※この作品はR-18です。

ハーレムパーティー   作:早見 彼方

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月島まりなと癒されセックス

 前世で接客業のアルバイトをしたことはあるが、さすがにライブハウスでの経験はない。過去の経験を活かして来客対応しつつ、わからないところがあれば俺の隣で受付に立つまりなさんに聞いて少しずつ仕事に慣れていった。

 そうして受付の仕事の浅く広く覚え始めたところで、閉店時間になったようだ。店内に客の姿はなく、正面のガラス扉の向こうは暗闇。外に出たまりなさんが閉店の準備をしている。

 その姿を目にした後、受付にある椅子に座って手帳を取り出し、今日の仕事の内容をメモする。もしかすると手伝いは今日だけじゃないかもしれない。次がいつになるかわからないけど、この機会にしっかりと覚えておいたほうがいい。

「お疲れ、勇希君。はい、飲み物」

 少し集中してボールペンを手帳に走らせていると、左頬に冷たい感触が触れた。視線を向けると、炭酸飲料のペットボトルがあった。立ったままそれを俺の頬に押しつけたまりなさんは、にこやかに微笑んでいる。

「ありがとうございます」

 俺はそれを受け取って、中身を飲み始めた。サイダーの爽やかな味が喉を通り抜ける。昼休憩以外にも細かな休みを随所に挟んだとはいえ、仕事に夢中になっていた体は渇きを覚えていた。三分の一ほどを喉に流し込んだ辺りでほっと息を吐いた。

「どうかな、初めてのアルバイトは。初めて、だよね?」

 まりなさんが横にあった椅子に座る。距離が近い。肩と肩が触れ合う距離で、まりなさんが俺の顔を真っ直ぐ見つめている。その瞳にほんの少しの劣情が感じられたのは勘違いではなく、まりなさんの右手がズボン越しに俺の太股を撫でた。

「はい。難しかったですが、何とか」

 前世ではアルバイト経験はあるが、それを言う必要はない。未経験だということは否定せず、素直に思ったことを述べる。覚えることはいろいろと多いが、やれないことはない。あとは俺の表情がもっと感情表現豊かになってくれればいいのだが、こればかりは今後の成長に期待だ。多分無理だと思うけど。

「そっかぁ、良かった」

 まりなさんの指が太股をなぞる。ただのスキンシップとは思えない接触。こちらの気を引こうとする、そんな意思が感じられた。

「それでね、勇希君」

 はい、と答える間もなかった。

「んっ、くちゅっ、ぢゅるっ、ぐちゅ、くちゅっ、ぢゅるるっ、ぬちゃぁっ」

 俺の唇に自身の唇を押し当てたまりなさんが、そのままねじ込んだ舌で好き勝手に口内を舐め回す。瞳に欲望の火を灯し、頬を赤く染めて、自分の欲望を満たすことに終始している。試しに顔を引こうとすると、強引に舌が俺の舌に絡みついてきた。

 逃げられそうにないな。俺は諦めて、まりなさんと舌を擦り合わせる。鼻で呼吸をしてまりなさんのいい匂いを嗅ぎつつ、人のいない静かな店内に唾液の水音を響かせる行為に時間を費やす。

 数分が経過した。お互いの口内に二人の共同作業でできた唾液が残り、呑み下して体内に取り込む。相手の体液を取り込む姿を相手に見せつけ、互いの愛情を確かめ合い、俺たちは欲望を募らせた。

「私の家に来ない?」

 断る理由はなかった。俺が小さく頷くと、再びまりなさんの口が近づいてきた。

 

 店内で、夜道で、人目を避けながらキスを繰り返す。時間を掛けて向かった場所は、まりなさんの部屋があるマンションだった。まりなさんの案内でセキュリティの掛かった扉を通り、エレベーターで上階へと移動し、部屋に着いた。

「どうぞ、入って。お茶とか準備するから、ソファーに座って待っててね?」

「はい、お邪魔します」

 居間に通されて、鞄をソファーに置く。勝手知ったる他人の家、とまではいかないけど、慣れた動作でソファーに座る。まりなさんの家に来るのは久しぶりだが、通いつめたときの感覚が体に残っていた。この前来たときもこうしてソファーに座ってまりなさんを待っていた。

「お待たせ」

 湯呑みを二つ乗せたお盆をテーブルに置き、まりなさんが横に座った。

 あれほど道中で互いを求めていたというのに、俺もまりなさんもすぐに手を出すことはしなかった。熱がさめてしまったわけではなく、単純に時機を逸してしまったためだ。自分でも不思議だけど、こういうときもある。テレビを点けて二人でバラエティ番組を見て、お茶を飲みつつ会話を交える。気の置けない俺とまりなさんならではの空気感が室内に漂っていた。

 そうやって二人の時間を過ごして、番組の切れ間に室内に静寂が訪れた頃、まりなさんが行動に移した。肩に手を回されて、体を引き寄せられる。身を委ねた俺の耳にまりなさんの唇が近づいて、綺麗な声で優しく呟いた。

「そろそろベッドに行こうか……」

 心地いい気分を味わいながら、俺はまりなさんの誘いに乗った。二人で立ち上がって居間から寝室へと場所を移す。もう何度も繋がり合ったベッドを見て、条件反射のようにズボンの内側で肉棒を勃起させた。今日もここで、楽しい夢のような時間が始まる。期待と興奮で高鳴った胸の鼓動をそのままにして、俺はまりなさんと一緒に同じベッドに横たわった。

 照明の光を薄暗くした室内で互いに手を伸ばし、相手の熱を感じ合いながらゆっくりと衣服を脱がせていく。慌てる必要はない。まりなさんは俺の傍にいる。安心感に浸かりながら手を動かし、一枚、また一枚と肌を晒していった。

 やがて、俺たちは全ての布を脱ぎ捨てて、抱き締め合った。まりなさんの綺麗な形をした胸が俺の胸板に押し付けられる。太股が触れ合い、露出した肉棒がまりなさんの下腹部をぐりぐりと突いた。

「疲れたね、勇希君」

「はい」

 最小限の声量で言葉を交わし、相手の目を見つめる。

 どれくらいそうしていただろうか。満足したまりなさんが俺の体を仰向けにすると、俺に股間に腰を下ろしながら覆い被さるような体勢になった。直後、股間で反りかえっていた肉棒に手が触れる。「ゴムはどうする?」という声に俺は首を横に振ると、まりなさんの細い手が肉棒に優しく触れ、その先端の向き先を修正した。

「よいしょ……」

 気軽な声とともにまりなさんの腰が持ち上がり、その瞬間が訪れた。

 じゅぷん、と肉棒が膣内に根元まで呑みこまれた。仕事中もその後もローターで解していたまりなさんの膣内はちょうどいい塩梅で、愛液に濡れた膣壁が密着する。全方位を柔らかく温かい壁に囲まれ、思わず息が漏れた。

「気持ちいい?」

 頷くと、膣が嬉しそうに肉棒を強く抱擁した。嫌なこと、面倒臭いこと、あらゆる負の感情が洗い流されていく。少なくとも俺はこのとき無駄なことに思考を回すことはせず、月島まりなという女と繋がる幸福を噛み締めていた。

 俺とまりなさんは性器同士をかみ合わせたまま、無駄に動くことはしなかった。たまに肉棒を扱くようにまりなさんが腰を振るだけ。傍から見れば、折り重なって眠ってしまったのではないかと思われるに違いない身動きのなさ。燐子やリサとするような高速腰振り運動とは正反対の、落ち着きのある交尾。

「二人で温まろう? じっくり、時間を掛けて」

 言葉を返さず、まりなさんの体を抱き締める手に力を籠める。

「それにしても、珍しいね。勇希君がゴムなしでさせてくれるなんて」

 二往復ほど肉棒を膣で扱き、まりなさんが意外そうに口にした。

 最近になって、生挿入セックスをする機会が増えたせいだ。生でする気持ちの良さに嵌ってしまった。妊娠させてしまうことで父親になる不安よりも、目先の快楽を優先しまったわけだが、思っていたよりも後悔は少なかった。

「いろいろあって……」

「ふーん」

 興味深そうな視線を向けてくるまりなさんから少し目を逸らす。俺の気を引こうとしてまりなさんがゆっくりと動き始めた。激しさのない動きだけど、焦らすような接触によって高まった興奮の中では十分すぎる刺激だった。

「好き」

 鼓膜を震わせ、脳を犯すような囁き声。俺は少し驚いて視線をまりなさんに向け直すと、まりなさんは穏やかな笑顔を浮かべていた。

「好きだよ」

 嘘偽りのない感情の発露。まりなさんからの好意の言葉に、俺は柄にもなく翻弄された。弄ぶような腰の動きも、まりなさんの体から漂う甘い匂いも、優しい眼差しも、その全てが俺の心を揺さぶった。

 心の中で安心感と興奮がどろどろと混ざり合う中、俺は静かに絶頂を迎えた。

 どびゅるるるっ、どびゅーっ、びゅるるっ、どびゅっ、ごびゅっ、どぷっ!

 普段の若い情欲に頼ったセックスとは違う、身の底から温められるような交わり。それを経て排出された子種は普段よりも少ないどころか多いのではないかと感じられるほどで、まりなさんの凄さを再確認させられた。

「たまには、こういうのもいいでしょ?」

 俺がまりなさん以外の女と荒々しいセックスをしていることを、まりなさんはわかっているのかもしれない。見透かされたような視線を感じて、なぜだか少し恥ずかしくなった。

「優しくゆっくりと癒してあげるから、好きなときに射精してね。君の全部を受け止めてあげる」

 舌先で耳の穴を穿られ、湿った穴に声が通り抜ける。その声に含まれた母性に思考が停止し、俺はしばらく無心でまりなさんと交わった。根元まで繋がって、時折再開されるまりなさんの膣扱きで快楽を高め、射精する。

 まりなさんの言う通り、たまにはこういうのもいいかもしれない。

 俺は満足感を抱きながら、まりなさんの優しさを噛み締めながら膣内射精の気持ち良さに身を震わせた。震えながら放心した俺の顔を、まりなさんは頬を緩めながら見続けていた。

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