飲んだ人間を異形化させ、最悪母乳だけでも生きていける体にする怪物へと変化。
そこから村を巻き込んでパンデミック」
※膨乳の描写があるけど、一般的(?)な巨乳に留まっています。
※セリフはほぼありません
今回はtransfurの描写を書いてて楽しめました。
この世界に死んだ人間が変異した異形の怪物――ヒトデナシが現れた元凶は、“異形の娘”と呼ばれる人間には理解できない存在だ。
しかし、ヒトデナシの脅威にさらされている人間の全てが、そのことを理解しているわけではない。ヒトデナシが現れたのは呪い、災い、病、そして悪しき魔法が原因だと、生き残った人間達の中ではそれが一般的だった。
人類を追い詰めているのはヒトデナシだけではなかった。人間同士が限られた物資を奪い合うことで多くの命が失い、その死体が新たなヒトデナシとなるのだ。
そしてバケモノには変えられないが、死に至らしめる疫病も人間を苦しませていた。
ギルドの傭兵たちに守られているとある村はヒトデナシの襲撃を防いできたが、疫病の流行を止めることは出来なかった。
その疫病に罹ってしまった者は喉に激しい痛みが走るようになり、食べ物を取ることが出来なくなる。食べ物が喉を通らなくなれば栄養不足で衰弱していき、やがて餓死してしまうのだ。
村に住む家族も疫病に苦しめられていた。
夫とその息子が患ってしまい、3日間も食事を取れていなかった。夫人は奇跡的に罹らなかったが、立ち上がることが出来ない夫と息子がベッドで空腹を訴える姿に心を痛めていた。
二人の喉を通れるように食事を柔らかくする等の工夫をしてみたが、食物が喉を通る際の激痛に我慢できず吐き出してしまう事がほぼ毎回だった。
村の医者にも助けを求めたが、ヒトデナシが蔓延っていることで医療品の調達が難しく、お手上げだと首を横に振られてしまった。
夫人に出来ることはただ一つ、祈り続けることだった。夫と息子がいる部屋で膝を抱えて座りながら、両手を組んでひたすら祈った。どうか神様お願いしますと何度も呟き続けた。
しかし、夫人自身も理解していた、祈るという行為は全くの無意味であることを。多くの人間が“ヒトデナシの消滅”を祈っていることは知っているが、祈りに意味があるなら、もうこの世からヒトデナシ全て消え去っている。
それでも夫人は祈るをやめなかった。愛する夫と息子が飢えの苦しみから解放される手段は、それしかなかったからだ。
祈りは通じた。夫人が望まぬ形で。
「その祈り、聞き入れましょぉぉ」
突然、聞こえてきた声に夫人は周囲を見渡した。
教会で見かけるシスターの修道服とベールを身につけている金髪の女性。異様に小さい瞳の目、背中から三対生えている腐った羽、頭上に浮かぶ光輪。
いつの間にか見知らぬ人間、いや“人間のようなモノ”が部屋の中にいた。
それがヒトデナシと気づいた夫人は恐怖で声が出せない中、勇気を振り絞って果物を切っていたナイフを掴み、ベッドに横たわる夫と息子を守ろうとする。
ヒトデナシ――天使モドキは特に襲いかかることなく、口を開いた。
「私はあなたの『二人に何かを食べさせてほしい』という祈りを聞いて、この場に来ましたぁ」
天使モドキの言葉に一瞬の期待をした夫人だが、すぐさま首を横に振った。ヒトデナシと関わるということは、死に繋がる。命を奪われるか、人間性を失うかの違いだ。
夫人の拒否に天使モドキは口角を上げながら、言葉を続けた。
「いいのですかぁ? そのままだと何も食べられずに飢え死にしますよぉ。そして、死体は処分されてしまいますぅ。そんな冒涜的なことは許しません」
その言葉に夫人は考えてしまった。
このままでは夫と子供は飢えに苦しみながら死んでしまう。そして、二人の死体がヒトデナシにならないよう処分しなければならない。それがこの村の掟であり、ヒトデナシから身を守る合理的な手段に違いない
……それが二人の最期だなんて、あんまりよ。
握っていたナイフを床に落とし、その場に跪く夫人。ヒトデナシに頼らないことを諦めてしまった彼女に、天使モドキは笑みを浮かべながら囁きかける。
「それでいいのですぅ。祝福、加護、奇跡を拒んてはいけないのですぅ」
自分の背中に生えている三対の腐った羽に手を伸ばし、腐肉から生えている一本の羽根を取った。
そして未だ立ち上がる様子を見せない夫人の背後に回り……
その背中に、頭上に掲げた手が握っている羽根を突き刺した。
服を貫かれて背の皮膚を刺された夫人は痛みに悲鳴を上げ、さらに経験したことのない感触に絶叫した。
背中に刺さっている羽根から神経が根のように夫人の背面を張り巡らす。その先端が体内にある脊椎に到着すると、絡みついて一体化した。
それは夫人が人間でなくなる始まりだ。
背中に根付いた小さな羽は異様に大きくなり、腐肉の片翼と化した。
彼女の両耳があったところから、小さな羽が突き破ってきた。鼓膜が羽毛状に変化したものだ。
両手の指の骨格が伸びていき、指が細く長くなっていく。
新たな耳である側頭部の小羽から神経節が湧き出て、夫人の頭上で歪な光輪を形成した。
そして乳房も膨張していき、着ていた服と下着が耐えられずに破かれた。
身体の変異が収まり、その場に両手をつく夫人だったナニカ。胸にぶら下がっている一回り大きい乳肉は乳首を床に向けながら揺れていた。
「おめでとうございますぅ。これであなたが愛する者達を餓死から救えますぅ。私はこれから始祖様に褒めてもらいますのでぇぇぇ」
夫人をヒトデナシに変えた張本人である天使モドキは嬉しそうにそう言いながら、光に包まれて消えていった。腐肉がついた羽根をいくつか残して。
聖乳天使に変わり果てた夫人は上半身を起こし、自分の胸を見下ろした。
人間の時と比べると、自分の頭部を超えそうな大きさになっており、着ていた服が耐えきれずに破れていた。少々黒ずんだ乳輪の中心で勃っている乳首を見つめると、細長い指を近づけた。そして軽く挟んでみた。
次の瞬間、親指と人差し指に挟まれた乳首から濃い母乳が噴き出した。その感触に上半身を震わせる聖乳天使だが、乳首を弄る手が止められない。
乳房を握っては揉み上げ、乳輪を指の腹で撫で回し、乳首を指で摘んで引っ張る。その行為で容易く母乳が湧き出してくる。口から涎を、陰裂から愛液と潮を床に滴らせる中、乳首から噴き出る黄色みがかった白い母乳もそれらと混ぜ合った。
ずっとこの行為を続けたいと思っていたが、この姿になった目的が頭に蘇った。自分だけ気持ちいい思いをしてる場合ではない。
乳首をイジる快楽をどうにか我慢した聖乳天使は床に広がる母乳を指先でぬぐい取り、夫と息子が眠るベッドに近づく。
その時、息子は目が覚めた。母の気配を感じた彼は、母に空腹を訴えようとした。
しかし、ベッドの横にいたのは母と同じ顔をした天使のバケモノだ。頭上に浮かぶ歪んだ光の輪、耳があった部位から生えている小さい羽、背中から片方だけの羽、そして異様に大きすぎるおっぱい。
息子の開いた目に恐怖の光が広がっているのを見て聖乳天使は心を痛めた。しかし、自分に対する恐怖ではなく、飢えで死ぬことへの恐怖だと受け取った彼女は、息子の口に母乳が絡みついた指を押し込んだ。
口に入り込んだ異物に驚いて吐き出そうとする少年だが、口の中に入った異物の正体が母の母乳だと気づくと、舌を動かし始めた。
久しぶりに味わう濃厚な甘さに感動しながら、必死に飲み込んでいく。そんな息子の口から唾液塗れの指を抜くと、自分の胸元に抱き寄せる。そして、自分の乳首を口に含ませて吸わせた。
赤ん坊の頃に戻ったかのように、喉を鳴らしながら夢中で吸い付く我が子を愛しげに見つめながら、もう片方の手で頭を優しく撫でる。
……ヒトデナシである聖乳天使の乳、それが人間にどんな効果をもたらすかは、彼女が一番理解していた。
それでも、飲ませたのだ。
結論から言うと、息子も母と同じようにヒトデナシと化した。
背中からは羽らしきものが生えているが、天使モドキや聖乳天使と違って、羽毛が全くない鳥類の前肢そのものだ。
両目は眼球が失っており、穴そのものとなっており、乳を吸い続ける口は歯が消滅しており、液体である聖乳天使が分泌する母乳しか受け付けなくなっていた。
そして何より、身体の全てが母である聖乳天使の母乳を欲していた。
天使のような化け物に変わってしまった息子を強く抱きしめながら、聖乳天使は歓喜の涙を流した。
既に起きていて自分たち親子に怯えている夫にも、口に乳輪を押し当てて同じように母乳を与えた。彼もまた妻と息子と同じく、天使を模したヒトデナシとなってしまった。
異常に気づいた傭兵達が家に突撃していた時には、床全体が白く染まっていた。そこにいた家族三人の姿は無く、代わりに異様な大きさの乳房から母乳を垂れ流している聖乳天使と、それを飲み続ける天使のバケモノ二体がそこにあった。
傭兵達は呆然としたが、すぐに武器を構えて襲い掛かった。だが、結局彼らも人間をやめてしまった。
母乳に浸された床を舐め続け、彼らはその行為をやめようとしない。まるで麻薬中毒者のように、聖乳天使の乳から湧き出る母乳を飲んでいた。
その後、家の外まで漏れ出した大量の母乳が揮発し、村中に広がっていった。他の村人達がそれを取り込んでしまい、女性は新たな聖乳天使、男性はそれらから分泌される母乳しか摂取できないヒトデナシと化していった。
こうして、聖乳天使だった夫人が住んでいた村は天使のバケモノ達の楽園と成り果てたのだった。