「さて……そろそろ会議を再開しましょうか。滝峰さん、来られた時におっしゃっていた霊脈というものについてお聞きしたいのですが、よろしいですか?」
「霊脈ですか……そうですね。お話しましょう。簡単に言うと、霊脈とはエネルギーの集まる場所です。ここで言うエネルギーというのは魔力だとか電力だとかそういうものではありません。その大地が持っている独自のエネルギーと言えばいいのでしょうか……説明するのは難しいですね。我々も感覚としてしか捉えてはいません」
「ううむ……そうですか……そういえば霊脈が汚染されているともおっしゃっていましたね。それについて伺ってもよろしいでしょうか」
「ああ、確かに。それは重要なことですね。簡単に言いましょう。霊脈が汚染されていると、妖怪がそこから発生します」
「……!? 妖怪は他の種族を媒介にして繁殖するのではないのですか!?」
「それも妖怪の増え方ではあるのですが……霊脈を介した増え方も確かに存在しているのです。おそらく最初の発生は霊脈の汚染から来るものだったのでしょう」
「妖怪とは不思議な生物なのですね……ところで霊脈は汚染されたらそれまでなのでしょうか? 何か対策はないのですか?」
「ふふふ……大丈夫です。そのために退魔士がいるのです。退魔士は霊脈を浄化できます。マイナスをプラスにする感じですかね。もちろん今回来た面子は全員がその技術を習得しているのでご安心ください」
「それは頼もしい。よろしくおねがいします」
「しかしながら今回連れてきた人員だけではすべての世界の霊脈を浄化するのは厳しいでしょう。皆さんにはぜひ霊力の扱いを覚えて退魔士のサポートに移っていただきたいです」
「霊力ですか……一応ここにいる全員に素養があるのでしたね?」
「私の作り出した妖力弾が見えたのならそうですね。ふふふ……皆さん鍛え甲斐がありそうです」
「ははは……お手柔らかに……さて……皆さん、何か質問はありますか?」
「では私が」
難しい顔をして唸っていたヴィーオロンが口を開く。
「ピア……んんっ……ニッシモン執務官は実際に霊力を扱っていたが……彼女の練度はどれくらいなのだろうか?」
「練度ですか……そうですね……弱い妖怪なら遅れをとることはないでしょう。上手く攻撃が当たれば倒すことも可能だと思います」
「おお……それではどれくらいの修業で体得したのかお聞きしたい」
「ピアさんはかなり優秀でしたからね……それでも2週間……14日はかかりました。修業は今も継続中です」
「十分だ……俺も早く体得したいものだ……彼女のような被害者を出さないためにも……」
「あら……ふふふ……愛されていますね? ピアさん」
「ちょっ……葉子さん……何言ってるんですか……別にヴィーはそんなつもりで言ったわけじゃ……」
「あらあらヴィーとは愛称ですか? お熱いですね……ふふふ……」
「あぅ……」
「セロ隊長とニッシモン執務官が恋仲だったなんて……爆発しろ」
「セロ隊長……もげろ」
「ちくしょう……俺だって……末永く爆発してください、セロ隊長」
葉子の爆弾発言に怨嗟の声をあげて崩れ落ちる実行部隊隊員達。本部長はやれやれといった具合に苦笑している。葉子のからかいのきっかけを作ってしまったヴィーオロンは自分の言ったセリフを反芻したところでピアと目が合い、お互いに見詰め合う。やがて恥ずかしくなったのか顔を赤くして目を逸らしてしまう。
(((((リア充爆発しろ)))))
会議とは何だったのか、ただの公開処刑である。下手人の葉子は怪しげな笑みを湛えたまま行く末を見守っている。
「んんっ……そろそろ会議を再開してもよろしいですか?」
会議室に漂う何とも言えない空気を払拭するべく咳払いした本部長が会議の続きを促す。
「おっと……そうですね……お若い二人をからかうのはこれまでにして……本題に入りましょう。まず我々がしなければならないことは霊脈の調査です」
「調査ですか……? 浄化ではなく」
「出来れば浄化してしまってもいいのですが、我々はこの世界について詳しくありません。まずは霊脈の位置を知ること。それが重要です」
「なるほど……調査して位置を把握してから浄化に移るということですね。これは我々にもできるのでしょうか」
「霊脈の特定はある程度霊力が扱えないと難しいです。我々が人海戦術でおこないましょう」
「我々に手伝えることがあったらよいのですが……」
「そうですね……川と川が交わる所、古くからある建造物、人のあまり立ち入らない場所など、地元だからこそわかるポイントなどを教えていただけたらと思います。そういった所には霊脈があることが多いので」
「なるほど……それならば我々で出来ますね。わかりました。ピックアップしておきましょう」
「そうですね、あとは霊力の扱いを覚えてもらうだけです」
「早速修練に移りましょう。何班に分かれましょうか」
「教えるのは……誠一郎さん、将範(教官)さん、舞歌さん、みなせさんですかね。4班に分かれましょう。それぞれに妖怪が一人二人つきます」
「「「「「えっ……!?」」」」」
「男性陣には妖怪や半妖の方がいらっしゃいますので。妖力弾担当ですね」
「何と……滝峰さん以外にもいらっしゃったのですね……まるで見分けがつかない」
「霊力を扱えばある程度分かるようになりますよ」
「なるほど……これは私も覚えなければなりませんね…………ん……? どうしました?」
ノックの音が聞こえて、会議室に伝令員が入ってくる。
「はっ……ラレンタ、ミステリオから救出部隊が戻りました。シーカーズの方々も一緒のようです」
「おお……戻りましたか。それにシーカーズの方々も一緒とは。良い報告が聞けそうですね」
「はっ……機動六課の方々は全員助けられたようです。ラレンタ、ミステリオの部隊もシーカーズの協力を得て何とか任務を達成しました」
「それはよかった……流石はシーカーズ、いやトーサッツ二佐です。これでマスコミは何とか誤魔化せますね。そうだ……シーカーズの方々にも妖怪について色々と説明しなければ。君、シーカーズの方々を訓練室にお通ししておいてください」
「はっ……失礼いたします」
伝令員が出ていくと、機動六課の面々が救出されたことが分かって会議室がにわかに活気づく。
「朗報が齎されました。我々もシーカーズの活躍に負けないように妖怪対策をしていきましょう。では各自トレーニング出来る格好で訓練室に集合してください」
「「「「「了解」」」」」
朗報を聞いた妖怪事件対策本部は、スフォル本部長に率いられて事件解決に向けて動き出す。果たして隊員は霊力をどのくらいまで扱えるようになるのか。それはまだ誰にもわからない。
次回はおそらくはやて凌辱です。エロくできるように頑張ります。