あーっ! あーっ困りますっあーっ! メスガキこのっ! この舐めやがってっ! じゅるるるるーっ! 作:道明寺ファンブル
復讐は何も生まないという言葉がある。
だが俺の復讐は子供が生まれる。よし安心。
初潮も来てないロリだろうが、成長過程でそのうち子を孕むだろう。
俺の思い描く"人生破壊計画"はそれほど気の長いものなのだ。
兎にも角にも、今日中に何らかのアクションを起こそう。
満喫を出て、駅へと向かう。
何気なく目配せするが、さすがに猫屋敷はいないか。
「さて……ろくに準備もしてないが」
作戦と呼べるものは存在しない。
なるようになれ、というやつだ。エロ漫画やエロゲー通例の『この写真をバラされたくなかったら……』ってのを丸パクリする。
アイドルは顔の次に世間体が大事だからな。露出系アイドルで名を売るならこちらの完敗ではあるが――
俺の記憶にある猫屋敷夢寐という少女は、いかにも"世を嘗め腐っていた"。
生まれながらにして高いポテンシャルを誇り、ジュニアアイドルとしてすぐに名を馳せた。
同業者の追随を許さぬ――テレビの言葉を借りるなら、"天才"。
アイドル……偶像。ファンとの関係はもはや宗教じみている。
年端もいかぬ少女が崇め奉られ、どうなるか。健気に純粋無垢に活動するか、あるいは付け上がり傲慢と化すか。
猫屋敷夢寐は後者だった。言動の端々に人を見下す色が滲む。
カメラに向かってかわいくピースしていようが、内心はきっと人々を掌握した気になってゲス顔ダブルピースしてるような女だ。
まぁつまるところ奴は生意気なのである。
だから脅しはよく効くはずだ。
"恥"というのが一番嫌いそうだからな。
『んほぉぉロリっ娘復讐レイプー♪ たのしみじゃのー♪ は・か・た・の・しいよっ♪』
破瓜楽しいよ……テンションが高いな、神。
いやこいつは本当に神なんだろうか。
言動が邪神のそれなんだが。
『しかしまーなんとも、聞けば聞くほど犯しがいのあるメスガキじゃの』
『そうか?』
『嘗めたメスガキに世の怖さを"分からせ"てやるのじゃ。これほど適任なメスガキはそうそうおらんよ』
『俺はただ復讐したいだけだぞ』
『どちらにせよ、じゃ。メスガキは大抵自分に危害は与えられんと考える。――右京っちの復讐は、回りまわってその甘えをぶち壊しにするんじゃよ』
……確かに、余裕綽々ってのも腹立たしい。
二度と涼しい顔出来なくさせるぐらいはしたいな。
『あ、動画忘れないでね』
『はいはい』
アプリを消して、スマホをポケットの中にしまう。
気付けばもう駅についていた。
昨日と同じように切符を買って、ホームで待つ。
「混んでんな」
登校する生徒、通勤する大人、ホームは人でごった返している。
昨日もこのぐらいだったな。
また満員電車か……よく毎日乗っていられるよ、ホント。
人込みから外れたとこに立っていると、ふと騒音の中から革靴の靴音が聞こえた気がした。
ホームに降りてくる階段の方へ目を向ける。
良く目立つ、金色のアホ毛が揺れているのが見えた。
「……くくく、今日もちゃんと来たのか……いや、お前は優等生だからなぁ」
近くに立っていた生徒にやばいものを見る目を向けられる。
いかんいかん。ついにやけてしまった。
「―――でしょー?」
「―――え、っと、そう、かな?」
猫屋敷は友人らしき少女たちと一緒だった。
だが、よく見るとその輪から一歩離れた場所にいる。
「…………」
気のせいか、周りを気にする素振りが多いような。
ノーパンだと思って見るからだろうか。
「くひっ、くきひひ……ッ」
ああ、だめだ。
あの端正な顔が歪みに歪んで。
日常が続くと思い込んでるそのすべてを壊せると思うと。
笑いが止まらん。
「……っ?」
……っと、いつの間にか手を握りしめてたみたいだ。
爪の痕から血が滲む。俺が思う以上に、憎悪は深いらしい。
重畳重畳。
寸前になってやーめた、とはならないと断言できよう。
『まもなく―――』
アナウンスが放送される。
人の動きがホームの縁端に集中する。
猫屋敷はその流れに呑み込まれ、消えていった。
「髪は目立つが……」
小さいからすぐ隠れる。
あれなら、俺一人が立っただけでも周りからは見えなくなるだろうな。
電車がやってきて、人が次々乗り込む。
俺も猫屋敷の後を追い、同じ車両へと乗った。
「ぐ、ぅ、おぉ……せま、くっ!」
押し出されそうになるのをドア付近の手すりに摑まることでなんとか防ぐ。
俺の身体は恰幅が良いから、一角を占拠してしまう。
近くの男に舌打ちされた。
……ここは戦場かよ。
ドアが閉まり電車が発車する。
一息つくと、目の前の存在にやっと気づいた。
「…………っ」
猫屋敷だ。
手すりに両手で掴まって、俺の目の前に納まるように立っている。
身体はドア側を向いていた。
アホ毛が電車の揺れに合わせて左右にゆらゆら。
少なくない毛量を纏めた塊が、俺の身体に合わせて形をゆがめる。
さて――
こうもすぐに
やることは変わらない。
自然と、足を猫屋敷の真下へと持っていく。
そしてスマホのホームボタンを押した。
……神直伝七つ道具の一つ。靴内蔵型盗撮カメラ。
スマホとBluetoothで接続され、靴の真上を撮影してくれる優れものだ。
周りの乗客がこちらを向いていないことを確認する。
すぐさま撮った写真を開いた。
「…………」
……
「…………」
…………
「…………」
無言の高揚。
猫屋敷は、履いていなかった。
……予想通り、いや半々ぐらいの気持ちだったが。
猫屋敷は自分の意志でパンツを履いていないということだろう。
――確信犯。
前座は終わりだ。
どうしてくれようか。
いや、どうとでもしてくれよう。
神の言葉を思い出す。
メスガキは自分が悪意の標的になるとは思わないらしい。
猫屋敷だって感づいてはいても、自分の身に何か起こるとは考えないのだろう。
うむ。
そうだな。
ここじゃやれることは限られてるし、少し遊ぶか。
電車は進み、そしてトンネルへと入る。
猫屋敷は気だるげな瞳を、ドアの窓へとむけていた。
顔が写る。
「…………」
目線が、横へ移動する。
「――ぇっ!?」
――途端、猫屋敷がびくりと肩を震わせた。
猫屋敷の後ろ――
それは紛れもなく、今ここにいる猫屋敷の秘部の写真であった。
「ぁ、え……な、ん…………で」
電車はトンネルから出て、窓に映るのは景色ばかりになる。
春先の豊かな光景。
相反するように、猫屋敷の顔は血の気を失っていく。
俺の顔はその分だけ、愉悦に歪んでいた。
「ひ、ゃっ――!?」
俺は電車の揺れに振り回されているよう演じながら、猫屋敷の股に膝を差し込んだ。
身長差もあり、簡単に猫屋敷の身体が浮く。
小さな悲鳴は誰にも届かない。
運悪く、いや運よく? ここの乗客は皆草臥れて、誰かを観察する余裕もないらしい。
「ぁ、ゃ、ぃや……っ」
慌てふためく猫屋敷は俺の膝の上でもがくが、狭い車内ではどうにもできなかった。
「……ふっ、んっ―――!」
制服で擦れたのか、猫屋敷が声を漏らす。
力が抜けたタイミングで、更に密着するように身体を押し付けた。
「ぅっ、あ」
軽い。へし折れそうなほど細い手が、俺の身体に伸ばされる。
その手を取り、耳元でささやく。
「――お前の趣味をバラされたくなかったら、言うことに従え」
出来るだけ穏やかに。
「ひ……ぁ…………」
しかし猫屋敷の顔は恐怖に満ちていた。不思議だ。
猫屋敷が肩越しにこちらを見つめる。
俺が昨日会った男だと、果たして気付くだろうか。
きょろきょろ、と猫屋敷が助けを求める顔で周りを見渡しだしたので、ドスを利かせた声でもう一度脅す。
「バラすぞ」
「っ! ぅぁ……ぁっ」
表情が変わらないので分かりづらいが、軽くパニックになってるっぽい。
いい気味だ。
今なら何でも言うことを聞いてくれそうだな。
他の人間の目もあるから派手なことはできないが…………
「……そのまま自慰をしろ」
「ぇ……」
「聞こえなかったか? オナニーだ」
どうして私が? 急になんなの? ――そんな声が聞こえてきそうだった。
「……」
目の前で先ほどの写真を写したスマホを振る。
俯きながらも、猫屋敷は何度もうなずいた。
オナニーは知っているらしい。
「手は使うなよ」
「…………」
「ほら、次の駅までにイかないとネットに拡散するからな」
猫屋敷は小動物みたいにおびえている。
顔面は真っ青だった。思わず写真を撮ってしまう。
手は使わないでどう自慰をするのか。
回らない頭で考えているであろう猫屋敷に示唆するように、俺は膝を動かした。
「んっ……ぁ」
こんな状況でも立派に感じるのか。
痴漢される期待でも抱いていたのか。
ためらいがちに、猫屋敷は腰を揺らめかす。
「っ…………ぅ」
困惑は拭えなくても状況は理解できているようだ。
「ぁ、っ……ん」
腿に柔らかい感触。行ったり来たりするほどに、ズボンが湿り気を帯びてくる。
「は、ぁ、……んっ!」
「くくっ……」
猫屋敷の気持ちがわかるような気がした。
人の上に立ち、人を掌握するのは、確かに快感だ。
猛る気持ちを発散するべく、猫屋敷の胸の突起を軽くつねった。
「ぅ、んっ!? ~~~~~っ!」
びくりと猫屋敷が身体を震わす。
気にせず俺は乱暴な愛撫を続ける。
「あっ、ぁぁっ、ゃぁっ……!」
それでも必死にイこうとして腰を振る姿は、無様を通り越して滑稽だった。
『○○、○○です――お降りの際は―――』
アナウンスが鳴るころ、猫屋敷は小さな痙攣を繰り返していた。
……驚いたな。本当にイクとは思わなかった。
どうやら想像以上にドスケベであったらしい。ズボンが濡れたのは想定外だが、まあいい。
手すさびに転がしていた乳首から手を放し、猫屋敷の耳元で再びささやく。
「一緒に降りろ」
学園最寄りの駅はここからさらに数駅先である。
そのフレーズからなにを想像したのか、絶望した表情で猫屋敷はうなずいた。
『レイプする時はね、誰にも邪魔されず、自由でなんというか救われてなきゃあダメなんだ。独りで静かで豊かで……』
神の戯言が届く。
勿論スルーだが、誰にも邪魔されない方がよいのは確かだ。
この辺は開発が進んでいるけど、一部地域はいまだに過疎っていて人の寄り付かない場所はごまんとある。
昨日のうちに目をつけていた場所がある。そこでレイプしよう。
扉が開き、外へ出る。
何人かの視線を集めたが、構わない。
電車が去る。
無人駅には、俺と猫屋敷だけが残っていた。
「さて―――」
「うっ、ぐすっ、うわぁあああああああ……っ」
泣きじゃくる猫屋敷の頭を撫でるように掴む。
「行こうか」
駅を悠々と後にする。
俺の心は、人生で一番晴れやかであった。