牛込みおのお姉ちゃん観察記 作:サイバーエタニティー
朝からすごく気まずい。
なぜか? 見ればわかるでしょ?
「ぐすん…ひぐっ…」
「よしよし…辛かったね…」
泣いているりみお姉ちゃんを、ゆりお姉ちゃんがなだめている。
私は何も悪いことはしていないのに。
昨日の夜、私はりみお姉ちゃんのファーストキスを奪った。
その事を、私が寝ている隙にりみお姉ちゃんがゆりお姉ちゃんに報告したのだ。
なぜか私は叩き起されて、長い長い説教をされた。
まぁ、途中からまったく聞いていなかったけど。
要するに、ファーストキスを奪うのはさすがに不味かったらしい。
これ、処女喪失とかしたらどんだけ怒られんだろうか。
そんなことをずっと考えて前述に戻る。
「みお。今日はりみと別々に家を出なさい。」
「えぇ…なんでさ。」
「なんでも!みおは反省しなさい!」
「反省することなんかないよ。」
やばっ…これはさすがに言いすぎたか…?
「みお…ちょっと来なさい。」
あ…終わったわこれ。
エターナル克巳のことでも考えてしのぐか…
その数分後、とんでもない怒号が響きわたった。
そうして登校時間になって…
「行ってきます。」
「行ってらっしゃい。」
りみお姉ちゃんが先に出て行った。
正直大丈夫か?
最近は性犯罪も蔓延しているって聞くしなぁ…
私が不思議そうな顔をしていると、ゆりお姉ちゃんがきいてきた。
「どうしたの?」
こういうとこだよねぇ…ゆりお姉ちゃんって。
怒ってすぐに優しくなるの良くないよ。
「いや…りみお姉ちゃん…誘拐されたりしないかな?」
「あっ…」
盲点だったらしい。
まったくうちのポンコツ姉妹は…
「みお!早くいくよ!」
「はいはい。」
そんなわけで急いでりみお姉ちゃんの元へ向かった。
学校の一歩手前、りみお姉ちゃんは普通に歩いていた。
「はぁ…はぁ…よかった…」
ゆりお姉ちゃんも安心したらしい。
と、気づいたりみお姉ちゃんが振り向いて声をかけて来た。
「あれ?早いねお姉ちゃん達…まさか遅刻ギリギリだったり…!」
よく分かってるじゃないか。
「うわぁぁぁ!急ぐよ二人とも!」
「ちょっ…!まっ…!」
「ひゃぁぁぁぁ!?」
私たちはゆりお姉ちゃんに引きずられていく。
その光景を他の生徒が不思議そうに見ていた。
「はー…はー…間に合ったぁ…」
「1分で用意すれば何とかなるね。」
私たちは自分の席について、1分で用意を済ませた。
そして、HRが始まった。
先生が言う。
「今日一日中、自由席です!」
クラスがざわつき始めた。
信じられなかった。
だとすれば私の取るべき行動は1つだ。
「それでは、移動を開始してください。」
先生の指示で一斉に移動を始めた。
私は真っ先にりみお姉ちゃんのところに来たのだが、誰かに横入りされた。
「あっ…ちょっと抜かさないでくれる?」
「えっ!?抜かしてた?ごめんね。」
そう言ってくるのは、髪型が猫耳のようなクラスメイト。
確か…戸山香澄とか言ったか。
「うん。香澄ちゃんだっけ?向こうが空いてるよ。」
「ちゃんと名前覚えていてくれたんだー!?ありがと!」
そう言って頭を撫でてくる。あぁ鬱陶しい。
「ほら、早く行きなよ。」
「うん。またね!」
てなわけで、私はりみお姉ちゃんの隣の席を見事確保した。
「よろしく。りみお姉ちゃん。」
「うん…よろしくね。」
そんなわけで1時間目の授業が始まった。
何事もなく無事に放課後になった。
他の生徒は部活動見学とかに行くのだろうが、私たちは部活動をやる気がないため、下校しなくてはならない。
「ほら、行くよ。りみお姉ちゃん。」
「ち…ちょっと待って…」
何回目だろうか。
かれこれ30分以上待っている。
「待っているから早くしてくれ。」
「う…うん…」
と、誰かが来た。
「あっ!いたいた!」
やってきたのは戸山香澄だった。
なんだろう、なんか…面倒くさくなりそうな気がする!
と、戸山香澄はりみお姉ちゃんに声をかけた。
「牛込さんだっけ?私とバンドやらない!?」
思わず私は叫んだ。
「は?はぁぁぁぁぁ!?」
「わ…私には…ちょっと…」
「遠慮しなくていいって!私とやろうよ!」
「あ…あの…」
「決まりね!じゃあまたね!」
まるで嵐だな。
「ま…まぁりみお姉ちゃん…ご愁傷さま。」
「助けて…みお…」
「無理。先帰るね。」
「あっ!待ってよ!」
こうして、りみお姉ちゃんは戸山香澄とバンドを組むことになりました。
全ては私の描いた未来通りに進んでいる…