さて、改めて秘密道具を使って妄想と理想の実現、それに不安要素の払拭に今現在俺が抱え込んでいるコンプレックス解消に取り掛かろうじゃないか。
あ、因みに衣食住の衣は特に気にしない。
何故ならこの壁紙ハウスの中に引きこもる時間が長くなり、リアルの外には殆ど出歩く機会は極力減っていくからだ。
どうしても必要なら定番の着せ替えカメラにこれまた壁紙シリーズの服飾店を利用すれば問題無しだ。
だが、リアルとの関わりに切っても切れない問題がある。
それが「お金」だ。秘密道具が在る今お金の存在意義と価値は極端に低くく、やがては必要なくなるだろう。だが、引きこもるにしても最低限リアルとの関わりにお金は必要なのだ。
理由としては今現在現実の世界で俺はこのコーポの一室を賃貸契約しており、
その家賃に秘密道具に並んで便利なスマホの利用料金、電気、水道代、そして忘れた頃にやって来る住民税だ。
俺のリアルの経済情勢はとても乏しい。
底辺ながらも正社員時代の頃は曲がりなりにも昇給、ボーナスがあり、祝日祭日等の連休(因みに会社は完全週休2日制)にお盆休みに年末年始の長期休暇。
これだけしっかり休みがあっても、毎月一定額の給料は保証されて安定はしていた。
だが、会社が潰れてからは環境は一変し辛く、厳しい不安定なモノになった。
再就職は厳しく、やむを得ず派遣に身をやつす以外選択肢はなかった。
時給計算式の低賃金なため、正社員時代とは違い働いたら働いた分だけの給料で大型連休や、お盆に年末年始の休みがある場合など給料額が大きく減り、目に見えて貧困の負のスパイラルにはまりもはや自力で抜け出すことは叶わずに40歳にして人生が終わっていた。
だが今は違う!秘密道具のチート性能を余すことなく駆使し、栄光を掴みとってやる!!
お金の問題を解決するにはこの道具以外ないはず!俺はポケットの中から
例の道具を取り出したジャーン「フエール銀行」!!
この、誰もが夢想し一度は欲しいと願った秘密道具だ。劇中ではドラ○○んの説明によると、のび太がたったの10円を預け入れて一週間で約9000万円程になる。っと言っていた超複利のハイパーインフレ待った無しの優れモノだ。
早速俺はフエール銀行に10円を預けた。だが悠長に一週間も貴重な時間を費やす真似はしない。何故なら時間に関係する秘密道具を使い超ショートカットするからだ。
取り出すのは勿論これ、「タイム風呂敷」だ。この風呂敷は中に包んだ物質の時間を進めたり逆に時間を巻き戻したりするこれまたチート性能である。
俺はタイム風呂敷をフエール銀行に被せようとする。ふと、足下にメモ帳らしきモノに目をやる。 俺は拾い上げページをめくった内容は神様からの道具のブラッシュアップ調整した際の細かい指南書と言えるメモ帳だった。
神様のメモ帳(少し昔のライトノベルで同じ要なタイトルがあったような気がする)の目次欄を開く。
あいうえお順に道具名が記されており、俺はタイム風呂敷の項目にページを開く。すると神様の姿が浮かび上がり語り始める。
「このメモ帳には秘密道具を扱う際機能の追加や拡張を施した部分の説明をするためにお主に進呈するモノじゃ現在風に言うならチュートリアル
ってやつじゃな。また、扱いを間違えてもセーフティ機能を付けてあるで、特に危険な状態になる事もない。上手く活用して楽しんで貰えたら良い。機会があればまた連絡する、じゃあの」
神様からの再三の贈り物に俺は感激し、今度ネットでビ○○○○ンのシールを落札して額縁に飾り、感謝の祈りをしようかな?などと自分でも本気か冗談なのかわからない事を考える。どっちにしても有難い話しだ有効活用せねば。
改めてタイム風呂敷の項目ページを開く。「タイム風呂敷は便利な道具だが望む時間の進み、巻き戻しの細かい調整が難しいそこで音声機能を付けて包んだ物質の望んだ時間状態を口で言えばキッチリと希望どうりの状態でできあがる機能を追加してあります。また、できあがりのお知らせアラームも付いています」
・・素晴らしい!劇中だとかなり時間調整がアバウトに思えたからな~
早速フエール銀行にタイム風呂敷を被せ、「預金額が調度一億円になるまで時間を進めてくれ」と、風呂敷に向かって言った。暫く待つこと約3秒ーージリリリーン!と、お知らせアラームが鳴り響いた。
俺はワクワクしながらタイム風呂敷を取り外し、フエール銀行に正面に向かって、「今預けてある預金全額引き出しを希望する」と言った。
ガチャガチャウィーンバサバサ 窓口から大量の札束が飛び交い、床に現金の塊が積み上がる。
俺はブルブルと体の震えが治まらず、塊から背を向けて精神と肉体を静めようと何度も何度も強く、深い呼吸を続けた。ようやく気が鎮まり生唾を飲み込みしっかりと向かい合う。
「はっはっははは、ぎゃははは」 今出している声が本当に、自分のモノなのかわからなくなるほど奇声をあげてしまった・・
理由は目の前に、本物の現金一億円が積み重ねてあったからだ。
気が付くと俺は涙目になっており、思わず札束の塊にのし掛かった。ズッシリとした確かな重量感にこれが夢ではない!、と強く実感した。・・しばらく札束を抱きしめ息を吐き浮かれる気持ちを押さえつつ、なるべくクールにこれからの予定を整理した。
先ずはリアルの銀行に毎月十万程預けよう。家賃、スマホ代、電気、水道代
は取り敢えず問題ない。アパートはいずれは老朽化で取り壊しになるだろうが、当分心配はない。仮にそうなっても秘密道具をつかえばどうにでもなる。
では次はコンプレックの解消といこうじゃないか!
俺は着実に計画が問題なく進むのを嬉しく思った
ちなみに一億円は重さ十キロあるそうです。