自分の根城である蟲の巣に存在する女王室で寛いている来客を、頬杖をついている蟲姫は不機嫌そうに見ていた。理不尽な要求をしてくるゼノノアではないが、天使モドキと同じぐらい関わりたくない存在がキセルを咥えて喫煙していた。蟲姫が治めている蟲の巣に来ているそれは、無論、人間ではなかった。
両目と口が円形や三角形の穴そのものと、シンプルだが感情豊かに表現できる木彫りの顔。
背中まで届く緑色の髪は葉や蔓そのものであり、頭の横に大きな花が咲いている。
蔓を絡み合わせることで再現した筋肉と、それを覆う硬い樹皮で構成されている細い四肢。
実った果実そのものといえる胸を樹皮で抑え、桃と例えられる腰回りを覆う花弁のパレオ。
蟲姫と同じ頂点者であり、植物のヒトデナシを増やしている植物の異形――ガーデナーだ。
蟲姫は彼女を好きになれなかった。植物の癖に喫煙している際の火が、人間の時に亡くした子供達の死因を思い出してしまう。そしてガーデナーが手にしている何らかの果物にも苦い思い出があった。
蟲姫はその果物を指して尋ねた。
「それらは何ですか?」
「これ? 蟲姫にあげるフルーツだよー!」
穴そのものである目と口を柔軟に変形させ、明るい木彫りの笑顔で言って差し出してきた三種類の果実を、蟲姫は払う手付きで拒否する。
「結構です。以前、あなたからのフルーツを食べた時に酷い目にあいましたので」
庭師が育てた果物は確かに美味だ。しかし、無視できない副作用がある。
死に至る毒の実はもちろん、発情誘起の効果が強い果実も存在する。後者を蟲姫が食べてしまい、自分から巣中の雄虫に輪姦されたことがあった。
庭師からの贈り物は信用できないと学んだ蟲姫は、彼女に対して心を開くつもりはなかった。それを察したガーデナーは今すぐ蟲姫に食べさせるのを諦めることにした。
「むう、だからって私も持ち帰ったりしないよ。ここに置いとくから下っ端の虫ちゃんにでもあげたら?」
そう言い残したガーデナーは持ってきた三種類の果物を放置し、部屋から出ていった。一人残された蟲姫はしばらく黙って床に置かれた三つの果物を見つめる。
額の触角を動かして配下の虫を呼び寄せ、この場へ来た三匹の虫にあること命じた。
「この果物を食べなさい。もしも体に異常があればすぐ捨てるように」
命じられた三匹は困惑の表情を浮かべる。
自分達の長である蟲姫が淫乱になった時、どさくさに紛れて犯しており、彼女の変貌の原因がガーデナーからの果実であると分かっていた。つまり、この果実を食べたら望まぬ発情をしてしまうだろう。
それでも命令には逆らえないので、仕方なく蟲姫の指示に従うことにした。三匹の虫が三つの果物をそれぞれ取り、かじってみた。口の中に含めて咀嚼もしてみた。普通の果物とは違う風味だった。
しばらく味わってみたが、虫達の身体に異変は見られなかった。むしろ栄養が豊富でとても健康的になりそうな感じすらあった。
「ただ美味しいだけ」と蟲姫に報告すると、彼女は安堵したように息をつく。
「そうですか……ならいいのですが」
虫達からガーデナーの果物を返してもらうと、試しに一口かじった。咀嚼し、呑み込んても何も起きなかった。あの時と違ってまともな果物らしい。
「どうやら本当に大丈夫みたいですね……」
安心感を抱いた蟲姫は残りの二つの果物にも手を伸ばした。
蟲姫への贈り物を渡すという用事を済ませたガーデナーは、蟲の巣を後にして歩いている。
丸や三角などの記号で構成されているようなシンプルな木彫りの顔に対して、頑丈な樹皮に抑えられながらも揺れる乳房、歩くたびに花弁のパレオの下でたぷんと震える尻肉の艶めかしさ、植物――それも野菜や果実で出来たような身体でありながらも淫靡さを感じさせる庭師の姿には、見惚れない雄はいないだろう。
現に巣からガーデナーを尾行している雄虫達がいた。
両足が異様に発達している人型のバッタだ。彼らは木々や岩の陰に隠れつつ、女体の熟れた実を追っていた。
バッタのヒトデナシ共にとって幸運だったのは、ガーデナーの歩みが遅かったことだ。おかげで彼らは庭師を見失わずに済み、そして同時に彼女の後ろ姿を堪能することが出来た。その背面に飛びつくのを我慢しながらも、股間の勃っている男性器を己の手で刺激していた。
このガーデナーちゃんの身体を狙ってるのね、あのバッタちゃん達♡
自分の身体に眩んでいる虫達の視線をガーデナーは振り向かずに感じ取っていた。蟲姫に命じられたわけでもなく、彼らの独断だと察する。すぐに襲いかかってこないのを見ると、蟲姫と同じ頂点者の自分を恐れているようだ。
仮に襲ってきたとしてもガーデナーなら容易く返り討ちできるだろう。
しかし、今は犯されたい気分だ。他者に自分の身体を好き勝手にされるのは好きじゃないが、他の生物に穢されてしまいたい時がある。
多種多様な生物に喰われ、利用され尽くす。植物とはそういう存在なのだから。
木彫りの顔に笑みを浮かべたガーデナーはその場に立ち止まり、身体を屈め自身の両足を両手で掴んだ。突然桃のような尻を強調するような体勢にバッタ達が興奮すると同時に警戒をした。何をするつもりなのか分からない虫達は様子を窺う。そして、次の瞬間、ガーデナーは膝を屈伸させ尻を上下に動かし始めた。まるでセックスを連想させるかのような動きに合わせて、柔らかな果実の如く尻が弾む。バッタ達に淫猥なダンスを見せつけるかのように激しく動いた。
予想外の行動に出られたバッタ達は戸惑っていたが、やがて自分達が誘われていることを理解した。それでも警戒心は保っていたが性欲を抑えることができず、雌を狙う雄として勢いよく飛びついた。
バッタのヒトデナシ共に背後から抱きつかれたガーデナーは驚いた様子を見せず、むしろ嬉しそうだった。彼らに胸元と腰回りを強く抱きしめられながら、首筋を舐められ、頬擦りされ、穴のような口を接吻される。尻に当たる男性器が硬くなっていることも分かった。
これから自分に起こることを想像して、思わず舌なめずりする。
このバッタちゃん達に身体を貪られるんだ♡
背後からガーデナーの胸を掴んでいるバッタが、そこに覆う樹皮を剥がし、露わになった乳房を揉み始めた。柔らかい果実を握り潰すように指が食い込み、ぐにゃりと形が変わる。ガーデナーは痛がるどころか気持ちよさそうに喘ぎ声を出していた。乳輪を指の間に挟み、乳首を指先で弄ると、ガーデナーが身体を震わせて反応した。
次にガーデナーの前に屈んでいる別のバッタが花弁のパレオを捲り上げ、彼女の股間を凝視する。そこには女性特有の割れ目があり、既に濡れていた。まるで果物が割れて果汁が漏れているようだ。
それを視認したバッタは躊躇なく指を差し込み、大陰唇の間を掻き回していく。柔らかくひらひらした小陰唇に指が引っかかり、硬くなっているクリトリスを指で弾かれると、ガーデナーは甲高い声を上げた。その拍子に彼女の口から唾液が零れ落ちる。
にゅ、乳輪と乳首を弄られながらおっぱい揉まれてるぅ。おまんこもクチュクチュ弄られるの気持ちいいぃ♡
乳と陰裂への愛撫に悦びを感じ、ガーデナーは両脚を痙攣させた。
絶頂を迎えたガーデナーの股間から潮が噴き出し、目の前にいたバッタの顔にかかる。バッタが潮で濡れた顔をしかめると、彼女の身体を倒すように他のバッタに指示した。
押し倒されたガーデナーの身体をバッタ達はジロジロと見下ろす。上半身に添えられている二つの熟れた果実、ふっくらとした実のような陰裂が性欲をそそる。
一匹のバッタが彼女の身体に覆いかぶさった。濡れている陰裂に陰茎を押し込み、膣口に挿入していく。
「あぁっ、む、虫チンポォ、入れられちゃったぁ……♡」
甲高い声を上げるガーデナー。そんなことをバッタは気に留めず、腰を振り始めた。
ガーデナーの弾む胸の上で乳首が揺れ動き、愛液と先走り汁によって滑りがよくなった蜜壺からは卑猥な水音が奏でられる。ガーデナーは喘ぎながら、必死に耐えていた。
バッタは何度も突き上げていくうちに絶頂に達してしまい、勢いよく精を放つ。子宮内に放出された熱い液体を感じ取り、ビクビクッと痙攣しながら果ててしまった。
「バ、バッタザーメンがぁ……ガーデナーの子宮に出されてるぅ」
ガーデナーの身体に密着して精子を出し尽くし、満足げに陰茎を引き抜いた一匹目のバッタは、他のバッタ達に目配せをした。交代の合図のようだ。
二匹目が前に出て来て、白濁液をこぼしている膣口に再び陰茎を挿れられた。
突如、頭を三匹目のバッタに掴まれた。そのバッタがいる方に顔を向けさせられると、穴のような口にイチモツを押し込まれた。
ガーデナーの小さな口腔内を蹂躙するように三匹目が出し入れしている間も、膣を犯している二匹目も腰を止める様子がなく、口と膣を同時に犯されている。
「んっ、ふぅ……あむ」
光合成出来る性質だから特に息苦しくないが、鼻の穴からも入り込んでくる雄臭さには耐え続けるしかなかった。
やがて、二匹のバッタが射精をすると同時に解放された。膣から二匹分の精液が溢れ、喉奥にまで注がれたことで咽せるガーデナーだったが、ようやく新鮮な空気を吸えたことに安堵した。
だが休む暇もなく、次のバッタ達が迫る。自分の身体を犯し尽くそうとする虫に恐怖を抱く中、白濁液が漏れる口の端を上げるのだった。
数時間後……
ガーデナーはバッタ等だけでなく、多種の虫に犯し尽くされていた。
時折痙攣する仰向けの身体は白濁液で汚されており、噛み跡や唾液が残っている乳房も精液が付着しており、その谷間には白い水溜りが出来ていた。木彫りの顔は快楽に歪まされており、口から精液をこぼしていく。股の腟口と尻穴からも注がれた白濁液がゴボゴボと噴き出していた。
身体を貪られ続け、もう何度絶頂に達したのか分からない。ガーデナーの意識はぼんやりとしており、自分が何をしているかも理解できていなかった。
「き、きもちよかった……? むし、ひめちゃん」
「黙りなさい……この、あばずれ雑草が」
そんな彼女の隣に、同じ状態の蟲姫が横たわっていた。
彼女もまた多くの虫達に身体を喰われており、外骨格の全身に白濁液が飛び散っている。四肢と背中の四脚、臀部の蠍の尾を小刻みに震わせ、陰裂と肛門から中出しされた精液を垂れ流していた。
バッタに犯される前のガーデナーが蟲姫にあげた三種類の果実は確かに美味しいだけの実だ。
しかし、それは一種類ずつ食べる場合に限る。
一度に食べたら発情してしまう三種類の果実を、あえてガーデナーは組み合わせたのだ。そして一種類ずつ配下の虫に毒味させ、蟲姫自身も一口食べて安心だと思い込ませ、続けて残りの二種類も食べさせた。結果、発情してしまった蟲姫は格下の虫達にガーデナー同様犯される羽目になった。
こんな雑草に心を許した私が馬鹿だった……
白濁液塗れながらも満足そうなガーデナーの横顔を、同じく精液塗れの蟲姫が睨むも快楽の余韻が抜け切れない。いつかまた庭師が作った魅惑的な果物を食べてしまうだろうと、悔しそうに唇を噛むのだった。
名称:ガーデナー(庭師)
性別:女
人間時:庭師の娘
一人称:ガーデナー
二人称:きみ、あなた、(敵対者に対して)おまえ
好き:自然、花、果物、野菜、喫煙
嫌い:環境破壊
“人間植物園”を根城にする植物の頂点者。
切断できるほど鋭い葉で模した鋏と鎌とスコップ、人体を蝕む猛毒を放つジョウロといった農具を凶器に使う。
・メタ解説
「カッチカチな蟲姫、カッリカリな天使、ロッリロリな歌姫を出してきたので、ムッチムチなキャラを出したい」と思い、植物娘のガーデナーを登場させた。
モデルは「カンナ(ブラスターマスターゼロ)」。