1しか知らない男が2の世界へ来てしまいフレンズに求められまくるお話(完結) 作:らんどまーく
「ねえミレン。あの子達に任せて大丈夫なの?」
窓の方に視線を送ったのはチーターだ。
俺はタブレットから一旦顔を上げ、胡散臭げなものを見るような彼女の横顔に苦笑を浮かべた。
「大丈夫でしょ。滅茶苦茶頑丈な保護ケースに入ってたから。それにオオセンザンコウさんとオオアルマジロさんは夜が得意らしいし、かばんさんの研究所の場所も知ってる。ま、何かあれば巡回しているラッキーさんに手助けしてもらうさ」
イエイヌの家で発見された四神の石板……それをダブルスフィア、探偵コンビのフレンズ達に託した。行き先はかばんさんの研究所。
デバイスに登録されていない物品は使用できないとラッキーに指示された為、機材の揃っている研究所にて四神の検査と登録をしてもらうのだ。
既にかばんさんにも通信で伝達済み。一晩で終わらせる、と興奮気味で語っていた声がまだ耳に残っている。
後ろでサーバルのうみゃうみゃ言う声もしており、向こうの賑やかさはやたらと際立っていた。
「ご主人、そろそろお休みになった方が……」
「イエイヌの言う通りよ。ミレンだって夜行性じゃないでしょ」
イエイヌはタブレットを操作する俺の服の袖を控え目に引っ張り、チーターはさして爪が伸びているわけでもないのに手の平で俺の肩を叩く。
「先に寝てていいよ。俺はまだやらなきゃいけないことが残って──」
「いい加減にしなさいよ!」
痛い。チーターの爪が肩に食い込み反射的に見上げると、視界一杯に切れ長の瞳をつり上げた彼女の顔があった。
「また会えたと思ったらそんな顔ばかり! ずっと冷たい目をして、ずっと苦しそうにして……戻ってよ。元のミレンに戻ってよぉ……!」
そんな顔、とはなんだ。
冷たい目?
苦しい?
残念ながらこれが元々だ。
冷たい世界で火を焚き続けることなどできやしない。
「チーターさん……」
泣きながら俺の胸に額をぶつけるチーター。そんな彼女を抑えようとするイエイヌもまた泣いている。
温かい場所をくれた彼女達が、泣いている。
「なんで2人して泣いてる」
俺が泣かせているのだ。
こんなことが許されるのか?
自分が許せるか?
「3人ですよ、ご主人」
「3人?」
「だって……ご主人も泣いてるじゃないですか」
言われて初めて自分の頬を伝うものに気が付いた。
イエイヌと共にチーターもこちらを見上げ、無理矢理勝ち誇ったような笑顔を作る。
「ほら……ひっく、見なさいよ。辛いから、苦しいから……ぐすっ、泣くんでしょ。かばんさんと同じよ」
「いいや、辛くはないんだ」
笑顔はまた泣き顔に、隣のイエイヌも瞳に大粒の涙を浮かべ、縋るような目線を向ける。
俺は何も考えず、心のどこかからか湧いた感情を口にした。
「嬉しい。君達がそうやって想ってくれることが、ただ嬉しいのさ」
感極まった声を上げて俺の胸に飛び込んだ2人のぬくもりを感じつつ、俺はゆっくりと目を閉じた。
「ミレンっ♡ ミレンっ♡」
感極まるというか快楽極まるというか。その声は俺の股の上で髪を振り乱しながら跳ねるチーターのもの。
俺はベッドのヘッドボードに上半身をもたれさせ、殆ど全裸のチーターの痴態を眺める。
「すきっ♡ ミレンだいすきっ♡ にゃあぁっ♡」
目はハートマーク、よだれを垂らす表情は完全にメスのそれ。グローブを着けたままの手は招き猫のようなポーズ。
スレンダーな彼女の胸から腹にかけてのラインは暖色のランプに照らされ、てらてらと汗で輝いている。
「んっ♡ は♡ すきっ♡ 私達を、ぉっ♡ だいじにしてくれる、あなたがっ♡」
俺のペニスを咥え込んだ膣穴は熱く、狭い。ちなみに挿入から3分と経っていないはずだがもう殆どフィニッシュに近いピストン運動である。
「あのさぁ……」
「んっ、ふぅ、あんっ♡ な、なぁに?」
下半身の快感と冷静さを保つ思考とのせめぎ合いから呆れ声を導けば、快感を受け入れ更に高めようとするチーターの甘ったるい声が降ってくる。
「いや、別に」
さっきの流れでなぜ交尾に走るのか全く謎だ。そのまま添い寝かと思えば突然俺をベッドに押し倒すのだからたまったものではない。
休めだの何だの言ったのは誰だと。
「ご主人♡」
「分かってる、忘れてないから」
まあいいか。
俺は面倒な思考を放棄し、甘えた声を出してしなだれるイエイヌの頬に手を添え、艶のある唇に吸い付いた。
「んちゅる……♡ ちゅ♡ んちゅるるるる♡」
「うっ」
「あはっ♡ ミレンのおちんちん、ちょっとビクッてなったわよ♡」
差し込んだ自分の舌は即座にイエイヌのそれに捕らえられ、同時に胸板をかりかりとくすぐる彼女の指の感触が容赦なく俺の体を震えさせる。
彼女も
「ちゅるるるる♡ ちゅるっ♡」
「ほらっ♡ ほらぁ♡ きもちいいでしょっ♡ これがけもののこーびよっ♡」
いやもう無理。
上の口はイエイヌの舌で犯され、下の口はチーターの膣に犯されている。甘い甘い、だというのにとにかく子種を絞り出そうとする獣の交尾。
俺の思考は徐々にピンク色で染まって行く。
「あああっ♡ もうイクッ、イッちゃう♡ ミレンもイッてよぉっ♡」
口内と胸、そしてペニスへともたらされる断続的な快感が大きな膜となって俺の脳を包み込む。
おまけにチーターが最後の最後で猛烈な加速を見せ、増大したペニスの快感はいよいよ俺の睾丸を激しく揺さぶる起爆剤と化す。
「ちゅっ♡」
最後はイエイヌの軽いキス、そしてこちらの乳首を摘まむ彼女の両手によって着火された。
「にゃあぁぁぁぁんっ♡♡!!」
どぷどぷ、ビュルビュルと。
絶頂の衝撃で大きくのけ反ったチーターの膣の奥、ペニスが蓋をする子宮口の向こうへと子種が飛び出して行く。
「はぁ、はあ、ふぅ」
イエイヌの唇が離れてようやくまともに息ができるようになり、俺は全力疾走でもした後のような呼吸で酸素を補給した。
「ああ……っ、熱い♡ ミレンの熱いのがたくさんきてるぅ♡」
繋がったまま下腹部を撫でるチーター。清々しい動作で汗を拭うその姿はまるでゴールテープを1等で切って嬉しがるランナーのようだ。
「ご主人、次はわたしですよ♡」
「ほどほどに頼むよ……」
イエイヌの色違いの瞳がにこりとこちらを覗き込み、俺は苦笑しながら彼女の体を抱き寄せた。
「ごしゅじん♡ ごしゅじんっ♡」
「ミレン……♡ ちゅ、ちゅるっ♡」
家主の居ないおうちに淫らな音とフレンズの嬌声が響き続ける。
この家の主であったイマもこうしてフレンズと夜を共にしたのだろうか?
それが彼ではなく、フレンズの求めによるものであって欲しいと願う。
──全てをフレンズの為に捧げられる者であれば
いや、あの文章を残せるヒトならば……何よりもイエイヌの主人ならその心配はいらない。
あの写真を見た限り、彼はきっとフレンズにモテたのだろう。
「ミレン~♡♡ 私、上手くできてる? 気持ちいい?」
「ああ。可愛いよチーター」
「ごしゅじんっ、わたしもちゃんと、見ていてくださいね♡」
「はいはいっ」
キスをねだるチーターの頭を撫で、腰を振るイエイヌの顔を眺めつつ、俺は彼女の元の主人へと思いを馳せた。
と、同時に。
パークの崩壊……いや、もうヒトの滅亡と言っても間違いではあるまい。
その原因や理由の纏まらない推測が、ずっと頭をもたげている。
なぜクルーが殺害された?
なぜフィルタリングタワーは稼働しなかった?
こういった時、往々にして付き物なのはヒト特有の腐った意思である。
虚栄、嫉妬、傲慢、色欲……人類の大罪でもなんでもいい。ヒトだけが持つ不条理な悪意を基にした予想は、かなりの確率で、これまでの人生の中で殆ど確実に的中してきた。
──ヒトでなし共を皆殺しにしろ
許せるだろうか?
もしもそいつらがまだ生きていて、この世界のどこかに生きているとしたら。
──LBアーカイブ──
【フィルタリングタワー】(アーカイブ名「衛星軌道宇宙ステーション連結エレベーター」)
アネガエリアは地形と植生、生息する動物の分布の乏しさが確認されて以降は積極的な開発の手が加えられた。
とりわけ本土の種子島を想起させる本島は宇宙関連技術開発の計画に組み込まれ、ほぼ赤道直下に位置しつつも安定した気候を保っていたことが多くの科学者に憧憬を抱かせる理由になった。
──暫定クルー・ミレンの追記──
フィルタリングタワーという名称は一部のクルー間でのみ共有されたものらしく、アーカイブデータベース上にはその名称を見出せない。
かばんさんの研究所に残されていた誰かの書置きにはこう記されていた。
フィルタリング機構の稼働実験は最終調整段階に入った。
ボスからも本稼働開始の指示が出ている。
□□派連中が再入島したとみられるので警戒を強めること。(□の部分は掠れて読めない)
傍受される危険がある為、クルー間の通信は必要最低限に留めよ。
雨がやむので傘を置き忘れないように。