牛込みおのお姉ちゃん観察記 作:サイバーエタニティー
牛込ゆり。花咲川女子学園の高校三年生で、とっても面倒見の良いお姉ちゃん。
Glitter*Greenっていう実力派バンドを組んでいて、ボーカルだからとっても歌が上手。
りみお姉ちゃんと違って、これと決めたことは決して曲げない精神を持っているんだよ。
そんなわけでりみお姉ちゃんはセッションをすることになりました。
ライブ開始二時間前の出来事からお楽しみください。
「あ…あの…」
「りみ。そんなに緊張しなくてもいいんだよ?」
「だ…だけどグリグリと一緒に演奏なんて荷が重すぎるよぉ…出来るのかなぁ…」
そう言ってりみお姉ちゃんは私を睨んでくる。
その目には、「お前絶対後で泣かすからな」
みたいな怨念が感じ取れる気がするが…まぁ多分気のせいであろう。
というより、りみお姉ちゃんが怒ったところでそこまで恐怖感は覚えない。
あ、ゆりお姉ちゃんは別だよ?
怒らせたら最後…恐怖心を植え付けられるからね?
どっかのダディヤナザァンみたいに
(0M0)>ウワァァァァァァァ!!!
ってなるからね?
みんなも気をつけてね。
そんなわけで私は、りみお姉ちゃんの視線を特に気にする様子もなく、読書を続けた。
「りみなら出来るよ。大丈夫。ほら深呼吸して。」
そう言ってゆりお姉ちゃんはりみお姉ちゃんの背中をさすりながら、深呼吸を促す。
「すー…はー…ひー…ひー…ふぅ…」
りみお姉ちゃんの深呼吸はどこかおかしかったがのだけど、その後もメンバーであるリィ先輩、七菜先輩、ひなこ先輩が思い思いの言葉をかけて励ましていた。
「大丈夫。もし心配ならリィが引っ張ってくれるから安心して。」
「うん。りみちゃん。私について来てね!」
「わ…分かりました…よろしくお願いします…」
「じゃあ私達、行ってくるね!」
そう言ってグリグリのメンバーは控え室を出ていき、りみお姉ちゃんと私が残された。
「はわわぁ…出来るかなぁ…」
「まーだなよなよしてんの〜?しっかりしなよー!」
そう言って背中をバシバシ叩いてみる。
「い…痛いよみお!…でもありがとう。」
「えっ…?」
「私…なんかいける気がする!ちゃんと客席で見ててね!」
「もちろんだよ。」
りみお姉ちゃんのベース演奏なんてなかなか生で聴けるものでもない。
彼女曰く
「あまりに下手すぎてとても聞かせられないよ。」
とのこと。
こんな貴重な物、聴かない手があるかっての。
「じゃあ私行ってくる!」
「がんばれ!りみお姉ちゃん!」
さて…私も客席に行こうかな。
私はゆっくりと歩き出した。
客席に着くと、グリグリのライブはかなり盛り上がっていた。
これこれ。この一体感こそが私がグリグリを大好きな理由の1つだ。
この一体感は生じゃないと味わえない。
そしてライブも後半に入ろうとした時、ついにりみお姉ちゃんの出番が回ってきた。
ゆりお姉ちゃんがMCを行う。
「今日はスペシャルゲストを呼んでるよ!私の妹、
牛込りみ!!」
りみお姉ちゃんが舞台袖から出てきて、ゆりお姉ちゃんの隣に立った。
その時私はふと思った。
今、りみお姉ちゃんは何を思っているのだろう。
嬉しい、恥ずかしい、期待、
様々な感情が私の中で浮かぶ。
まぁ想像したところでわかるものでは無いのだが。
今はライブを目一杯楽しもう。
結果としてはライブは大盛況で終わった。
りみお姉ちゃんのベースはかなりデタラメで、全然違ったけれど、リィ先輩がしっかりと引っ張ってくれていた。
なにより…あんな楽しそうなりみお姉ちゃん…久しぶりに見たよ。
私の心は「嬉しい」という感情でいっぱいだった。
控え室に戻ると、もう部屋を出ようとしていたグリグリと、机に突っ伏して動かなくなってしまっているりみお姉ちゃんがいた。
…っ!あの左手の人差し指は…
止まるんじゃねぇぞ… \キボウノハナー/
「みおごめん!りみ固まって動かなくなっちゃったから連れて帰ってきてくれる?」
「あ…うん。いいよ。」
「じゃああとお願いね。」
そう言ってグリグリは帰ってしまった。
はぁ…これからバンド活動する未来なのに…先が思いやられるよ。