転生して、カーディナルさえ検知できないチートを手に入れたから、ゲームクリアしてくる。 作:恭華
まぁ、新章が始まったら新しい技を手に入れたいよね。
仲間も新しいの入れたいよね。
どの面フレンズは酷使だよね。
ほら、道満とかカリオストロ伯爵とか。
ニコニコしながら接近してくるカリオストロとかただの恐怖。
「……おい、この娘はどこで拾った」
金髪に青目、だがその美しい瞳が1つ欠けてしまっている少女から目をそらさず、鼻に問いかける。
「どこで……と言われましても。
人界の……北の山脈を越えた付近としか聞いておりませんので」
「そうか。 【お前の財布から、この娘達全ての購入金を出しておけ】
それと……北の山脈を越えた先の村で捕まえた娘はこれだけか?」
「いえ、まだ更に小さいガキが数人程」
「ならばその娘たちも連れてこい。
もちろん、【金はお前持ちだ】」
「かしこまりました。 少々お待ちください」
部屋から出ていった鼻の気配が遠のいたのを確認してから、小さく息を吐く。
「ガヘリス」
「はい」
「この子達の面倒を任せて良いか?」
俺が買った子達だから、本来であるならば俺が育てなければならない。
だが、それは出来ない。
人と神のガワを被ったもの。
それだけで隔たりが出来てしまう。
それであるならば、人であるガヘリスに任せた方がいいだろう。
ほかの人間も混ぜるならば、厳命しておかなければならないな。
まぁ、それは後ででいい。
「かしこまりました。 暗黒術に関してはディー様に、剣術などはシャスター様に相談してもよろしいでしょうか?」
「あぁ。 後で俺も一緒に行くから、その時に」
「はい」
しっかりと切りそろえられた爪をガリッと噛みながら椅子から立ち上がり、まだ10歳にも満たないのに片目……右目を吹き飛ばしている金髪の少女に近寄る。
「……ねぇあなた、お名前はなんて言うの?」
「ぁ、アリス、です」
あぁ、やはり。
原作ではあんなに元気に走り回っていそうな感じだった少女がここまで脅え、痩せ細ってしまっている。
だが、やはりあのアリスだった。
「……私が怖い?」
「い、いえ、そんなことは……」
「んー……じゃあ、あのお姉さんかしら? 確かにこう……先生とかシスターみたいな、きつい感じのお姉さんよねぇ……?」
がーん……という雰囲気をガヘリスから感じるが、気にせずアリスに声をかけ続ける。
「そ、そうでもなくて……えと……」
「じゃあ、緊張とか……かな。
大丈夫。 多分……私と年はあんまり変わらないはずよ?
だから、あんまり緊張しないで、ね?
ほら、ちょっとこの部屋臭いけど、可能な限り深呼吸して?」
「は、はい……すー……はー……」
「よしよし、いい子いい子。 それじゃあ、すってー? はいてー? すってー? すってー?すってー?」
「すー……っ、えほっ、けほっ……むぅ……」
素直に言うことを聞いてくれるアリスに、少しイタズラをしたくなってしまい、してしまった。
そのおかげか、少しだけ笑みを浮かべてくれるアリス。
そのまま少しだけにやり成分を入れた微笑みを浮かべて。
「どう、落ち着いた?」
「はい……」
「んー……まだちょっとなにか……?」
といったところで、鼻が戻ってきた。
びくりと体を震わせるアリスを背に庇うように振り向き、じろりと鼻を睨む。
「で、連れてきたか?」
「もちろんでございますとも! 男はいませんが、育ち盛りのメスガキどもです。気に入られること間違いなしですとも!」
小さくため息吐き出し、鼻が連れてきた子供たちに目をやる。
皆一様に怯え、震えている。
それでも1人だけ、みんなを庇うように亜麻色の髪の少女が立っている。
「セルカ……」
ぼそりと俺の背後から聞こえる声とともにきゅ……と手が握られる。
「……大丈夫よ、アリス。 まかせて?」
背後にいるアリスに優しく声をかけてから、軽く鼻を睨む。
「これで全員ならば、もう用はない。 その娘達はこちらで引き取る。
そして貴様は【その場で動くな】
ガヘリス」
「かしこまりました、お嬢様」
あぁ、ガヘリスがいい感じに乗ってくれてる。
鼻に動くなと命じ、ガヘリスにこえをかける。
すぐに行動に移したガヘリスは、アリスやセルカ達を連れて部屋の外に出ていく。
もちろん、俺はやることがあるからと、鼻と2人きり。
「やることあるとはいっても、特に……なんだよな。 【今日あった全てを忘れろ】」
って感じでいいか。
鼻は糸が切れたように倒れ伏すが、おれはそれを見届けずに部屋を出る。
さっき降りてきた階段をゆっくりと登り、出入口で待っていたガヘリス達と合流する。
「おまたせ、みんな」
「お帰りなさいませ、お嬢様」
「お、おかえりなさい、おじょう、さま……?」
ガヘリスに続き、お嬢様ってなんだろ、という顔で首を傾げるアリス。
「ふふっ……えぇ、ただいま、2人とも。
それじゃあ、お家に帰りましょうか?」
いつぐらいまで続けるかなぁ、なんて考えつつ、アリス達数人を連れて城へと向かうのだった。
~~~~~~~
「さ、着いたわよ」
オブシディア城へと繋がる橋の前へとたどり着いた俺たち。
くるりとアリス達の方へと向いて。
「ここがあなた達の新しいお家よ」
「ここって……もしかして……」
「もしかしなくても、私のお城……オブシディア城よ」
唖然とするアリス達。
だが、逃げ出すものはおらず、ただ体をふるわせているだけだった。
「もう……そんな頭からバリバリ食べられちゃいそうな羊みたいな顔をしないの。
食べるつもりなんてこれっぽっちもないわよ?」
食べるなら買った意味が消えるからな。
そんな勿体ないことをするわけないじゃないか、と苦笑いをしつつ、子供達を手招き。
「ほら、おいでおいで」
橋の両端にいる衛兵に少し離れるように目配せする。
そうしてから両手を広げ、抱きしめられるように手招きをする。
なんだかうずっとしてそうなガヘリスが見えたけど気のせいだろう。
ぞろぞろ、そろそろと子供たちがこちらへと寄ってくる。
だが、皆抱きしめたりはしてくれなかった。
どちらかと言えば、何してるんだろう、というような表情だった。
「ヒィン……」
~~~~~~
とりあえず城の中へと子供たちを連れて入り、まずは風呂だ、とガヘリスに頼んで子供たちを大浴場へと連れていってもらった。
自室へと戻ってから、何か嫌な予感を唐突に感じた。
明日の用意……はだいたい終わっている。
だが……なんていえばいいのか。
違和感、とは違う。
胸騒ぎだろうか。
そんな感じの感覚がこう、お腹に来てる。
空腹とはまた違うが……
そんな、なんとも言えない感覚を一度でも抱いてしまっては、仕事も遊びも手につかなくなる。
……カーディナルに相談してみるか。
夕食前のため、長くいたら迷惑だろうから、短めに。
様々な歴史書などが所狭しと蔵されている図書室へと足を運べば、本の虫、と呼ばれてしまいそうなほど色々読み漁っていたであろうカーディナルが出てくる。
「……どうした?」
「いや、なんだか明日の会談、嫌な予感がしているんだ」
持ち掛けたのはこっちだから、そんな事を考えるのは間違っているんじゃないか、なんて現代知識しかもちあわせていないせいで変なことまで考えそうになっている俺は、俺よりも小さな少女へと打ち明ける。
「ふむ……」
「持ち掛けたこちらとしては、人界側への攻撃はしたくない。 破談してしまっては元も子もないからな。
……まぁ、シャスターと向こうの騎士長がかなり擦り合わせてくれてるから、破談ということはほぼないと思うが……
……あぁ、いや、違う違う、そうじゃない。
明日、何か起こる気がするから、自衛する手段がひとつでも多く欲しい」
「ふむ、そういう事か。
長々と話しておったから、結論はなんだと言ってしまうところだったぞ?」
「面目ねぇ……違和感のせいで考えがなぁ……」
「まぁよい。 ならば……
うむ、おぬしにひとつ、術式をさずけるとしよう」
「暗黒術や神聖術とは違う?」
「うむ。
全く別なものだ。
セイメイよ、おぬし、武装完全支配術や記憶解放術は知っておるか?」
「実際に見たことは無いが、エンハンス・アーマメントとか、リリース・リコレクションとかって式句を唱えればいい奴だな?」
「うむ。 おぬしにこれらに並ぶ……いや、これらを遥かに高みにある術を学んでもらう」
「遥か高みとな……?」
「うむ。 難易度はそこまで高くは無いが、異界のものを呼び寄せることが出来る魂が必要になる」
「
「…………まぁよい。
まずは……そうだな、わしが手本を見せるとしよう」
カーディナルが座っていたベンチのようなものから立ち上がり、本や棚などが邪魔にならない位置へと移動する。
それについて行こうとするが、カーディナルに制止され、その場で止まる。
「今からわしがやるのは、
まぁ、名前を聞いただけでは何をするかは分からぬじゃろう」
わからん。 と頭を縦に振り、先を促す。
「要は、同じ魂を持つ別次元の存在を自身の中に降ろす、と考えてくれて構わぬ。
……実際にやって見せよう。
『トランス・コード・カリオストロ』」
名前となっている式句を唱え、その後にとある錬金術師の名を紡ぐ少女。
それを唱え終われば、ぶわりと突風が辺りを席巻した。
吹き飛ぶ本や紙切れ。
それに一瞬だけ気を取られてしまった。
よそ見をしてしまった。
その次の瞬間には、既に変化が終わってしまっていた。
「とまぁ、これがトランス・コード術式だ。 理解、出来たかなぁ?」
先程までの知的さ、聡明さを捨て、合理さ、可愛らしさを追求したとある金髪の錬金術師の姿へと姿を変えたカーディナルがそこに立っていた。
「……カーディナル、だよな? カリオストロじゃないよな?」
「うむ。 最初はおぬしを驚かしてみようと、この体の元になった人物を真似てみたが、わしじゃよ」
「あがs……」
毎週必ず事件が起こる探偵の話に出てくる博士みたいな言い方をするなと言いそうになる。
それを抑え込み、カリオストロへと姿を寄せたカーディナルをまじまじと見つめる。
よくよく見てみると、本来のカリオストロ……グランブルーファンタジーの錬金術の開祖、カリオストロとはかなり違う箇所がある。
金髪なのはそのままだが、本家ではストレートだった髪が、リセリスの因子を受け継いでいるため、ウェーブがかかったロングに、服装もフリルたっぷりなものではなく、カーディナルが着ていた落ち着いた司書の服装(少しパニエ入っているのか、スカート部が膨らんでるが)。
ティアラのようなものも、カーディナルの帽子に巻き付くように生えている。
ほかにも……
「これっ、そんなにジロジロ見るでない……っ!」
恥ずかしいではないか、と小さく呟くリセリス。
「あ、あぁ、悪い、可愛いが可愛いと合体して世界の宝になったリセリスを……」
「は?」
おっと、地雷っぽいの踏み抜いたか?
は、ではなく、あ゛? に近いような声音だったのは気のせいだろうか?
「それはそうだろう。
なんてったって、世界一可愛いカリオストロと合わさってるんだからね☆」
これ、キャラ崩壊しまくってねぇか?
「ん゛んっ……トランス元の人格が微妙に影響するのが、この術式の悪いところだが、どうじゃ、使えそうか?」
「使える。 だけど、俺と同一の魂なんてあるのか……?」
「数打ってみるしかなかろう。
コードの後に、『ランダム』と唱えれば、自分と魂の波長が同じものが自動的に選ばれるはずじゃ。
わしもカリオストロはランダムで知ったからな」
「そっか。
……んじゃあ、ちょっとやってみようかな。
『トランス・コード・ランダム』!」
「おい、誰が恐怖の対象だって?」
いやちゃうねん。
伯爵の方だよ伯爵の。
あのプリテンダー。
……それは置いといて、3話使ってまだ一日しか経ってないってマジ?
次回マジで会談行ける?
晴明、マジで考えてる?
それでは、不安な次回をお楽しみにー!
それはそれとして、晴明の魂どうしよ。
誰にする……??