Fate/zero × MTG のクロスでも書こうかなと 作:栗鼠科.aka.メスガキ撲滅委員会
死とは、究極の理不尽である。殺す者は、それを理解した上で、人を殺さねばならない。だが時として、その理不尽を楽しむ怪物が現れる。そう、殺人という楽しみを覚えた、血に飢えた獣が、必ず現れるのだ。
それは必ず現れた。どの時代にも、必ずと言っていいほど、存在した。ある時代では戦士、ある時はピエロ、またある時はただの青年だったりした。それらは、まるで先人から受け継いだ、後継者であるかのように、殺人を楽しめる才能を持っていた。そして彼らは、ただの一人も違える事なく、良識というものが、道徳というものが、欠落していた。
それは、アラーラにも存在した。アラーラという次元が五つに分かれ、断片となった事が、原因だったのかもしれない。
グリクシス。アラーラの一部であった、断片のひとつ。死と腐敗が支配する、地獄。彼はそこで生まれた。
彼の産声は呻きに近かった。血と、泥と、死体の中で、彼は生まれたのだ。
そう、彼は死体から生まれ、生まれながらにして死んでいた。
そんな彼に付けられた名前は、グリクシスの言葉で、『地を赤く染める者』を意味する。
―――――
「…なっ!?」
突然、セイバーが驚きの声を上げ、驚愕の表情で振り返った。その理由は、隣を歩いていた、アイリスフィールにも理解できた。
危険が迫っている。それも、とてつもない脅威が。
険しい表情のセイバーが、アイリスフィールの前へ出て、庇う様に腕を伸ばした。
「・・・・・・・・・・」
セイバーの表情に浮かぶのは怒り。その理由は、とても単純。ここが、"未だ人の往来が残る"、"街中"だからだ。
確実に犠牲者が出る。民間人の犠牲者が、罪無き死人が出てしまう。それは避けようもなく。
セイバーは瞳を閉じる。そして、覚悟を決めて、顔を上げる。
「アイリスフィール」
「……え。…ぁ、ああ。ごめんなさい、セイバー。なにかしら?」
空気に飲まれたのだろう、アイリスフィールは、少し返事に詰まった。無理もない。既に、周囲の一般人の中にも、異常を察知したのか、気分を悪くしている者が居る。気配と魔力に敏感なアイリスフィールなら、より強く、その気に当てられるのだろう。
「民間人の避難誘導を頼む。私は…、奴を倒す」
「ええ、任せて。強制認識はあまり得意じゃないけど、
「こんな街中で、しかも、まだ人が居るというのに、殺意を剥き出しにして実体化するような奴だ。ここで交戦する訳にはいかない。奴は周りの被害も省みずに、全力で暴れるだろう」
「…そうね。きっと、バーサーカーか何かよ。こんな無茶苦茶な実体化させるなんて、普通の魔術師じゃありえないもの。恐らく、制御しきれていないんだわ…」
アイリスフィールの読みは、当たっている。正しい推測から導き出される推論は、いつだって真実に近いものだ。魔術の秘匿を重んじる魔術師であれば、このような場所で、戦闘目的で、サーヴァントを実体化させるはずがない。その考えは正しい。だが、もうひとつ、導き出される可能性がある事を、アイリスフィールは見落としていた。それもまた、無理もない事だったが。
「近くに波止場があったな? あそこへ誘導する。…それと、切嗣と連絡を取っておけ。一人では危ない」
「わかったわ」
既に、セイバーは冬木の地図を頭に叩き込んでいる。道案内は必要無い。
アイリスフィールがセイバーの傍を離れ、民間人の誘導を始めようとした、そのとき。セイバーが、敵意を露に一歩踏み出した、そのとき。セイバーの視線の先で、人垣の向こうで、おぞましい殺意が爆発した。
「…ッ!!」
「ひっ…!」
セイバーの顔が怒りに歪み。アイリスフィールは頭を抱えて恐怖し。人々が死を予感した。
最早、一刻の猶予も無い。セイバーは走り出した。逃げ惑う人ごみを掻き分けて、真っ直ぐに進んだ。それでは間に合わないと知ると、セイバーは跳躍し、壁を走った。
一般人が殺された。夜の繁華街の、真ん中で。
悲鳴と怒号が響き渡り、恐怖と不安が伝播していた。
死が、理不尽な死が、この街にやってきたのだ。
―――――
阿鼻叫喚の地獄絵図。そう、言葉にするなら、それが一番正しい。
人々は逃げ惑い、叫び、恐怖していた。恐慌は伝播する。一人、また一人と、恐れをなして、逃げようとした。
その中心で、この事態を引き起こした張本人は、笑っていた。
「グッグッグ」
それは、笑い声なのか。濁り、潰れて、聞き取れない声だったが。間違いなく"笑っているだろう"と、推測できた。なぜなら、その悪鬼は、凄く楽しそうだったから。
「リュウノスケ、ワカルか? コイヅラ、スゴく弱イぞ」
縦に二つに裂いた人間を持って、スラクジムンダールが言った。
話しかけられた青年は、顔を青くしたまま、弱々しい返事をした。
「ゴメン、なんつーか…、スゲー気分わりーんだけど…」
「ホントウにオモシロいのハ、戦ウキガアるヤツダ」
青年の言葉を遮り、スラクジムンダールは言った。スラクジムンダールの言葉は正しい。『武装した人間を狩る楽しさを覚えたら、そいつはもう、他の事では満足できなるなる。』、そんな言葉がある。確かに、優越感や征服感が最上の形で手に入るのなら、それに勝るものは無いのだろう。誰だって、他人より上に立ちたいし、他人を上回りたいと思うものだ。殺人という究極の理不尽で、他者の人生を踏み躙り、全ての面で死者を上回れるのだ。ならば、
「モット…モッとコロすゾ」
そう言うと、スラクジムンダールは、逃げる民衆へと走った。
スラクジムンダールは、「戦意のある者を殺す方がおもしろい」と言った。それは彼の本心だろう。だが、彼は、一度も、「逃げる奴を殺すのは楽しくない」とは、言っていない。
そして、首が宙を飛んだ。それもひとつではない、一度に5人の首が飛んだ。スラクジムンダールは、ただ剣を振っただけである。水平に、剣を薙ぎ払っただけだ。それも、とても軽く。それだけで、5人の命が失われた。
次いで、スラクジムンダールは、返す刀で、下段を
耳に痛々しい絶叫が、四重になって、辺りに響いた。だが、
スラクジムンダールの剣には無数の
最後の
殺してから奪う魂食いとは、実に新しいですね。新しすぎて誰もやらないけど。
それはそうと、このバーサーカーって魂食いしても魔力が足りないから宝具使えないんじゃね? 使える? 龍ちゃんじゃ魔力ヘボすぎるから無理っしょ?
てことは…(勝ち目が)もうないじゃん…
どうすんのコレ? 精神干渉で弱体化させなきゃセイバー相手に勝ち目ないじゃん。ヤバくね? バーサーカー詰んでんじゃね? 終わってね?
一応、速攻スキルの恩恵で敏捷がC+になってっけど…。
セイバーは常に敏捷Bだし? 先制攻撃スキルあるし? 戦争と平和の剣持ってるセイバーって筋力がAの限界値でしょ?
あっ(察し)、ふーん…。
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