※この作品はR-18です。

神楽魔法譚 ~次元世界妖怪録~   作:まさらのむひと

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エロへの布石回です。少し長め。


驚天動地の機動六課

 これはピアがスフォル司令に連絡を入れる少し前のことである。解散を間近に控えた機動六課の作戦本部はかつてない事態に混乱していた。

 

「スターズ3、4反応ロスト! 通信が途絶えました!」

 

 その10分後、

 

「ライトニング2、4反応ロスト! 通信繋がりません!」

 

 さらにその5分後、

 

「スターズ1、2反応ロスト! 同じく通信繋がりません!」

 

 そしてその10分後、

 

「部隊長とライトニング1の反応が途絶えました! 通信も繋がりません!」

 

 JS事件を解決に導いた機動六課の誇るフォワード陣と部隊長が揃って行方不明になったのである。それぞれの担っていた任務は行方不明者の捜索。出撃した面々にとって特に難しくもない任務のはずであった。最近あまり動いていないと、部隊長まで出張った任務に失敗なぞ考えられないはずだったのである。

 

「一体何が起こっているんだ……!?」

 

 部隊長の代わりに作戦本部を預かっているグリフィス・ロウランは次々と報告される信じられない出来事に動揺していた。

 

「……っ!……二次遭難か……? いやしかし全員がそうなるなんて考えられない……そうだ、ライトニング3、エリオ君とは連絡とれるか!?」

 

 動揺を無理やり押し殺し、冷静に考えを巡らせるグリフィス。まだライトニング3、エリオ・モンディアルの反応がロストしていないことに気付いたグリフィスは、エリオの所在を知ろうと通信士に確認をとる。

 

「少々お待ちください……!……反応確認! 通信繋げます! ライトニング3、ライトニング3、エリオ君! 聞こえますか!?応答してください!」

 グリフィスの言葉を受けて、通信を繋げた通信士のルキノ・リリエは必死に呼びかける。

 

『……こえて…ます……グナムさんと……ャロが……やく応援を……ばなきゃ……』

 

 作戦室に途切れがちなエリオの声が響く。

 

「エリオ君!? 何があったのですか!?」

 

『……ぞの生物に……そわれました……ャロの……護に入った……グナムさんが……中から現れた……ぞの怪物に……みこまれて……ャロもいつの間にか……つからなくなってて……』

「通信状況が悪い!……エリオ君……とりあえず作戦本部に帰投してください。詳しい話はこちらで聞きます」

『……んな!?……う援は!?』

「……あなた以外連絡が取れません……帰ってきてください……これ以上被害が出ないうちに」

 

 応援を要求するエリオに対して帰還の命令を下すグリフィス。その手は強く握られ、悔しそうに噛みしめた唇からは血がしたたり落ちていた。

 

『……かりました……』

 

 エリオはひどく落ち込んだ声で返事をした後、通信を切り、作戦本部への帰路についた。

 

 

 

 

 

 エリオとの通信から1時間後、作戦室に駆け込んでくる一つの影が、そう、エリオ・モンディアルである。通信を切ってからずっと走っていたのか、ひどく息を切らしている。

 

「……はぁ……はぁ……エリオ・モンディアル、ただいま帰りました」

「……ご苦労様……よく……帰ってきてくれた……」

 

 エリオを労うグリフィスに対してエリオが絞り出すように声を発する。

 

「……っ……!……僕は二人を……見捨ててしまった……!そんな言葉をかけられる資格なんて……ありません!」

「そんなことはないよ。酷なことを言うようだが、君が帰らなかったら情報が途切れてしまって助けるのも難しくなってしまうところだったんだ。そんなに自分を責めるんじゃない」

「グリフィスさん……でも…僕は……」

「いいんだ……今は……みんなを助けることだけを考えよう」

「……はい……」

「何が起こったか……話してくれるね……?」

「わかりました……」

 

 

 

 

 

―――第6番管理世界グランジオ―――

「ここが行方不明になった女性が最後に向かったといわれる森か……かなり広い。我々が二次遭難しないように気を付けて捜索するぞ。油断するな」

「「はい!」」

 

 ヴォルケンリッター烈火の将シグナムの言葉にしっかりと返事を返すエリオとキャロ。三人は気を引き締めて行方不明者の捜索にあたる。

 

「とりあえず、わたしが広域サーチをしようと思います。大まかな位置だけでもわかるかもしれませんし……」

「よし、やってみろ。わからなくても大丈夫だ。虱潰しに探せばいいだけだからな」

「あはは……頑張ります。ケリュケイオン、お願い!」

≪All Right≫

 

 ピンク色の魔法陣を展開して意識を集中させるキャロ。機動六課で培ったフルバックとしての力は広域捜査にも十二分に発揮され、その捜査能力は探索魔法のエキスパート、ピアニッシモン執務官に迫る勢いだ。

 

「見つけた!情報にあったとおり、3名です。ここからそんなに遠くありません」

「三人で集まっているのか。好都合だ。保護するぞ。未開の森だ。なにがあるか分からん。気を引き締めて行くぞ」

「「はい!」」

 

 森の中をキャロの案内で進み、目的の場所にたどり着いた三人の目に飛び込んできたのは、裸で白濁液にまみれた女性たちであった。

 

「な……!これはどういうことだ!?……息はあるようだな。キャロ、回復魔法を。エリオは周辺の警戒だ」

「「わかりました」」

 

 倒れていた三人は、キャロの回復魔法を受けて意識を回復させる。

 

「機動六課ライトニング分隊副隊長のシグナムだ。ここで何があった?話すことはできるか?」

「あ……私たち……助かったの……?あの化け物はもういない……?」

「化け物だと?とりあえず今はいないようだが……むっ……!?」

 

 いつのまにか木に囲まれていた。先ほどまで開けた場所であったにもかかわらず。

 

「キャロ!この人達を安全な場所に転送できるか?」

「はい。ベース基地に転送します。……エリオ君は?」

「……分断されたようだな。気配は木の包囲網の外側だ」

「そんな……」

「うろたえるな!殲滅してしまえば問題ない。木の化け物だ。火が効くだろう。私の魔力変換資質を忘れたか?」

「あ……そうですね……!……遭難者、転送します」

 

 ピンクの魔法陣が女性たちを包み込み、転送を開始する。

 

「転送終わりました。わたしも殲滅作業に移ります」

 

 キャロが転送を終え、戦闘に参加する。

 

(エリオ君、そっちはどう?こっちに来れそう?)

(枝を切っても切っても生えてくる。きりがないよ。もう少し時間がかかりそう)

(そう……こっちもシグナムさんと協力して何とか包囲網を突破するから、エリオ君も頑張って!)

(うん!キャロも頑張って!)

 

 エリオとキャロが念話を終えたころ、突然地面が揺れ始める。

 

「何だ?地震か?」

 

 シグナムが訝しげにしているが、地面の揺れ程度で彼女が慌てることはない。冷静に迫り来る木の枝に対処していた。

 

「しかしきりがないな。キャロ、エリオの所まで短距離転送、できるか?」

「わかりました。やってみます。シグナムさん、援護お願いします」

「わかった」

 

 転送に集中するため動きが鈍くなるキャロを援護するように立ち回るシグナム。

 

「転送準備できました。シグナムさん!」

「よし!……!?……キャロ!……んむぅ……!」

「えっ……!きゃっ……!」

 

 突然キャロを突き飛ばすシグナム。キャロの足元が盛り上がり地面から何者かが現れたのだ。それは大口を開けて彼女を飲み込もうとしており、シグナムは咄嗟の判断でキャロを助けたのだった。しかしその代償は大きい。シグナムはキャロの代わりに飲み込まれてしまったのである。

 

「シグナムさん!!きゃっ……!」

 

 シグナムが飲み込まれたことに気をとられたキャロは迫り来る木の枝に対処するのが遅れてしまった。足を絡め捕られ、宙吊りにされてしまう。そしてそのまま木の枝は手首に、腰にと巻きつき、自由を完全に奪ってしまう。待機していた転送魔法も集中を切らして霧散してしまった。

 

(助けて!エリオ君……!)

 

 しかしその願いも虚しく……

「キャロ!?」

 

 外周の枝に対処しているうちにキャロは木々に連れ去られてしまっていた……。

 

 

 

 

 

「これが第6番管理世界グランジオで起こった出来事です」

 

 顛末を語ったエリオの表情は沈んでいる。手はきつく握られ、悔しさがにじみ出ていた。

 

「裸で倒れていた女性たち、エリオ君とシグナムさんが対処しきれないほどの物量の木々の化け物、そしてシグナムさんを飲み込んだ大型の化け物……か……。これはやはり一連の事件に関係があるかもしれないな……」

「一連の事件ですか?」

「ああ、異形事件と呼ばれている。第8番管理世界に対策本部があるらしい。被害者が見たこともない化け物、異形の生物に襲われたことから名付けられたようだ。今回の件は類似性が高い。おそらくそうなのだろう。対策本部に連絡しないといけないな」

「異形事件……何とかならないんですか?」

「対策本部に相談するしかないな。悔しいが情報が足りなさすぎる。何とかなればいいが……」

 

 情報を得るため、グリフィスは、対策本部に連絡を入れるため、通信を開始するのだった。

 




フォワード陣全員凌辱フラグが立ちました。すみません。
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