転生して、カーディナルさえ検知できないチートを手に入れたから、ゲームクリアしてくる。 作:恭華
ほんっっっっとぉぉぉぅぉうにお久しぶりです!!
生きてます!
死にたくなったこといっぱいあったけど生きてます!
ごめんなさい、割と今の情勢じゃ不謹慎極まりないです。
申し訳ないです。
前回までのあらすじ。
SAO時代の姿のまま現実に戻ってきた晴明(晴美)。
そんな晴明を待っていたのは姉となったストレア、妹になったユイ。
それと、知り合いの中で唯一戻ってきてないアスナの情報を持ってる菊岡誠二郎だった。
菊岡のバイトにノる事にした晴明は、ALOに早速ダイブしてまたチートを使う。
チートと神の力を使ってとりあえずオベイロンを撃破した。
だが、アスナを現実に戻してからが、ある意味大変だったのかもしれない。
「それで、菊岡さん。 アスナの入院している病院は何処?」
『明日奈君が入院しているのは、所沢の総合病院だ』
ALOでアスナをログアウトさせた俺は、須郷伸之達に囚われていたプレイヤー達を一斉にログアウトさせてからすぐさまログアウトを実行。
原作のようにヒースクリフ……茅場晶彦のデータがうんぬんかんぬんすることはせず、そのまま帰ってきてしまった。
……後々なにかされるかもしれないが、今はいいだろう。
ログアウトした俺はすぐさま菊岡に、アスナ助けたから入院してる場所教えろとラブコールを飛ばした。
SAO帰還者全員の無事を確認したのであろう菊岡は、すぐさまアスナの入院している病院を教えてくれた。
自室から廊下に顔を出して周りの音を聞いてみるが、特に音がしない。
……ストレアもユイもまだALOから帰ってきてないか……
そりゃそうか、まだログインしてから数時間くらいしか経ってないし……
2人をログアウトさせて連れていくことも出来るが、動きが制限される可能性もあるし、なんなら須郷とのバトル中に人質に取られる可能性もあるため連れていかない。
……だが、そうなると移動手段が無い。
「いや、まてよ……?」
すぐさまスマホを取り出し、チートを起動。
自分の体を調整を開始する。
現実だと肩凝りとかヤバいから胸はフラットに、身長は165cmに、体型は洋画に出てきそうな「脚長っ!」って言ってしまいそうな感じに、顔はロリから大人な感じにレベルアップする程度に抑え、次に免許証をチートで作りだす。
前世は車もバイクも運転してたからな、わっはっは。
反映ボタンを押せば目の前がぐにゃぁん……と立ちくらみ。
キュッと目を閉じ、再度開ければ身長が伸びている。
「……前世より低い」
前世は170cmちょっとあったしなぁ……と懐かしむも、そんな余裕は今は無いと頭を横に振り、次のチートを実行していく。
チートで作り出したライダースーツにちょっと厚めでプレテクターがしっかり入っているジャケットを羽織り、フルフェイスのメットを被ってから手袋をする。
……ブーツだな! ヒールとかなんて履いたら多分折れたりギア上がらなかったりするだろうし!
誰かに見せるわけじゃないしあぶないから、とブーツを作り出し玄関で履く。
しっかりきっちり紐を縛ってから玄関を出れば、車が3台入る車庫へと向かう。
……満月が頭上を照らしている。
アスナがこの世界に帰ってきたのを知らせようとしているのだろうか。
……考えすぎだろうな。
門を開けて中に入り込めば、目の前には黒いスポーツタイプのバイクが置かれている。
前世の愛車はハーレーダムットソンだったけど、今世ではTANIHAだ。
ハンドルに鍵を差し、ロックを解除してからシートに跨り、エンジン始動させるために鍵を回す。
軽快だが重めの音を発して目を覚ますバイクを撫でてからハンドルを握る。
……直葉がALOにログインしてなかったら気づかれるかもなぁ。
そんな考えを振り切るようにハンドルをまわし、クラッチを離した。
~~~~~~~~~~~
あぁ、これが風を切って走る感覚なのね……きんもちぃ~⤴︎︎
……赤毛の決闘者の様なトリップを脳内でしながら、目的地である病院へと到着する。
駐車場の出入口と夜間出入口はかなり遠い……
しかもその前に須郷との戦闘か……
いや、ここは真正面からぶん殴ろう。
駐車場に停まっているバンの後方から回るように夜間出入口へ向かうが、目の前にゆらりと人影が現れ、銀に光る何かをこちらへと振るって来た。
もちろん、それはナイフだ。
だが来るのが分かっていればこちらも対処が出来る。
ナイフの軌道から顔を逸らし、カウンターの右拳を闖入者の右目にぶち込む。
ぶしっ、ミチッ、グチッ……と嫌な音が聞こえてくるが気にせずに拳を振り抜けば、闖入者はかなり弾き飛ばされた。
「は、ぁ……? お、おまっ、なぜっ、いや、なにをしたか、分かっているのかッ!?」
「分かっているが知ったこっちゃねぇよ」
「おまっ、おまえっ……!! 私の顔をこんな事にしただけでなくっ、私の、おれの、俺のキャリアまでぶち壊したんだぞっ!」
「あーあー、喚くな屑が。 殺すぞ?」
須郷の元に近寄り、未だに喚き散らかしている須郷の口に嵌るように蹴りを入れる。
パキュッ、と硬いものが割れるような音がしたが気にしなくていいだろう。
「ほぁ、ほぁえ……っ」
「うるせぇな……靴入れられても喋るならもう殺すしかねぇんだが?」
恨み……と言うよりは怒りや憎悪だろうか。
俺のアスナを奪おうとした須郷伸之という人間へ向けての憎悪。
その辺の負の感情を全てぶつけようとしている。
この現実での初めての負の感情の発露だろう。
殺してやりたい。
だがここで殺してしまえば俺/君が犯罪者となる。
いまならまだ正当防衛で済む。
そんな声が聞こえた。
……須郷の口からブーツを引き抜けば、白い破片がパラパラと落ちる。
「ほぁえっ……こぉ、こぉしてあぅ……! あぅなぉ、ぉあえのぁぉぅぉ……!」
ころしてやる、あすなも、おまえのかぞくも。
須郷はそういったのかもしれない。
「やってみろよ」
落ちていたナイフを拾い、ソレを振り上げて。
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夜間出入口に併設されている守衛室に、やっと目を覚ました家族の見舞いに来たのに外で暴漢に襲われた、という事を伝えて中に入り込む。
……即座の事情聴取が始まる可能性があったから、やっと目を覚ました家族の見舞い、と言っている。
チートの被害者と書いて嫁と読む(逆かもしれねェ……)から、あながち間違いではないだろう。
守衛さんはすぐさま分かりました、と言って俺を通してくれた。
守衛室から連絡が行ったのだろうか、近場のナースステーションに行けば、看護師さんが俺を待っていてくれた。
「ぇ、と……あすな、ゆうきあすなのしんるい、なのですが……」
あぁ、さっきの影響か、口が回らない。
怒りをぶつけた後ってかなり喉が渇く。
だが看護師さんはしっかり分かってくれたらしく、すぐに部屋を教えてくれた。
アスナのいる病室の前に来ても、まだ少し、今までの行いのせいで葛藤する自分がいる。
チートで作り出した感情を植え付けてしまったアスナに、どんな顔をして会えばいいのだろう。
謝ればいいのか、笑えばいいのか。
いっその事、アスナの中から俺の記憶だけ消してしまえばいいかもしれない。
そんな気さえ起きてくる。
あぁ、そうだ、そうしよう。
………スマホを取りだす手は震えている。
……記憶を消すなら、1度顔を見てからでも、遅くはないだろう。
震える手で持っていたスマホをジャケットのポケットに仕舞い、軽くノックの後、部屋の中へと入る。
窓とカーテンが開いているのだろう。 病室内は寒く、仄かに月明かりと風が入ってきている。
……キリトのように、まだ意識が戻っていなかったらどうしよう、なんて考えは無い。
だが、さっき頭にあった恐れの様なものがまた首をもたげてくる。
怖い。
背中を押す声は聞こえない。
今ここだけは、俺を後押ししないでくれ。
今押されてしまえば罪悪感で潰されてしまう。
だから。
「だれ……?」
しかし、俺の意思とは裏腹に、病室を仕切るカーテンの向こうから声が投げられた。
それだけで、頭の中にあった恐れは膨らんでしまう。
だが、恐怖で縫い付けられてしまっているような足を、どうにか1歩を踏み出してみれば、すんなりと前に進めてしまった。
「……アスナ……」
「あっ……ふふっ、セイ君」
一瞬驚いたように声を漏らし、すぐに微笑みへと変わるアスナの表情。
名前を呼んでくれた。
笑みを見せてくれた。
「アスナ……ごめん……」
「なぁに、またなにかチートとかで、やらかしちゃったの?」
「ぇ……?」
誰にも話していない、致命の一言を言われた。
「なん、で……?」
「え? なんでって、最初から、知ってたよ? 第1層の、ボス攻略会議で……」
あぁ、気付かれていたのか。
「私の事、おもちゃにする気だったのも、恋愛感情の、数値をいじってたことも。 なんだったら、アバターを変えたことも、ね?」
全て、気づかれている。
いや、頭の中では分かっていたのかもしれない。
いつか誰かにチートが気づかれるかもしれないと。
記憶処理をしていないのだから当たり前だろう。
俺はまた、スマホへと手を伸ばす。
だが、「でも」と続けられた言葉で、手は止まってしまう。
「でも、それでも、セイ君……晴明君は私を無碍に扱わなかった。
私を殺さなかった。私に仲間をくれた。私に未来をくれた。 私を、何も残せず、死ぬかもしれなかった私を救ってくれた。 私を生かしてくれた。 私を……愛してくれた。
だから、私は許しちゃう。 本当はすっごい怒らなくちゃなんだろうけど、縁を切らなくちゃいけないんだろうけど、私にはもう、それは出来ない」
かしゃん、と何かを落としてしまった。
だが、いまはいい。
目の前が歪む。
あぁ、あぁ……
「だから、ね? そんな悲しそうな顔はしないで? 消えたいだとか、私の記憶を消すだとか、そんなことは考えなくていいよ」
まだ目が完全に見えているわけではないアスナは、少し見当違いな方を見つつ手を広げて。
「流石に病院だから、えっちなことは出来ないけど、ぎゅーってすることは、できるから……ね?」
まだ帰ってきたばかりでたどたどしい言葉使いで、俺を誘う。
鼻水やら涙やらでぐしょぐしょになってしまっている顔を、申し訳なさそうに、だがアスナの胸に預けるように、抱きしめて。
アスナはそんなこと気にしていないよ、と言うように俺を抱きしめてくれた。
……少しして、ゆっくりと顔を上げれば、にこにこと笑みを見せているアスナと目が合った。
気恥しさで目を逸らし、もぞもぞとアスナの腕の中から抜け出して。
「……あ、そういえば、自己紹介がまだだったね」
目の前にご馳走が運ばれてきたかのような声音でアスナが言う。
「あー……えーと……今じゃないとダメ?」
「もちろん♪」
「……葉山 晴明です。 おかえり、アスナ」
「結城 明日奈です。 ただいま、セイ君」
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あの後、すぐに明日奈の両親が駆けつけ、俺は挨拶やら何やらで明日奈の両親から色々聞かれたりしていた。
もちろん、駐車場で失禁しながら伸びていた須郷伸之のことも。
しょうがないと割り切ったが、明日奈の両親が来てから数分後にポリスメンが来た。
その後は警察署まで任意同行されて朝方まで警察のお世話になってしまった。
過剰防衛だってさ。
ナイフ持ってたからってボコボコにしすぎだって怒られたよ。
おかげで家に朝帰り。
しっかり朝食を作ってくれていたユイには感謝しかないが、食べたあとはしっかりお説教食らった。
ログアウトしたなら私かストレアのどちらか、もしくはどちらとも起こしてください、ってな感じで。
……あぁ、そういえば、原作ではオベイロンを倒してから受け取っていたザ・シードについてなんだけど、しっかり俺も受け取ったよ。
待っていてくれたセブンやリーファに挨拶しに行こうとログインしたらね、真っ暗な空間に茅場晶彦が居て、その時に渡された。
『君がログアウトするのが早かったから渡しそびれてしまったよ』
なんて皮肉混じりに渡して来た。
突き返す訳にも行かないから、後でエギルにでも投げつければいいじゃろ。
それはそれとして、リーファとセブンには怒られた。
あれだけ待たせたくせにー!だって。
お詫びにセブンには、リアルで会った時に子種のプレゼント。 リーファは新しい武器回収を約束させられた。
ゲームで一日、警察署と謝り倒しで一日。
長く濃厚な2日がこれでようやく終わった。
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都内某所・ダイシーカフェ
「それじゃあ、SAO攻略おめでとう! かんぱーい!」
「「「「「かんぱーい!!」」」」」
エギル……アンドリュー・ギルバート・ミルズが夫婦で経営しているカフェを貸し切って、わいわいがやがやとSAO攻略パーティが催されている。
乾杯の音頭を取ってくれたのは、SAO内ではかなり有名なピンク髪……リズベット。
アスナ繋がりで呼ばれてる、と思うかもしれないが、実は50層のカリバーンぼっきり事件まではリズにメンテをしてもらってたんだ。
それ以降はね……メンテ必要ないエクスカリバー手に入っちゃったから……
まぁ、それは置いておいて……
「あら、ご主人様、飲んでますかぁ……?」
「もー、ニミュエ、酔っ払って絡んじゃダメだよ?」
「そうですよ!」
べろんべろんに酔っ払っているニミュエ。
ソレを窘める姉ふたり……ストレアとユイ。
3人がカウンターの席に座っている俺の方に絡み……話をしに来る。
「あー、飲んでる飲んでる。 お茶を」
「烏龍茶だな」
こまけぇ……という視線に、気にするな、と獰猛な笑みを見せる
へぇへぇ、と頷きながら、酔っ払い以外の2人に、酔いつぶれたりする前に水にするよう伝えて空いている席に向かわせる。
すると次は気持ち的ナイト君とウニがやってきた。
「やぁ、久しぶりだね。 60層のボス以来かな?」
「おう、元気しとるか?」
「あぁ、大体それくらいかな、元気にしとるよ」
ディアベルとキバオウのふたりも参加していたようで、2人の声の大きさにどこか懐かしさを感じているメンツも少なくなさそうだ。
……あ、今の俺の体は初期の俺の体に戻してある。 そのため2人とも何も感じずに声をかけてきてくれたのだろう。
「なんや、自分SAO終わった後も何かやっとったみたいやんけ」
「色々あんだよ」
「はぁん? またけったいな事件に首突っ込んどったんやろ」
「まぁまぁ、キバオウさん、今はパーティの最中なんだし、SAOの話をしようじゃないか」
「……ま、せやな」
ディアベルが察して話を切り上げてくれた。
割と気が利く男だよね、あいつ。
「
「こんにちは、セイメイ君」
なんかレインとセブンが一緒に来てるんだけど。
あれ、いつの間に姉妹仲戻って……あれ……?
ロストソング忘れた……??
まぁいいや……
「やぁ、2人とも。 楽しんでる?」
「えぇ、とっても!」
「しっかり楽しませてもらってるけど……その……七色も招待してたんだね、セイメイ君……いつ知り合ったの?」
「ALOで」
「そ、そっかぁ……」
なんかちょっとショックそうなレインをセブンが大丈夫? と聞きながら別な場所に向かっていった。
もちろんセブンは去り際に
「ね、セイメイ君、隣いいかな?」
茶髪の女の子が声をかけてきた。
もちろんと返すと、茶髪の……ユナが丸椅子に腰掛ける。
「彼は、ちゃんと送って上げられたかい?」
「うん、しっかりノーチラス……えいじくんを送ってあげられたよ」
「そっか」
今参加しているメンツのなかで、1人愛しかった人を無くした少女。
優しく頭を撫でてやる。
ちょっと鼻をすすりながら、ちょっと席を外すね、といって店の奥へと向かっていった。
多分奥の部屋でちょっと泣いてくるのだろう。
「お兄ちゃん!」
「セイメイ君!」
「「また女の子泣かせたんですね!」んだね!」
「泣かせてなーい」
妹ーズ……
シリカと直葉の2人による問い詰め。
色々あったんだよ、と無理やり納得させて2人をぺいっとした。
「……落ち着かん」
「そりゃそうだろ。 セイメイ、お前は女の子を誑かしすぎてんだよ。 あっち見てみろ、クラインが1人で酒飲みながら不貞腐れてるぞ」
「せやかて工藤」
「俺は工藤じゃねぇぞ」
ぐでぇ……とバーカウンターに突っ伏しながらエギルとやり取りを続ける。
要は、女の子いっぱい侍らせているんだからそれくらいの気苦労は諦めろ、だそうだ。
「侍らせているって言やぁ、アレだな、円卓の騎士数人が来てないみたいだな?」
「侍らせているわけじゃねぇよ。 侍らせてるわ。 パーさんやガウェ院は仕事の都合がつかなかったんだと。 トリスたんとランスロは連絡がつかなかった」
「あー、なるほど」
かなり気まぐれな連中だしなぁ……
パーさん……パーシヴァルは例外だけど。
「あ、そうだ、エギル、例の種はどうなってる?」
「お、ようやくその話が出たか」
すっ……とノートPCの画面をこちらに見せてくるエギル。
それを覗き込めば、どこかの動画サイトのようなウェブページが開いており、小さな窓で種子……ザ・シードネクサスを監視、右のコメント欄のようなところに現在のダウンロード数や作られたゲーム数等が表示されている。
「数ヵ月でざっと20万位か」
「かなりダウンロードされてるな……」
「まぁな、無料のVRパッケージだ。 誰もが欲しがるものだからな」
「それもそうか」
大きめのサーバー、通信環境、そこら辺を揃えれば、素人でもVRゲームを作れるようになったんだ。
そりゃそうだよな。
「今は俺が管理してるが、もう少ししたら俺が管理しなくても済みそうになる」
「んぉ、巣立ちか?」
「まぁ、似たようなもんだ。 ミラーサイトもいくつか作られてきているしな」
「そうか。 ……迷惑かけるが、巣立つまで見てやっていてくれ」
「しゃーねぇな」
獰猛に笑うエギルに合わせ、こちらも笑みを見せる。
それが合図になったのか……
「二次会はALOのユグドラシルシティ、時間は今日の20時、みんな、忘れないでよね!」
リズがまた1段高いステージのようなところで宣言した。
~~~~~~~~~~~
満天の空に輝く星。
湖をそのまま持ってきたかのような大きな満月。
ひとり寂しく、空を踊る。
「……楽しかったな」
楽しかった。
チートで手に入れた縁だったことを抜きにしても楽しかった。
前世やチートを使わなかったら、もしかしたら手に入らなかったかもしれない。
……いつかは、その事を言わないといけないかもな。
怒られるかもしれない、失望されるかもしれない、犯罪者と罵られるかもしれない。
なんだったら、殺されてもおかしくない。
……望み薄だけど、アスナみたいに許してくれるかもしれない。
望み薄だけどね。
……そういえば、今日のパーティ中、アスナとだけ話してないような……
「セイ君」
そんな考えを読み取ったのか、不意に背後からアスナの声が聞こえる。
「あ、アスナか……どうしたん」
ぽす……と背中にアスナが寄りかかってくる。
「大丈夫だよ、セイメイ君。 君は確かにみんなに怒られるようなことはしたけど、みんな許してくれるはずだよ。
……SAOをクリアした英雄だからって訳じゃないよ?」
みんな、君がいい人って知っているから。 と背中越しに聞こえる。
「そうだといいな」
「そうだよ。 絶対」
背中越しに聞こえる声は確信をもっている。
そう思えるほどに力強く、どこか儚げだ。
「……よし、うん、言いたいこと全部言えた!」
「ん、ん」
余韻がなげすてられた!
「ほら、そろそろ集合場所に行かないと遅れちゃうよ」
「……確かに、もうそんな時間だ」
アスナが差し出した手を握り、共に空を翔ける。
目的地はあまり遠くは無い、ユグドラシルシティの上空だ。
「……間に合ったよね?」
「多分。 20時言ってたしな」
リズの言葉を思い出しながら、集合場所間違えたか、とか時間ズレてないかと確認していれば、ユグドラシルシティの方から声が聞こえてくる。
「あぁ、大丈夫そうだね」
「そうだ……っ、アスナ、月、月見て」
「えっ、なに……月食?」
「いや、あれは……」
辺りを影が覆う。
月の光が翳り、歪な何かが光を遮る。
巨大な、いつか誰かが夢想した、天空に聳える100層の城。
「浮遊城アインクラッド……」
俺の言葉を継いで、その城の名を零すアスナ。
ぶるりと背中が震える。
また、あの日々を……
「ふふっ……大丈夫だよ、セイ君。 今度はみんなもいるんだし」
「……あぁ、そうだな」
武者震いなのか別な何かなのかは分からないが、怯えているように思われてしまったようだ。
苦笑いを浮かべ、アスナに肯定して。
さっきまで遠くにいたメンバーが、次々にアインクラッドへと向かって羽ばたいて行った。
「それじゃあ、私達も行こっか?」
「……そうだな、俺たちも行こう」
背中の羽をあやつりくるりとアスナの方を向けば、エスコートをするように手を差し伸べて。
アスナはそれに応じて手を重ねてくれる。
それだけで今は満足だ。
3年ぶりの新作、如何だったでしょうか。
最近はかなり忙しすぎて小説書くのも読むのも、ゲームやるのも作るのも、動画見るの……動画は作るのだけだな。 全部辛くなってまして……
久しぶりに書けたのは……1つ心のつっかえが取れたからでしょうか。
まぁ、とりあえず、ストレスは貯めるものではありませんね。
それでは、今回はここで筆……もとい、スマホと手を置かせて頂きます。
作中のバイクはハーレーダビッドソンとかヤマハとか。
転職してぇぇぇぇえよぉぇぉぉぉ!!!
Ps.サチに関しまして、整合性が取れなくなったため削除させて頂きました。
サチ好きの方には申し訳ないのですが、サチ再登場までお待ちください。