―――アラルガンベース基地訓練室―――
「おい、クーロ。みんなを集めてくれ」
「隊長? わかった。少し待ってくれたまえ」
トーサッツ二佐はクーロ二尉に言って部下を集めさせる。しばらくしてクーロに呼ばれた隊員が集まって来ると綺麗な一列に並ぶ。
「よし、集まったな。単刀直入に本題を言おう。今回の妖怪事件、我々も関わることになった。関わるにあたって霊力なるものの扱いを学んでもらう」
「霊力ですか? 一体どういったものなのです?」
オーパ・イスキーが正体不明の霊力について尋ねる。
「詳しいことは俺にも分からないが、人間には多かれ少なかれ備わっている力とのことだ。今まで眉唾ものだった幽霊なども見える力らしいぞ?」
「幽霊って……そんなのいるわけないじゃないっすか。冗談キツいっすよ隊長」
「バス坊……妖怪という未知の生物を見てもその存在を否定するのか? あれは極論すれば幽霊の類と同じだと聞いているぞ?」
「ははは……隊長、バス坊は幽霊らしきものを見たことがあるんですよ。だから否定したがっているんです」
「何? ではバス坊は今回の件では期待できそうだな。霊力の素養が高いのではなかろうか?」
「げぇ~! 俺なんかがそんな新技術に適性があるなんて思えないんすけど」
「あら、そんなことないと思いますわよ。次元世界で幽霊を見ることができる人なんて珍しいですわ」
「おお、滝峰さん。ウチのバス坊は期待できそうですかな?」
「バスティップ・ファトモーモでっす! よろしくお願いします! 綺麗なお姉さん!」
神速で会話に割り込んでくるバスティップ。彼は綺麗なお姉さんが大好きなのだ。
「こらバス坊! いきなり割り込んでくるんじゃない! 滝峰さんが驚くだろうが!」
「ふふふ……元気があって頼もしい限りですわ……思わず食べてしまいたいほどに」
「え……?」
「ふふふ……何でもありませんわ。バスティップさん、期待していますわよ?」
「はっ…はい! 不肖バスティップめにお任せください! 滝峰さんの期待にお応えしましょう!」
「全く……調子のいいやつめ……すみません滝峰さん。ウチの若いのが」
「あら……あなたも十分お若いのではないですか? 30ほどでしょう? 妖怪である私からすれば誤差のようなものですわ」
「おっと……こいつは一本取られましたなぁ……はっはっは……」
(くっ……無性に悔しい……何とかやり込めないものか……そうだ!)
『クーロ! 聞いているか? 透明サーチャーで彼女を下から盗撮だ! 少し潜り込みにくそうだがお前なら楽勝だろう』
『隊長? ふっ……任せてくれたまえ。僕もあの中がどうなっているか気になっていたところさ』
『ふっ……頼もしい限りだ……頼んだぞ!』
『任されました!』
さすがはゲードゥ・トーサッツが率いる盗撮部隊。透明サーチャーで下半身を除くことなどお手の物だ。巫女さん組で最初に狙われたのはなんと葉子である。魔法陣も出ない隠密性の高い透明サーチャーはこの部隊で秘密裡に運用されていた。その実力は局内外に流れている盗撮動画、画像の数が物語っている。今回も成功を確信したクーロが葉子の袴の下へとその魔手を伸ばしていく。もちろん自らの目とリンクしているので、特等席で覗き放題だ。役得とばかりに顔がにやけそうになるクーロだったが、持前のポーカーフェイスで何事もないかのように装っている。ゲードゥも他愛のない話で葉子をひとところに留めている。葉子の下半身は風前の灯だ。
『ふおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!』
『どうしたクーロ! 何があった! 傷は浅いぞ! ええい、ちゃんと報告せんか』
『……パン』
『何? パン? どういうことだ! はっきり言え!』
『ノーパンだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
『何ィィィィィィィィ!!!! ノーパンだとぉぉぉぉぉぉぉ!』
何と葉子は袴の下に何も穿いていなかったのである。これにはさすがのポーカーフェイスも崩れてしまう。クーロに至っては葉子を凝視している。
「何か……?」
「いっ…いや……何でもありません」
「そうですか…………あら……?」
不審に思った葉子が足元を確認するが、当然透明なサーチャーは見えない。しかしゲードゥとクーロにとって誤算があった。葉子は魔法にも造詣が深かったのである。目聡い葉子は盗撮のからくりに気付いてしまった。にやりと笑みを深めてゲードゥの耳元に近付くと……
「おいたはいけませんよ? 今回は許しますが……次回私にこんなことをしたら……わかっていますね?」
ピンポイントで猛烈な波動を叩きつけられ、肯くしかないゲードゥ。余波でサーチャーを操るクーロも滝のような汗を流している。
「ふふふ……それでは……ごきげんよう」
優雅な礼をして去っていく葉子であったが、ようやく圧力から解放され、肩で息をするほどに消耗したゲードゥ。彼らは上位妖怪の恐ろしさをその身に刻まれるのであった。
『隊長……あれはヤバい。相手が悪すぎるよ』
『ああ、それは身を以て理解したよ……だが……記録は問題ないな』
『ふふふ……僕を誰だと思っているんだい? お宝映像までは手放さないよ』
そう、圧倒的な波動に晒されながらもサーチャーの映像は死守していたのである。見上げた根性であった。盗撮部隊の名は伊達ではない。
『しかし今後退魔巫女たちのお宝を覗くのは難しくなりそうだね』
『そのことを含めての牽制だったのだろうが……クーロ、わかっているな』
『ふふふ……あたりまえさ! あんなかわいい娘たちのお宝を拝まないなんてあっていいはずがない』
『わかっているならいい。彼女も次回“私に”こんなことをしたらと言ったからな。他の娘に手を出してはいけないとは一言も言っていない』
『そのとおりだね……ふふふ……早速別の娘のお宝を拝むことにするよ』
『慎重にな。あの女にばれるのはマズい』
『わかっているさ。協力者を募るとするよ』
『任せた。俺も慎重に動くとしよう。では……健闘を祈る』
『了解!』
懲りない男たちである。しかしながらエロに賭ける力はなによりも大きい。シーカーズ鉄の結束の源でもあるのだ。ゲ-ドゥとクーロは念話で協力者を募る。途端に殺到する協力者。募るより数を絞る方に時間を取られるのはこの部隊ではよくあることだ。そして決まるのも早い。普通に訓練する組と訓練しながら盗撮する組に分かれて盗撮部隊は動き出す。
『標的は遠野舞歌女史と龍宮みなせ女史だ。諸君らの健闘を祈る。散開!』
『『『『『おお!!!』』』』』
≪舞歌≫
「遠野さん。我々も訓練に参加させていただけないだろうか」
「ええ、構いませんよ。シーカーズの皆さんでしたっけ。霊力についてはどのくらい理解していますか?」
「第8の方ほど理解はしていないと思う。精神的な力だったか」
「そうです。私と一緒に妖力弾を消していきましょう」
「よろしくお願いします」
『行け!』
『了解!』
舞歌の袴の下へと盗撮用透明サーチャーが迫る。盗撮部隊の標準装備だ。練度は十分。いざ魅惑の花園へ。隊員Aの操作する透明サーチャーがついに袴の中へ侵入した。妖怪を相手にした荒事を担当しているとは思えないほどむっちりとした舞歌の太ももが露わになる。訓練で霊力を少しずつ使って指導している舞歌の太ももにはしっとりと汗がにじみ出している。
『おお……むちむちだ……すばらしい太もも……膝枕してもらいてぇ……顔を埋めてすりすりしてぇ……控えめに言って……最高です! じわりとにじんだ汗もいい味出してる。舐めさせてくれねぇかな……』
『おいHENTAI野郎。肝心のおぱんつはどうなんだ。そっちの方が気になるぜ』
『焦るなって……待ってろよ……おお! 黒だ……! エロい!』
『何! 黒だと……! ナイスおぱんつ。あとで映像よこせよ!』
『舞歌さん白だと思ったのに……意外とエロいんだな。もちろん俺にもくれよ』
好き勝手品評する盗撮野郎共。お宝映像を得てホクホク顔だ。哀れ舞歌の秘密の花園は盗撮野郎共の毒牙にかかってしまうのであった。
≪みなせ≫
「龍宮さん、僕たちも訓練に参加させてもらえないだろうか」
「ああ、シーカーズの皆さんですね。石動さんが張り切ってますのでもう少しお待ちください」
「かまわないよ。しかしあれはなかなか激しいね。石動といったかな、あんなに動いて大丈夫なのかい?」
「彼は頑丈な妖怪ですから。大丈夫みたいですね」
「しばらくかかりそうだね。霊力についていろいろ聞いてもいいかい?」
「構いませんよ。どんなことが聞きたいですか?」
「そうだね……」
『よし、今だ、行け!』
『了解!』
みなせの袴の下へと盗撮用透明サーチャーが迫る。例によって練度は十分。秘密の花園は目前だ。隊員Bの操作する透明サーチャーが袴の中に侵入した。ほっそりと華奢な女の子らしい太ももが盗撮野郎に晒される。歓喜する盗撮野郎。
『これは女の子らしい華奢な肢体ですな……いい……』
『おお……ぱんつもかわいらしいのかな? 期待度が跳ね上がるぜ!』
『まぁ、落ち着け。それじゃあ魅惑の花園をば………………!?』
『どうした!』
『竿が……ある……なかなか立派なものが……』
『なん……だと……』
『男の娘だというのか……だがそれがイイ!』
『いやまて……! お○んこもあるぞ! どういうことだ?』
『結局男なのか女なのか……』
『男の娘お○んこありでいいんじゃねぇか?』
『まず穿いていないことについて突っ込みを入れるやつがいない件について』
『はっ……! 確かに……だがこれはこれでお宝映像であることに変わりない。扱いは慎重にするように』
『『『『『了解!!!』』』』』
この場にいる巫女さんのお宝映像を得て結束をさらに深めていくシーカーズの面々なのであった。
犠牲になったのは舞歌とみなせでした。みなせは宮司服ではなく巫女服を着ているということにしておいてください。宮司服では盗撮できませんから。