守りが手薄の隙に王都が無数の怪物に攻め込まれ、お父様が死んでしまい、親しい騎士――セタンまで私を守ろうと戦って死んでしまった。彼女を殺した男に連れ去られる中、私は恐怖と失望で気を失った。
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気が付いた時、いつもの部屋でいつものベッドに眠っていた。一瞬、あの地獄絵図は悪夢だったのかと安堵するが、周囲を見渡して見慣れない家具や壁紙に気づき、ベッドから降りて警戒した。一見、王族や貴族に相応しい部屋だが、壁のヒビや埃が残されている。信頼出来る使用人なら一つも残さず掃除しているはずだ。
気を失う直前の記憶を思い出し、自分の状況を察した時だった。
「お目覚めでしょうかね、ヒムナ姫様?」
聞いたことのある敬語の声に振り向くと、この部屋の唯一の扉を閉じる古いコートを着た男の姿があった。セタンを殺した大剣の男だ。彼が近づき出した瞬間、恐怖を抑えながらもヒムナは睨みつく。
「そ、それ以上、私に近づかないでください! あなたの言いなりにはなりません!」
「自分の状況を分かっておりますか? あなたは我々に捕まってしまった。つまり、あなたは今、まな板の上でいつ包丁が振り下ろされるのかを怯える魚ですぜ……」
「っ! ……たとえ殺されようが、拷問を受けようが、絶対にあなたに屈しません!」
男に啖呵を切るヒムナ。怯える様子があったとはいえ、その勇気に思わずゆっくり拍手する男。賞賛というより皮肉に見えるその行動にヒムナは戸惑うが、それでも自分の言葉が無意味ではないと安心しようとした。
突然、第三者の声がどこからか聞こえてきた。
「自分は拷問に耐えれるって君はそう思っている?」
男より若い、自分に近い年齢の高い声にヒムナは見渡した。この部屋にいるのは自分と男しかいない。一体どこに……?
男が天井を見上げ続けているのに気付いた。自分も見上げた直後、小さな悲鳴が漏れた。
いる。自分より年上の若い中性的な美しい人間が天井に足を付いて逆さまに直立している。眼鏡越しの真っ赤な目、肩までの黒髪、黒服の“それ”は突然、無数の黒い何かにバラけていき、ヒムナの目の前で人の形に構成していく。
黒いのが蝙蝠だと気づくも、目の前の人外にヒムナは後ずさる。
「驚いた? 他のと違って人間そのものに見えるけど、もちろんこれは擬態に過ぎない。彼のは擬態じゃない代わりに中身が別物になっているが。それより……」
男を指しながら説明する蝙蝠の人外。それは後ろに下がっていくヒムナにゆっくりと近づいてく。
「拷問に耐えられる? 体を動かせない状態で避けられない激痛が襲う、痛くても痛くても治まらない、思わず死を願ってしまう……君は耐えられる?」
「そ、それは……」
「……私と彼にそんな趣味はない。君をここに連れてきたのは別の理由がある」
拷問をするつもりはないと聞いて安心するが、次の言葉に思わず口元を手で抑えてしまう。
「人の上に立つ王族の君を異形に変え、人間は終わってしまったと世界に広めるのさ」
「なっ!? ……人間はまだ諦めていません! 人類を無くそうとするこの世の仕組みに未だ抗っています! 人が人として生きることは誰にも止められません!」
「……その言葉、いつまで言えるかね?」
――――――
蝙蝠の人外――吸血鬼が根城にする魔王城と名付けられた城の廃墟のどこかにある檻。そこには異性の人外に犯されている女悪魔の姿があった。
白い髪に青白い肌、割れた口、歪な角を持つ元女騎士の彼女――セタンは森の怪物であるレーシェンに媚薬効果のある樹液を飲まされ、鎧と下着を脱ぎ捨て、敵前にも関わらず自慰をしてしまった。姫を助ける使命、自分の痴態を知りながらも例の樹液を飲み続け、多くの怪物に自ら進んでマワされていた。
そして今、魔王城の檻に閉じ込められ、人外の性処理に使われている。白い液体に汚れた身体が何度も性行為していたのを教えてくれる。
背後の狼男に胸を揉まれながら女陰に肉棒を挿れられ、腰を突かれながらも首を向けて接吻しているセタン。彼女の頭の中には王の命令、助けるべき姫、自分が女騎士だというのが無く、只々快楽を求めているだけ。狼男のピストン運動が早まるほど、口から「せいえき出して」「もっとおかして」などの淫乱な言葉が漏れていく。
狼男の肉棒が子宮口を強く突いた瞬間、セタンの中で射精した。同時に絶頂を迎えた彼女も白目を剥き、舌をだらしなく出して声を漏らす。狼男から離され、床に倒れ込んだセタンの陰裂から注がれた精液が滴り落ちていく。快楽の虜になってしまった元女騎士の悪魔は口を開ける。
「きもちいい……悪魔になって人外に犯されるのきもちいい……」
「セ、セタン……?」
絶対に忘れられない声に驚き、持ち主に振り向く。そして、青ざめた。
ヒムナ姫様……檻の向こうにヒムナ姫様がいる。目にするのも辛い表情で私を見ている。犯されて喜んだ私を見ていた……
「ち、違います……私はセタンではありません……」
「いえ……異形となっていようが、あなたがセタンだと分かっています。ですが……先程の……」
「こ、これは……」
必死に弁解しようとするが、大剣の男がヒムナの隣に立っており、遮るように言った。
「この女騎士、レーシェンの樹液と乱交に夢中になっていたのを俺が見つけたぞ。ここに連れてくるまで俺だと知らずに自分を売春女みたいに宣伝をしまくって大変だったぜ」
「……セタン」
俯き、そう呟くヒムナの姿にセタンは恥ずかしさと悲しみのあまり死にたくなった。姫様を助けるはずが、異形に成り果てて他の人外に股を開いていた自分に嫌悪が湧いてくる。
しばらくした後、ヒムナは俯いていた顔を上げる。涙を流していて、何故か笑顔を浮かべていた。
「所詮……人間は終わっていましたね……」
――――
「ひめさまぁ……きもちいいですぅ……」
「えへへ、そう言ってもらえて嬉しいです。セタン」
囚われの姫が閉じ込められていた部屋でセタンと何かはまぐわっていた。
ヒムナを大人に成長させたような姿、そして背中から無数の触手が生えており、セタンの四肢を拘束し、膣と尻に触手を挿入して動かしている。そして自分はセタンの顔に近づいて接吻し、異様に長い舌で彼女の口内を舐め回している。
心が折れた姫は異形に成り下がってしまった。