※この作品はR-18です。

Fate/zero × MTG のクロスでも書こうかなと   作:栗鼠科.aka.メスガキ撲滅委員会

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こんなに短いプロロ初めて見たよ


プロロから第一夜終了まで
01


 

 一面の雪景色が広がっていた。木々は白装束を纏い、大地は白塗りで、空気が凍っていた。

 衛宮切嗣は、この場所が好きだった。妻の故郷ということもあるが、静かで、平和だったからだ。

 その一方で。この男は、なんとも不思議そうな顔で、物珍しそうな目をしていた。

 

「ゆき…か。ふむ…」

 

 窓の外に広がる一面の雪景色を眺め。セイバーが呟いた。

 

「寒いところは苦手? セイバー」

 

 そう聞いたのは、彼のマスターの妻。アイリスフィール・フォン・アインツベルン。

 呼び掛けられたセイバーは首を動かさず、窓の外を眺めたまま、答えた。

 

「霊体だからか…、気温の変化には疎い。だが、珍しくてな…」

「あなたの故里(ふるさと)は、雪が降らなかったのね」

「ああ。ミラディンでは見なかった景色だ。しかしなんだ、まだどうにも、慣れんようだ」

「仕方ないわ。切嗣だって、最初は辛そうにしてたもの」

 

 アイリスフィールはくすくすと笑った。伝説として語り継がれる英霊が、寒さに弱いというのが、なにか面白かったらしい。

 ここで、セイバーの目が、細くなった。想いのある目だった。なにか、忘れていたものを思い出したような、複雑そうな感情が見えた。

 ふと気になったのか、アイリスフィールは席を立ち、セイバーの隣へ移動した。

 

「………」

 

 セイバーの視線の先、窓の外に。林の中で遊ぶ、親子の姿があった。

 セイバーは黙って、なにかを想いつつ、それを見つめていた。

 

「子供が好きなの?」

 

 アイリスフィールの目には、セイバーの表情に浮かんだ感情が、優しさに見えた。それは、自分の子を見守る、夫の目に似ていた。英霊と言えど、サーヴァントと言えど、元は人間なのだ。例え他人の子供であっても、その成長を喜ばない大人はいないだろう、そう考えた。そして、返ってくる返事は分かっていても、アイリスフィールは、聞かずにはいられなかった。聞いた後で、聞かなければよかったと、聞いてはいけない事だったと、後悔したが。

 

「…そうだ。あのような笑顔は、戦場では見られない。未来を作るのは、大人ではない。子供たちが未来を作る。我々はただ、それを助けるだけだ」

「…そうね」

「戦争の無い世界というものが、こんなに平和だったとは。……いいものだな」

 

 セイバーは、侵略軍との戦いで疲弊した心が、気温とは真逆に、優しく解けていくのを感じた。それは、戦う理由として十分だった。

この世界を守りたい。子供たちの未来を、笑顔を守りたい。それが、今も生前も変わらない、セイバーの目的だった。それを思い出した。

 最初こそ戸惑っていたセイバーだったが、視線を下ろし、顔を上げた時、そこに迷いは無かった。戦う理由ができた。自分の新しい命をかけるに値する、正しい理由が。

 元より、セイバーに迷いなど無かったのだ。迷う必要なぞ、無かったのだ。戦争を終わらせて、平和を取り戻す。それが、ただ一つの願いだったのだから。

 そうして、清純を夢見た気高き戦士は、冬木へと降り立つ。




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