異星人の降り立った島。
爽やかな朝。
ハタを立てられ、おかしくなった少年たちが顔を合わせる。
「この紙、見ましたか?」
「見てないな。なになに……令令和令セヨ?……ダメだ。びっしり書いてあるけど字が汚すぎて初っぱなから読めねえ……」
「令令ではなく命令。和令ではなく和合。『命令和合セヨ。』ですよ」
「へー。……つまり、どういうことだ?」
「セックスしろということですね」
「和合って単語はセックスって意味なのか」
「このあとの文章を読むにそうなります」
「お前これ全部解読したのか。すごいな。他は何て書いてあるんだ?」
「端的にまとめると『最適なパートナーをテストにより見つける』『お前たちは文句を言わずにそのパートナーと和合して子を成せ』そんな感じですね」
「ふーん。……って、そりゃめでたいじゃねぇか!」
バシバシ!
「ぐふぅっ!ちょっ、叩かないでください……何がめでたいんですか」
「一生童貞の可能性が高かったお前も宇宙人サマのおかげで女を抱けるチャンスだ。もっと喜べよ!」
「ボクはそんなことに興味はありません」
「お前は誰が好きなんだ?やっぱり真面目っぽいもの同士で委員長か?それとも世話好きの神木かな?」
「興味がないと言っているでしょう。それにパートナーは宇宙人様が実施するテストによって決められるのです。仮にボクにそういう感情があったとしてもそんなものは無視されるでしょうね」
「……クールぶってるけど顔が真っ赤だぞ?」
「なっ……」
「堤はムッツリスケベと。この紙に書き足しとこう」
「変な落書きをするのはやめてください!」
「はははっ。いやー、宇宙人様もたまには面白いことを思い付くなあ。これから楽しくなりそうだ」
紙を見せられるまで、つまらなさそうな表情が貼り付いていた少年の顔がギラギラと輝いていた。
「……あ、でも待てよ。もしお前に最適なパートナーがリコとか白瀬って結果が出たら」
「……?なんです?」
「アイツらがセックスしろなんて命令に大人しく従うと思うか?選ばれた相手によっちゃ堤の童貞卒業は夢と消えるかもな」
「あー……」
アイツとじゃなきゃ絶対に嫌!と命令を突っぱねるリコや、面倒だからと逃亡する白瀬の姿が目に浮かぶ。
「……いや、そもそも、そんなものに興味はないと言っているでしょう……何度言わせるんですか」
「そんなこと言いながら耳まで真っ赤。しかも鼻息を荒くして……おかしくない?」
「何が言いたいんですか??」
「……顔が赤いのはエロい妄想をしているから。鼻息が荒いのもエロい妄想。よって堤はムッツリ確定!」
「君の方がよっぽどスケベでしょう!いい加減にしてください!」
「正体現したね。」