※この作品はR-18です。

神楽魔法譚 ~次元世界妖怪録~   作:まさらのむひと

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本日で何と……この小説を投稿してから4年の月日が経過しました。感慨深いです。完結までは頑張りたいので、お付き合いいただけたら幸いです。
記念すべき投稿日ではあるのですが……タイトルから分かる通り、今回はセクハラはありますがエロシーンはありません。黒幕のヒントを得るフラグなどを入れて、敗北するまでの経緯を書いていたら長くなってしまっていました。6500文字を超えるとは思いもしませんでした。
久しぶりに新規ネームド妖怪が登場しますので、お愉しみに。虎の子部隊員の執念とは何なのか……謎は深まるばかり……


虎の子部隊 フントバイセン・ホスヒット准陸尉の執念 ~新堂勇 八代護の敗北~

―――石動大視点 任務出撃前―――

 ふぅ……何やら絵に描いたような阿呆の横槍があったが……何とか出撃出来そうだな。全く……あのような輩は何処にでもいやがる……妖怪達の妖気にビビってやがったから下手な事をしねぇとは思うが……嫌な予感がするな……ちと司令官に進言しとくかねぇ…………んん……? ありゃあ勇の部隊か……? 随分遅い出発だな……どれ……発破をかけてやるとしようかねぇ……

 

「さあ、往くぞ……随分と遅くなってしまった……全く……護のやつめ……まさか一日日付を間違えていたとは……」

「ほんとうにごめんなさい! なんでこんな大事なことを間違えてたんでしょう……?」

「ふむ……確かに護にはあるまじき失態だな……気になる所ではあるが、これ以上作戦を遅らせるわけにはいかない……急ぎ出発しよう」

「そうですね……この失態は任務で挽回することにします。さぁ、みなさん、往きましょう……!」

 

 護が日付を勘違いしていたってことか……アイツはまぁ、ぼぉ~っとしてるところがありやがるから考えられないことでもねぇが……こんな大事な時に大ポカするか……? そんなやつがこれまで五体満足でいられるほど甘い世界ではないはず……いよいよきな臭くなってきやがったな………………っ……!? 誰だアイツは……? シーカーズの連中じゃねぇぞ……!? あんな至近距離に居るのにアイツら……気付かねぇのか……!? マズイ……転移しやがった……焦りやがって……あんな明らかな部外者に気付かないなんて……!……っちアイツらの行先は第3番管理世界リタルダだったか……。

……うん……? まだあの不審者は転移してねぇな……ああ、一緒に移動したら気付かれるもんな……うし、今のうちにひっ捕らえて…………はっ? もう転移しやがるのか……クールタイムはどうした……!? 仕方ねぇ……強引だが割り込むか……南無三……!

 ここは…………上手くいったのか……?…………先程とは違う場所に転移したのは間違いない……さっきの不審者を探すか…………おっ……居た居た……予定座標とずれたのか慌てている様子が見て取れるな。

 

「バァカなぁ……!? 小生は護たんを追って転移したはず……ナニゆえこのような辺鄙なところに居るのだぁ……!? アーブラ・ギッシュ大将めぇ……怪しげな魔法を小生に施しおってからに……そんな魔法なぞ無くとも小生のストーキング技術は完璧であったわ……! 無防備に見えて勘の鋭い護たんに暗示をかけてまで万全の体勢を整えたというのにぃぃ……!? 嘆いていても仕方あるまい……いくら何でも別の管理世界に飛ばされているということもなかろう……探せば見つかるはずよ……! 暗示をかける際に拝借したこの至高のデルタスポット保護布の匂いをたどればなぁ……! クンカクンカ……すぅぅぅぅぅぅ…………ふおおおぉぉぉぉ…………!!!! 何と香しいかほりだ……!? ふふふふふ……そんなに離れてはいないようだなぁ……! いざ往かん……! 魅惑の花園へ…………!…………ゲフゥ……!?」

「おっとそこまでだ……余りの気持ち悪さについ殴っちまったが構わんよな? このド変態野郎が……おかしいと思ったぜ……護があんなミスをするなんてよぉ……魔法ってやつは暗示をかけることもできるんだな……こんな野郎が使ったら危な過ぎだろうが」

「き……貴様は石動大……!! 本部待機ではなかったのか……!?」

「していても良かったんだがなぁ……あんた等の大将みたいな不届きモンがまた湧いて出てこないとも限らんからな……見回りがてら散歩していたところだよ。ビンゴって奴だな……さぁて……色々と知っていそうだからなぁ……覚悟してもらおうか?」

「さ……先ほどは不意打ちであったが……対面した今小生に負けるという選択肢は存在せんぞ……!? 喰らえぃ……ギガントブレ……グフォ……!?」

「何だその香ばしいポーズは……隙だらけじゃねぇか。そら、もう一発……!」

「ふぬぉう……!? あっ……危ないではないか……次は小生の番……ぐぬわぁ……!?」

「実戦にそんなものあるわけねぇだろ……ゲームじゃねぇんだ……殴れるときに殴る……当たり前の事だろうが」

「ぐぬぬぬぬぅぅ…………このフントバイセン・ホスヒットともあろうものが……いち妖怪ごときに遅れを取るとは……あってはならんことだ……うおおおぉぉぉ……喰らえぃ……!」

「……だからそんな見え見えの攻撃に当たるかよ……そら、おまけだ」

「うわらばっ……!? ええい避けるでない……妖怪など……当たれば……当たりさえすれば…………!」

「へぇ……? そうか……じゃあ……当ててみろよ……ホラ避けないでおいてやるから」

「……っ!? ふっ……ふひひっ……こ……後悔するなよ……小生の“ギガント・ブレイカー”はAAAランク魔導師のプロテクションを問答無用で破壊した特別製……木端妖怪ごときが耐えられると思うなよ……!」

「御大層な能書きはいいからよぉ……やってみな……ド変態野郎!」

「抜かせ……! 往くぞ……キィエエエェェェ……!!“ギガント・ブレイカー”!!!」

 言うだけあって凄まじい爆風と衝撃が迫ってくるが、あくまでこれは魔法。この俺を傷つけるには力不足だ。俺に接触したその瞬間、そのギガント何某は力なく霧散する。

 

「こんなものか……まぁ純粋な魔導師ならこの程度だろうな……」

「馬鹿な……馬鹿ナ……ばかな……バカな……バカナァ……!!!?? しょ……小生のギガント・ブレイカーが……こんなこと……アリエナイイイイィィィィ…………!!!??」

「これで分かっただろう? 貴様は俺には勝てない。とっとと知っていることを吐きやがれ」

「うおのれぇぇぇぇ……死にさらせぇぇぇ……!!!」

「はぁ…………阿呆が…………うらぁっ……!!」

「ぐぶぉへ……!?…………あ……ありえなぁい…………ガクッ……」

「……いけねっ……力入れ過ぎて気絶しちまった……しゃあねぇ……先に司令部に連絡を入れるか………………っ!? 故障か……? つながらねぇ……!」

 

 色々通信端末を弄ってみたが本部に繋がる様子が無い。やはり考えられる要因は転移に割り込んだことだろうな……次元震とまではいかないだろうが、時空間に乱れが生じているのは間違いなさそうだ……面倒なことになった。暫く本部に帰れねぇぞ……勇達が戻ってきたらどう説明したもんだか……はぁ……憂鬱だ……それもこれもこの変態のせいだ。もっといじめてやればよかったか? まぁ起きちまったモンは仕様がねぇ……しばらく待つか……とりあえず地雷案件は始末してやったからあとはアイツら次第。無事戻ることを祈っといてやるか……頑張れよ……勇、護……!

 ヤバい案件は掃除したもんだから俺は安心しきっていた。今思っても遅いことだが、この時俺はとっとと二人を追いかけるべきだったのだと思う。そうすれは二人があんな目に遭うことなんて無かっただろうに…………巫女二人に何が起こったか……それは俺の口で語るのははばかられる。すまない、二人とも……俺は無力だった……

―――第3番管理世界リタルダ 霊脈ポイント―――

 霊脈までの道のりは順調であった。強力な妖怪もおらず、大した消耗なしで深部の霊脈ポイントに到達することに成功した勇率いる部隊。後は浄化するだけとエリアに足を踏み入れたその時であった。

 

「……っ……!? 何奴……!? はっ……!!」

「……むっ……!? 試しとはいえ、拙者の一太刀を凌ぐとは……潜む気配を捕らえた事と言い……このおなご……出来るな……!」

「剣術……!? この手応え……此奴……相当な手練れ……護……油断するなよ……!」

「カッパッパ……一合で力量を察し警戒を促す……冷静で周りを良く見ておる……」

「……っ……!? 勇さん……! もう一体居ます……!…………いえ……さらにもう一体……強い妖力を感じます……この場に三体強い個体が居ます……更なる警戒を……!」

「カパッ……!? まさか俺の気配も感じ取るとは……油断は出来ぬと言うことか……」

「三体……この規模の妖力が相手となると訓練したとはいえ、シーカーズでは手に余る……其方らは援護に徹し、手を出さない様にしていただきたい……! 下手に手を出せば命の危険もある故に……!」

「カパパ……未熟者を庇うか……その意気や良し……! 嫁にしたぃ……んんっ……もとい……勝負致そうか……! 拙者の名は河童三人衆河甲……」

「カパッ……三対二ではあるが、まさか卑怯とは言うまいな……? 同じく河乙」

「カッパッパッパ……俺達の連携……防ぎ切れるかぁ……!? 更に河丙」

「「「…………参る…………!!!」」」

「何……!? 河童だと……!? それに三人衆……まさか……!?」

「武闘派河童組織“混じり合う大河”……!」

「甲、乙、丙だと……組織の最高戦力じゃないか……!」

「ほぅ……我らの事を知っておるとは……お主ら……こちらの者ではないな……」

「カパッ……そんなことはどうでもいい……俺は強い奴と闘えればなぁ……!」

「カッパッパッパ……拙者とて……かつてない手応えに……柄になく昂ぶって来ておる……そこな少女と切り結びたい……あとまぐわいも…………んんっ……失礼取り乱した」

「……!? 今のは聞かなかったことにしておこう……何はともあれ、某も剣士の端くれ……新堂勇…………いざ参る……!」

「勇さん……! 援護しま……きゃっ……!?」

「貴様の得物は弓と見た……奇しくも俺の得物も弓でな……どちらがより優れているか……比べるのも一興だろう? 俺は丙と名乗ってはいるが……甲、乙、丙ともなると、単純な優劣で番付されているわけではない……俺が一番弱いなどと……勘違いしないことだな……!」

 

 歴戦の退魔巫女である二人……そのようなことは言わずとも分かっている……勇の援護

をしようとした護を妨害出来た地点で……只者ではない気配と実力に誘い込まれたことを悟る二人。闘いはまだ始まったばかりである。

 戦況は五分と言ったところだろうか……いかに名の通った妖怪で数の優位があるとはいえ、種族的な面で見ても歴戦の退魔巫女を圧倒するほどではない。とある妖怪組織と抗争したころからの付き合いである二人の巫女からすれば、その連携には穴があったのである。しかしながら数の不利は如何ともしがたい……だからこその現状とも言える。

 

「カッパッパ……いい腕してやがるが……疲れが見て取れるぜぇ……? いい加減諦めて俺の嫁になれよ……! そのけしからんおっぱいが暴れて目の毒じゃねえか……早く俺のモノにしてやりたいぜ……ケケケ」

「何を言うか河丙……あの乳は我のモノ……ククク……何やら動きが悪くなってきておるわ……我のモノになるのも時間の問題よ……」

「カパッ……!? 済まぬ少女よ……あ奴らの悪い癖が出たようだ……妖怪としては正しいことかもしれぬが……拙者は無理やりは好かぬ……正々堂々と打倒したおなごを抱いておるのだ……だから拙者との方がよかろう……?」

「「どれも大差ないだろう(でしょう)……!!?」」

 

 やはり妖怪は妖怪である。己の性欲に忠実であった。河甲は紳士であるようだが……HENTAIという名の……。一度宣言して欲望が抑えきれなくなったのか、河童どもの自分勝手なアプローチは切り結ぶたびに繰り返される。女の子にとっては最悪である。

何度セクハラの憂き目に晒されたかは分からない。潔癖な乙女である勇は毅然とした態度でお断りの斬撃をお見舞いしていたが、繰り返されるセクハラを受けた護の様子がどこかおかしい。動きに精彩を欠き、どこか呆然とした姿を度々見せるようになったのだ。すぐに気付いて立て直してはいるが、勇はいつ護が組み伏せられてしまうか気が気でない。フォローにも限界が来ようとしていた。

 

「カッパッパッパ……弓の嬢ちゃんは我の逞しい肢体に見惚れているようじゃな……目が釘付けよ……!」

「カパパパ……違うぞ河乙……俺の勃起したイチモツを凝視しているに違いない……あのはちきれんばかりのおっぱいでシゴいて貰いてぇもんだ……ヒヒヒ…」

「喝……!!! いい加減にせんか不届き者共が……! 護も何か言い返して…………護……!?」

 

 堪忍袋の緒が切れた勇の渾身の喝が炸裂するが、護の様子が本格的におかしい。目のハイライトが消え、意思のない表情で立ち尽くしてしまっていた。いくらなんでも有り得ない展開に、勇のフォローが完全に遅れてしまうことになる。そしてそのような隙を見逃すような河童たちではなかった。

 

「カパッ……! 獲ったぞ……! この女は我……河乙のモノだ……!」

「カパァ……先を越されてしまったか……まぁいい……一人堕ちた……小癪な連携も出来ねぇだろうから……とっととモノにすんぞ河甲……!」

「カパパ……出来れば拙者の手で打ち倒したかったが仕方あるまい……」

「くっ……舐めるなぁ……! 貴様ら程度……某一人で十分だ……!」

「カッパッパッパ……出来もしねぇことをほざいてんじゃねぇよ……素直に降参すりゃあ……可愛がってやんぜ……?」

「カパッ……!? 河丙はおなごの扱いが悪い……拙者の方が気持ちよくして進ぜよう……安心して身を任せるがよかろう」

「おのれ……馬鹿にしおってからに…………逆転は難しくとも……簡単にやられるとは思わぬことだ……覚悟してもらおうか…………!! ハァァァァァ……龍鳴斬!!!」

 

 圧倒的に不利になってしまった勇であるが、その心はまだ折れてはいない。温存していた霊力を刀に込め、奥義“龍鳴斬”を放つ。果たしてその抵抗は、上手くいくのだろうか……勇の絶望的で孤独な闘いが幕を開ける。

「カッパッパッパ……一人でよく耐えたがそれもここまで……往くぞ……奥義“河童も筆の誤り”!!!」

「いや……そこは弘法では…………しまっ……うわああぁぁぁ……!!」

 

 あんまりにもあんまりな名前の奥義に不覚を取ってしまった勇は吹き飛ばされ、そのまま地面を何度もバウンドする。今までの疲労も相まって、立ち上がることは暫く出来ないだろう。ここに勝負はついてしまった。退魔巫女の敗北という最悪な形で……あとは蹂躙されるだけである。もちろん性的に。

 

「ちっ……俺の奥義“弘法の川流れ”が炸裂する前に決まってしまったか……しゃあねぇ……そろそろ河丙もおっぱいちゃんを味わっただろうからそっちに行くとするか……」

 

 こちらの奥義も色々な意味で破壊力が高い。炸裂しなくて幸いであった。河乙の興味は護に移ったらしく、いそいそと彼女が蹂躙されているであろうポイントに移動する。

 

「さて……色々と不可解なことはあったが……勝ちは勝ちだ……お主には拙者の相手をしてもらおう……拙者はこちらの剣にもいささか自信がある故に……期待してもらって構わぬぞ……カッパッパッパ……」

「くっ……まさか戦闘中にあのような妖術を仕込んでいるとは……不覚……!…………む?……不可解だと……? 護のアレは貴様らの妖術ではないのか?」

「あのような真剣勝負の際に妖術を仕込む余裕などあるはずなかろうが……! 天狗でもあるまいに……」

「どうゆうことだ……? 何故護はあのようなことに………………まさか……!? 出撃前のアレも……………………!!!?」

「カパッ……そのような些事は今は関係あるまい……乙や丙ほど品の無い表現はしたくないが……拙者も辛抱たまらんかったのだ……たっぷりと味あわせてもらおうか」

「くっ……身体は自由に出来ても……心まで自由に出来ると思うなよ……!」

「凛々しいことだ……ますます拙者のモノにしたくなったぞ……では極上の馳走を……頂戴する……!」

「やめっ……やめろ……いやああぁぁぁぁ……!!」

 

 不可解な敗北をした勇は武闘派河童組織“混じり合う大河”のトップ河甲の毒牙にかかる。気高き彼女も、まだまだ生娘……経験豊富な妖怪の責めに耐えるのは困難であろう。穏やかだがどこか陰鬱な湖畔の傍で、退魔巫女の悲鳴が響き渡る。それが嬌声に変わるのは……もはや時間の問題であった。

 勇が河甲に犯される直前のことである。

 

(……何故か石動の反応を感じた……とても癪ではあるが……背に腹は代えられん……ヤツだけに伝わる救難信号を出しておくとしよう……ここまでそれなりに時間はかかるであろうから……某の身が持つであろうか…………頼んだぞ……石動……!)

 

 転んでもただでは起きないのが退魔巫女……助かる手段を見出し、即座に手を打つ……まさに歴戦の経験の為せる業であった。この判断がどうなるかは……今はまだわからない。

 




例によって時間が出来たら新ネームド妖怪の紹介とオリキャラ紹介を更新します。
かなり長くなっておりますが、本編では解説されていないオリキャラやネームド妖怪の設定も書かれていますので、興味があったら是非読んでやってください。
次回は河童に巫女さん達が犯されますので、次の更新をお待ちください。
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