2022/8/4 大幅な加筆・修正 タイトル変更
ようやく改稿の目的地に到着です。目的を差し込んでいたら元々長めだった今回の話が1.5倍程度に増量してしまいました。エロシーンもなく、解説と訓練の話なので、面倒だったらスルーしてもらっても大丈夫です。個人的には読んでもらいたいですが。
エロというわけではありませんが、訓練のくだりで、ピアちゃんが不可抗力で下着姿になってしまいます。葉子さんの悪ふざけの一環なので、そういうのが好きな方は一読していただければ幸いです。
管理世界で奇跡の部隊機動六課隊員が相次いで行方不明になる中、地球では本局執務官ピア・ニッシモンが妖怪についていろいろと尋ねようとしていた。
「葉子さん……地球に来てわかったのですが、次元世界に妖怪が現れ始めているようです。対策の方法を伺いたいと思うのですが、その前にひとつ聞きたいことがあります」
「あら……なんでしょう? 真っ先に対策を聞かれるかと思っていましたが……」
「桂香さんと初花さんから聞き及んでいるかもしれませんが、確認をしておきたくて……日本に来るときに襲われたヌラリヒョンについてです。ヤツは消滅前に、自分のことを“トウカノムギョウ”と名乗ったのです。これについて、何かご存じありませんか?」
「っ!!? 二人とも…………私 は 聞 い て い ま せ ん よ ?」
「「!!!?? ごめんなさい!! ピアさんのことを知っていたから、もう知っているかと……だからそのオーラをしまってぇ~~!!?」」
「…………ふぅ……まったく……いくら私でも報告されていないことまでは把握できません。初花さんはともかく、桂香さんまで……訓練メニューの見直しをしなければなりませんね……最近妖怪の被害が落ち着いているとはいえ……名付き妖怪の報告を怠るなんて……」
「「返す言葉もございません」」
「あっ……あの~……もしかして……聞いてはいけないことだったのでしょうか?」
「いえいえ……むしろ聞いていただいて助かりました。二人にはキツイ灸を据えてやらなければいけませんけどね」
「「ひぃ~~~!!」」
「は……ははは……お手柔らかにしてくださいね。私というファクターが狂わせてしまったのでしょうから……」
「ふむ……まぁ、そういうことにしておきましょうか……二人とも、今回だけは許して差し上げます。ピアさんに感謝なさいな」
「「はっ……はいいぃぃ!! ピアさん、ありがとうございます!!!」」
「今回だけですよ? 次に同じことをやったら……わ か っ て い ま す ね ?」
「「~~~~!!!! コクコク(激しくうなずく様子)」」
「さて……本題に入りましょうか……ピアさんが日本に来るときに襲われたぬらりひょんですが……トウカノムギョウ……こちらの言葉で書くとこう……“透過”の無形となります。先ほど少し言いましたが、
「なるほど……ヌラリヒョンが種族名でトウカノムギョウが個体名だと理解させてもらえばよろしいですか?」
「ええ、概ねその理解で問題ありません。ですが今回の場合、そのパターンからは少しずれます。桂香さん、何故だかわかりますね?」
「はっ……はい…………ゴホン……
「段階ですか?」
「はい。2段階ですが、確かに存在しています。今回の件は上の段階……
「はい、よろしい。だからこそ今回私はあれだけ二人を叱ったのです。段階についての説明……できますね? 初花さん?」
「う……うん……大丈夫……じゃあ説明するよピアさん。覚悟はいい?」
「はい。聞かせてください。初花さん」
「わかった。今回の例に則って説明させてもらうよ。トウカノムギョウの場合だけど……固体名に該当するのがムギョウ……こっちの書き方だと……無形だね。形が無いという意味だよ。妖怪自身が名乗ってそれが伝わっていたり、人間が名付けたりした名前のことを言うよ」
「なるほど……まさしく
「そうだね……正しくは“トウカ”と“ノ”で区切られているよ。日本語の文法の話になってしまうけどね。“ノ”は修飾語だよ。トウカ……日本語では透過と書くんだけど、透明過ぎるって感じで透き通っていて見えない様子を表しているから、“透過”の無形と言えば消えては現れ、戦い方に決まった形は無い……そんな妖怪であるってわけ」
「意味としてはそうですね……ですが初花さん。それでは段階の説明としては不十分ですよ」
「わかってるって葉子さん……要するに透過に関しては、二つ名と言えば解りやすいと思う」
「二つ名ですか……なるほど……そう解釈すればいいわけですね……」
「さすが……ピアさんは頭がいいね……二つ名に関しては自己顕示欲が強すぎる個体でない限り自分では名乗らないから、妖怪人間問わず相手から呼ばれることになるわけで……ここまで来ちゃうと……名乗り始めた程度の名付き妖怪何かとは比べ物にならないから、新たな段階としてカテゴリされているってわけだね。
「及第点といっておきましょうか……そこまでわかっているのなら……報告を怠るなんて……しませんよねぇ?」
「う……眉唾……ドヤるんじゃなかったよぉ……」
「初花のバカ……」
「さて、茶番はこれくらいにして……ピアさんの最大の目的……妖怪の倒し方について解説していきましょうか……はい、初花さん、どうやったら妖怪を倒せるか、ピアさんに分かりやすいように教えて下さい」
「……ええ~~? さっき段階について解説したじゃん……何で私がぁ……次はお姉ちゃんの番でしょ」
もう一度解説役を仰せつかった初花が口を尖らせて不満を言う。
「今の葉子さんの言葉を断る気? それにこれはこないだの全国退魔師検定の成績が悪かったことの補習になるじゃないの。いい機会から答えなさい」
「あれは勉強時間が取れなかったからだって……むぅ……わかったよ……えっと……妖怪は普通の攻撃では倒せなくて……霊力、もしくは妖力を使った攻撃を使わないと倒せません」
「霊力……? それは一体どんな力なの?」
「……あっ……そうか、そこから説明しないとだめだよね……簡単にいうと霊力は生物の魂に干渉する力と言ったらいいかな……これだと分かりにくいね。霊力があると普通の人では見えないもの、幽霊とかこの世ならざる者が見えたりするんだ。筋力とか体力みたいな肉体的な力じゃなくて精神的な力って言えるかも。怪我を治療したりもできるし、筋力がなくても超人的な動きができたり、式神……ピアさん達でいうと使い魔かな?それを使役したりと……結構魔法と似たことができる力だね」
「なるほど……精神的な力ですか……魔力が妖怪に通じないということは私たちの使う魔法は肉体的な力に分類されるみたいね。とにかく妖怪を倒すには霊力がいると」
「そうですね。初花さん、よくできました。花丸をあげましょう。ところでピアさん、魔法、というか魔力を肉体的な力と断定するのは早計かもしれませんよ」
「……え……? そうなのですか?」
「ええ、ピアさんは妖怪に犯されたあと、身体が疼いてエッチな気分になったといっていましたよね? 基本的にそんなことは起こりません。犯されたら孕むか妖怪化するかの二択です。となると考えられるのは魔力が何らかの干渉をしているということ。エッチな気分になるのは色々と予想外でしたが、魔力にも精神的な面があるというのが私の見解です」
「確かに……精神的に未熟で魔力が暴走したり、気分次第で魔法の威力が変わったりする人がいることを考えると……考えられないことではないわね……だとしたら魔法でも妖怪は倒せるかも……検証する必要がありそう……それから……」
「うわぁ……ピアさんが考え事に没頭してる……」
「すこい集中力……わたしも見習わなければ……」
「ん。稽古をさぼろうと考えてるときの初花みたい……」
「うわわ……!ナツ様、しぃ~」
「初花ぁ?……ナツ様、後で詳しく聞かせてください」
「ん。わかった」
「ナツ様ぁ……」
「はいはい、皆さん脱線しな~い。ピアさんも戻って来なさいな」
パンパンと手を叩いた葉子に注目が集まる。
「……はっ……! 意識が考察に飛んでました。すみません。私の悪い癖です」
「ふふふ……執務官ならそれでいいんじゃないですか? それに魔力でも倒せると思いますけど、相当効率が悪いと思いますよ? 素直に霊力を使った方がいいと思います」
「そうですね。では……霊力の使い方、教えてもらえませんか?」
「わかりました。ではまず妖気を見るところからですね。ピアさんなら問題ないと思いますが……これ、見えます?」
そう言うと葉子は掌に妖力弾を作り出す。
「はい。紫色の玉が掌の上にあります……でもなぜ私が見えると思ったのですか?」
「治療のときにピアさんから出て行った靄、あれが妖気です。あれが見えてたから大丈夫だと思ったのですよ。とりあえず、ピアさんには霊力の素養があります」
「よかった……少なくともスタートラインには立てたわけですね」
「はい。それでは、この玉を、消してみてください」
「…………えっ……?」
「出た……葉子さん式スパルタ開眼法」
「あれには苦労したわね……」
「ん。葉子、厳しい」
特にやり方を学んだわけでもないのに、いきなりやってみせろと言う葉子にピアは困惑する。ほかの面々は苦笑しながらも止める様子はない。
「……そんな!? 突然やれと言われてできるわけがないじゃないですか。もっと理論や扱い方を教わってからやるものじゃあ……?」
「……ピアさん、残念ながら、これがうちのやり方です。他の神社では違うのでしょうが……」
「諦めて頑張るしかないよ。うん」
「ん。ピア、頑張る」
「はぁ……わかりました……やってみます」
(いきなりやれと言われても難しいのは事実。だったらとりあえず魔力でやってみようかしら……検証にもなるし)
ピアは葉子の掌の上にある玉と同じくらいの大きさの魔力弾を作り出すと、それを妖力の玉に当てる。当然霧散して消えてしまう。
(一発では当然無理、なら、連続で!)
魔力弾が霧散するのを確認すると、今度は魔力弾を作っては当てるという作業を繰り返す。さすが執務官というべきか、その作業に狂いはない。そして100発ほど当てたところで妖力の玉が霧散する。
「消えた……! ピアさんすごい!」
「いいえ、今のは多分魔力弾よ。霊力じゃない。それにあの大きさの玉を消すのに100発も使ってたら効率が悪すぎるわ」
「ピアさん? 私は霊力を使ってと言ったのですよ。魔力は反則です。はい、ペナルティ~~! 服を一枚没収です」
「……え゛……?………………!?」
驚き固まるピア。そして気が付くと上着が一枚消えていた。それはなんと葉子の手に。
「な……!……いつの間に!?」
「ふふふ……トメ様直伝の脱衣術です。霊力の扱う訓練を始めるにしては、ピアさんの年齢は少し高齢ですからね。厳しくいかないと」
「厳しくいくなら何で脱がす必要があるんですか!?」
「その方がおもしろ……ごほん……もとい女の子を追い詰めるには羞恥心が一番だからです。さぁピアさん、30分毎に一枚ずつ脱がしていきます。早く消さないと素っ裸ですよ?頑張ってください!」
「今面白いからって言いかけましたよね!? ちょっと葉子さん、ふざけないでください!」
「ピアさん……葉子さんには何言っても無駄だよ……」
「私たちも通った道です……諦めてください」
「ん。諦めが……肝心」
「くっ……もぅ……! わかりました……! やればいいんでしょう!?」
「そうそう、最初は遠距離でやるより直接触れてやったほうがいいですよ?……それでは頑張ってくださいな♪」
「だからそういうことは早く言ってくださいよぉ!!」
ピアの魂からの叫び声が響く。こうしてピアの羞恥にまみれた修業がはじまるのであった。
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「……はぁ……はぁ……くっ……消えない……! やっぱり私には出来ないの……!?」
ピアが修業を始めてから3時間。未だ妖力玉は消えていなかった。
「さぁピアさん、あと下着だけになりました……いいんですよ? 諦めて。別に誰も責めはしません。元々年齢的に難しいのですから……」
「……いやだ……!たとえ難しくても……諦めることだけは……したくない……! 諦めないんだからぁぁぁぁあああ……!!」
「…………!!」
裂帛の気合い。ピアの魂の籠った叫びは妖力玉に伝わり……ついに霧散させた。
「やった……!……やりました……! どうですか葉子さん! 消えましたよ!」
「ピアさんすごい! こんな短期間で出来るなんて……!」
「本当にすごいです! 私たちは3日もかかったのに」
「ん。ピアはすごい」
妖力玉を消したピアを手放しで褒める三人。そして葉子は……
「お見事です。ピアさん……では、服はお返ししますね?」
「……あ…………!」
最後までおちょくるのをやめないのであった。
「もぉ……! もう少し喜びに浸りたかったのに! 酷いです!」
服を返してもらったピアは葉子に苦言を呈する。当然の事だろう。
「ごめんなさい。反応がかわいくて……でも本当にお見事です。一週間はかかると思っていたのですよ? では、ちょっともう一度やってみてください」
そう言ってまた妖力玉を作る葉子。ピアは一瞬ためらったが挑戦してみることにしたらしく、手を妖力玉にかざす。
「………………はっ……!」
ピアが気合いを入れると、葉子の手にある妖力玉は先ほどのように霧散した。
「出来た!そうか……この感覚なんだ……ありがとうございます。方法はアレでしたけど、身に着けることが出来ました」
「ふふふ……どういたしまして。さて、ピアさん。疲れたでしょう? 魔力もほぼ空になっているはずですからね」
「……えっ……? 本当だ……必死すぎて気が付かなかった……でも何故? 魔力は最初の魔力弾以外使っていないはずなのに……」
「ああ、それなら服を脱がせた時一緒に奪わせてもらいました」
「……っ!?」
「言ってませんでしたか? 私、魔法も使えますよ?」
「「「ええええええぇぇぇぇぇ!!!!!?」」」「……?」
ここに来て最大の爆弾発言であった。ナツ様以外の絶叫が訓練所に響き渡ったのも無理はない。それほどの衝撃っだったのだから。
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「はぁ……グレアム提督と知り合いなら……まぁ……一応……納得です。あの人も結構愉快犯なところがありますから……全くもぅ……それで気が合ったのかしら……」
「ふふふ……グレアムさんとは無二の親友です」
「まさか葉子さんが魔法を使えるなんて……でも何で魔力まで奪ったんですか?」
「お姉ちゃんの言うとおりだよ。葉子さん、なんで?」
「ピアさんは魔力の扱いに長けてますから、霊力より先に魔力を使ってしまうのではと私は思ったわけです。だから魔力を枯渇させればあと頼るのは霊力だけ、ほら、簡単でしょう?」
「なるほど……ってそれならわざわざ服を奪わなくても、私が魔法を使って魔力消費してからでもよかったんじゃあ……!」
「……あら。気付かれましたか……。だって……普通にやっても面白くないじゃないですか」
「うわぁ……ぶっちゃけたよ……さすが葉子さん」
「ピアさん……諦めてください……これが葉子さんです」
「ん。葉子、結構いじわる」
「まぁ……! みなさんひどい……! でもマジになったでしょう?」
「う……確かに……恥ずかしかったですけど……マジになりましたね……」
「ちゃんと覚えたからいいのです。終わりよければ全てよし、ですよピアさん?」
「はぁ……もぅいいです。確かにちゃんと覚えましたしね」
「そうそう……疲れたでしょう?お茶にしましょう」
「あ……じゃあ私が淹れてくるよ」
「よろしくね。初花」
しばらくすると初花がお茶を淹れてきた。お茶菓子をつまみながら魔法のことや霊力のことを世間話も交えながら談笑していると、ピアの通信端末に連絡が入る。
「あ……ちょっとすみません……上司からですね。ちょっと外します」
ピアは皆に断りを入れて席を外すと通信を繋げる。第8番管理世界ベース基地司令スフォル・フォルツァートだ。
「お待たせしました。ピア・ニッシモンです。どうかされましたか? こちらは一区切りついたところですが……」
『ニッシモン執務官……よかった、そちらは順調なようですね。ただこちらはかなりまずいことになりました』
「妖怪がらみで何かまずいことが?」
『はい、奇跡の部隊、機動六課のフォワード陣が、妖怪に襲われたと思われる被害者の捜索中にほぼ全員が行方不明になったそうです』
「……え……?」
まさに晴天の霹靂、寝耳に水。その衝撃的な内容にピアは理解が追い付かず、呆然とするしかなかったのだった……。妖怪の脅威は、こうして現実味を帯びていく。トップクラスの魔導師でも……対処できないと……判明してしまったのだから……。
検定試験も修行法も全部創作です。この小説の中での話なので鵜呑みにしないでください。葉子さん最強の片鱗です。この小説では魔法も使えます。
あと、当小説の音羽姉妹という話の後にIFストーリーを投稿しました。タイトルのとおりですが、もし姉妹がぬらりひょんに負けていたらという話です。エロ回なので合わせて読んでいただけたら幸いです。
2022/8/4 追記
頑張りました文字数にして4479文字→6665文字1.5倍ですよ。余は満足じゃ。