今日も今日とて火々里さん 作:赤い鳩サブレ
多華宮仄は健全な男子高校生である。健全な男子高校生である以上、草食系でこそあれ相応の性欲は持ち合わせているし、知識欲もある。
とりあえず、他者から「白いアレ」と言われて精液を連装する程度には性知識はある。
そんな訳で、例え間近に一緒に風呂やベッドに入ろうとする妹や、完璧なプロポーションと美貌を併せ持ち、更に仄が望めば何時でも奉仕してくれる美女が居たとしても──それはそれとして性への興味はあるし、オナニーをしたくならないという訳でもない。
セックスにはセックスでしか味わえない快感があるが、同様にオナニーにもオナニーで良さがあるのだ。
「説明してもらえるかしら」
「ええと……その」
果たして、この理屈を今の綾火に語って理解して貰えるだろうか。
部屋に隠していたつもりだったエロ本を前に置かれ、汗をかきつつ仄はそう思った。
今日も今日とて火々里さん 第四話 多華宮君と氷炎の谷
「……正直なところ、妻として反省しているわ。まだ私は多華宮君を満足させてあげられていなかったのね」
「(妻!?)」
ここは仄の部屋。説教をするように背筋を伸ばして正座する綾火と、エロ本を挟んで土下座めいた姿勢で座る仄。
色々と過程をすっ飛ばした綾火の発言に仄はツッコミを入れたかったが、今の状況はそれを許さなかった。
このエロ本は仄が購入したものではなく、級友の男子から一時的に預かったものである。携帯ひとつで無修正動画が小学生でも見られる現代だが、本によるエロスというのは未だに根強く残っているのだ。
かつての仄は内向的な性格と付き合いの悪さから男友達はほぼ居ない状態だったが、生徒会長になり様々な面で学校への貢献やら不良撃退やらの活躍を見せるようになり、多少なりとも話をする相手も増えてきた。その一人から「彼女が家に来るから、しばらく預かっておいてくれ」と渡されたのだ。コンビニで売られているような物でなくちゃんと成人マークが付けられた濃いめの一冊だ。
仄としても男としての興味を抑え切れず受け取り、天井裏のあとりを警戒しつつ昨晩はそれを堪能させてもらったが──仄程度のカモフラージュでは綾火に通用しなかった。妙にスッキリしている仄の姿に違和感を覚えた綾火は学校を終え、帰宅後に早々に仄の部屋に押し入ると僅か一分足らずでエロ本を発見してしまったのだ。
「(『それは友達から預かったもの』……って、ここで言っても言い訳にしか聞こえないよなぁ……)」
「多華宮君」
「は、はいっ!」
いつもと同じ綾火の声のはずだが、やけに威圧的に聞こえる。仄は慌てて身を起こした。
綾火は二人の間に置かれたエロ本を手に取ると、その中身を広げてパラパラと読み始めた。DVDは付属していない、それなりの厚さの本である。中身も普通のセックスからコスプレ、3P、ソフトSMまで網羅し、女優のレベルも結構高いようだ。
しばらく綾火は読み進め、ある箇所で止まった。
「多華宮君は、ここに書かれているような行為をしてみたいの?」
「え?」
「素直に答えて」
ここで下手に言い繕うのは下策だ。仄はおずおずと答えた。
「は……はい、その、興味があるか無いかと言われれば……あり、ます……」
「そう」
綾火の反応は静かだった。
「………」
「か……火々里さん?」
形の良い顎に指をあて、綾火は何かを考えているようだった。どう反応してよいか分からず困惑する仄を他所に、綾火はエロ本を持ったまま立ち上がった。
「多華宮君、もう立っていいわ。少し待っていて」
そう言うと、綾火は流れるような素早さで仄の部屋を出ていった。
「……火々里さん、許してくれたの、かな?」
30分後。仄の部屋には
「ええっと~……あの~、姫様? 凍子、バイト中だったんですが何でここに……? 多華宮君、何かあったんですかぁ?」
「いや、その、僕もさっぱり……火々里さん?」
「………」
彼女の言葉通り、凍子は本当にバイト中だったのだろう。駅前のメイド喫茶のユニフォームである、ディアンドル風の服装のままだ。胸を下から持ち上げるように締められた胴衣が、もともと大きい彼女の胸を一層大きく見せている。
綾火は無言で先ほどのエロ本を広げると、フロアに置いて二人にも見えるようにした。
「多華宮君がここに書かれているプレイをしてみたいと言うの。流石にこれは私ひとりでは無理だから、凍子、貴女手伝いなさい」
「ちょ、え、お願いじゃなくて命令なの!? いや、それより……!」
「こ、これを、ですかぁ!?」
先ほどの自分の発言が余りに不用意なものであったと今更ながら思いつつ、仄はそのグラビア、二人の巨乳美女が互いの乳房を寄せ合い、ローションを垂らしながら男性の肉棒を左右から挟み込んでいる写真を見た。
「最初はお母さんに頼もうかとも思ったのだけど……お母さん、胸の谷間で空き缶を潰せるくらいレベルが高いから、今の多華宮君では潰されるかもしれないわ。だから適当なところで一番胸の大きい凍子を連れてきたの」
「いや、問題なのはそこじゃなくって……今こうして説明したって事は、凍子さん何も知らないで来たんだよね? 幾らなんでも無茶苦茶だよ!」
流石にこれ以上は綾火が相手でも勝手をさせられない。仄はそう思って強く言った。
横の凍子の様子を伺う。最初に驚きの声をあげたまま、凍子は口に手をあて、未だ衝撃の治まらない瞳で綾火を見ている。
震える声で凍子は言った。
「う、嘘……です、よね」
「いつも私は本気よ」
間髪入れず綾火は返答した。その表情には一切の感情が見えない。
「そんな……ま、まさか……!」
室内の空気が冷えてきた。エアコンの効きではない。凍子の身体から冷気が放たれているのだ。彼女は氷結魔法を得意とする魔女の一族のひとりで、精神的に不安定になると冷気を発し、最大出力ならば都市ひとつを氷漬けにできるのだ。
これ以上は本当にまずい。仄はそう思い、何とか綾火を思い留まらせようとした。
「ほら、こんなに凍子さんも嫌がって……」
「
その声を打ち消すような大きさで、凍子の歓喜の叫びが室内に響いた。
瞳を輝かせて聞いてくる凍子に、綾火は淡々と答える。
「まあ、そういう事になるのかしら?」
「……っ!」
凍子の身体が震えた。
普段のおっとりとした雰囲気とは別人のような機敏さで仄の方に向き直り、手を床に置いたかと思うとそのまま深々と頭を下げる。
「多華宮君、ありがとうございますぅぅっ! まさかこんな、棚からぼた餅どころか棚から姫様な幸運を頂けるなんてぇ、本当に、本当に……うっ、ううっ……!」
「いや、え、ええ……?」
ガチ泣きである。
かつて漫画で読んだ「圧倒的感謝っ……!」というのはこんな感じだろうか。そんな事を頭のどこかで思いつつ、仄はどう反応して良いか分からないまま凍子を見た。
「あ、あの、凍子さん?」
「はいっ!」
「ええっと、その……つまり、火々里さんの話を引き受けるって事?」
「勿論ですぅっ! あのあの、今から取り消しって無いですよね? そうなったら凍子、ショックでこの家を丸ごと凍らせてしまうかもしれません……」
「………」
逆に脅迫めいた事を言ってきた。
助けを求めるように綾火を見ると、そこで綾火は初めて何かに気付いたように言った。
「火々里さん、えっと、凍子さんって……」
「……ああ、そういえば多華宮君は知らなかったわね。彼女、中学で私の世話役をしていた頃に私の使用済みのシャツや肌着やらで、発覚するまでの半年間連日オナニーをしていた変態よ。もう許したけど」
「姫様ぁ! その事は言わないでくださいぃ!」
「(……許したんだ)」
改めて綾火の度量の大きさに感心しつつ、当の凍子が自分以上に話に乗ってきている以上、もはや綾火の提案を止めるのは不可能だと仄は理解した。
──綾火と凍子の両の乳房に挟まれる事への期待感も、ちょっとあった。
「それじゃ、早速始めましょうか。妹さんは友達のところで一緒に宿題をするって言っていたから、2時間くらいは余裕があるわ。多華宮君、脱いで」
「え?」
「ズボンから出しただけじゃ挟みにくいでしょう? 凍子、貴女は任せるわ」
「は、はい! それじゃ、ユニフォームを汚すといけないので、脱がせていただきますねぇ」
綾火に促されるまま仄は着たままだった制服のズボンを下ろし、シャツを脱いだ。この後の奉仕への期待感からか、既に仄の肉棒は半勃起してトランクスを押し上げている。
「……あれ、火々里さんは?」
「私は上だけにするわ」
仄と同じく制服姿だった綾火だが、制服のボタンを途中まで外すと胸元だけをはだけさせ、器用にブラを外してゆく。
「(そういえば、火々里さんって全部脱いで僕とした事は無いよな……?)」
ふと、仄は思った。基本的に仄とセックスする時の綾火は服を着たままだ。風呂に一緒に入る時などもバスタオルを固く胴に巻いたり、あるいはスクール水着だったりで完全に露出して仄に全てをさらけ出した事は無い。
何か自分に見せたくないものがあるのだろうか。そして、それを自分が見る事が許される日は来るのだろうか。
仄がそんな事を思いながら綾火を見ていると、怪訝そうに綾火がこちらを見た。
「……多華宮君?」
「え!? あ、いや、何でも……」
ごまかすように仄は答え、視線を逸らした。
「!」
その逸らした視線の先に、白い肌と豊かな双丘が間近にあった。
「うぅ~……こんな事になると分かっていれば、姫様用にとっておいた勝負下着を着てきたんですけどぉ……」
シンプルなコットンの白のショーツとブラだけになった凍子が恥ずかしそうに言う。
しかし、その姿は仄にとっては十分に刺激的だった。服の上からでもそのどっしりとした存在感を示していた巨乳は更に大きく見え、深い谷間を作り上げている。うっすらと血管が浮かぶ白い肌が何とも官能的だ。
全体的にふくよかな印象が強い凍子であったが、日々の多忙なバイト生活によるものだろうか、確かに綾火ほど引き締まってはいないが、思った以上にその体は均整の取れたものだった。
むっちりとした太股からのラインは緩やかな窪みを経て、やがて両の乳房へと逆ひょうたんめいた曲線を形作る。
おそらく単純なサイズでは綾火と同等であろうが、凍子は彼女に比べて身長が低い。カップで言うならI~Jくらいはあるのではなかろうか。
仄は眼前で重そうに揺れる乳房に視線を奪われつつそう思った。観ているだけで股間の肉棒がびくりと反応してしまう。
「……多華宮君」
「い、いや! 見とれてない。見とれてないって!」
ちりちりとした熱気を綾火の方から感じ、仄は慌てて言った。
「私は何も言ってないわよ? ……まあいいわ。多華宮君、下着も脱いで横になって」
「う、うん……」
言われるがままに仄は下着を脱ぎ、傍らのベッドの上に横になった。勃起した肉棒はびくびくと屹立し、存在感を示している。
「ふあぁ……こんな形なんですねぇ。ええと、それじゃ凍子も……」
物珍しそうに凍子は言うと、背中に手を回してブラのホックを外した。
「(うわ……!)」
「ゆさっ」と音がしたかと錯覚するほどの重みを感じさせる動きと共に露わになった凍子の乳房に、思わず仄は息を吞んだ。
乳房の先端で小さめの薄桃色の乳首が震えている。仄は綾火と霞(あと子供の頃にお風呂に入った時の小町──加えて、うっかり見てしまった風呂上りの冥&虎徹)の胸しか知らないが、綾火の張りのある乳房とその先の鮮やかな朱鷺色の乳首と比べて、全体的に色合いを含めてふっくらとした、柔らかな印象を覚えた。どちらが良いという訳ではなく、どちらにも、それぞれの美しさがあると思った。
──まあ、勃起したままベッドで寝ている状態で思う事ではないのかもしれないが。
凍子の準備が整ったのを確認しつつ綾火が言った。
「凍子、私は右からするから、貴女は左から来なさい」
「は、はいっ!」
仄の腰を挟むように二人がベッドに上がる。二人の美女に自分の肉棒が凝視されているというシチュエーションに、仄の中からも否応なく興奮が湧き上がってくる。
「まずは多華宮君のを挟みやすくするのに、完全に勃起させるわ」
「はあぁ……まだ、これより大きくなるんですか……でも、何だか少し、可愛いですねぇ」
屹立する肉棒に綾火の指が触れる。赤面しつつも凍子はその様子を凝視し、自らも手を伸ばした。
「う、うわっ!?」
「ひっ!?」
突然、仄の腰が跳ねた。肉棒が同時にびくんと激しく反応し、凍子は悲鳴めいた声と共に手を離す。
「多華宮君、だ、大丈夫ですかぁ!?」
「いや、その、予想外に冷たかったから……」
「え?」
そう、凍子の手は常人の「手が冷たい」というレベルでなく──まるで冷蔵庫の中の生肉で包まれたように冷たかったのだ。
彼女の凍結能力は自身の危機や強度のストレスなどで引き起こされるが、強い興奮によってもそれが起きるなら、納得のできる話であった。
凍子はしょんぼりと頭を下げた。
「す、すみませぇん……これじゃ、凍子……」
「あ、いや、そうじゃなくって……」
落ち込む彼女に、寝たまま仄は綾火の方を伺いつつも言った。
「そ、その……気持ち、良くって……」
それは未知の感覚だったが、肉棒はそれを確かに快感として受け止めた。今も肉棒は萎える事なく、綾火と凍子の前で屹立している。
仄の言葉に綾火は僅かに眉を動かしたが、特にそれについては触れず次の指示を出した。
「私が先を責めるわ。凍子、貴女は竿の方をお願い」
「わ、分かりましたぁ……ひ、姫様と一緒にこんな事が出来るなんて、夢みたいですぅ……!」
「……あくまで貴女を呼んだのは多華宮君を満足させる為よ。忘れないで」
「勿論ですぅ。多華宮君、あの、改めてぇ……初めてですけど、よろしくお願いしますね」
「え!? ちょ、『初めて』って……」
「大丈夫ですぅ! 姫様相手のイメトレは、それこそ何百回やったか分かりませんから!」
「いや、そういう問題じゃなくって……ううっ!」
言葉を続けようとした仄は、亀頭が生暖かいものに包まれた刺激で中断を余儀なくされた。綾火が亀頭を口に含んだのだ。
「ンッ、んんっ……れろっ、ふぅぅ……」
「ちょ、火々里さん、強い……っ!」
先ほどの凍子の手についての感想で、彼女の中の対抗心に火が点いたのだろうか。舌先でねぶるように鈴口をつつき、あるいはカリを舐めあげてくる。熱の入った綾火のフェラに仄は腰を浮かせた。
「くっ、ううっ!」
「はあぁ……姫様が、こんな事を……ええっと、じゃあ、凍子もぉ……んっ、こ、こう、でしょうか……?」
「うあぁっ! と、凍子さんっ!」
今度は竿を柔らかくもひんやりとした感触が包む。そのまま凍子の指は仄の竿を擦り始めた。
亀頭を熱い口腔内に、竿を冷たい指で攻められ、瞬く間に仄の肉棒は更に怒張し反り返った。
「うわぁ……本当に大きくなってきました。男の人って、こんなになるんですねぇ」
「んはっ、はぁ……凍子、遊んでないで、ちゃんと多華宮君に奉仕を……ん、んちゅ……」
「い、いや、ちょ、待って、うあっ!」
もはや何かを言う事も許されない強烈な快感に仄は背を反らせた。腰が震え、強い射精感がこみ上げてくる。
「ま、待って! このままじゃ、もうっ……!」
「あわわ! ひ、姫様っ、多華宮君、何だかびくびくしてきましたぁ!」
「ンッ……まだよ、多華宮君。もう少し我慢して」
仄の反応に凍子が慌てる。綾火は思い出したように唇を亀頭から離した。先走りと唾液が混じった粘液が橋をかける。
「ふうっ……はぁ、はぁ……」
強烈な快感から一時的に解放され、仄は大きく息をついた。肉棒は限界まで勃起し、浮き上がった血管が激しく脈動している。亀頭から垂れた綾火の唾液は竿まで垂れ、肉棒全体をテラテラと照り光らせていた。
「さあ、本番といきましょう。凍子」
「は、はいぃ!」
「多華宮君、ちょっと腰を上げて」
「う、うん」
綾火は仄の頭の方にあった枕を手に取ると、それを浮き上がった腰の下に敷いた。それを挟むように綾火と凍子が腰を落とす。
「いくわよ、多華宮君」
綾火の張りと重みを両立させた、熱を帯びた豊満な乳房が右から、
「はわぁぁ、姫様の胸……生で見たのは中学以来ですけど、本当に成長されましたねぇ」
「……凍子」
「わ、分かってますよぉ」
凍子の柔らかくも重量感ある、冷気を帯びた白い大きな乳房が左から迫る。
「んっ……」
「ふぁ……」
「う、く、ぐうっ!」
まだ動いてもいないというのに、四つの乳房にむっちりと挟まれた仄の肉棒はびくびくと反応して亀頭から先走りを滲ませた。
「はあっ……多華宮君の、凄く、熱いですぅ……そ、それじゃ、動かし……ますね」
「凍子、もう少し寄せて……」
「あ、は、はいっ! んっ! 姫様の乳首と、凍子の乳首が当たってますぅ!」
恍惚とした表情で凍子は言いつつ両手を自身の乳房に添え、そのまま状態を前に出した。綾火も同様に乳房を左右から寄せつつ身体を前に。
畢竟、仄の肉棒は四つの乳房にすっぽりと挟み込まれた。そのまま添えた手を動かし、揺れる乳房が竿を、亀頭を擦ってゆく。
「うあっ! ちょ、これっ! んんっ!」
危うく達しそうになり、仄は歯を食いしばって堪えた。
しっかりとした張りと弾力を有するゴムまりめいた綾火の乳房は熱を帯び、それに挟まれた側は蕩けそうな温もりを感じている。
一方の弾力こそ綾火ほどではないものの、彼女をに勝るとも劣らない大きさと包み込むような柔らかさを持っていた凍子の乳房はひんやりと冷たく、まるで大きなアイス大福に挟まれているかのような快感を肉棒に与えてくる。
しかもその四つの乳房それぞれがより密着し、仄から精液を搾り取ろうとばかりに肉棒全体を刺激してくるのだ。
「あ、はあっ……か、火々里さん、凍子、さんっ!」
「んんっ……感じているのね。こんなに硬く、熱くなってる……」
「ふっ、んはっ……多華宮君、可愛い、ですぅ……!」
快感に悶える仄の姿に、綾火や凍子も乗ってきたのだろう。次第に乳房の動きは大胆さを増し、より仄の肉棒に快感を送ろうと強弱も織り交ぜて上下にたぷたぷと揺れる。
綾火だけでなく、日頃からのほほんとした雰囲気で仄にも接していた凍子までが、自分の肉棒に胸を押し付け合いながら奉仕している。その光景は仄の中に否応なく支配感を覚えさせる。
「あぁ……姫様の乳首ぃ、固く、んあっ! な、なってきて、ますっ!」
「……貴女のも、んっ、尖って、きているわよ」
「だ、だって……姫様と、こんな事ができて、多華宮君も、こんなに、感じていて……私だって、気持ちよく、なっちゃいますよぉ……」
胸での奉仕を止めないまま、凍子は腰をもじつかせている。一方の綾火も、凍子をたしなめるように言いつつも自身の腰のくねりを止められていない。
「ぐっ、くうっ!」
仄は堪らず自分も腰を上下に振り始めた。綾火の唾液と先走り、そして二人の汗に塗れた肉棒が熱さと冷たさの両方を感じる谷間を激しく動く。
「きゃ……どうしたんですか、多華宮君? ぬ、抜けちゃいますぅ!」
「もう限界のようね……凍子、舌を出しなさい。一緒に多華宮君のを……」
「は、はい……あふっ、ンッ……」
「うあぁっ!」
肉棒の根元を絞るように二人は乳房を下に寄らせる。谷間の間から亀頭が覗くと、綾火は躊躇なくそれに舌を伸ばした。一方の凍子もおずおずと舌を絡め始める。焼けるように熱い綾火の舌と凍えるように冷たい凍子の舌が亀頭の周りで踊り、時折、舌同志が絡み合う。
「あぁ……姫様、姫様ぁ……!」
「あふっ……凍子、私はいいから、多華宮君に……れろっ、ンッ、んちゅ……」
「ふぁ、ふぁぁい……はあっ、な、何だか、しょっぱい、ですぅ……はむっ……」
「ううっ! も、もう、駄目っ! 出る、出るっ! 二人とも、顔、離してっ!」
腰の奥からの射精感がいよいよ我慢できなくなってきた。
二人の顔を汚すまいと、悶えつつも言う仄に綾火は亀頭を舐めまわしつつ答えた。
「んはっ……構わないわ、多華宮君。このまま遠慮なく出しなさい」
「ちゅぅぅ……え、出る? え?」
一方の凍子も、何が起こるか理解しきっていないのかきょとんとしつつも舌を這わす。
「ああぁっ! 出るっ、出っ……!」
シーツを強く握り、仄は絶頂に達した。噴水のような勢いで鈴口から精液が噴き出し、綾火と凍子の整った顔を容赦なく汚してゆく。
「………!」
「ひゃあぁ! す、凄い、勢い……!」
眉一つ動かさずに白濁液を受け止める綾火と、悲鳴をあげつつも綾火と共に精液を浴びる凍子。
脈動は仄自身が驚くほど続いた。二度、三度、四度と腰が震える度に勢いを落としつつも精液が迸る。強く押し当てられたままの四つの乳房が作る谷間に、粘っこい水溜まりが出来上がる程に射精は続いた。
「あ、は、はぁ……!」
仄は意識が遠のく程の快感の中、言葉も発せられないまま射精が完全に治まるまで小刻みな喘ぎを漏らす。
やがて射精が収まると、綾火は顔を精液で汚したまま仄に言った。
「……満足してくれたようね、多華宮君」
「え? あ……その……うん、凄かった……」
荒い息のまま仄は言った。
綾火はその反応に頷くと、今度は同じく精液塗れの凍子に言った。
「助かったわ、凍子。もう帰っていいわよ」
「ええっ!?」
「ちょ、火々里さん!? 用が済んだからって……!」
あまりに一方的な物言いに思わず仄が言うと、綾火は不思議そうに首を傾げた。
「……多華宮君? この後は私と多華宮君がするだけで、凍子が混じる要素は無いのよ?」
「え?」
「それとも、凍子に見られながら多華宮君はしたいの?」
「ええ……?」
言われてみれば、確かにこのまま凍子を自分たちに付き合わせる必要はない。綾火に言われ仄は気付いた。
考えてみれば、もともと凍子はバイト中に強引に連れてこられただけなので早く返してあげるのが当然だ。無論、綾火は誤解したままだが仄には羞恥露出プレイをする趣味はない。
「そ……そう、だね。ごめんね、凍子さん。バイト中なのにこんな事に付き合わせ……」
「あ、あのっ!」
その時、凍子が大きな声で言った。身を起こし、膝に手をあてて真剣な顔で(まだ精液がついたままではあるが)、こちらを見ている。
「ど、どうしたの? 凍子さん?」
「姫様、多華宮君……もし、許されるのでしたらぁ……わ、私も一緒に、お二人のしているのに混ぜて貰えませんか?」
「……凍子?」
ぴりっと綾火の肌から小さな炎が弾ける。彼女の怒りを感知し、凍子は慌てて言った。
「ち、違いますぅ! 別に姫様から多華宮君を取ろうとか、そういうのでは決してありませぇん!」
「ええと、じゃあ、どういう事?」
凍子の意図を察し兼ね、仄は尋ねた。少し身体をくねらせつつ、凍子は綾火を見た。
「そのぉ……凍子としては割と本気で姫様の子供を産みたいと思っているんですけどぉ、それは叶わぬ願いじゃないですかぁ。ですので……」
ちらっと、射精した直後の仄の肉棒に視線をやる。
「ですのでぇ……その、一度、多華宮君とさせて頂ければ、姫様とは“竿姉妹”という事になりますので、お願いできればとぉ」
「ちょ、ちょっと待って! どこでそんな言葉を、じゃなくって! 凍子さん、初めてって言ってたけど、その……」
「はい、凍子は処女ですよぉ」
あっけらかんと答える凍子に仄は強く言った。
「そんな、もっと大事にしなきゃダメだよ! 女の人のそれって一回限りなんだよ!?」
「一回限りだからですぅ!」
そう答える凍子の表情はあくまで真剣だった。
「姫様が凍子を誘ってこんな事を一緒にしてくれる機会なんて、それこそ今後、一生無いかもしれませぇん! だから、だからお願いしますぅぅ!」
「……多華宮君、鬱陶しいなら叩き出すけど?」
無表情のまま恐ろしい事を綾火は言う。彼女なら言った通り、凍子を裸のまま叩き出すだろう。
「………」
仄は思った。凍子の変態行為には実際ちょっと引いたが、彼女は彼女なりに数年間、綾火を想ってきていたのだ。そんな彼女と(思っていた形とは大幅に違っていたとしても)身体を重ねられる機会というのは、凍子にとってはそれこそ二度とないかもしれない瞬間なのだろう。
その気持ちは仄にもよく分かった。人生において「こうするしかない瞬間」というのは、確かにあるのだ。
「……火々里さん、その、凍子さんも一緒で……いいかな?」
数十秒の熟考の後、仄はおずおずと綾火に言った。