大神が酷い目にあわされるお話です。いろいろと内容がひどいです。
白瀬もキャラ崩壊してますが、ハタを立てられた状態だし、ま、多少はね?
頭上に旗を揺らす少女と水鉄砲を持った少年が灼熱の日差しが注ぐ公園で交戦していた。
「ちっ!」
水鉄砲が空になる。
ハタを刺され、おかしくなったものはハタを濡らしてしまえば行動不能になるのだが、軽い身のこなしですべてかわされてしまった。
「終わったわね。じゃ」
「待て! まだ終わってないぞ!」
水鉄砲を投げ捨て、少年は刀を抜いた。
少女は不快感をあらわに拳銃をとりだした。
水鉄砲ではない。武骨な拳銃。
銃口を少年に向け引き金を引く。
バンバンバンバン!
キンキンキンキン!
「へえ……なかなかやるじゃない。全部叩き落とすなんて」
「ボクを殺す気か! まさか躊躇なく撃ってくるとは……」
「ああ、それなら大丈夫。いま使ってるのは特殊な弾だから。当たってもグースカ眠るだけよ」
「そうか……ん? おかしくないか? なぜ敵であるはずのボクを殺さないような戦い方をするんだ?」
「そりゃ、ハタなしどもを殺せば敵戦力は削れるかもしれないけど、それだけだからね。生けどりにして、こっちの手駒になってもらおうってことじゃない?」
「……まるで将棋だな。……だが、そう簡単にはいかない。自分で言うのもなんだがボクは手強いぞ」
「あたしとしては、そんなのどうでもいいから。追いかけ回すのはやめてくんない?」
「断る!」
ザッと砂を踏む音。そして風切り音。
一瞬で間合いをつめた少年が少女の肩に刀を振り下ろす。
少女は横っ飛びに攻撃をかわした。
前転で移動。距離をとりながら銃口を少年に向ける。
銃声。直後にキン! と軽快な音が響く。
銃撃を見事に弾き飛ばした少年だが不満顔。
「むぅ……今の一撃でしとめられると思ったんだがな。軽業師みたいな避け方をしながら反撃してくるとは……」
「こっちに文句を言っておいて……あんたこそ、あたしを殺す気?」
「まさか。安心しろ。峰打ちだ」
「……なに、そのドヤ顔」
「……この台詞を一度言ってみたかったんだ。ごっこ遊びではない状況で言える日がくるとは。宇宙人のせい――不幸中の幸いというやつかな」
「ふざけたことを……峰打ちであたしを倒そうだなんてあまっちょろい考えでいたら、あんたに勝ち目はないわよ」
「あまっちょろい……? それは白瀬も同じだろう。」
「あんたがあたしをこれ以上つけ回すつもりなら容赦はしない」
少女の強い視線が少年を貫いた。
殺意が滲んだ視線に射すくめられた少年は無理やり笑った。
「……はははっ、怖いな。だが、宇宙人に操られた白瀬を放っておくわけにはいかない」
「はぁ……めんどくさいわね。あたしは放っておいてほしいのに……」
「そう言うな。正気に戻ってもらうぞ白瀬!」
剣を構え少年は疾風の如く駆けた。
それから数分後。
靴下だけ履かされた格好で縛られている少年がいた。
青空の下ほぼ全裸で両腕と両膝を地面についた四つん這い。
尻を突きだす少年を、ショートカットの少女が見下ろす。
彼女はきちっと制服を身にまとっていた。
まるでペットを見下ろす主のよう。
「白瀬……これはどういうことだ……」
「あんたは負けたのよ。敵に情けをかけて攻撃をためらうようなやつが勝てるわけないでしょ」
「なるほど。敗北し眠らされていたわけだな……」
そこから叩き起こされ尻を打たれ四つん這いになるよう命令され今に至る。
「敗北の事実も認めがたいが、ボクが気になっているのはそこじゃない……なんでこんな格好にされているのかと聞いているんだ!」
「負け犬をどうしようとこっちの勝手でしょ。……ま、正直に言うと、ハタを持ってなかったから暴れられないように縛っただけ」
「裸にする必要はあるのか!?」
「……武器を隠し持ってるかもしれないじゃない?……それと、まあ、こっちの理由の方が大きいんだけど、今朝、大神にこき使われる夢を見たの。悪事を強制されるわ、まわりからは大神の犬なんて罵られるわ、もう最悪。だから、その腹いせ。」
「そうか、ボクがそんなひどいことを……って夢だと!?ふざけるな!」
「大神って言ってもあんたじゃないんだけどね」
「もうなにがなんだか……そんなわけのわからない理由で、こんな……」
「理由はそれだけじゃないわ。男どもに女の優位を見せつけてやれ、男がどれだけみっともなくて救いようのない生き物か教えてやれって、ユイがうるさいから黙らせるためでもあるわね」
「はあああああああああ!?」
少年は思わず素っ頓狂な声をあげた。
ふと冷静になり、あることが気になり出す。
今の二人の位置関係なら見えていないかもしれないもの。
目が覚めた時はうつ伏せだった。もしかしたら見られていないかもしれない。
女子に、それも同じクラスの彼女にそれを見られたとなれば一大事だ。
視線をそらし頬を赤くして、もじもじと恥じらう乙女のような様子で尋ねる。
「それはそうと……白瀬、見たのか……ボクの、その……」
「皮を被った粗末なチンコのこと?見たわよ。全部脱がしたんだから見たくなくても見えるでしょ」
「ぐおおおおおおおおっ」
羞恥を爆発させ暴れまわるが手足を縛られていて逃げられない。
転げ回りたい気分だが、それをやったら恥部を思い切りさらしてしまうのでできない。
恥ずかしくて体が震える。締まった尻もわなわなと揺れる。
「うるさいわね。静かにしないと誰か来るわよ。……情けない姿をみんなに見てもらいたいんだったら話は別だけど」
「ぐっ……」
何も言えなくなる。
「♪」
少女が少年の尻をかきわけ、肛門に触れた。
用意していたクリームを塗りたくる。
「ひぅっ! どこを触ってるんだ……」
「どこって……わかんない? 肛門よ、こ・う・も・ん」
「大声で言うな! そういうことを聞いてるんじゃないっ」
「さ、大神くん、クリームを塗り塗りしましょうねぇ」
「どこからそんなものを……」
挑発的な声色を浴びせられつつ行われる肛門愛撫に少年は身を縮こまらせる。
菊皺にクリームが染み込んでいく。
指で揉みこまれ、妖しい感覚が広がり始める。
――くっ……なんだ、この感覚……まずいぞ……
公園の芝生についた両石の間だらりと垂れ下がっているものが愛撫によって生じた甘電流にぴくんと反応した。
その感覚が生じる間隔は短く強くなり、垂れ下がっていたものが硬度を増して重力に逆らい始める。
「あら?」
「うわっ、バカッ、見るなっ」
「うそ、なんで? あ、まさか……興奮しちゃったんだ? こんなみっともない格好でケツの穴いじられてるのに」
「うぐっ……ち、違うっ、これは……」
「言い訳しない。へえ、興奮したら、ちょっとは立派になるのね。もう少し頑張れば皮も剥けちゃう?」
「はううっ……おっ……おおおおぉっ」
少年の肛門に少女の指がぐりっとめりこんだ。
括約筋をこりこりと弄びなから、抜き差しして徐々に侵入を深くしていく。
見えない糸で持ち上げられるように肉棒がぴくぴくと跳ね回った。
「あくっ……ぐぅぅ……」
「辛そうね。さっさと次に行きましょうか」
「次?うおっ……なにを……」
指を抜かれ情けない声を漏らす。
背後を見て、少年は凍りついた。
少女の手に男性器にそっくりなおもちゃが握られていた。
「ちょっと待て……それをどうするつもりだ……」
「ぶっといものを入れてほしそうにひくついてる穴が目の前にあるんだから、そこに入れるに決まってるでしょ?」
「ちょっ、待て……やめろ……」
「大神、あんた男でしょ、ぴーちくぱーちく言わないの。黙って受け入れなさい」
意地の悪い笑みで少女が迫る。
「ひっ……」
おもちゃの先端が少年の肛門に押し当てられた。
クリーム塗り愛撫でとろけたそこにずぶりと沈み込む。
「ほら、入っていくわよ。もしかしてこのまま根元までいけるかな」
腸管をふくらまされる。
ばちばちと火花が飛び散るような衝撃。
電撃に打たれる錯覚に少年は襲われた。
顎をはねあげ、鍛え上げられた裸身を反り返らせる。
肉の刀もぴんと反り返った。
「ふおっ……おおおっ……」
「肛門ずぼずぼされて気持ちいい?」
「いいわけ……ないだろっ……」
「ふうん。じゃあ、もっと気合い入れてほじってあげないとね」
少女は夢中な様子でおもちゃを操る。
小刻みに抜き差し、角度を変え、ひねりを加え、試行錯誤して少年の尻穴を掘り進む。
「あはっ♡入った! 本当に根元まで入っちゃった……どう? 大神? おしりの穴にずっぷり入れられちゃった感想は?」
「やめろ……動かすな……」
「あははっ! 気持ちいいのね? 否定しても無駄よ。チンコがびくびくって反応してるのが見えてるんだから。あらあ? 先っちょから何かあふれてるんだけど? どういうことか説明しなさいよ!」
「はうううっ」
「ほら! 答えるまでやめないわよ!」
ばちんばちんと乾いた音が響いた。
いったいどの時点でスイッチが入ったのか、いつもはクールな少女が意地悪く声を弾ませ、はしゃいでいる。
小悪魔のような笑みを満面にひろげて少年を責め立てる。
「ほらぁ、早く認めなさいよ。さっさと認めないと誰か来ちゃうかもね」
「そ、それは……」
「ケツの穴ほじられながらチンコビンビンに立たせてる姿を見られちゃったら大変じゃない?」
「むぅ……」
気持ちいいですって認めれば許してあげる、と逆に鳥肌が立つほど優しい声で少女がささやいた。
――ここは白瀬の言葉に従うのが賢いか? ……いや、それだと感じていると認めることに……だが、この状況を誰かに見られてしまったら……。白瀬は人の秘密をぺらぺらとしゃべるタイプではないだろう。白瀬だけに知られているこの状況はまだマシ……背に腹はかえられないか……
「わっ、わかった……認めるっ……気持ちいい……ぐおっ♡」
「あら?認めちゃった? 肛門ほじられながらケツ叩かれて、気持ちいいって、認めちゃうんだ?この変態!」
「ぐっ……」
尻を叩きまくられ、穴を抉られ、ついつい認めてしまった後悔が胸を締め付ける。
弱点を刺激され、愚息は先汁をあふれさせ、ぴくぴくと歓喜に震えていた。
それをのぞきこんだ少女はにんまりと笑う。
「まったく、どうしようもない変態ね。まさかあんたがこんな性癖を持っていたなんて。みんなに知らせてあげないとね」
「え!? 待て……頼む、それだけは……」
白瀬ならそれはしないだろうという予想をしていた少年は顔を青ざめさせた。
振り返り、肩越しに懇願の眼差しを向ける。
尻穴に棒を突っ込まれた四つん這いが土下座の手前のようで悲惨さを強める。
少女はふうっとため息をついた。
「冗談よ。あたしがそんなことすると思う?」
「そ、そうだろう。ボクも白瀬なら他の女子みたいに、ぺらぺらしゃべることはしないだろうと思っていたんだ……ははっ……」
「ふうん。あたしのこと、そんな風に思ってたんだ」
穏やかな口調で言って、少年の臀部に手を置いた。
本当に穏やかな口調。だが今はそれが嵐の前の静けさのようで、かえって恐ろしい。
「白瀬……? ボクは、なにか、失言をしてしまったかな……?」
恐怖で顔がひきつり、舌の動きすらぎこちなくなる。
白瀬は穏やかな微笑を浮かべている。
「いいえ。ちょっと考え事をね。黙っててあげるかわりに、あんたにはあたしのペットになってもらおうかなと思って」
「ペット!?」
「そ。あたしが飽きるまで、ちゃんと飼ってあげるから安心して。……可愛いペットにさっそく芸をしこんでみようかな。まずはちんちん。さっさとやりなさい」
「誰が、そんなことっ……って、ちょっと待て! 話が違うぞ! 気持ちよくなっていると認めれば許してくれると――」
「許してあげるわよ。」
「だったら、早く――」
「止める、とは言ってないからね。射精することを許してあげるわ。チンポ真っ赤にはれあがってるし苦しいでしょう?」
「え? 待て待て、どういう――」
「手加減してたってこと。今から天国にいかせてあげる。だから早くちんちんしなさいよ、大神」
少女がおもちゃの柄を握る手に力を込めた。
短時間で発見した男の急所をゴリゴリと刺激する。
手加減していたという言葉を裏付けるかのように、ここまで与えられたものとは比べ物にならないほどの快感が突き上げて、少年は顔をはねあげた。
「ほおっ! おおおおおおっ!」
情けなく踊らされてしまう。
それでもまだ四つん這いのまま。
「ちんちんって言ってるのに……わかんない? ああ、縛られてるから動きづらいのか。仕方ないわね。特別にあたしが手伝ってあげる」
「へ? うわっ」
少女の腕が顎と首の間を通り抜けた。
上体をぐっと無理やり起こし、膝立ちでそりかえる体勢に。
背中に少女のぬくもりとやわらかさが押し当てられた。だが、少年はそれを感じる余裕もない。
女子に思うがままに操られる惨めさがあるだけだ。
「さ、いきなさい大神。……っと、その前に、びゅーびゅーの準備♡噴き出す様子がよく見えるように、もっと腰を突き出して」
「うぐぉっ!?」
尻穴をおもちゃでかき回す。
まるで馬を急かす鞭。少年は少女の意のままに操られてしまう。
背中を反らせ腰を突きだす、勃起した一物を見せびらかすかのような姿勢を強制的にとらされる。
射精をこらえるため、ハッハッと犬のような呼吸。
「よくできたわね。準備もできたし、いよいよ本番ね。どうやるのか、わかる? ほら、びゅーびゅー♡」
「ふおっ……そこぉっ……やめろっ、白瀬っ……出るうぅぅっ」
クールな少女に似合わぬ猫なで声が耳に吹き込まれ、甘い戦慄が駆け抜けていく。
甘く導く声と下腹への律動。
とんとんとんと突かれるたび破滅への水位が上昇していく。
少年の体に痙攣が走り、先汁に濡れた先端がびくびくと震えた。
肉の傘がぶわっと広がって熱いものがこみあげる感覚に襲われる。
「うあっ……でるっ……あああああああああっ」
少年は天高く掲げるように腰をよりいっそう強く突き出した。
後ろから押し出され、白濁液が一物をかけあがり、青空を力強く指した切っ先からびゅるりと噴き出す。
「うっ……う、ウソだ……くうぅっ」
こらえようとするが一度出始めたものは容易には止められない。
少女が感嘆の声をあげた。
「うわっ、すごっ♡こんなに出るなんて、そんなに気持ちよかったの? ……どぴゅって、また出た♡まだ出るの? 我慢は体に毒よ、全部出しちゃいなさい 」
「やめろ……ううっ……見るなぁ!」
「あははっ! 今さら恥ずかしがったって意味ないでしょ。もうどうしようもないぐらいの恥をさらしてるんだから。キンタマの中のもの、全部びゅっびゅ~ってしちゃいましょうねぇ」
幼子に言い聞かせるような声が鼓膜を震わせる。
少年の背中に彼女の弾む胸の高鳴りすら伝わってくる。
それが屈辱感をいっそうはねあげた。
めずらしくはしゃぐ少女の言葉に従った――わけではないが、尻穴から弱点を刺激された少年はびゅるびゅると大量の精液をまき散らした。
青臭い体液が虚空にいくつも白いアーチを描き、べちゃべちゃと地面を汚していく。
それを呆けたように見守る少年の口からああっ、と情けない声がもれた。
背後にいた少女のぬくもりが離れていく。
「最悪だ……」
しばらくして、少年はようやくそれだけつぶやいた。
溜まっていたものを吐き出し冷静になったことで絶望感がより強くなる。
「……最悪? あんなに気持ち良さそうに射精してたのに?」
「……うっ、それを言うな! こんな醜態をさらして……もうおしまいだ……いっそのこと、ボクを殺してくれ!」
「だめ。あんたはあたしのペットになるんだから。……あたしもあんたのおかげで新しい扉を開けちゃったみたいだから責任とってもらうわよ」
「あたしもって……それじゃボクも変な扉を開けたみたいじゃないか……」
「開けたでしょ。あたしとは反対、被虐性癖という扉をね。ごちゃごちゃ言ってないで行くわよ」
「へ? 行くって、どこに?」
「いいから黙ってついてきなさい。さっさと服着て」
「しかし……」
「真っ昼間の公園で、あんなに情けないあえぎ声を出したにも関わらず誰も来てないって言うのに……なに? その無様な格好を他人に見られたいわけ? やっぱりそうゆう趣味なの?」
「違う! 全部お前のせいだろう……まったく……」
「はいはい。尻穴ほじられて派手によがっちゃう大神のせいね」
「人の話をちゃんと――」
「いいから早く服着なさいって」
呆れ返った表情の少女の言葉に少年は従う。
服を着て元通り。あたりに撒き散らされた精液も誰のものかわからないだろう。
――逃げるか?
少年の醜態を白瀬が他人に言いふらしたとしても、証拠は何もない。
地面を汚している体液を採取して鑑定すれば、外で射精したという事実は立証されてしまうかもしれないが、さすがにそこまではしないだろう。
――だが……
少年は眉をひそめた。
少女の腰にちらりと目を向ける。
華奢な少女には似合わない武骨な拳銃があった。
「なにぼーっとしてるの? さっさと行くわよ」
「ちょっと待ってくれ、まだ……」
「早くしなさいよ……」
ズボンをがさがさといじくってまだ身なりが整ってない風を装うと、少女の眉間に皺が寄った。
――白瀬が拳銃を持っているのは厄介だな。不意をついて距離をとったとしても、足を撃ち抜かれそうだ……
万全の状態ならば、それでも逃げ切れる自信があった。
だが、いまは強制的に大量射精させられたばかり。
精神的にも肉体的にもボロボロ。
尻に未だにものを含まされているかのような違和感が残っている。
「もういいわね、いきましょう」
「あ、ああ……」
少女が踵を返し、すたすたと歩き出した。
――油断しきっているな……逃げるチャンスだ。
相手の予想以上の迂闊さに、少年は逃走を決行しようとした。
その瞬間、
「まさか、逃げようだなんて思ってないわよねぇ、大神?」
少女が振り向いた。
すべてお見通しといわんばかりの微笑を見て、少年は動けなくなる。
「ははっ、そ、そんな……まさか……」
必死にごまかすと、少女が目を丸くした。
「ええ? 逃げようとしないなんて……大神ってやっぱり変態? あたしの言いなりになるのが嬉しくてたまらないんだ?」
「なんでそうなる!? 」
「逃げる気がないなら一緒に帰りましょ。帰ったらあたしのペットになった証に首輪をつけてあげる」
「ふっ、ふざけるなっ! ボクは逃げるぞっ」
「あははっ、どうぞどうぞ。あたしから逃げられると思うのなら」
少女の目がぎらりと輝いた。
獲物を狙う狩人の視線。
凍りついた少年に一歩近づく。
約束事のように少年も一歩だけ後ろにさがった。
「どうしたの、大神? 早く逃げないと。そんなにペットになりたいの?」
「そんなわけあるか! ペットなんてごめんだ!」
「ウソばっかり。本当はペットになりたくて仕方がないんでしょ」
「なっ……なにを根拠にそんなことを……」
「根拠?」
少女がちらりと視線を少し低くする。
少年もつられるようにそれを追って自分の股間をのぞきこむ。
「うわっ! ちがう! これは……」
「さっきあんなに出したのに、もう元気になってる。あたしに連れて帰られてペットにされる妄想でそんなになっちゃったんでしょ?」
「そんなわけないだろ!」
「だったら、さっさと逃げなさいよ。そしたらあたしはあんたを捕まえて、きついお仕置きをしてあげる。……首輪もちゃんとつけてあげるから安心してね? さて、どんな首輪がいいかなぁ。あんたの首に似合うのは……」
少女がまた一歩近づいてくる。
――むっ、無理だ……逃げられない……だが、このままだと、白瀬のペットにされてしまう……目が本気だ……
諦念が頭をもたげ始める。
逃げるという選択肢がジワジワと白く掻き消されていく。
少女に首輪をつけられた自分の姿を想像して、ぞっと背筋が冷たくなる。
諦念と拒絶反応がせめぎあう。
心臓がドキドキと跳ね回って、胸が苦しくなる。
それでも少年はなんとか後ずさった。
距離を保つのがやっと。
「あら、ぴくって反応した。それにしてもズボンの上からでも形がはっきりわかるなんてすごいわね。……どうしたの? お仕置きしてほしいなら逃げるふりだけでもした方がいいんじゃない? 大神はお仕置きされるのが大好きみたいだし」
「適当なことを……」
「適当じゃないって。さっきお尻ぺんぺんってしてあげたらすっごく反応がよかったじゃない?」
「冗談はやめろ! くっ、くるなっ」
後退り。足をもつれさせてしまった。
どすんと尻餅。
――くそっ……しまった……
顔をあげる。
少女の嗜虐的な笑みが少年を見下ろしていた。
「もう逃げられないわね」
少年は尻餅をついたままずりずりと後ずさる。
少女の気迫に圧され立ち上がれそうにない。
「やっ、やめろ……頼む、許してくれ……」
「許してあげるわよ? 首輪をつけて、たっぷりとお仕置きしたらね」
満面の笑みで少年をのぞきこむ。
「あっ……あぁっ……」
少女の指が少年の輪郭に触れた。
ぞわっと電流に似た感覚が走る。
逃げなければと思うのに体は動かない。
見えない首輪をすでにつけられてしまったかのよう。
少女の手によって少年に本物の首輪がつけられたのは、それから間もなくのこと。