「ちょっと!なんなんですかあなた!」
「黙ってろ。舌噛むぞ」
旧は自身が出せるスピードの限り走り続ける。後ろには杖を構えた者や、拳銃を構えた者がわんさか湧いていた。このままでは追い付かれてしまう。仕方がないのでここでバイクを走らせることにした。旧は<寄生>を解除し、腹の部分からバイクを取り出した。
「早く乗れ!」
「は、はい!」
イノが乗ると同時にバイクを急発進させた。後にいた男達が魔法や銃弾を飛ばしてきた。威嚇のつもりなのだろうか。そんなものをいともたやすく旧は避けていく。このままいけば街の外に出る。そこまでくれば奴らも追いかけては来ないだろう。そう旧は考えた。しかし、その考えは見事に打ち砕かれたのであった。街の外に出ようとしたその瞬間バイクの前輪が外れた。そのまま旧とイノは道に放り出されてしまった。
「参ったな。しょうがねぇ。走るとするか」
「逃がさねえぞ怪物」
旧の目の前にいたのは、先ほど殺したはずの男や奴隷市場にいた男たちがいた。
「なんでお前生きてるんだ?確かに殺したはずだが」
「こいつらが蘇生魔法をかけてくれてな。さっきは良くもやってくれたなぁおい!お前には今まで生きてたことを後悔させるような死に方をさせてやる!」
「いかにも小物が言いそうな言葉だな。お前、人殺したことある?」
「うるせえ!ごちゃごちゃいってねえでさっさと死ね!」
男は腰から拳銃を引き抜きすぐさま引き金を引いたした。。男は勝ちを確信していた。至近距離でしかも相手は動かない。こんなの格好の的である。男は撃てる限り撃った。目の前の的は多数の風穴が空いていた。
「ふん。所詮は口だけの怪物か。それじゃあこの女持って帰る・・・ん?」
男は今目の前に置かれている状況を確認した。確かにその男は殺した。頭には風穴が空いており、即死しているはずだった。しかしその男は何事もなかったかのように立ち上がった。
「お前の事を少々見くびっていた。人は殺せたな。それじゃあ、そんなお前に対して敬意を表して」
旧は先ほど発砲した男の首をむんずと掴むと、そのまま地面に叩きつけた。男の頭は割れたスイカのように粉々になっていた。
「本当はじわじわと殺すのが好きなんだけどな。だがさっきの者は儂に即死を与えた。だから即死で返すのは礼儀であろう?さてここからは凌辱と殺戮の時間だぜ」
「く、来るな!」
周りを取り囲んでいた男たちは一斉に魔法や銃を撃ち始めた。だがそんなものは旧にもかすりもしなかった。旧はまず右にいた男の胸倉を掴み、先ほどの男と同じように地面に叩きつけた。気絶している隙に喉を足で潰し、まるで豆腐を切るかのように切断した。その男の首を持ち拳銃を持ってる集団に投げつける。その頭は男たちの持っていた拳銃を跳ね飛ばした。それと同時に落ちていた杖を拾い力任せに投げた。杖は相手の心臓を貫いた。それを見ていた者が魔法を放つ。火属性の魔法だったらしく、旧の体に当たると轟轟と燃え盛った。
「おもしれえな最近の魔法は!」
「嘘、だろ?」
旧はその体で相手に正拳突きを放った。相手はそのまま吹っ飛ばされていた。そのまま力の限り旧は暴れ回った。数時間後、そこにいたのは血みどろになった街と全身に返り血を浴びた怪物の姿であった。
「随分と待たせたな。じゃあ行こうか」
「・・・・・・」
「こりゃ駄目だ。仕方ない担いで帰るか」
旧は気絶しているイノを担ぐと、そのまま依頼者のいる街へと帰っていった。依頼者であるミーナとアナの家に着きインターホンを鳴らす。出てきたミーナは驚き、気絶してしまった。それもそうだろう。ドアを開けたら居たのは血まみれの怪物なのだから。しょうがないので置手紙を書き、イノの体にはっつけて帰ることにした。
後日、旧の家には大量の野菜が運ばれていた。手紙も添えてあったので読むことにした。手紙にはたった一言「ありがとう」の文字が書かれていただけであった。旧はこの文面に苦笑いを浮かべながら、この野菜をどう消費するか考えるのであった。
次回の投稿は未定です。ここまで読んで頂きありがとうございました。