1しか知らない男が2の世界へ来てしまいフレンズに求められまくるお話(完結) 作:らんどまーく
(!)マークの各話とある程度繋がっています。
>LBシステム 起動
>通信ログ再生モード
IDNO.0094 「インガ」-- IDNO.0093「イマ」
最終通信
ロード中......
>ボス、応答願います
>塔は稼働できたか?
>いいえ
>もう無理かもしれません
>何があった?
>四神回収部隊がやられました
>ダミー誘導部隊もです
>敵が予想より多かったか
>すまない
>数はあなたの予想通りです
>まだ島内に特別ゲストが残っていたのでその救助に人員を割いてしまいました
>申し訳ありません
>連中は真っ先に船で逃げ出したはずだ
>子供です
>1人だけセルリウム研究所に放置されていました
>クズ親め
>救助は成功したか?
>内部にもセルリアンが多数出現しており生命維持ポッドに入れざるをえなかったそうです
>トラのフレンズが1人居合わせたそうで後から連れ出すよう依頼したと
>その報告が最後のまともな通信でした
>後は新式の銃声と悲鳴だけです
>地下バイパスへ向かう敵と遭遇したのだろう
>運が悪かった
>私のせいです
>申し訳ありません
>謝る必要はない
>君はクルーとして立派に責務を果たしたのだ
>そもそも悪いのはこんな状況に追い込んだクズ共だ
>君は生存者を集めて脱出しろ
>彼らがすぐそこまで迫っています
>仲間達も最後まで抵抗するつもりです
>私も最後に一泡吹かせますよ
>すまん
>あなたこそ謝らないでください
>私も皆も共に活動できたことを誇りに思っています
>そろそろ時間がないみたいです
>断絶コードを使用しますので確認を願います
>許諾した
>3分です
>あなたは逃げてください
>私はラッキービースト達と共に爆撃機を撃ち落とす
>ミライ女史はどうするんです
>あなたについて行ったのでは?
>彼女はもういない
>軍もなりふり構ってられないようだ
>まさか
>応戦している間に例のフレンズが彼女を持って行ってしまった
>後は分からん
>カコ博士は?
>セントラルで救出したのでしょう?
>居残ってセルリアンに捕食されたようだ
>避難船の席を誰かに譲ったらしい
>なんてことだ
>ヒトの手にかかるよりマシかもしれん
>それにもはやこの世界のどこにもあの瞳から逃れられる場所はない
>セルリアンのことですか?
>そこからは見えないんだったな
>気にしないでくれ
>彼らが来ました
>すみませんボス
>先に行きます
>さらばだ友よ
>獣とフレンズに幸あれ
上級職員IDNO.0093 イマ
上級職員IDNO.0094 インガ
共同指定コード -- FFF(断絶)発令
パーク外及びエリア間の全通信切断
全兵器の敵味方識別装置解除
>再生終了
>LBシステム シャットダウン
「道理で他所と通信できないわけだ」
タブレット端末を机の上に置き、俺は自分で淹れたコーヒーを一口すすった。
蒸らしすぎたか、右手に持つカップの中身の液体には少しえぐみがでている。
顔をしかめて一気飲み。ひとつ息を吐いて自室の窓の向こうを見上げる。
綺麗な夜空だ。満月が照らす天空は、今日も変わらず虹色の塔が放つほのかな青い光で彩られている。
「ヒト、フレンズ、セルリアン、異変。それに断絶──」
アネガで得られる情報はこれ以上なさそうだった。かといって、当時を覚えているかもしれない一部のフレンズに尋ねることも良心が咎める。俺は脳裏に浮かんだフレンズの顔を静かに振り払い、呟いた。
「行かなくては」
確かめる為に。
海を渡り、別の島、エリアへ。
最後のセキュリティクルーとして。