高度に発達した人工知能と、その知能を脳にしたロボット達が人類の文明に欠かせなくなった時代。
フリーのエージェントである私はとある依頼を受け、近郊にある研究所だった廃墟を調査することになった。
その依頼は「暴走したロボットの破壊」というシンプルなもので、生身の人間でありながら危険なロボットを破壊してきた私にすれば簡単な仕事だった。
廃墟に入り、老朽化が進んでいるものの原型がわかる建物内を見回る。研究に使われていたと思われる何台かの壊れたコンピュータが放置されており、床には大量のケーブルが乱れていた。
私は拳銃を握りしめながらターゲットを探す。
するとすぐにターゲットが目の前に現れた。
大地を素早く駆けるのに適した四足、臀部から伸びる放熱用の長い尾、様々なセンサーが搭載されているマズルのある頭部。
狼型のロボットだ。目や口のデザインがない無機質な顔をこちらに向け、本物の獣のように唸り声を上げている。
私は拳銃を構えてトリガーを引いた。銃口から飛び出した弾丸は狼型ロボットに命中したが、損傷を与えていない。
それどころか私が放った二発目の銃弾を避けるように狼型は横に跳んだ。そしてこちらへ飛びかかってくる。
「くっ……!」
咄嵯の判断で身を伏せると私の頭上を狼型の爪が通過していった。鋭い刃のように研ぎ澄まされた爪が掠っただけで首から下を切り落とされてしまうだろう。
私はすぐさま銃を握ってない方の手でスタンロッドを握りしめ、先端を狼の前足に押し付けた。高圧の電気が流れ込み、バチッ! と音が鳴って狼型は動きを止める。
私は動けなくなった狼型の胴体にスタンロッドを押しつけ、念入りにトドメを刺す。電撃を受けた狼型はビクビクと痙攣し、やがて動かなくなる。
「……危なかった」
私は立ち上がり、周囲を警戒する。しかし特に何かがいる様子はない。どうやらこいつ一体だけのようだ。
「任務完了を伝えなくっちゃ」
私はそう呟きながら狼型を破壊するために使ったスタンロッドと拳銃をホルスターにしまい、そして廃墟の出口へと歩き出した時だった。
後ろから金属音と磁励音が聞こえた。その方向には倒したばかりの狼型がいたはずだ。
振り返ろうとしたが、それよりも早く身体に何かが巻き付いてきた。それはベルトのような感触をしており、すぐには千切れない強度があった。
「な、何!?」
必死にもがくも拘束から逃れることはできない。むしろもがくほどに腕と脚、腹への締め付けが強くなっていく。
息苦しさに耐えながらどうにか背後を振り向く。拘束しているモノの姿を見て私は驚愕した。
そこには倒したはずの狼型ロボットが後ろ足で立っていた。
私が愛用しているスタンロッドは対ロボット用のはずだ。その電圧を耐えるなんて……
立っているだけではなかった。腹側全体の装甲を展開しており、露わになった内側からベルトが伸びていた。どうやらただのロボットではなく自律型のパワードスーツだったらしく、装着者を固定するベルトに私は拘束されたようだ。
そして少しずつ狼型ロボットの方へ引っ張られていることに気づいた。まるでカエルの舌に捕らえられた虫が口内に引っ張られるように。
あの機械に取り込まれる。
それを察して恐怖を覚えた。
「や、やめろ……はなせ……」
無駄だとわかっていても抵抗をやめられない。だがそんな私の意思に反してどんどん引き寄せられる。
ついに狼型ロボットのボディが間近に迫り、内部に収まってしまう。
私の身体がロボットの内部に入った部位から装甲が閉じていく。腕先と足先、上腕と太腿の順に完全に装甲に覆われてしまった。
やがて私の胴体と顔がある部分も閉ざされようとしていた。
まずい……このままでは取り込まれる……
そしてとうとう頭部が覆われてしまい、視界が完全に闇に包まれた。
暴走ロボット――狼タイプの自律型パワードスーツに取り込まれてしまった私は、どうにかスーツから抜け出そうとした。だが、両腕と両足全体、腹部と胸部がベルトに巻き付かれている挙げ句、装甲内部のクッションに圧迫されて動くこともできなかった。
それでも諦めず脱出を試みようとした時だった。
口に何かを押し当てられ、そのまま口内に入り込まれた。
頭上にあった狼の頭部を模した無機質な仮面が、私の顔に移動して重なり、マズルに内蔵されている太いチューブを口に押し込んできたらしい。
それをどうにか舌で押し出し、歯で噛んだりもした。しかし、痛覚を持たない部品だからなのか怯む様子がなく、口に入り込んだままだ。
「んっ……ぐぅっ」
口内に差し込んでいるチューブが前後に動き出した。
ほとんどの口腔粘膜に触れる程の大きさで喉奥を何度も突かれ、軽い嘔吐感と息苦しさを覚える。吐き出そうにもチューブは抜けてくれず、ピストン運動を繰り返すだけだ。
私はある動画をふと思い出した。女性が男性器を頬張り、頭を前後させて激しく出し入れする様子を撮影したものだった。
あれと同じことを私はさせられているのか? いや、まさか……そんなはずはない。
「うぶっ! ごぼぉっ!」
喉奥を何度も突いていたチューブの先端から、液体が勢いよく噴き出してきた。生暖かいそれは食道を通って胃の中に注がれていく。
吐こうとしても飲み込むしかなくて、結局、全てを飲み干してしまった。
「げほっ……ごほぉっ……」
咳き込みながら呼吸を整えようとする。だが、次の瞬間には別の感覚に襲われていた。
全身の神経という神経が熱を帯び、身体全体が敏感になっているような感じがする。先程飲まされた液体は発情剤の類のようだ。
特に下腹部の奥底では子宮が激しく疼いている。まるで誰かに犯されたいという欲求を抑えられないほどに……。
「あぁっ……ふあっ……ひぃっ!?」
いかがわしい考えに気づき、振り払おうとした時に、2つの乳房の先端に何かが触れ、突如それは震え出した。
胸部に内蔵されている機械的なローターが振動しているようだ。しかもその強さは徐々に増していき、乳輪と乳首への震えの刺激だけで絶頂に達してしまいそうだ。
「ひゃめぇっ……これ……止めへえぇっ!!」
乳房から伝わる快楽の中、ショーツで覆う股間に何かを当てられていることに気づいた。それも同様振動していて、外陰部を刺激するように押し付けられる。
これは……バイブか?
「んああぁっ!! らめぇっ!! イグゥッ!!!」
一番感じる部分――陰核を責められて呆気なく達してしまう。だが、それだけじゃ終わらなかった。
膣口がショーツごとパイプに貫かれてしまった。腟内に侵入した異物によって膣肉が押し広げられ、子宮口をノックされて強い快感に襲われる。
「あひっ……くぅっ……あぁっ」
挿入されたままのバイブが上下左右に動かされる度に、愛液を掻き出すかのように蜜壺の内部を引っ掻かれる。それがたまらなくて腰を動かせば動かすほど、更に強く擦れてしまう悪循環に陥ってしまう。
チューブをフェラさせられ、乳輪と硬くなった乳首をローターで弄られ、膣をバイブで出し入れされる。パワードスーツに閉じ込められた状態での機械姦に私は耐えきれず……
ついに、その時が訪れた。
「イ、イくぅぅぅっ!!」
一際強い衝撃を受けて背中が大きく仰け反った直後、意識が遠退いていった。
気を失っている女エージェントが未だ装着している狼型パワードスーツが倒れていた。
機械姦されていた彼女の震えや仰け反りを再現していたそれは停止し、静寂に包まれている。
しばらくすると稼働音を響かせながら変形していく。
四足歩行に使われる前足と後ろ足が、それぞれ道具の保持と二足歩行に適した両腕と両足に。
胴体部分はくびれの付いた細い形に変わり、胸部も丸みを帯びた女性らしいラインに変化していた。
変わらないのはマズルと尖った耳を模したオプションが付いている無機質な頭部と、臀部から生えている放熱用の尻尾だ。
獣から狼獣人と言える形態に変形したパワードスーツはしばらく仰向いていたが、両腕が動き出した。胸元や股間まで移動させると、両手を使って自分の体をまさぐり始めた。
それはまるで自慰行為でもするかのようだった。装甲越しでも刺激を感じ取れるのか、全身を震わせている。
「あぁっ……あぁっ」
装着させられている女エージェントの口から漏れ出る声からは苦痛ではなく、快楽を感じているかのような艶のある喘ぎだった。
やがて両膝を曲げると、地面に付いていた腰を浮かせた。その状態で彼女は自らの指を胸の先端と股に這わせて弄り続ける。
「あぅっ……気持ちいいよぉ……」
そう呟いた途端、下半身を中心に激しい電流が流れたような痺れに襲われた。
「イクっ! またイッちゃうぅぅっ!」
再び絶頂を迎えた彼女は全身を痙攣させ、そのまま後ろに倒れる。それでも胸と股を擦る手は止めなかった。
エージェントからの連絡が途絶えてから24時間後。
彼女が潜入していた廃墟に小型ドローンが飛んでいた。この機械の目的は暴走したパワードスーツの破壊の確認、及びエージェントの捜索だ。しかし、瓦礫の下や壁の向こうを覗き込んでも、彼女の姿を見つけることはできなかった。
無人機は辺りを見回しながら浮遊する。
すると、視界の端で動くものを見つけた。それは人影だった。
「あ……いひぃ……」
嬌声のような声を上げているその影に、ドローンが接近してカメラを向ける。
そこには狼型パワードスーツを装着したまま、快楽に身を悶えさせている女の姿があった。壁に寄りかかって座っているが、両手で摩り続けている股間部分の装甲の隙間から潮と愛液を滴り落ちていた。
それはまるで無機質な狼ロボットがオナニーをしているようだった。
「きもち……い……もっとぉ」
狼を模した仮面の下で蕩けた表情を浮かべる女はそう言い、装甲越しに自ら乳房を摩り、陰裂を指先で撫で回す。
ドローンに録画されていることも気にせず淫らに振る舞うその姿には、かつての彼女の面影など微塵もなかった。
暴走したパワードスーツの破壊は失敗に終わり、女エージェントは生体ユニットとして快楽を求める人生を歩み続けるのであった。