衣擦れとリップの音。静かな室内に響くそれを耳にしながら俺は突っ立っていた。
場所は、いつの間にかCiRCLEに用意されていたまりなの部屋兼休憩室。スタッフ用のちゃんとした休憩室は他にもあるのだが、前々から倉庫に使っていた一部屋をどうにか片づけて、新しく部屋を確保したらしい。まだ段ボールなどは幾つか残っているが、ベッドや机などは置かれていて、使用する分には問題なさそうだ。
「はい、足上げて?」
正面に立つまりなの指示に従って動くだけで、服や下着が剥ぎ取られていく。俺の体を離れたそれらは近くにあった椅子の上に放り出され、まだ温もりを宿したまりなの服の上に重なって小さな山を作る。
「ちゅっ……」
一足先に全裸になっていたまりなが腰を屈め、自らの手で裸に剥いた俺の胸に口づけを放つ。そのとき、舌で乳首を舐めるまりなの楽しげな眼差しを向けられた。ちろちろと舌先で乳首を擦られるだけで、俺は敏感に反応してしまう。
血を滾らせ、熱を発して膨張する肉棒。血管を幾つも浮かばせた肉竿が斜め上を向いたまま、尿道から我慢汁を垂らす。しかし、それはまりなの指に掬い取られることはなく、初めて足を踏み入れた部屋の床にぽたりと落ちた。
「ん、くちゅっ、れろぉー……」
胸板から首筋へ。まりなの舌が這い上がって、唾液を塗りつける。舐め終わった後、まりなは見せつけるように舌なめずりをした。俺の体を舐めて艶のある微笑みを見せるまりなの姿はそそるものがあり、俺はさらに勃起を強めた。
「ふふ、こーんなに大きくなっちゃった……」
準備万端を通り越し、焦らされ続けていた肉棒にまりなの人差し指が触れた。裏筋をなぞるように動き回る。その度に肉棒はビクつき、その反応をまりなに見られてしまう。
「今日はすごく敏感なんだね。欲求不満になっちゃうことでもあったのかな? 女の子を抱けなかったとか」
今日の出来事を素直に話すべきかどうか逡巡していると、まりなの顔が俺の首筋に埋められた。唇が接触し、軽い痛みが走る。吸いつかれたのだ。そう感じている間にも接吻の音が響き、俺の首にキスマークが幾つも残された。
「勿体ないよね。勇希君みたいな美少年、食べない手はないのに」
首筋から頬を経て、耳穴にまりなの舌が這っていく。
「ぐぢゅ、ぷっ、ぐぷっ、にゅぷっ、ぢゅるっ、ぐちゃっ、ぶぢゅっ、ぐぽぉっ……」
舌先がぐぷんっと耳の中に侵入して、中を掻き回す。密閉されて行き場をなくした音が外耳を反響する。水音で鼓膜を犯された俺は、膝から力が抜けて崩れ落ちそうになるのをどうにか食い止めながら、チンポをビクビクと震わせた。
「ん、ちゅっ、ぐぢゅぢゅっ、ちゅ、ぷ、もう、我慢できない……?」
至近距離で囁かれ、俺は首を縦に振った。
この部屋に連れて来られてから、俺はこうしてまりなに優しく苛められている。発情しきった雄というのは雌にとっては鴨が葱を背負って来るのと同義であり、部屋に入った瞬間、俺はまりなに抱き寄せられた。
服を脱がされ、体中を愛撫され、じわじわと興奮を高めさせられた。
「挿入したい……? 他の子のために作った精子、全部私の中に出しちゃいたい……?」
ふーっ、と耳穴に息を吹き掛けられ、俺はこくこくと頷いた。
これ以上はもう、耐えられそうもない。
「抱かせて」
俺が言うと、まりなは口を開いた。
「乱暴に求めてもいいんだよ……?」
「ヤらせろ」
「もっと乱暴に」
「ブチ犯す」
「よく出来ました……。それじゃあ、ベッドに――ぁっ……!」
俺から離れてベッドに向き直ったまりなの背を、俺は軽く押した。前のめりになってベッドで両手と膝を突き、尻を突き出すまりな。程よい肉付きとしなやかさを感じさせるそれを俺は両手で掴む。
「形勢逆転だね。ここからは、勇希君が私を苛めていいんだよ?」
言われるまでもない。まりなの陰裂から覗く桜色の粘膜に亀頭を押し当て、俺は鼻息荒く挿入を始める。腰を前に突き出すと、待ちに待った女の膣内。馴染みがありつつも、いつも新鮮な気持ちで肉棒を温かく包み込んでくれる膣肉を押し退け、奥へと進む。
「ん、ぁあああっ……」
性器同士が繋がりを深め、まりなが気持ちよさそうに鳴く。それに背を押されるようにチンポを前進させ、俺はまりなのうねる膣道に竿を沈ませた。根元まで掴まれて、ぎゅっと抱擁される。亀頭に子宮口が当たる感触を覚えたのも束の間、俺は動き出す。
「ぁっ、んっ、あぁっ、んんっ、いいよ、その調子……」
まりなの尻を掴んでせっせと肉棒を抜き差しし、快楽を得る。他の少女たちの魅力に中てられながらも十分に発散できなかった肉棒は普段よりも硬く、鋭い突きをまりなの膣内に放っていく。
「ん、ひっ、ぁあっ、ん、おぉっ……!?」
まりなの声に変化が生じる。ここが責め時なのだと悟った俺は両手をまりなの腰に移動させ、しっかりと掴みながら腰の動きを激しくした。一撃一撃に欲望を乗せて、まりなの全てを食らい尽くさん勢いで、俺は交尾を始めた。
「ぁっ、はぁっ、ぁっ、すごっ、ぉっ、ぉっ、ぉっ、んぉっ……!?」
ベッドが軋む。まりなの背中に覆い被さる勢いで前屈みになって、開きっぱなしの口から涎と熱を垂らす。まりなの白い背を涎で汚しながら、むっちりとした尻に股間を叩きつけ、内側を完全制圧する。
まりなの言う通り、形勢は程なく逆転した。愛液とカウパーが混ざり合う膣内を肉棒で掘り返す音が、まりなの尻に股間を打ち据える音と一緒に室内を支配する。言葉はいらなかった。肌を接触させて、生殖器を嵌め合わせて、快楽を浴びる。
そして、俺は溜め込んだ興奮を股間の先で暴発させた。
びゅるるるっ、ぶびゅるるるっ、どびゅーっ、びゅーっ、びゅるっ、ごぷっ、ごぽっ!
「ぁ、あぁぁああっ……!?」
膣の最奥で精液を吐き出す。熱を受けて声を震わせるまりなの背に圧し掛かって、抱きつく。細い腹周りに左手を回し、右手で乳房を握り締める。どちらの手にも力を目一杯込めてまりなを拘束し、どぷどぷと精を吐き出し続けた。
溜め込んで、焦らされた欲求を一気に放つ幸福。まりなのうなじに顔を埋め、雌のいい匂いを嗅ぎながら、俺は悦楽を享受する。力が抜けてまりなの背中に体重が掛かり、ベッドに押し倒しても抱擁の手を緩めなかった。
頭の中が一時的に真っ白になるほどの強烈な射精を体験しても、一分も経たずに俺の肉棒は活力を取り戻す。新鮮な精液を蓄えた子宮に栓をするように亀頭を子宮口に嵌め合わせ、膣内を太い肉竿で密閉する。
「まりな、休憩いつまで?」
「あと一時間ちょっと。今日は長めに休憩を入れるって、新人ちゃんに伝えてあるから……」
「わかった」
一時間で、どうにかスッキリさせてしまいたい。
性欲も、悩みも。
「それで、相談なんだけど」
俺は寝バックの体勢でまりなを味わいながら、話を切り出した。
これから俺がどうしていきたいのか。あらゆる選択肢は、たぶんどれも正解で、成功に導けるだけの実力は俺にはある。だけど、選ばなかった道を後に振り返ってしまいそうで、あまり思い切った行動に出られなくなっている。
「なる、ほ、どぉっ、んっ……!」
子宮口を突かれながら、まりなが返事をする。俺を落ち着かせようと膣穴を引き締めてくるが、その拘束を無視してガクガクと腰を揺する。まりなが震えながらも俺の悩みについて考え、自分なりの答えを導き出そうとしてくれている。
そんなまりなを、俺は犯した。
一時間という制限の中で、気持ちよくなるために、好きなだけ暴れた。
「ぁっ、ん、し、失敗を恐れているというよりかは、選ばなかったことに対する後悔かぁ、ん、んんっ……!? 高校、二年生だし、進路にも関わってきそうだね……。っ、あぁっ……なかなか、判断が難しそうで、ぁんっ……!」
チンポでまりなを苛めるのが楽しくて、話す合間を縫って腰を振ってしまう。どうにか自制しようと思いはするものの、欲求不満の上、目の前に愛する女がいて大人しくしていられるほど俺の性欲は貧弱じゃない。
「全部やる、なんてのは無理、だもんね……。っ、ぅ、ぉっ、あっ……」
パンッ、パンッ、パンッ。
「そうなると、どれか一つを選ばないといけないから、んぁあっ……!?」
夢中になって、股間でまりなの尻を叩く。肉棒を穴から取り出す際に離れてしまっても、すぐにまた密着させる。単純な動きなのに気持ちよくて仕方がない作業は、俺の全身から力を奪い、思考を単純化させた。
ゆったりと寛ぐよりも、これが俺にとってのリラックス状態だった。
「って言ったけど、ぁっ、ぅっ……本当に一つに絞らないといけないのかは、考えたほうが、良いかも……。活動の仕方はいろいろあるし、やり方次第だと思って、んっ……! は、ぁっ……!」
そして、まりなの言葉が俺に一つの案をもたらしてくれた。
たとえば歌手になって事務所に所属することでいろいろな活動に制限がかかるのが嫌ならば、個人に近い形で活動すればいいのではないか。かと言って、完全に単独で活動するのも不安だから、後ろ盾というか支えてくれる場所が欲しい。勿論、支えてもらうばかりではなく、自分の活動によってその場所に利益を還元していきたい。
都合がいいとは思うが、そんな関係を築けるところがあるのか。
思案して、俺は答えに行き当たると同時に、絶頂した。
「ぁ、はぁっ、っ、んんっ……!?」
まりなが声を上げて痙攣し、ぎゅっと膣壁で肉棒を締めつけてくる。精液が次々に持っていかれ、子宮に溜まった。さっきの精液よりも濃いのが出ている気がする。射精の解放感も比較にならない。
「まりな」
快感に浸りながらも、俺はまりなの耳元に顔を近づけて、提案をした。
まりなは俺へと顔を振り向けて少し驚いた表情をしていたが、すぐに頬を緩めた。
「勇希君が、それでいいのなら……。むしろ、こっちからお願いしたいくらい……」
俺の子種を胎で受け止めながら、まりなは俺へと舌を伸ばす。それに応じて俺は舌を絡ませ、唾液を塗りつける。お互い、口の周りが汚れることなど気にもしない。繋がった証を残すことだけを考えた。
これが、ひとまずの契約の証。舌同士で握手を交わした俺たちは、休憩時間が終わるギリギリまで繋がり合った。時間は少なかったが、人心地つくくらいには精子をぶちまけることができた。
進路の悩みも、一時的な方向性を決めることができて少しだけ解消された。まだまだ考えるべきことは多いけど、これまでの膠着状態を考えると大きな進歩だ。やはり、一人で考えるよりは誰かに相談するほうが良いのだと、俺は思い知った。
また何か別のことで悩んだら、恋人たちとセックスしながら解決策を探ってみよう。
そんなことを思いながら、俺はまりなの首筋に吸いついた。相談に乗ってもらったお礼。俺の首に残されたキスマークよりも大きな痕を作ってあげると、まりなは嬉しそうにはにかんだ。