※この作品はR-18です。

それぢわちいてんをはじぬる。   作:たんばりん

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第3話

「フハハハハッ!!!!」

闇夜に俺の笑い声が木霊する。

路肩に駐車してある黒のワンボックスに向かってガンツソードを縦に一閃。

ズバンッ!!!

 

本来鉄を切る音にあるまじき程の物がサックリ切れる音を立て車が真っ二つに別れる。

「やっべぇぇぇぇ!!!」

ギョーン!ギョーン!ギョーン!ギョーン!

振り向き様に背後にあった民家の塀に向かってXガンの引き金を引くこと4度。

間延びした銃声が響いた後、少しのタイムラグを置いて4度爆発を起こす。

「完全犯罪ぃぃぃぃ!」

 

 

ーーーーー

 

 

 

「まあそこまではいかんけどよ」

俺はガンツスーツのポケットからタバコを取り出し火をつけながら先ほど思案した己の行動に1人ツッコミをいれる。

流石にそこまでテンション爆上げ狂人化なんてするわけない。

ただテンションは上がるのは分かるし、分かって欲しい。

ガンツスーツである。透明化である。超パワーである。

これだけでどれだけのことが出来ようか。

それに加えて抜群の切れ味のソード、圧倒的破壊力(尤も、現代日本で手に入れられる物の中ではという枠組みの中での話ではあるのだが)のXガンを手に入れて気分が高揚しない筈がない。

 

 

「まあ、こんなもんかな」

俺はそう言って先ほど真っ二つにした車体の内一つに脚を掛けそのまま太ももに力を入れグイッと動かした。

ガリギャリギャリッ!

地面に車体を擦り付ける不快な音を立てて、その場に少し空間が空いた。

その様子に今日何度目か分からない程の笑みを浮かべ俺はその場から跳躍した。

目指すはねぎ星人。

せっかくGANTZの世界まで来れたのならなんとか死にものぐるいでカタストロフィまで生き残る必要がある。

第一死にたくはないのだ。必然となる第一目標。それは

「100点か。それまで何回取れるだろうか」

そして俺は屋根に着地し、瞬時に手からレーダーを取り出しマップを確認しながら翔ける。

目指す場所は、赤い点が一つ、青い点が二つ、その場に膠着している現場。

原作通りであればそこには玄野と西がいる筈。

そう、当たりをつけながら俺は翔けていった。

 

 

-------

 

「え?あれは・・・」

俺の視界に入ったのは、玄野と西ではなく、岸本が一人でねぎ星人と相対していた。

しかもとびっきりの大ピンチである。

「あ、そういえば西は透明化で隠れているし、玄野もガンツスーツを着ていなかったっけ」

俺は転送される前のことを思い返すが確かに結局ガンツスーツを新参者で着たのは俺だけであり、現に俺が最後に転送されたが、玄野が着替えるような場所はなく、無かったはずた。

「んじゃあ、あれか、原作改変って奴か。まあなんとなくやってみますかッ!」

俺はその場で透明化を解き、岸本のもとへと跳躍した。

 

「大丈夫かッ!?」

あたかも今来て、且つ現状を把握したようにやや強張った声音で岸本に叫び彼女とねぎ星人の間に入る。

「あなたはッ!?」

彼女は急に降ってきたような形になった俺にやや驚いた表情を浮かべた後、その顔を苦悶の表情に変える。

彼女の容態を見ると、おそらくねぎ星人に切られたのか、体中の至る所に切り傷があり、貸していたコートも無残に至る所が破れ血に濡れていた。

『うっそ、あのコートとんでもなく高かったのに』

なんて思っても実際傷が付いている彼女の前で俺は口を噤む。

 

「ギュオオオオォォォォォ!!」

「危ないっ!!」

岸本(正確には彼女に貸していたブランド物のコート)に視線を送っていたせいでねぎ星人に対して意識を向けてなかった俺は突如、

響く星人の恫喝に身を強張らせた。

ねぎ星人に背を向けていた俺に岸本から声がかかり俺は急いでその場から振り返ると腹部に強い衝撃を感じた。

ドンッ!

鈍い音を立てるも、俺はなんとかその一撃を無理やり踏ん張るかたちで抑え込む。

「え?」

恐らく岸本が予想した状況とは違い、なんとかその攻撃を受け止めた俺を見てそんな声を漏らした。

キュイィーン

痛くないわけではない。

しかし、スーツのお陰でなんとか吹っ飛ばされず受け止めるだけで済んだ。

本来生身なら死ぬはずのその一撃を防いだことに興奮しながらも俺はねぎ星人の顔を見上げた。

 

「おい。なんだお前。お前が宇宙人ってやつか?でけぇな」

向かい合う巨人と社畜

いくら俺の身長が180cmあるとあると言っても相対するねぎ星人はおおよそ2m30cm程。

その背丈はまるで大人と子供ほどの差である。

「お前、女に手を挙げたんか?あぁ?

それにこの子が来てるコート、高かったんだけどな」

俺は無理やり自分を落ち着け、やや低い声音でそうねぎ星人に声をかけ下から睨みあげ全身に力を込めた。

それに呼応するようにスーツの至る所から高い音が響き、全身が圧迫されのを感じた俺はその場で一歩星人に歩み寄り拳を思いっきり奴の腹部目掛けて突き出した。

「オラぁっ!!!!!」

ドゴンッ!!

殴る音に有るまじき鈍い音を立て、拳がねぎ星人の腹部に突き刺さる。

 

「グブゥゥゥッ!!!!!」

その衝撃に腹を抱えその場に膝をついたねぎ星人を無視し、俺は辺りを見渡した。

 

「おい。中学生の奴、いるんだろ。出てこいよ」

俺は近くで隠れているであろう西に向かってそう言うと、しばらく星人のうめき声だけが響いた後、彼は姿を現した。

「ハハッ。面白ぇ。童貞でここまで度胸ある奴も珍しい。それにスーツの能力も大凡理解できる。

アンタ何者だ?」

 

バチバチと空間から稲妻が走った後、転送前の頃とは打って変わって獰猛な肉食獣のような表情の西が俺の前に現れそして俺に近づいてきた。

「サラリーマンだ。」

「は?」

俺の言葉に西が心底、意味不明な奴って思ったような表情を浮かべた。

「それよりも。コイツなに?どう見ても人間には見えないけど」

俺は未だに地面にうずくまり地に涎を垂らしながら喘いでいるねぎ星人に指を指した。

「えー、どうしよっかなー。教えて欲しい?教えて欲しいならそれ相応の態度ってあると思わねぇ?」

西はそう言って不敵に笑った。

「この、くそ中坊が、社会人舐めてんのか?」

その彼の態度に答えるように俺は西を睨みつけた。

「お?なんだやるか?ならいいぜ、いつでも来いよ。殺してやるから」

俺の態度にどこか面白そうな表情を浮かべた彼は手をチョイチョイと手招きをし、挑発までしてきやがった。

 

「ふざけやがって!おい!中坊!」

「あ?」

「教えて下さい!お願いします!!!」

それは綺麗なお辞儀であったと後日岸本は語った。

先ほどまで凄んでいた雰囲気など消え失せ、最敬礼を通り越してその腰の角度たるや直角の90度であったとも。

「なにしてんだ?オッサン」

俺の行動に西が思わず眉間に皺を寄せながら問うてきた。

「見て分からねぇのかよ!お辞儀だろうがよ!頼んでるんだよ!教えて下さいってなあ!!!!

こちとら会社で脳みそが入ってないオラウータン共にも頭ペコペコ下げてんだ!頭下げて頼みごとするぐらい余裕なんだよ!!」

「あ、だから社畜・・・」

俺の言葉の後に岸本がひっそりとそう言ったのを耳聡く聞いた俺の額にピクリと青筋を浮き上がる。

「なんだ、アンタギャグ要員かよ」

しかも青筋を浮かべながらもいまだ頭を下げていた西にそう言われててしまった。

いや、お前も原作ではギャグ担当だぞ!!!

と内心、盛大にツッコミをいれてやるが、内と外は別である。社会人ならば。

故に俺は西に向かって再度頼み込んだ。

「いや、まぢで教えて下さい!人が実際死んでるんだ!それに彼女だってケガをおってる。少しでもいい。お願いします!」

そのあまりの潔い敬語に我ながら感心するレベルである。

俺の行動は西の心を射止めたのか、彼は俺をしばし見た後、少しため息を吐いた後に語ってくれた。

 

「星人。宇宙人。俺たちはその宇宙人を殺すために毎回呼ばれる」

そう言って西はもはや忘れられていた存在のねぎ星人に向かってYガンの銃口を向けた。

「ヤメデッ、ゴベンナサイッ!ねぎ!ね、ギあげます!ネギアゲマス!」

さっきから地面に腹を抱え蹲り、その存在を消していたねぎ星人がどこからかネギを取り出し未だ痛む腹を抱え、うずくまりながら必死にネギを俺たちの方に差し出す。

「ウケるッ!キモすぎな」

西はそんなねぎ星人の言動にその顔を光悦な表情で笑うとそのまま引き金を引いた。

パシュン

銃声というより、どちらかと言うと何かを放つ軽い効果音の後、Yガンの銃口からワイヤーが飛び出て、ねぎ星人を捉える。

ワイヤーがグルグルと星人の身体を覆い、そして最後に3点を地面に刺し、そこから星人を動かないように固定する。

 

「ほらよ。撃てよ。下のトリガー引けばそれで終わりだ。今回はアンタに点数やるよ」

 

「グォ!屋、ユルジテクダ、サイッ!ね、ネギ!ネギアゲマス!」

やや土下座したような形で地面に縫い付けられたねぎ星人が声を荒げるが、その事など意に介さないように西がニヤリと笑い手にしたYガンを俺に差し出す。

 

「点数?」

「あぁ。点数だ」

「いや、なんだよ点数って。それを教えろ、いや教えてくださいよ」

俺の言葉に西は一瞬忌々しいと顔を歪める。

本当に表情豊かで面白いな。西くんは。

などと内心は思いながら、GANTZのことはなにも知りませんという風を装うべく俺は首をかしげる。

 

「チッ。だからー、コイツら星人には点数がついてて!俺らは100点取れるまでコイツら星人を殺しに呼ばれんの。

まあ、俺の予想じゃ、コイツは良くて5点ぐらいだろうがな」

西はそう言って顎でねぎ星人を指す。

「え?毎回?毎回ってどうゆうこと?」

岸本が西の言葉に耳聡く反応し、問うた。

「うるせえぞ。巨乳。俺はお前には話しかけてねぇ」

西の無愛想な声がその場に響く。

「えっ?!」

急な西の態度に岸本が困惑した表情で聞き返すが、帰ってきた言葉は彼女が期待した答えではなく、むしろその逆。

「そもそも、なんだお前。無駄にデケぇ乳しやがって、脳味噌の栄養の全部がその乳に行ったんじゃねぇか?あぁ?どーせ、『アタシはキャワイイからきっと誰かが助けてくれるよぉ〜キャピッ♪』って思ってたんじゃねぇのか?ざーんねーんでしたー!俺はずっと影に隠れて見てただけで助けるつもりもありませんでしたー!!!最も最後はそこのオッサンが助けたけどよ」

 

西はそう言って俺に視線を戻し、またニタニタと笑いながら俺の肩を叩いた。

「もういいから、早く終わろうぜ。これ、ここ引けばいいから。なっ?」

そう言って再び俺にYガンを渡すべくソレを目の前に持っていく西。

「それを撃ったらどうなる?」

「知らね。死ぬんじゃね?それか上に運ばれるか」

「上ってなんだ?」

「上は上だ。俺も詳しいことは知らねぇよ」

「そっか」

俺は西とのいくらかの問答を終えると、Yガンを持つ西の手を払いのけ、未だ地面に縫い付けられたねぎ星人に近づく。

「ごめんな。ねぎ星人。ちゃんと供養するから安らかに眠ってくれ」

俺はねぎ星人にそう語りかけ、太ももにかけていたガンツソードを抜き構える。

ジャキンッ!

高い金属音がした後柄の部分だけであったソードから刀身が伸び、日本刀のように鋭い刃紋のソードが姿を現した。

「おやすみ」

スパンッ

 

俺が振り上げ、そしてねぎ星人へ振り下ろしたソードは、どこかに引っかかるような感触などなく、本当になんの抵抗も感じない程スッパリと彼の首と胴体を切り離した。

「お前、それ」

そして俺が持つソードに目を見開いた西に向かって俺は言った。

「たまたま最後にウロチョロしてたら違う部屋で拾った」

俺がそう答えると、すぐに頭の上からジジジジジジと音がしてすぐに俺は再びあの部屋へと戻された。

「お前ほんとに面白えな」

去り際西はそう言って俺に語りかけた。

 

「終わったのか?」

「カトウッ!!!」

俺が部屋に戻るとどこかで生きていたのか加藤に駆け寄る玄野の姿が目に入った。

そして俺の次に転送されたのは岸本であり彼女は転送された時に先ほどのケガが完治しているのに驚いている様子だった。

「ケガがない」

身体中の至る所にあった切り傷は消え、そしてもはや着ることが不可能なほどボロボロになってしまっていた俺のコートもまるで先ほどのことが夢だったように元に戻っていた。

「お疲れ様」

トンッと背中に手を置かれそう声を掛けられたのを感じ、俺は後ろを振り向くとそこには西が立っており、あのニタニタとした表情を浮かべていた。

「説明してもらってもいいかな?この現状」

俺の言葉に周りで困惑していた玄野、加藤、岸本が思い出したかのように俺たちに視線を向けた。

「そうだっ!テメェ!この中坊っ!!」

そして加藤が西を再び見つけた瞬間彼に詰め寄り胸ぐらを掴んだ。

「テレビとか全くのデタラメじゃねぇか!!テメェのせいで何人死んだ!!」

そして空いた手で西を殴ろうとした瞬間ガンツから声が聞こえた。

 

『それぢわ、ちいてんをはじぬる』

 

 

かとうちゃ(笑)

0点

やる気なちすぎ

ちけびすぎ

「は?え?これ俺?」

 

社蓄ファン一号

0点

乳揺れすぎ

社蓄見過ぎ

「えっ!?何これッ!違いますから!あの、これは違くて!!もう、なんだよぉ。それに・・・揺れ過ぎって」

岸本が自分に対するコメントにワタワタとするのがどこか微笑ましく俺は笑ってしまった。

 

 

社蓄

3点

社蓄ファン一号の乳見すぎ

巨乳好き過ぎ

Total 3点

「え?(俺)」

「え?(岸本)」

 

にしくん

0点

ドンマイ(笑)

次があーるーさー

Total85点

 

くろのくん

0点

社蓄ファン一号の乳見てちソコたちすぎ、

 

「まぢかよ」

玄野に対するガンツのコメントに俺がそんな言葉を漏らす。

「いや!!ちげぇって!!てかアンタもだろうが!!!」

そしてすぐさまそれに突っ込む玄野だが玄野に対する岸本の視線はどこか冷たかった。

 

「て、てかそれよりもだ!おい中坊!どうなったんだよ!説明しろや!!」

岸本の冷たい目線に耐えられなくなったのか、玄野が思い出したかのように西に詰め寄った。

「ハッ。イヤだね。教えても俺になんの得もなさそうだしな。まあ、精々次呼ばれた時も死なないように馬鹿は馬鹿なりに考えておけよ。

まあ。ギャグ要員のオッサンには期待してるけどよ」

西はそう言って詰め寄る玄野を横に躱した後、玄野の腹部を膝で蹴り上げ、ついでとばかりに先程から西の隣に立っていた加藤の腹部に拳を突き刺し透明化した。

 

「あ、ただ大サービスで一つ。ここのことは誰にも話さねぇ方がいいかもな。話したら頭バーンだからな」

そう言って視界から突如として消え失せた西は去り際に『まあ、お前らどーせ次には死ぬだろうけどな』と言葉を残して、周囲からその気配を消した。

いや、原作改変しすぎじゃね?西くん原作では優しかったろと内心思わなくもなかった俺だが、正直説明も説明で面倒だし俺自身今回が初めての転送だったわけだから事情を知る方がおかしいと思い直し俺は横に立つ岸本に話しかけた。

「ねぇ?ファン一号さん。どーせならこれからご飯行かない?」

「ファ!?ファン?!じゃなくて!!岸本です!!」

俺の問いかけに盛大に驚く彼女に俺は無性に面白く感じ、その場でフフフと笑ってしまった。

「ごめん、ごめん。まあ、折角だし俺が君と合流するまで何かあったのか聞きたいし、今から良かったらファミレス・・・はアウトかな」

俺はそう言って彼女の服装を見る。

ブカブカの俺のスーツとコートを羽織っているが中身は裸である。

下手すれば痴女であるし、どう見ても成人には見えない。

時間的にも、服装的にも補導待った無しの格好の獲物であることは容易に想像が着いた。

「うーん、それか一度タクシーで送るからその後着替えてファミレスかどこか・・・あっ!!」

「え?」

そして俺は気づいてしまった。

そもそもここの世界の住人ではない俺の家など、この世界にあるのか。

給与を貯金してある口座は?

現在サイフの所持金は恐らく3万円程しかない。

もしかしたら俺は路頭に迷っている最中なのかもしれないことに今更ながら気が付いた俺はその場で盛大に冷や汗をかく。

 

「まあ、とりあえず一回タクシーで送るからそこから着替えておいでよ」

暫し頭の中で現状について考えたが、家がないのは困るが、金についてはスーツでいくらでも盗めばいいかと考え、ある種賢者的な発想に至り、俺は笑顔で彼女に問いかける。

 

「え、あの。・・・はい。いいですよ」

暫しその場で視線をウロチョロとした彼女はやがて俺の瞳を見つめ、少し微笑んだ表情で頷いた。

「とゆうわけだ。君達もくる?男子高校生コンビ君」

 

そして俺は今だに床にうずくまる男子高校生組の2人に声を掛け、やがて2人が回復するのを待ち、部屋を出た。もちろんガンツスーツを着たままに。

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