1しか知らない男が2の世界へ来てしまいフレンズに求められまくるお話(完結) 作:らんどまーく
1「1人とじっくりエッチ」
2「沢山ヤれ」
で殆ど票数が同じ(若干2が多いけど)でどうしようかなって(白目)
まあとにかく色んなフレンズと交尾できるように頑張ります、でもちょっとは本筋も進められるように頑張ります(頑張ります)
海辺の施設にて3人のフレンズと交尾に勤しんでしまったその日の夕方。
イルカの水中交尾から解放された俺は体についたべたべたや海水をシャワールームで落としてから作業に取りかかっていた。
ざばざばざば……ごしごしごし……
ピットの洗浄スペースでざばざばとトラクターに水をかける俺。ホースの水圧がそこまで高くないのでスポンジやブラシを使いながらの洗車である。
「高圧洗浄機でやりたいよなあ……」
やたら長いノズルから帯状に吹き出すあの水流が恋しい。
高級車やらこだわりのコーティングが施された車両ならそれでもいいのだろうが生憎とこちらは泥んこ万歳作業用車両だ。
ごしごしごし……
ちょっと、いや、かなり面倒になってきた。水を止めて軽く肩を回す。
「ご主人~!」
ピットの出入り口から元気なイエイヌの声が。振り向くとだぼだぼの「じゃぱりまりん」とプリントされたお土産のシャツに袖を通した彼女がそこに居た。
無限体力な彼女も連続中出し交尾によってへこへこの腰砕け状態になっていたのだが、ものの数時間で全快したようである。とてとてと裸足のまま駆け寄ってくる。
「やあイエイヌ。もうすっかり元気かい」
「はい! ちょっとだけ疲れましたけど今はすごく調子がいいんですよ!」
あれでちょっとて。自力で立てない彼女をシャワールームに抱えて連れて行ったぐらいなのだが。まあこうしてぴんぴんしているし問題ないのだろう。
「それはいいね。そういえばイルカさんとアシカさんはどうしてるかな?」
「『疲れたからはんぶんねます』って2人ともおっしゃってましたよ」
「半分……? ああはい、そういうことか」
たしか動物のイルカは脳の半分を眠った状態にできるとか何とか聞いたことがある。アシカもそうだとして彼女達は今頃水の上でぷかぷかと浮かびながら睡眠を取っているのだろうか。
……フレンズの姿でやってると傍から見たら水死体に見えそうで怖い。
「ご主人はまださぎょーです? わたしに手伝えることがあればぜひ命令してくださいね!」
「じゃあ1個お願いしてもいいです?」
「もちろんです! なんでも言ってください!」
「ちょっとお耳を拝借……」
ちょいちょいと手招きして小声である「お願い」をする。
「分かりました!」
大きく頷いたイエイヌは素早くピットの隅に走って行く。そちらにはちょうどメンテナンス用のコンテナが置かれた死角が存在する。
イエイヌの体がコンテナの影に消え尻尾だけがふりふりと動く。そしてすぐに、
「あっ、いましたー!」
元気な声と共にイエイヌが戻ってくる。彼女の胸に抱かれているのは――
「ボス」
青く丸っこい体につぶらな瞳。いつもじゃぱりまんを恵んでくれるありがたいラッキービースト。
「このラッキーさん、あそこで何をしてたんでしょうね?」
洗車をしている俺を見ていた。
昼間に立ち入り禁止区域に入った時のボスの反応がずっと頭に残っていた。思う所あって車体を掃除するフリをしながら周囲を伺っていたのだが、その時に一瞬コンテナの影にあの特徴的な耳がのぞいたような気がしたのだ。
イエイヌに確認してもらったのは彼女の足ならボスが逃げる前に見つけてくれると考えたから。
「……彼も寝てたのかもなあ。ありがとうイエイヌ。もう放してあげて」
「はい!」
地面に下ろされたボスは何事もなかったかのようにピットから出て行った。
相変わらずの無言であったが……今は少し不気味さを感じてしまう。まるで監視されているような気がする。
「ご主人、他には何かありますか?」
いつもと変わらないイエイヌの声で落ち着きを取り戻す。
考えても仕方のないことだ。それに少々自意識過剰かもしれない。変な野郎が勝手にピットを使っていればそりゃ監視もしたくなるだろう。警告されないだけ有情であると考えるべきだ。
「じゃあ一緒にトラクターを拭いてくれます?」
「りょーかいです!」
イエイヌに雑巾を渡しながらボスのことは一旦忘れることにした。誰かが俺を遠くから見ているとしても、この旅の目的が達成されれば自ずと答えが出るような気がしていたのだ。
イエイヌが手伝ってくれたおかげでトラクターの洗車はスムーズに終了した。その後は特にやることもなく、俺はイエイヌと共に施設の中をのんびりと散策をすることに。ふらふらと施設内を探検し、最後に屋上のテラスに足を運んだ。
「ふわぁ~、おつきさまが綺麗ですね!」
「本当に綺麗だねえ……」
夜の帳が降りた直後の宵闇だった。上弦の月を見上げたイエイヌの金と青の瞳が輝き、野生のオオカミが佇んでいる情景が脳裏に浮かぶ。
視線を戻せば温かな月明りが寄せて引く波間を照らし、少し不安を抱かせる海原の黒がどこまでも広がっているような錯覚を覚える。
「ご主人。これって何でしょう?」
「うん? お、それは」
イエイヌが何かを抱えて駆け寄ってきた。ひょうたんのようなくびれから真っ直ぐな板が1本伸びているような形。
「ギターだ……どこにあったのこれ?」
人には馴染み深い楽器だ。イエイヌが持っているのは正確には本体を保護するギターケース。潮風が当たっていたのか少し表面がざらついていた。
「あそこの椅子の下ですよ」
イエイヌが指し示すのはテラスの一番端、屋根が途切れていて月明りが差し込んでいるテーブルの辺り。
誰かの忘れ物だろうか。ケースの蓋を開けると中には木目のボディを持つギターが収められていた。密閉されていたからか、それとも持ち主の整備がよく行き届いていたのかケース表面と違い劣化は見受けられない。
ぱっと見でも高価なギターだと分かる。コンコンとボディをノックすると深みのある木の反響が返ってきた。
「不思議な形ですね……これはいったいなんで――」
じゃーん。
「わぁっ!」
「あっごめん」
軽く弦を弾くと傍で見ていたイエイヌがびっくりして飛び退いた。耳がいい彼女にはいきなり過ぎたようである。申し訳ない。
「だ、大丈夫です。これって不思議な音が出るんですね」
「不思議なだけじゃないんだよ。演奏してみるからちょっと聞いてみて」
「えんそー?」
俺は椅子に腰かけ、軽く試し弾きをしてからタブ譜を丸暗記している曲を奏で始める。
た、たーん、た、たっ、たーん……
その曲の出だしはホルンの音が特徴的なあの曲。
――ようこそジャパリパークへ――
「わああ……!」
指が覚え込んだあの音色が潮の音に混じり出す。
耳に染みる弦の音。やはりとても大事にされていたギターなのだということが分かる。
元の持ち主もここに座ってフレンズ相手に何か弾いていたのだろうか。誠に申し訳ないが今はこんにゃく野郎のやたら硬い指が弾いております。許して。
それにしてもとても心地良いメロディーだ。ちょっとと言わずかなり手が忙しいがそれでも弾いていて楽しくなる曲である。
「アシカちゃんこっちだよ、あの曲が聞こえてくるのは!」
「ええ。ミレンさんがぺぱぷの曲を……歌っている、のでしょうか?」
2番に差し掛かったところでイルカとアシカが現れた。2人とも興味津々な様子で近寄ってきてイエイヌとあいさつを交わす。
「こんばんはイルカさん、アシカさん。今、ご主人がぎたーでえんそーをしているんですよ!」
「へえーよく分かんないけどすごい! ミレンさんはえんそー? がとってもじょうずなんだね!」
「聞いているだけでなんだか楽しくなってきます♪」
リズムに乗って体を揺らす3人。楽しんでもらえているようで何より。
「けものですもの♪」
「おおめにみててね♪」
口ずさむ歌声に合わせながら、育ちの国ではこうしてギターを弾けるか、古い携帯パズルゲームが上手いかであれば他人からの尊敬を集められたことを思い出した。
「みんなじゆうに生きているー♪」
あれも悪くはなかったが……こうしてフレンズの目の前で披露できるというのは得難い幸福を感じる。それが大好きなアニメのオープニングテーマであれば尚更だ。
じゃんじゃかじゃんじゃかじゃんじゃかじゃんじゃか……
やがて台詞パートも終わり最後のサビが近づいて来た。俺は夢中になって目を輝かせる3人のフレンズに笑いかけた。
「一緒にー」
「「「ららららー♪ ららららー♪」」」
静かな海辺の夜、楽し気なフレンズ達の歌声が染み渡った。
そして次の日の朝早く。
俺とイエイヌはじゃんぐるちほーを目指すためにうみべちほーから出立しようとしていた。
「もう行っちゃうんだね……もっと一緒に楽しいことしたかったなあ」
さんさんと朝日を受けて輝く海を背にするイルカとアシカに見送りをしてもらっている。イルカは特に名残惜しそうにしていて、彼女が俺に向ける視線にはどこかむらむらとした熱がこもっているのが分かる。
エッチなのが悪いとは思わない。むしろ健康な成人男性としては相当に好ましい性質ではあるが……こう、明らかに年下の健気な少女(フレンズだが)にそういう見方をされるとムズムズするというか。大っぴらにOKという訳にはいかないのが現代社会で成型された男の一般的な姿勢だろう。……そろそろ現代社会から離れ過ぎて消滅しそうではあるが。
「おふたりとも、またぜひお会いしましょうね」
アシカは穏やかに微笑みを浮かべて言った。
「もちろん会いに来ますよ。また素敵なパフォーマンスを見せてくださいね」
「わたしも見たいです!」
「もちろんです。イルカさん、おふたりが喜んでもらえるようもっと練習を重ねましょう!」
「う、うん! そうだねアシカちゃん!」
2人は頷き合い、健全な意気込みに満ちた様子でこちらに笑みを浮かべてくれる。
「今度は一緒に『ショー』をやってみたいな!」
「そうですね。大勢の観客の前の方が楽しいでしょうし……もっともっと練習をしなきゃですね、イルカさん」
ジャパリマリン、イルカ&アシカショー……確かに楽しそうだ。
「その時はミレンさんもぎたーでえんそーして欲しいな♪ 音に合わせて私とアシカちゃんが飛んで跳ねて躍るの!」
「素晴らしいアイデアだと思います!」
「ご主人! やりましょう!」
「ちょっと落ち着いてください皆さん」
3人共興奮しすぎである。
「うみが見えなくなっちゃいましたね……」
「また会いに行こうねー」
海の青が大地の起伏に隠れてしまって少し経ち、客車からずっと後ろを見つめ続けていたイエイヌが残念そうな声を漏らした。
かくいう俺もあの綺麗な風景、そしてイルカとアシカのペアとはもう少し時間を共に過ごしていたかったとも思う。しかし目的を先に済ませたいと思う気持ちの方が強くなっていたのだ。
それと彼女達が波間を延々とジャンプして別れを惜しんでいた姿は嬉しく思う反面、あまりにアクロバティックだったので体を痛めたりしてはいないかと少し心配になった。空中で何回転してたんだろうか、あれ。高速スピンとかそういう次元だったぞ。
「ご主人。あれ! あれって何でしょう!?」
あれというと今度はどれでしょう。ふとイエイヌが進行方向の上空を指して叫んだのだ。
つられて見上げると無骨な直線の橋脚、そしてその上を走る人工の道が前方の景色を上下に分割しているような光景が現れた。
「高速道路……? いや、モノレールの路線か」
「ものれーる?」
「あの上の道に沿って動く乗り物があるんだ。決まった場所に行くのには速くて便利なんだよ」
「ほええ〜」
指でなぞるようにして示しながら説明するがイエイヌはその構造物の機能がよく分かっていないようであった。
トラクターはゆっくりと橋脚の下をくぐる。運転席に影が被さり、見上げると相当な高さにあるレール部がやけに遠く感じられた。
「モノレールか……なかったよな……」
ひと際目立つランドマークである虹色の塔、人工的な要素の強いこのモノレールの路線。その他の施設にアニメ未登場のフレンズの数々と。
そしてかばんちゃんのこと。彼女の存在は確かなのにも関わらず出会うフレンズに聞けば「よく知らない」という返答が多い。おっかけ的な動機で始めたこの旅も最初の予想と違いそれなりの道程と密度になっている。
もしかしなくともここはキョウシュウではない別のエリアなのだろうか? 今のところ既知のフレンズで出会ったのはマーゲイだけ。彼女とぺパプのメンバーも海を渡ってアイドル活動中なのだろうか?
色々と疑問はあるが、それに答えてくれそうなのはやはり目的の人物であるというのが俺の楽観的な予想である。もしも彼女に会えなかったらその時は――
「なんでしょうご主人?」
「いや、イエイヌが元気かなと思って」
「わたしはご主人と一緒ならいつでも元気です!」
大事なお供たるイエイヌがばたばたと尻尾を振って満面喜色の笑顔を返してくる。
――この子と一緒にパーク巡りができればそれでいい。
俺もはにかみを返して、それからタブレットに表示された地図を見下ろした。
じゃんぐるちほーまで残すところ数ブロック。
この先はまた少し標高が上がり森林地帯が広がる。その後は小さな平野と峠を越えれば目的地だ。
次は意味深な鳥さんたちです