尿道口に溜まった精液の残滓。何回射精したか覚えていないが未だに濃い白濁に染まるそれは、ベッドへと滴り落ちる前に俺の肉棒に口づけを放った燐子によって回収された。
「ちゅるっ、んっ……」
ごくりと喉を鳴らす燐子。俺はベッドで両足を伸ばして座りながらその姿を見た後、右手側にある窓の外を見た。
夜暗に沈む外が見える。燐子と昼過ぎにセックスをし、夕食兼休憩を挟んでからまたベッドでセックス。まともな高校生の生活ではないな、と思いつつも燐子という魅力的な女が側にいて手を伸ばさずにはいられなかった。
それは燐子も同じことだった。夕食と食器の洗い物を済ませた直後はソファーに座って一緒にテレビを見ていたのだが、燐子の手でズボンの上から股間をまさぐられ、さらには唇を無理矢理奪われたことで流されるように性行為に至ってしまった。すぐに舞台を自室のベッドに移し、満足感を得るまで交わった。
この爛れた生活を指摘する者は俺の家にはいない。高校生である俺は仮初めの一人暮らしをしているためだ。唯一の肉親である母さんは海外を拠点にして仕事をしている身のため、年に数回帰ってくる程度だ。その代わり電話は頻繁に掛かってきては、息子の身に何か変わったことが起きていないかを探ってくる。俺が口にしない限りは、俺が自宅に女を連れ込んでいることは伝わらないだろう。俺と燐子が俺の家で楽しんでいることを知っているのは燐子の両親くらいだろうか。
そのため、俺と燐子の行為を邪魔する者はいない。
「んっ……」
俺が愛しい恋人の頭を撫でると、燐子は気持ちよさそうに目を細めた。ずっと触っていたいと思える触り心地のいい髪。手に取った束を指先から滑り落とすと、流れるように揺れ動いた。
少しの間、燐子の髪を楽しむ。昔から燐子の髪は大好きでよく触らせてもらっているが、一向に飽きない。胸も同じだ。燐子の胸を鷲掴みにし、指が埋没する豊かな胸を何度楽しんだだろうか。この幼馴染みに骨の髄まで魅了されていた。
とは言え、俺の愛情は燐子だけに注がれるものではない。それは燐子も理解している。明日の日曜日に俺が別の女とデートをすることも、事前に知らせておいたために燐子は知っている。
「今日はもうこの辺にしようか」
「……うん」
少し名残惜しそうな燐子だったが、一拍遅れて頷いた。明日に備えて早く寝ようという俺の意思を正確に汲み取ってこれ以上は手を出しては来なかった。手を出してきたら出してきたらで歓迎してしまうくらい俺は燐子には甘いのだが、燐子は聞き分けが良かった。
俺たちはベッドから降りると、ティッシュを使って簡単に体の汚れを拭う。長時間のセックスで付着した精液や体液はなくなっていく。裸のまま歩いても汚れが床に落ちないことを確認してから、二階にある自室を出て一階へと向かう。
階段を使って一階に降りた俺たちが向かったのは浴室だ。二人で一緒に入って体を順番に洗う。今日はこれ以上の手出しをしないと決めたらしい燐子が俺を襲うことはなく、俺たちは世間話をしながら入浴をするという健全な行為に努めた。
湯の張った浴槽に一足先に体を浸す俺。俺の目には、シャワーを浴びる長い黒髪の女神が映っていた。完璧と言えるほどに均整の取れた肉体に湯が伝い落ちている。肌の色は白く、今は湯の熱によってほんのりと赤みを抱いている。いつ抱いても抱き心地の良さに惚れ惚れする燐子の肉体の感触を思い出し、湯船の中で肉棒が勃起してしまう。
今日はもうセックスはやめておこうと自分から言い出した手前、俺から求めることもできずに悶々としてしまう。目前のご馳走にありつけずにいる飼い犬の心境だ。ただ欲望に耐えて、俺は勃起しているのが燐子に露見しないように浴槽に深く腰を預けた。
心地いい。ほどよい湯の熱がじわじわと肌を通じて体中を温めてくれる。そんな中でも股間は特別熱いと感じるほどに体の内側から生じた熱を内包していて、発散することができずに完全に勃起を果たした。
凶悪と呼べる長さと太さ。カリ首も高く、ひと度俺の肉棒を挿入されればどのような女も俺の虜になってしまうだろう。
俺は思い出す。高校生になったばかりの頃に燐子から告白され、恋人の関係になったときのこと。まだ付き合い立てで、初体験を迎えた燐子は今と違ってまだ初々しかった。それが、回数を重ねるうちに俺の体に病みつきになり、今では淫らな微笑みを浮かべて主導権を握ろうとするにまでなった。
まだまだ負けることはないが、いずれは燐子に屈することもあるのかもしれない。そんなことを考えていたせいで余計に勃起は押さえられず、俺はどうしようかと戸惑い始めた。
蛇口を捻ってシャワーの湯を止めた燐子。長い髪を頭の上でまとめると、壁のタオル掛けに掛けていた白いタオルを頭に巻きつけ始めた。
長くて大変だろうに、燐子は昔から同じロングストレートだ。小さい頃、燐子の綺麗な髪を誉めたためだろうか、燐子は髪型を短くするつもりはないようで、髪型をたまにポニーテールなどに変える程度だった。
ふと、俺は近くにあった風呂の鏡に目を向けた。そこには当然俺が映っている。浴槽に入って頭だけを覗かせる黒髪ショートヘアの水も滴るイケメン。目鼻立ちが整っており、一目で格好いいと思える造形だ。格好よさの中にも可愛いと思える愛嬌もある。湯の中で温まっている中肉中背の体も合わせると、女からすれば喉から手が出るほどに自分の物にしたい男に見えるようだ。
高校生となった俺を日本に残し、仕事のために海外へと行った母さんが過剰に心配するのが痛いほどわかった。前世で言えば、超絶美少女の一人娘を残して海外へと向かわなくてはならなくなった父親の心境だろうか。
「お待たせ……」
いろいろと俺が思案に耽る中、燐子の声で我に返った。にこにこと微笑む燐子が浴槽へと体を沈ませ、俺の正面に座った。
俺の体に背を向け、身を預けるような体勢で。いつもの習慣で両足を伸ばしてしまっていた俺は、股間に近づく燐子の尻に反応するのが遅れた。
「……あ」
燐子の尻が肉棒に触れる。結果、燐子に股間の状態を悟られてしまった。少し驚いた反応を示した燐子は俺へと顔を向け、俺以外の人間には見せない悪戯っぽい笑みを作った。
そして、燐子は徐々に俺へと体を近づけていく。燐子の尻という名の美しい壁によって押し退けられた肉棒が上を向く。裏筋は完全に燐子の体に触れていて、燐子は気がついているはずだった。だが、気がついていない振りをする燐子がわざとらしい身動ぎを行い、股間が刺激されてしまう。
ときおり俺へと流し目を向けてくる燐子はとてもエロかった。今日はもう手を出さないと決めていた俺の両手が燐子の乳房に伸び、遠慮なく鷲掴みにしてしまうほどに。
「今日はもう、終わりじゃないの……?」
くすくす、といった形容が相応しい燐子の小さな笑い声。してやったりといった様子に、俺は軽く羞恥を覚えた。
何たる不覚。最近の燐子は攻撃力が増している。幼馴染みの成長を感じつつ、胸の感触を楽しみながら俺は燐子に屈してしまった。
「あと一回だけなら」
「うん、いいよ……」
一つになろうね、と言って腰を上げた燐子。伸ばした片手で肉棒に触れて腰を下ろし始め、全く目視せぬままに肉棒を膣口で捕捉した。
そして、膣口から奥深くまで肉棒を抱き締められるのは一瞬だった。まるで電車の座席に座るときのような気軽さで下ろした腰によって、俺の股間に燐子の重みがのし掛かった。
「う、ぁ……」
柔らかく熱のこもった膣内に肉棒を締め上げられ、俺は思わず声を上げてしまった。俺の股間に座っている燐子の体が微かに震えたのを肌で直接感じとり、振り向いた燐子の気持ちよさそうな顔を見て、その震えが快感であることを理解した。
「気持ちいい……?」
燐子の言葉に、俺は素直に頷いた。
綺麗な丸みを抱く乳房の頂にある乳首を引っぱりながら、俺は顔を向けてきた燐子と伸ばした舌同士で戯れる。口づけではなく、舌づけだろうか。ときには熱く抱擁を交わし、唾液の交換を行う。
性器は膣内に収納したまま大きくは動かさない。燐子の小刻みな体の揺れによって、普段とは違うじわじわと真綿で締められるように快楽が全身を蝕んでいく。入浴の度にこうして繋がりたいと思えるほどに、甘く優しいひと時だった。
しばらく触れ合い、肉棒が我慢の限界を覚える。射精が近いことを悟ったのだろうか、俺と舌同士で戯れていた燐子は俺の舌にしゃぶりつく。まるで肉棒を咥えるかのような舌に対するフェラチオを受けた俺は、蕩けるような熱に襲われたまま溜めに溜めた欲求を淫らな幼馴染みの膣内で解放した。
ぶびゅびゅびゅ、びゅるるるっ、どびゅー、びゅーっ、どびゅっ、どぷっ、どくっ。
「んっ……。たくさん、出してね……」
舌フェラの間にそう囁き、俺を見つめながら再び舌にしゃぶりついてくる。どくっ、どくっと燐子の膣内で脈打つ肉棒は遠慮なく精液を放出し、燐子の子宮に新しい子種を収納させていく。
頭がどうにかなってしまいそうだ。そう思えるほどの熱い時間を過ごし、俺は出せるだけの精液を燐子の中に置いていった。
「我慢する必要ないんだよ……? 好きなことを、好きなだけしよう……? 私が全部受け止めてあげる……」
燐子は甘く囁くように告げた。この言葉は事実だろう。燐子ならば俺の全てを受け止めてくれる。身に宿す母性は俺を包み込み、快楽の海に沈めてくれるはずだ。
母のような寛大さと淫らな恋人の顔を持つ燐子。俺は燐子のことを惚れ直し、膣内で射精をしながら燐子の胸を両手で乱暴に揉みくちゃにした。この女は、この胸は俺の物だ。絶対に誰にも渡さない。自身の胸の内側から生じたどす黒い欲望を燐子に叩きつけ、俺はしばらく浴室で燐子に甘え続けた。