弾け飛ぶようにして消え、中から二人の人型が出て来た。
「今度はどんな世界なのやら」
「今度こそ、魔術がない世界だといいわね」
一人は高校生程度の見た目の少年。その隣に立つのはこの世のものとは思えないほどの美貌を持った幼き少女。連夜とイリヤ。かつての聖杯戦争終了後から平行世界の旅を続ける二人だった。
「……無理っぽいな」
言葉を口にして、願いを確かめたところでそう呟いて、泥の斬撃を茂みに繰り出す。
気がついたのは魔力反応。
それを感知したところに向けて、自分たちを見た者を抹殺するために放たれた泥の斬撃は、一般の魔術師では決して耐えきれないような重さの一撃。
「へぇ……」
だからこそ、それに耐えた何者かは興味を引いた。
姿を見せたその少女、その姿を知っているけど見たことがない、見たことがあるけど見たことがない。
そんな、特殊すぎる状況にある連夜は彼女の存在を見て、この世界が自分の知る世界であることを理解した。
「あら、カレイドステッキじゃない」
そして同時に、耐えられた理由をイリヤは看破する。その手に持った青いステッキ。それが耐えられた理由であるカレイドステッキと呼ばれる魔術礼装であると。
「確か第二魔法関係だっけ」
「ええ、そうよ」
そのステッキを持つ少女は動けない。
眼前の二人が何者なのか、それを理解できない恐怖から動けない。
背中を見せたら最後、何をされるのかわからないという自分の命の保護を目的とするから動けない。
「なら、捕まえとくか」
「……っ!」
その言葉を聞いてとっさに少女は動く。
黒と紫を基調とした、スクール水着のような衣装と二の腕から先を覆う長手袋と膝丈をわずかに超えるニーソックス。
白いマントを翻しながら動いたことでその衣装がどういったものなのか気がつき、うわっと変態を見るような表情になる二人。
「
宣言とともに振られたステッキの先から放たれたのは高密度の圧縮された魔力弾。
対魔力を抜いて、英霊もどきを倒すためには十分な性能を持つそれを、影から這い出た泥が防ぐ。
それを確認するよりも早く、少女は逃げようとしてーーー
「逃すと思うか?」
ドロリ、と周囲一帯、公園の全てが泥に包まれていたことに気がついた。
夜の暗黒に紛れた泥。魔術師であれば気がつくであろう反応に、二人はわずかに焦り、そしてそれよりも早く逃げられないことを悟った少女の方が焦りを顔に出す。
「まあ、いいや。お前らは捕まって、俺のものになるのさ」
「あっ……やっ……っ!」
『美遊様……っ!』
急速に泥の圧殺空間が縮んでいく。
少女を中心にして縮まり、何が起きるのかわからないが嫌な予感がする少女は抗うために魔力弾を連続して放ち続ける。
「そんなものに意味があると思うか?」
けれどそれらは泥を揺らすことすらなく。
「おっ……ごぼっ……かはっ……!」
口、耳、鼻、女性器、お尻、あらゆる穴という穴から泥が入り込むまでの時間に一切の影響を与えることはなかった。
「お前もだ、カレイドステッキ」
『なっ、これは……っ!』
それに合わせて、手に持っていたカレイドステッキも泥を受ける。
平行世界への穴を開いて泥を逃がそうとするカレイドステッキは、いきなりの事態のパニックからそこでようやく立ち直り、直後その泥にも第二魔法が関係していることに気がついて驚愕の声をあげた。
数秒、それだけの時間が過ぎ去るとともに、その肉の器は泥に汚され、少女の形を保ったままながらも連夜の下僕と化す少女。
少女の先ほどまでとの違いはただ見ただけではわからない。けれど確かに魔術的な観点を持って見れば、その少女の先ほどまでとの違いは一目瞭然だった。
「お前がこのカレイドステッキを手にしたのはどういう理由からだ?」
「わかりません……サファイアが私にマスターになってほしいと、そう言って……」
先ほどまでと同じ瞳のまま、けれど連夜に対する嫌悪感など一切を捨て去り、むしろ忠誠心に挿げ替えられたかのような少女。
それは、サファイアと呼称されたステッキも同じだった。
『私は、前マスターに貸し与えられ、その前マスターが役割を果たさずに私闘に使おうとしたために逃げ出してきました』
「役割っていうのは?」
『この街に散らばるクラスカードの回収です』
「ふーん……私闘ってことは二人いるのか?」
『はい。私と姉さん、カレイドルビーがこの任務に際して貸し与えられています』
「そっか……なら、お前らはカレイドサファイアを探しにくるであろうその前任者の指示に一旦従え」
『「了解しました」』
「いいの、御主人様?」
イリヤが尋ねてくるが、無論連夜にもこんな命令を出した理由はある。
元から知っていた内容もあって、確認したことはイリヤも、連夜が知っていておかしくはない、と判断するためのポーズ。
ただ、それを語るつもりはないし、語る内容にしても、さすがにそろそろ移動したほうがいいだろう、と促した。
展開してからわずかな時間、それも夜に展開したのだから泥はそこまで目立たなかっただろうが、それでも魔術師ならば魔力の反応があったということはわかる。
つまり、その前任者がやってくるのは時間の問題と言えた。
「帰りは、俺たちの泥の反応を追ってこい。魔力は潰しておいても同類だからわかるだろ」
「はい、わかりました」
「ついでに、俺たちのことは口にするなよ」
コクリと頷いた少女を見て、気配を殺してから公園を出る。
その少女、美遊の元に、サファイアの前マスターであるルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトがやってきたのは数分後のことだった。
「それで、なんであんなことを命令したの?」
この世界の間桐の屋敷を奪い取り、イリヤとともにリビングにて美遊の帰りを連夜が待っていると、アナルにて連夜の逸物の猛りを受け止めながらもイリヤが疑問を呈する。
溢れる熱い吐息は、幾度しても慣れぬ愛する男のペニスが与える快楽によるものか。腰の動きを止めることなく、少女の瞳は期待と疑問に濡れていた。
「この世界がどういう世界なのか確かめるためだ」
そこに、精液を叩き込みながら連夜は口にする。少女が精液の奔流によって絶頂していることなど関係ないと言わんばかりに疑問に答える。これで聞き取れなかったとしても、誘ってきたイリヤが悪いと特に悪びれることもなく口にするだろう。
「はぁ……でも、魔術があるなら、とっとと出て行っても問題ないんじゃない……?」
絶頂の波が収まり、熱い息をこぼしたところで、再度疑問を口にするイリヤ。ごぼり、とアナルに収まりきらなかった精液に対して勿体無いという視線を送りながらの言葉。
「これからもまだ旅が続きそうだから、大聖杯にいったんの魔力補給と、それとカレイドステッキから第二魔法についての情報を抜き出すためだよ」
「ああ、だからサファイアとあの子を前任者につかせるのね」
「もう一人いるであろうカレイドの所持者を確かめるためにな」
別にカレイドがもう一人いるとわかっているわけではない。
役割という言葉と私闘というワードからして、誰かもう一人以上はカレイドの所持者がいるのだろうというだけのこと。
少しでも第二魔法についての情報が欲しい。
たったそれだけのために、すでにアンリマユに精神を犯された彼女を遣わせた。
「ただいま戻りました」
そんな会話をしていると、話題の人物が帰ってきた。
その服装は、出会った時の露出の多い魔法少女の服装ではなく、けれどカレイドステッキが引き出した魔力で編まれた、見た目普通の服装だった。
「おかえり、それじゃあお前のことを聞かせてもらえるか? ……まずは名前から。両親がいるならちゃんと返してやらないと騒ぎになるからな。その場合は色々と明日から作業開始だ」
「はい」
そうして語られるのは、本来であれば少女が永遠に隠していたであろう事実。
平行世界の聖杯戦争にて勝利した兄が、彼女という聖杯を使って願ったのは彼女の幸せ。
この世界にたどり着いた直後に連夜たちに出会い、今こうしているのだということだった。
「あ、あはははっ!」
それを聞いて連夜から笑いが漏れた。
聖杯、聖杯だと。
その言葉に嘘はない。
そもそも現代の魔術師ではたとえアンリマユに気がつけたとしても解呪などできるはずもない。
つまりそれは、彼女が真に聖杯であるという事実。
それを裏付けるようにして、その言葉を聞いてから探っていたイリヤも頷いた。
カレイドステッキがなくとも、彼女の聖杯としての機能を復活させることに成功すれば、その時点で自分たちの願いは叶うのだと。
これ以上あてのない旅を続けなくてもいいのだと、その事実が、連夜の哄笑を誘った。
「そういうことなら簡単だ」
美遊を指差す。
その瞳は希望と野望にギラついて、また新たに女の体を陵辱せしめることに対する仄暗い愉悦も燃えていた。
「お前には、これから聖杯としての機能を取り戻してもらう」
蟲で犯し、大聖杯の欠片を埋め込み、彼女自身の聖杯としての力を活発化させる。
そんな宣言にも関わらず、サーヴァントを黒化させる泥の弱体化したものにより、少女の思考は彼らに近いものに染め上げられているために、その小学生を犯し尽くすという悪性に対しての忌避はない。
むしろ、自分がその悪性に携わることを考えて仄かに頬を染める始末。
「うん、そうだな。とりあえず魔法少女衣装のお前を犯すか」
「……はい」
しゅるりとカレイドサファイアによって構成されていた服が立ち消え、そのまま最初に出会った時のスクール水着のような、腕や足が隠されて露出が少なくなったはずなのに妙に性欲を刺激する魔法少女衣装に変わる。
「あら、御主人様そういうの興味あるの?」
イリヤは性行為の疲労からか体を連夜に預けて、けれど瞳はからかうように。
そういったコスプレした相手を犯すことに趣味があるのかと問いかける。
「まあ、あるぞ。魔法少女なんて物語で言えば”正義”の象徴みたいなもんだ。それを犯すのは楽しみでしょうがない」
それに対して連夜も特に隠すこともなく。
その言葉を聞いて何かを考え始めるイリヤは、けれど連夜の気には止まらない。
「さあ、行こうか美遊」
「はい」
間桐の地下室。
この世界において間桐連夜という人物は存在せず、だからこそ存在する工房も間桐臓硯がいた時のものだけ。
時間はそこまで多くなかったために用意できた代物は元世界の連夜の工房に比べて劣るが、それでも女体を犯すことに関して言えばなんら問題はない。
そこに、未だ体が出来上がってすらいない少女を招き入れた。
こっちはそこまで長くならない予定。