※この作品はR-18です。

間桐家の長男君   作:ぴんころ

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おかしい……少しは綺麗なワカメくんに反応があると思ったのに……


二月三日 朝

「さてと、今から戦力の補充だ。”ついてこい”」

 

 着替えさせ、朝食を食べさせた後、その言葉を命令として発して、工房の方へと向かう。後ろからついてくるイリヤスフィールは最初に会った時の挨拶のような見た目不相応な挙動はなく、桜が昔着ていた白のワンピースに身を包んだまま沈黙している。これからすることを思うと、服など着せる必要もなかったのだろうが、さすがに家の中とはいえ全裸の幼女を連れたまま歩く度胸はなかった。

 

「ねえ」

 

 俺の工房が存在する地下空間。そこに降りる階段を歩きながら、イリヤスフィールは声をかけてくる。振り向くと不安と疑問が半々、と言ったところか。この先に何が待ち受けているのかわからずに不安を感じ、そしてそれから逃れることもできないことにも不安を感じ、そして魔術師的な観点から見て簡単に行える「戦力の補充」なんてものに対しての疑問を抱く。

 

「この先の空間で何をするの?」

 

「戦力の補充、って言ったはずだけど」

 

「だからそれよ。その内容を聞きたいの」

 

 私は協力させられる側なんだから聞いてもいいでしょ、なんていうイリヤスフィール。話をしてもただ相手を恐怖させるだけにしかならないことだが。……ああ、そうだ。確かにイリヤスフィールになら教えてもいいかもしれない。俺が尊敬と八つ当たり気味な憎悪を抱く相手。それとは同一でありながらも別人なのだろうが、その少女がこれから行われる行為によってどう歪むのか。仄暗い興味が湧いてきた。

 

「イリヤスフィール」

 

「何よ」

 

「お前、間桐の魔術に関してどれくらい知ってる?」

 

「どういう意味よ」

 

「言葉通りの意味だよ。……いいから”答えろ”」

 

 命令として放たれたそれを、意味がわからないと疑問を顔に出しながらも特に気にすることではないのでイリヤスフィールは口にする。

 

「間桐のそれは”支配”でしょ? 英霊召喚における『聖杯を手に入れるために命令に従う』っていう条件があったとはいえ、サーヴァントシステムや令呪なんてものを作り出したんだから」

 

「他には?」

 

「あとは……貴方が使ってたみたいに蟲の使役? これも使い魔……支配の魔術の恩恵なんだろうけど、それでも支配単体よりも攻撃力はあるわよね。……それぐらいかしら」

 

「うん、まあそうだな」

 

 求める答えには未だたどり着かないが、そもそもが魔術師とは自らの魔術を秘匿するもの。その状況下ながら初回の聖杯戦争から参加していたホムンクルスの記憶を聖杯の器という視点から見て、間桐の魔術師が使っていた魔術の共通点を、間違っているかもしれないとは思わずにはっきりと口にできることは尊敬すべきところだ。

 

「知っての通り、俺の基本的な戦闘……攻撃手段はお前の鳥に撃ち落とされた蟲なわけだけど。あの魔術的な蟲たちを作成する手段っていうのはそう難しいものじゃない」

 

 間桐の魔術特性である「吸収」で、何かを吸わせながら成長させることで這蟲(はむし)が成長した後の種類、というか属性をある程度操作することは可能。例えば防御術式を吸収させたなら、防御に秀でた蟲になるだろうし、火属性の術式を食わせたら火に耐性を持ち炎を吐く蟲になるはずだ。実際のところ火の術式に関しては属性的な観点から苦手とするので、吸収させられた試しがない。

 

「なら、私が魔術を食べさせればいいわけ?」

 

 そこまで説明すると、イリヤスフィールはそんな疑問を呈してくる。それを工房の中、いくつかある湖の中でも以前アヴェンジャーを招いたのとは真逆の方向に存在する、以前のそれと同規模の、この工房内の湖では中規模の湖へと連れて行きながらも、首を振る。

 

「いいや、お前にやってもらうことはもっと簡単なことだ」

 

 前回のそれとは逆に流体である水の圧力、それを一箇所に集中させることでロックを解除して、湖の真下に存在する、さらなる地下空間へとイリヤスフィールを招きいれながらも説明を続ける。

 

 魔術的な代物であろうと蟲は蟲。つまりは質ではなく量を増やす場合に行われるのは産卵。その母体が魔力に満ち溢れているならば、生まれてきた子供の質も高くなるはずだ、と。つまりはそういうこと。

 

「お前には、ここで蟲に犯されて、蟲を産み続ける母体になってもらう」

 

 臓硯の蟲蔵よりも小規模ながら、確実に蟲蔵として機能する代物。そこにイリヤスフィールが降り立つと同時にそれを告げ、その言葉に一瞬呆気にとられながらも激昂しようとした彼女に喋るなと命令を下す。

 

「”お前はここで、俺が帰ってくるまで戦力補充、並びに強化のために蟲に犯され続けろ”」

 

 命令として下された言葉。それによって彼女の肉体が強制的にこの部屋に縛られる。内側から開ける場合にのみ使用できる仕掛けに近づくことは許されなくなったイリヤスフィールは、自分が受けることになるであろう仕打ちを夢想したのか、涙ながらにいやいやと首を振るが命令の撤回はしない。

 

「俺が部屋から出たら、喋ってもいいぞ」

 

 ここで罵詈雑言を聞くつもりはない。だから部屋から出るまでの言語を発することを禁止として、俺は出口に近づいて行く。イリヤスフィールに対する所業は人でなしの部類に入るが、魔術師としてはそこまでおかしなことをしているつもりはない。そこに個人的な八つ当たりがないかと言われればあると答えるが。それでも魔術師として、勝ちの目を大きくするための行動である以上は間違いではないつもりだ。……ああ、こういうのがアヴェンジャーが今朝言っていたことか。

 

 このイリヤスフィールはこの世界の”魔術師”イリヤスフィール・フォン・アインツベルンであって、俺が尊敬と八つ当たりの憎悪を抱く”魔法少女”イリヤスフィール・フォン・アインツベルンではない。だから、この行為は八つ当たりの八つ当たり。「お前あいつに顔が似ているからムカつく」みたいな代物でしかない。

 

 それでも、たとえ同一の別人でありながらも、”イリヤスフィール”という少女が蟲に犯され心砕ける様を見てみたいと思う。きっと、この命令はそういう代物。

 

「ああ、そうだ」

 

 パチン、と掲げた左手で指を鳴らすとどこにいたのか十メートル四方の角、隙間ない天井から大量の蟲が部屋の中に這い出てくる。そのことを確認して外に出ようとして一度止まり、そこで蟲に犯されるという事実に怯えながら、それでも心まで渡すつもりはないとこちらを睨むイリヤスフィールを振り返って告げる。

 

「一応、蟲たちに犯されたら間桐の母体としても調整されるから。あるいは自分から犯されにいけば、間桐の母体として、次の代の子供を産むためにこの部屋から出られるかもしれないぞ?」

 

 その言葉が終わると同時、逃げることを許されないイリヤスフィールに殺到する蟲たちの気配を背後に感じながら、部屋の外に出た。

 

 

 

 

 

 この部屋に、レンヤの命令によって集まった無数の蟲たち。レンヤが部屋を出たのと同時に、その蟲たちは私の体に群がってきた。

 

「このっ……灰は灰に(来ないで)……!」

 

 レンヤがいなくなったことで喋れるようになった私は、魔術回路を起動してこの蟲たちを蹴散らすための術式に魔力を流し込もうとしたところで、自己強制証文によって縛られた私の行動が魔術回路をストップさせる。その隙に足元まで群がってきて、そのまま足を登ろうとする蟲たち。それを、魔術が使えないなら、と手ではたき落とそうとすると、またもや自己強制証文によって急激に力を失って、上半身を前に倒した状態で力を失ったことでバランスを崩し、そのまま倒れふすことになった。

 

「いやっ……!」

 

 叫ぶが、蟲たちが話を聞くはずがない。私が倒れこんだ空間に向かって全速前進。私の目から見れば、蟲による津波が発生しているような錯覚を覚えた。

 

「ぎっ、あ……っ!」

 

 昨日と同じく一切の愛撫もなく、ワンピースの内側にもぐりこんだ陰茎の形をした巨大な蟲が下着の中にまで入り込み、ぬめぬめとした気持ち悪い物体が、私の内へとその体を侵入させた。口に入り込もうとする蟲は、手で口元を覆うことで入る隙間を失ったが、指の隙間にまで生暖かい体液を塗りたくられて怖気が走る。

 

 今もなお増え続ける蟲たちは、すでにこの空間を所狭しと飛び回り、蟲風呂と呼ぶに相応しい空間を構成する。地面はすでに見えない。見えるのはてらてらと光を反射する不気味な液体を体表面に塗りたくったレンヤの蟲たちだけ。

 

 私の胎内に潜り込むその動きはまるで狡猾な蛇のようで。どことなく間桐の家の当主たる臓硯をも想起させた。

 

 昨日、処女を失ったばかりの私の肉体は、その動きに対応できるはずもなく、激痛に苛まれながら己の女性としての尊厳を陵辱する蟲たちの感触をはっきりと感じ取るだけ。

 

 痛い。痛い。痛い。中で暴れ狂うそれは、見た目は硬く、性的興奮を催した時の陰茎ながらも蛇蝎のごとき動きで体内を蹂躙し、その不快感を痛みで上書きしていく。

 

「あ……っ! むぐ……っ!」

 

 体内を突き進む蟲が、我が物顔で私の肉体を苗床として造り変えようとしている事実に怖気が走る。できないとわかっていてもその蟲を取り除こうとしてしまい、入りきっていない部分を手で引っ張ろうとして、失敗する。しかも、そのために手を外したことで口元を守るものがなくなり、蟲が飛び込んでくる。

 

 それも一匹や二匹では済まない数。ワンピースの中に入り込み体表面に粘液を塗りたくっていた蟲たちも幾体か首元から出てきて侵入を試みている。一匹目が入り込もうとするタイミングで二匹目が入り込み、そのまま続々と無数の蟲が入り込んだ。口の中いっぱいに広がる蟲の生暖かな体温。そして同時にぬめぬめとした感触も広がって吐き気を催さずにはいられないが、死ぬことを許されないために蟲によって口の中を埋め尽くされた状態で気道をふさぐような真似はできず、結果として吐き気をこらえ続ける時間が続く。

 

 けれど蟲はそんなことに構うことなく、自分の仲間で圧迫されている私の口内を好き勝手に暴れまわる。歯の隅から隅へと粘液が塗りたくられ、舌は、その上を転がる蟲が分泌している液体から臭う形容しがたい何かによって麻痺していく。口の中を作り変えられるような違和感。自分の口であるはずなのに、蟲にとってもっとも都合のいい空間に作り変えられているような感覚にさえ陥ってしまう。

 

 その違和感のせいで、気がつくのに遅れた。

 

「ん、んん……っ!?」

 

 私の下着に潜り込んだ蟲たち。それが、女性器だけではなくお尻の穴に亀頭に似た部位をぐいぐいと押し付けていることに。何をされるのか理解して、血の気が引く。そこまで犯されては、もう二度とまともな日常生活を送れるような気がしない。

 

「んぅ、んんんんん……っ!!」

 

 けれどそれはすでに遅く、それに気がついた一瞬の後には私のお尻の中は蟲によって蹂躙を許してしまった。

 

 普通に生きていては絶対にありえぬ部位への侵入。その事実がどうしようもなく、私はすでにマスターでも衛宮切嗣への復讐者でもなく、ただ間桐の未来のために犯されるだけの苗床なのだと理解させられて。

 

 そして、ここから本当の地獄を味わうことになった。




ようやく蟲姦にたどり着いた。これを書きたかったんだよ……! 次回も蟲姦パートの続きからじゃ
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