※この作品はR-18です。

Fate/zero × MTG のクロスでも書こうかなと   作:栗鼠科.aka.メスガキ撲滅委員会

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背中斬られて横腹刺されても耐えるジョーさん→ http://www1.axfc.net/u/3178952.jpg
やったぜ。

今回、路線があっちゃこっちゃ飛んでて無茶苦茶です。
それもこれも、アヴァシンって奴のせいなんだ…(KSK)
あの人が出るとギャグなのかシリアスなのかワケわかんねーことになるんスよ

あ、ゼナゴスが神になったのはペス子のせいだよ? そこは間違わないでね?
酒飲んで食って騒いで遊んでたらそれが信仰になるんだから、ゼナゴス神ってすげーいい神様だよなー。ゼナゴスはサテュロスの神って訳じゃなくてさ、享楽の神なんでしょ? てことは人間が信仰してもいい訳じゃん? やっぱいい神様だわ、ホント。

ついでに、章管理して色々直してきた。やっぱ誤字とか色々あったしね、直しておかないと。


08

 

 

 暗殺者(アサシン)の利点とは、対人に特化したその性能にある。ウェイバー・ベルベットはそう考える。確かに、誰にも覚(さと)られることなく、対象の背後から、必殺の一撃を刺せるのだ。その殺傷能力と隠密性能は、相乗効果によって、特定の条件下で凄まじい成果を発揮するだろう。

 だが、当の本人(アサシン)は、そんな風には考えていない。それもそのはず。策謀渦巻くラヴニカの裏社会にて、その頂点に君臨した闇黒街の王は、情報こそが最も重要であると知っているから。

 

『バーサーカーの消滅を確認し、そのマスターの死亡を確認。セイバーの宝具と実力を確認し、そのマスターの存在を確認。ランサーの正体を確認し、そのマスターの存在も確認した。そして、未だその正体は不明だが、実体化と霊体化に優れた能力を持つサーヴァントの存在も確認した。労(ろう)せずこれだけの情報が手に入るとは、今夜は素晴らしい一日だな。そうは思わんか? マスター?』

 

 回線(パス)を通じて、念話で意思疎通を諮(はか)るアサシンは、とても上機嫌だった。それもそのはず。アサシンとウェイバーが支払ったのは、少量とは言えないが、一晩寝れば回復する程度の魔力だけだ。たったそれだけの労力で、二人は、凄まじい戦略的優位性を手にしたのだから。

 マスターの顔は覚えた。殺すのはいつでもできる。サーヴァントの実力も大方把握した。潰し合わせるにはもってこいの人材だ。そして、今のマスター同士の会話。これを進めさせれば、ウェイバーとアサシンの優位性は、最早揺らぐ事のない、確かなものとなる。

 

「でもさぁ…、なんか卑怯な感じがして…気が引けるよ…」

 

 隠れ家(アジト)とは名ばかりの借家の一室で、ウェイバーが呟く。当然、その言葉はアサシンの耳にも入る。やはり、無理があったか。アサシンがそう思うのも無理はない。

 元々、ウェイバーがこの聖杯戦争に参加した理由は、ひとえに自身の実力を証明し、正当な評価を得るためだ。サーヴァントを召喚出来たのは、確かにウェイバーの実力故(ゆえ)だろう。だが、この戦略は全て自分のアサシン(サーヴァント)が練ったものであり、実際に行動しているのもアサシンであり、今夜のウェイバーはなにもしていないのだ。それが不満というか、もどかしさというか、申し訳なさなのだろう。ウェイバーは確かに魔力を提供している。それが無ければ、アサシンは現界する事も出来ないし、実体化も出来ないし、魔術や宝具を使う事も出来ない。だから、一応はウェイバーも働いている。しかし、たったそれだけだ。あまりにも未熟者だから、ウェイバーはそれしか出来ないのだ。

 それが嫌なのだろう。もっと力があれば、そう思わずにはいられないのだろう。

 ウェイバーは落ち込んで(ブルー)だった。

 

『勝つためにはこれが最善なんだ。理解しろ。

 …そら、ランサーのマスターが動くぞ。"またパスを増設する"から準備しておけよ…』

 

 アサシンがそう伝えると、その場に"新たなサーヴァントが生まれた"。それはアサシンと全く同じ姿形であり、アサシンと同じサーヴァントでもあった。新たなアサシンは気配遮断スキルを使用し、完全に己の気配を絶つと、ランサーのマスターの方へと向かった。

 "三人のアサシン"がほくそ笑む。繁華街にあるビルの屋上で、セイバーとランサーを見下ろすアサシンが。ランサーのマスターの背後に立ち、その後(あと)を追跡するアサシンが。ウェイバー・ベルベットの隣に佇む、本物のアサシンが。皆一様に、同時に、笑みを溢した。

 

「まさかラクドスの血魔女とはな。ちょっと餌をやれば、簡単に操れそうな駒じゃないか。奴にはせいぜい暴れてもらうとしよう…」

 

 その呟きは、誰にも聞かれなかった。

 

 

―――――

 

 

 小走りで現場へと駆けつけたアイリスフィールは、その優しい光が消えていくのを、ただ見ているしか出来なかった。セイバーの力を侮っていた訳ではない。それでも、漂う死臭と血の匂いが、惨劇の証拠を知らしめてくるのだ。間に合わなかった。助けられなかった。それがどうにも悲しくて、無力感だけが溢(あふ)れてくるのだ。

 

「天…使…?」

 

 セイバーと合流しなくてはならない、民間人の避難が完了した事を教えなくてはならない。そう思い顔を上げたアイリスフィールは、弱まった光の中心に、天使を見た。純白の翼を持つ、光り輝く天使。誰だってその姿を見たら、天使だと解ってしまう。一目瞭然。疑う事すら愚かしい。誰がどう見ても、天使だった。

 

「アイリスフィール! 来るな! そこに居ろ!」

 

 どうしてだろう、せっかく天使様が居るのに。セイバーの忠告が聞こえていないのか、アイリスフィールは、全てを忘れて、ふらふらと歩きだした。

 アイリスフィールの胸には歓喜しかなかった。人造人間(ホムンクルス)にも、命の答えがある。それを教えてくれる光が、目の前に見えたから。あれは絶対に正しい。声を聞きたい。導いてもらいたい。アイリスフィールはまるで取り憑かれたかのように、なにもかもを忘れて、一点だけを見つめて、ふらふらと歩いていた。

 

「止まれ! アイリスフィール!! そこまでだ!!」

「えっ…、あ…セイバー…?」

「私が判るな?」

「…ええ。どうしたの…酷い怪我…、なにがあったの…?」

 

 しっかりと肩を掴まれ、ガクガクと揺さ振られて、アイリスフィールはようやく自分を取り戻した。まだ意識はハッキリとしていないらしいが、セイバーの横腹から流れる血を見て、気遣う事が出来るあたり、もう大丈夫なようだ。

 その様子を見て、セイバーが安心の溜息を吐く。アイリスフィールの目に、あの血の海は毒だ。それを見せるわけにはいかなかった。

 ようやく落ち着いたアイリスフィールの姿を確認し、それがセイバーの焦った原因である事を知ったランサーが、その場に駆けつける。

 

「どうされました?」

「ああ、すまないな。彼女が少し取り乱したようで…。紹介しよう、こちらが私のマスターである、アイリスフィールだ」

「は、はじめまして……、天使様…」

「はい。初めまして」

 

 優しく穏やかな笑顔、正しく天使である。その慈愛に満ちた微笑みは、アイリスフィールの目に強く焼きついた。確かな尊敬、熱い情景。言葉を失う程の光が、そこにあった。なにもかもを忘れられる確かな希望が、ここに存在した。

 

 隣に居るセイバーがその影響を受けないのは、既に慣れているからだろう。ミラディンにも天使は存在した。人の願いから生まれた天使も、金床から生まれた天使も、共に戦ってくれた天使も居た。勝利の伝令たる天使が居た。不退転の大天使が居た。光り輝く、太陽破の天使も。そして、油に汚染されて堕ちた天使も…。

 

 熱い尊敬の眼差しで、天使(ランサー)を見上げたままのアイリスフィール。どうして現場に戻って来たのかも忘れてしまったのか、彼女はセイバーの存在すら眼中に無いようだった。

 一方で、その熱い眼差しを向けられるランサーは、とても平然としていた。こちらも慣れているのだろう。なにせ、アヴァシン(ランサー)の故郷であるイニストラードでは、彼女を崇める宗教が存在するくらいなのだから。アヴァシン教会には天使を称えた像が立ち、天使を敬う声で満ち、天使の庇護に感謝する人々で溢れている程だ。イニストラードの頂点と言っても過言ではない、それがアヴァシンという天使なのだ。今更、憧れの視線がひとつ増えたところで、どうということはないのだろう。

 

 突如として盲目的になったアイリフィールの変わり様に、セイバーは困惑した。が、それも少しの間だけだった。新たな気配が降りて来るのを察すると、セイバーは即座に剣を抜き、構えた。

 魔術師である。聖杯戦争に参加しているマスターの一人であることは、容易に考えられた。余裕に満ちた表情で、流動する液体金属を足場にして、悠々とビルの壁を降りて来るその姿。隣にサーヴァントの姿が見えないのが、実に不気味であった。

 

「…誰かと思えば、ケイネスではありませんか」

「随分な言い草だな、ランサー。それがマスターに対する態度か?」

 

 セイバーの背後から、ランサーが声を掛ける。その受け答えから、ランサーのマスターであると分かると、セイバーは剣を収めた。

 しかし、自身のマスターが現れたというのに、当のランサーは不機嫌そうであった。その理由は、すぐに分かったが。

 

「ご覧なさい! この惨状を!! これが、貴方が私を引き止めた結果です! これを見てもまだ、間違っていなかったと言えますか!?」

 

 大きな声でランサーは問う。実際、怒っているのだろう。声こそ荒げてはいないものの、ランサーの表情には確かに怒りが見えた。

 しかし、ケイネスはまるで堪えてはいなかった。受け止めようとすらしていない。どうやら呆れているようにも見える。セイバーとパスで繋がり、情報を共有する衛宮(えみや)切嗣(きりつぐ)は、やれやれといった風に空を仰いだ。

 巻き込まれてはかなわない。切嗣は自分のサーヴァントと念話を繋ぎ、指示を送る。

 

『セイバー』

『…どうした?』

『アイリを連れて、目の前のビルの屋上に来てくれ。そうしたら扉を開けて、階段に降りてくれ。僕はその階段に居る。そこで合流しよう』

『どこまでも人目を避けるんだな…。了解した。その様子だと、ランサーのマスターとなにかあったのか?』

『合流してから話す…』

 

 念話が切れる。新たな指示が入った以上、すぐに行動すべきだ。問答を続けるランサー達に一言入れて、未だランサーを見つめたままのアイリスフィールを無理矢理抱えて連れ出し、セイバーがビルへと向かう。わざわざ階段を上ったりエレベーターに乗るつもりはないようで、セイバーはサーヴァントとしての脚力を活かし、垂直な壁を駆け上がるという方法で、屋上へと向かった。

 フェンスを飛び越え、屋上に上がると、そこには何も無かった。あるのは屋上への出入り口である扉がひとつだけ。後ろ髪が引かれるのか、名残惜しそうなアイリスフィールをなだめながら。セイバーは扉を潜り、ようやく切嗣(マスター)と再会する。

 

「御苦労だった、セイバー。…すまないが時間が惜しい。アイリの治癒を受けながらでいい、手短に話すからしっかり聞いてくれ…」

 

 軽く労(ねぎら)いの言葉を掛けて、挨拶もそこそこに、切嗣は現状を説明する。どこか悲しそうな、悶々としているような、いつもと違うアイリスフィールの姿が気になっているようだったが。切嗣は表情を変えなかった。

 一方のセイバーは、流石に痛みが限界にきていたのか、汗でびっしょりだった…。

 

 

―――――

 

 

 遠坂(とおさか)時臣(ときおみ)は嘆いていた。先日までの自信と優雅さに満ちた姿は、もうない。まるで別人であるかのような、酷い変わり様だった。

 役目も果たせず、道理もなせず、ただ堪えるしかできなかった。それが酷く苦しいのだろう。遠坂時臣は重たい溜息を吐いて、項垂れていた。

 だがその原因のひとつである者は、正直どうでもいいと言わんばかりに、クリスタルグラスに乗ったアイスクリームを金色のスプーンでつついていた。

 

「こんなの初めて食べたわ。冷たいのに甘くておいしいなんて、不思議ねぇ」

 

 冬場にアイスクリームとは中々に間違った組み合わせだが、キャスターは別に気にしていないようだ。実体化はしていても、しょせんは元が霊体なので、気温は問題にならないのだろう。それにしても、遠見の魔術を使った呪具を覗いて、血の惨劇を眺めながらとは、実に余裕がある女だった。

 二人の関係はマスターとサーヴァントであるハズだが。その間にはどうしようもない溝があり、もの凄い温度差があった。

 その空気の中に、臆する事なく、一人の少女が割って入る。

 

「はい! おかわりどーぞ!」

「あら、気が利くじゃなぁい♪ 良く出来た子は好きよぉ?」

「えへへ」

 

「・・・・・・・・・」

 

 追加のアイスクリームを持って来たのは、遠坂時臣の娘、遠坂(とおさか)凛(りん)であった。このやりとりは今夜だけで既に三回目だが、褒められるのが嬉しいのか、凛は照れながらも頭を撫でられている。

 普段は人間を見下しているドラーナ(キャスター)であったが、子供の笑顔には弱いのか、それともなにか別の理由があるのか、凛にだけは優しかった。その表情は慈(いつく)しむ優しさであり、凛の頭を撫でる手もまた、とても優しかった。本日三回目のその光景を見て、遠坂時臣はまたも、重たい溜息を吐いた。…嫉妬だろうか?

 項垂れる父の姿に申し訳なく思ったのか、凛はそそくさと部屋を出て行った。その後ろ姿を見送って、遠見の呪具に視線を戻すと、キャスターはぽつりと呟いた。

 

「それにしても天使とはねぇ…。あれは『エメリアのイオナ』と並ぶ位の存在…。普通は呼び出せないハズなのに、何がどう作用して召喚されたのかしら…」

 

 『エメリアの盾、イオナ』、純白にして三対六翼の羽を持つ、光り輝く大天使。法と正義の化身であり、生ける概念。悪魔(デーモン)や吸血鬼からすれば、怨敵でもある。キャスターは水晶玉の向こうに映るランサーに、ゼンディカーの光の頂点でもあるその姿(イオナ)を見た。

 正面からカチ合えば、敗北は確実。搦め手を持ってしても、勝率は薄い。陣地作成スキルに加えて結界宝具を持つキャスターならば、確かに、まだ戦える部類かもしれないが。どう考えても割に合わない計算だ。助っ人が要る、一人で挑むのは愚かだ。では、誰を選ぶのか。

 

「参ったわねぇ…。『吸血鬼なんて許さないっ!』って奴だろうから、絶対に殺しに来るだろうし。こっちとしても抵抗せざるを得ないんだけど…」

 

 つい先程、水晶玉の向こうで、使えそうな駒が死んでしまったのだ。それはバーサーカー。殺す事しか頭にない、ただの馬鹿。血魔術で精神をコントロールすれば、いくらでも使い道がありそうな、便利な駒。それを殺されてしまった。もう今頃、バーサーカーの魂は、聖杯へと取りこまれてしまっているだろう。もったいない、キャスターはそう呟いた。

 

「あのセイバーも…ダメよねぇ…。あんな正義感丸出しの熱血漢、ぜったい手に余るわ。じゃあ…やっぱりライダーしか居ないのかしら? あの娘(こ)もあの娘でワガママだし、向こう見ずだし、無鉄砲だし、バカだし、頭悪いし、殺す事しか考えてなさそうだし。あーもうやだやだ…、どこかにマトモなサーヴァントは居ないのかしらー…」

 

 最後の一言には、遠坂時臣も思うところがあった。もっとまともなサーヴァントだったら、そう思わずにはいられない。

 未だ姿を見せないアーチャーとアサシン、その二騎が使えそうな人材なのかどうか。それに期待しつつ、キャスターはアイスクリームを食べて待つ事にした。

 

 

 




アサシンが優秀過ぎて自分の出番が無くなってガッカリするウェイバー君かわいい
なに? 《身分詐称/Stolen Identity》でラザーヴのコピーを作ったら対消滅するんじゃないかって?
細けぇ事は気にすんな!

そしてやっぱりゼロランサーは泥棒猫になる運命…
愛の黒子が無いから安心してたらこの有様だよ! どんなカリスマしてたらこんな事になるんだよ! おかしいだろうがよそれぇ!

ドラーナ「凛チャン可愛い」
これには訳があるんです。少なくとも、冬場にアイス食わせた以上の理由があるんです。
それはまた後ほど。

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