転生して、カーディナルさえ検知できないチートを手に入れたから、ゲームクリアしてくる。 作:恭華
ユウキとサチ、どっちがえっちしにくいか?
サチ。
な私です。
さて、今回のお話に入る前に少しだけ。
新章に入るにあたって(あたってないけど)少しだけ書き方を変えました。
一人称視点から三人称視点やね。
私の感じ方しだいで戻すかもしれませんが、良かったら感想なんかをコメントに書いていってね。
それじゃあ、本編どうぞ。
第28層・重い話
「えーと……ぎおんしょうじゃの……??」
「リズ、まだそこなの……?」
「ふわぁ……」
「シリカー、起きないと宿題終わらないよー?」
「ここをこうして……こうで……」
「あ、シノンさん、これはこっちですよ」
「えっ? あ、ほんとだ……」
「ふぁ~ん、おしゃけおいしぃ~♡」
「ニミュエさん、本当にお酒大好きですね……」
「すぴー……」
「すやすや……」
26層、ちょっとだけ増設をしたログハウス。
その中で女の子たちが集まっている。
数人は宿題を。 1人は酒盛りを。 2人は一緒に昼寝を。 1人は寝落ちしかけの1人をおこそうとしている。
ぎゅうぎゅう詰め、とはなっていないが、ちょっと手狭だ。
それもそうだろう。
歌姫と呼ばれている白髪の少女のよこで一緒に眠っている、星海の髪を束ね子供のような顔で眠っているが、寝相がおっさんぽくなっている少女……青年に集められた……見初められた? 少女たちが何人もいるのだから。
見た目少女、中身青年なソレの名前は葉山 晴美。
本名、葉山 晴明。
異世界より転移してきた正真正銘のチーター。
どんなことでも思い通りに出来るであろうチートを授けられている。
そんな男が、揺り椅子の上で白い髪の歌姫を抱きしめて眠っている。
そんなすぴすぴと眠られるとこっちまで眠くなってきちゃう、とアスナやリズベットが文句を言っていた時があったが、いまはもう諦めているようだ。
そんなあったかログハウスの中で宿題を続けている数人が……特にシリカが夢の中へと落ちていった。
「……もう」
起こそうと頑張っていたストレアだったが、諦めたようで苦笑い。
空いているスペースへと座り込み、周りの宿題進行状況を見る。
「アスナとシノンはあと少しで終わりそうだね。 リズとリーファはー……あと二教科?」
「ん、アタシはあと理科だけよ」
「私はー……現文と世界史。 数学があと少しで終わりそうなので、実質二教科ですね」
「となると、残りはシリカだね」
「くぴぃ……」
かくんかくんと頭を縦に揺らしながら眠ってしまっているシリカをみんなで眺めながら苦笑い。
「やっぱりあれの影響が凄まじいわね……」
シリカに向けられていた目が一斉に暖炉の前で揺り椅子に揺られる少女2人に向けられる。
宿題が終わっているユナと、まず学校とか行ってないセイメイ。
膝の上にピナが眠っている。
暖かい室温でそんなものを見せられてしまえば、誰だって眠くなってしまうだろう。
「最近、すっごい忙しかったみたいだから……」
「へー……何やってたの?」
「……リズやしののんは知ってるか分からないけど、サチさんに会いに行ってたんだって」
「えっ、あのサチさんにですか?」
「そう。 私たち、円卓の騎士団の同盟ギルド、月夜の黒猫団のリーダーだった子」
概要だけ軽く、ね?
とアスナは1呼吸置いて軽く話し始めた。
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シノンを助け、元銀行員のお母さんと娘の親子ふたりに合わせてから数日後。
セイメイ……晴美は菊岡誠二郎に呼びだされていた。
銀座にある、いつものカフェに呼び出された晴美は、菊岡から一通の封筒を受け取った。
それを開け、中身を見てみれば、サチの現在の所在が記されていた。
横浜北総合病院。
ナーヴギアは外れているが、とある理由によって未だ入院をしているようだ。
菊岡はケーキを食べ進めていたが、晴美はすぐにそれを持ってカフェから飛び出た。
チートを使い、周りに人間は晴美が起こす異常に気が付かない。という空間を作り出してからバイクを召喚。 体や服もそれに合わせた物にして、すぐに横浜へと向かった。
~~
しっかりと体をサチに会った時の状態にしてから受付にてサチ、という名前を出すと、待合席で少し待っていて欲しいと言われた。
数分して、サチさんの担当医をしている倉橋という眼鏡の医者が出てきた。
「……不躾な質問したとなってしまうのですが、あなたは……サチさんとどういった関係なんでしょうか?」
「……友人です。 とあるゲームで、一緒に戦った」
「なるほど。 であるなら、多分……」
それ以上、倉橋は何も言わなかった。
ここです、と彼は軽く、中にいる人物へと来室の挨拶をする。
なかからすぐにはーい、と声が帰ってきた。
「失礼します。 サチさん、調子はいかがですか?」
「えーと……体の方はかなり調子がいいですよ。 ただ……記憶はまだ戻っていないですし、自分の名前も……」
なかから聞こえてきた声は確かにサチだった。
「……お客さんが来ているのですが、お通しして大丈夫ですか?」
「お客さん……?」
困惑しているような雰囲気が部屋の外に漏れてきている。
だが、許可が出たようで、倉橋が手招きをしていた。
その手招きに釣られるように、晴美は病室へと足を踏み入れた。
「……やぁ、サチ」
「………?」
「や、そ、そうか……え、と……75層以来だね……?」
「……ごめんなさい、私、記憶がなくて……あなたの事、見覚えがないんです……」
「あ、あぁ、そっか……ええと……」
外で話を聞いた時からわかっていたが、サチは記憶がない。
SAOで出会った時から、ではない。
産まれてきてから、ナーヴギアから解放されるまでの十数年の記憶。
SAOで使用していた名前以外、その一切が無くなっていると、サチ本人の口から聞かされた。
チート行使を考えたが、そうもいかない。
記憶は、脳は、チートでいじることが出来るが、それ以上のものはどんな副作用があるか分からない。
そんなものをサチに使うことは出来ない。
いや、使ってもいいのかもしれないが、使ってしまえば、死ぬまで晴美は自信を呪うだろう。
「……なら、そうだね……君と初めて会った時の話でもしようか」
しっかりと、かなり重い話になるかもだけど、と注釈を入れたが、サチは頭を縦に振った。
「まずは……」
セイメイは全てを話した。
サチの友達……月夜の黒猫団の仲間たちの事。
それからどうしたかなど、クリアするまでのことを。
だが、彼女は終始物語を聞く少女でしか無かった。
仲間の死を乗り越えた少女ではなかった。
「……とまぁ、こんな所かな」
「……あ、聞かせてくれて、ありがとう」
「あぁ……。 ……面会時間そろそろ終わりだから……また来るよ」
記憶を無くしていようが、儚げな笑顔はゲームの中だろうが外だろうが変わらないようだ。
それじゃ、といって病室を出るが、それを見計らったかのように倉橋が晴美の方に寄ってくる。
話があるのですが、と。
診察室のような、あまり人の声が聞こえない小さな部屋へと通された。
「……えぇと……どこから話しましょうか……」
連れて来はしたが、どう話すか決めきれていないようだ。
「……あまりこういう話をするものでは無いと分かってはいるのですが……実はサチさんは、戸籍などの情報が一切無いんです」
「……は?」
「どこで生まれた、どこで育った、本名等全てが消されておりました」
「……理解が及ばないんですが……記憶と共に生きてきた全ての痕跡が消え去った、みたいな感じですか……?」
「そういうことです。 SFじみていますが……」
訳が分からない。
「じ、じゃあ、サチはどこで保護されたんですか?」
「……近くにある女性専用の漫画喫茶です」
なぜ? なんて疑問が浮かぶが、今はもう確認するすべがないのだろう。
話を聞いていく限りサチという名前とサチの体以外、サチという人間を示すものが無い。
保険証なんかも無く、親も出てこない。
……俺以外にチート使いでもいるのか、それとも本当に何かあったのか、くらいしか想像ができない。
「それで、なのですが……」
「……記憶以外健康なんだから、病院に置いておけない、という感じですか?」
「言い方は悪くなってしまいますが、要はそうなってしまいます」
「……分かりました」
病院の総意なのだろう。
結局そのあとは、サチの体調を見つつ、サチとどうするかの話し合いをしてどうするかを決めることとなった。
晴美は、ウチに来れば、なんて考えているようだが。
~~~~~~~~
「っていう感じらしいよ」
「……またセイメイん家に人増える感じなの?」
「まだわからないけどね」
「……結局はサチの返事待ちになっちまってるんだよ。 2、3日待って、って言われてるんだが……」
「なーるほどぅえぁっ!?」
セイメイが起きていた事に驚き、跳ね上がるリズベット。
それを見てため息をこぼしては
「まぁ、それが気になって夜も眠れてない訳だ。 2日目だ」
「そ、そう……」
一応受け入れ態勢は出来ている。
物置っぽくなっていた部屋をしっかり綺麗にして1人なら充分広く使えるような部屋に変えてある。
だから返事待ち。
「……まぁ、気を揉んでいても仕方ないからな。 なにか明るい話題でも無いか?」
「明るくなれないわよ!」
「それもそうだなぁ……」
明日にはなにか進展があるかもしれない、とセイメイはログアウトして行った。
残された数名は、宿題やる気など失せたかのように暗い顔をしていた。
~~~~~~~~~
翌日、明日奈のスマホに、晴美から「サチの受け入れが決まった。 役所行って養子縁組(か、それに準ずるものを)してくる」という連絡が入っていた。
ほっと胸をなでおろし、朝食を食べに行くために部屋を出ていった。
他の面子にも同様の連絡をしているようで、みんな胸をなでおろしていた。
~~~~~~~~~
「……ところで、ゼッケンって、知ってる?」
サチを受け入れ、数日がたった夕方頃。
いつものログハウスでリズベットがそう切り出す。
「運動会でもやるの?」
「違う違う。 チョー強い剣士の通り名。 絶対無敵の剣だとか、絶対最強の剣だとか、絶対否定の剣って意味」
「え、なにそれ、知らない……」
「まぁ、アスナもセイメイも、最近まともにログインしてなかったものねー」
「セイ君家の手伝いとか行っちゃってたからね……」
「通い妻も程々にしないと、色々大変なことになるわよー」
「も、もう、茶化さないのっ!」
シリカ、リズ、アスナ、ユイ、リーファの5人しかいない部屋(なお3人ともお昼寝)に響くアスナの声。
はいはい落ち着いて、と宥めるリズベットが続けて。
「んで、そのゼッケンが挑戦者を探してるんだって」
「へー……」
「反応うっすいわねぇ……」
「まぁ、ちょっとね」
「……勝った報酬が、
「えっ、それ本当なの!? なん連撃?」
「なんと、脅威の11連撃」
「11!?」
新しく実装された要素で、自分で考えたソードスキルを作ることが出来る機能だ。
面白そう、とアスナも挑戦したことがあるのだが、自分独自のものは作れなかった。
そう、これはかなり難しいものなのだ。
既存ソードスキルとも、誰かが既に作ったものとも違うものを実行しなければならず、ソードスキル並の速さで武器を振らなければならないという鬼畜仕様。
「なんか出来たー」
なんて言って作ったセイメイでも8連撃だった。
あたおか。
「そう、11。 それを景品にしてるんだって」
「……」
「あ、やっぱ気になるんだ。 なら、毎日15時位に、24層の湖に浮かぶ小島に行ってみなされ。 さすればねがいがかなうであろー」
「なにそれ……」
老けたおじいさんみたいな声を出すリズベットに苦笑いを見せるアスナ。
じゃあ、明日行ってみよっかな……なんて。
ぶつり。
唐突に、目の前が暗転した。
はい、というわけでね。
4000文字くらいしか書けないくらいちょっとダメージが出てる私です。
サチ関連だと真面目に心折りにくる。
というかちょっと文がおかしくなる。
つらい。
……まぁいいや。
サチ回収したから次回以降は記憶ないサチも登場するかも。
あとユウキもしっかり回収します。
誰が戦うかは……まだ不明だし、なんなら途中までセイメイ目線でもいいかもしれぬ。
……頭に関してはチート使わなかったけど、ウイルスに対してはチート使うし、体にも使う。
頭には使えない使いたくない。
絶対否定の剣……ルシファーに素材タカりにいかないと。