土方ばりのズ太ぇ体育会系ばかりの弊社、〇〇信用金庫。
営業部署には独身の野郎が多く、家賃を浮かす為に大概の奴は社員寮に入寮する。
社長が地域でえぇカッコでもしたいのか、最近高校生の職業体験なんてもんを受け入れやがった。
なんでも体験の期間中は、こんな雄癖ぇ、女っ気のおの字もない独身寮に
その高校生は寝泊まりするらしい。
世の中には物好きな若いのもいるもんだ。
ある日出社すると、見慣れない中背のやたら若いのが俺のデスクの前に縮こまりながら佇んでいた。
どうやら課長たちが面倒事を嫌ったのか、例の職業体験とやらのボウズの世話を
勝手に俺の仕事にしたらしい。
やれやれ。新入社員の指導はお手のもんだが
ガキのおしめ替えしてるほど俺も暇じゃないんだ。
「オス! 先輩、おはようございます!!」
少々、面食らってしまった。
心許ない印象だった中背のボウズではあったが
よく見るとスーツの横幅一杯に肩は盛り上り
何よりも気合いの入った挨拶に俺の方がたじろいじまった。
「お、おぅ。おはよう...」
「自分は△△商業高校2年、国木田陽太と申します!本日より、宜しくお願いします!」
年の割には丁寧な挨拶だ。何より俺はこいつのガタイが気になった。
「呼び方は...、陽太でいいか?」
「先輩にお任せします!」
「そうか、陽太。お前さん何かスポーツでもやってるのか?イイ身体してるな」
「はい!自分、中学の時から、5年ほど野球部に所属してます!」
どうりで肩口から下腿まで、引き締まった体躯をしている筈だ。
「国木田君、体験の期間は全部で10カ間だそうだ。社内で事務仕事ばかりってのも詰まらないだろ。外回りにでも同行させてやったらどうだ?」
挨拶もそこそこに、係長が割って入って来た。
「え...。まぁ構いませんけど...」
今日は近所の商店主の親父達に挨拶回りだけだ
ズブの素人に喋らす気は無いし、陽太は男の俺から見ても顔立ちは悪くない。
俺ン後ろでニコニコさせてる分には、客寄せくらいにはなるだろう。
「陽太。いきなりだがイケるか?」
「平気っス!!」
昼過ぎ
「どうだ、陽太。初めてのルート回りは?疲れたか?」
「全然楽勝です!」
実際陽太は勘の冴えるボウズのようだ。後ろで営業スマイルを浮かべながら、ユーモアのある軽口の一つも喋れていた。
帰り道の営業車内
さっきの俺じゃないが、今度は俺のガタイが気になったのか
陽太がやおらに質問を飛ばしてきた
「ところで、先輩。スッゲー身体してるっスね!!」
「あ、あぁ。まぁな...。ちょっと学生時代にラグビーをな」
自慢じゃないが中学から大学出るまで、青春の殆どをラグビーに捧げてきた俺は179/80
今でもジムに週2で通っている。
続く
絶対に簡潔させます!