ホームに帰った僕は案の定、神様に怒られた。
心配させてしまったのはほんとに申し訳ないと思う。
「神様ほんとにごめんなさい!」
「まあベル君のことだから何か事情があったんだろうし、こうして帰ってきてくれたからボクは許すよ。」
ありがとうございます、神様。
でもすごい心が痛いけど、きっと気のせいだろう。
サポーター。ダンジョンの探索時における非戦闘員。
冒険者はサポーターを顧みない。
彼等はどこまでも残酷だ、
ほんとうに、
裏切るのに困らないな、冒険者は。
そんなようなことを考えながら、歩いていく。
今日もダンジョンに向かって歩いていると、突然呼び止められた。
「初めましてお兄さん。突然ですがサポーターなんか探していたりしませんか?」
「え、...え?」
「どうしたんですか?冒険者のおこぼれを預かりたいサポーターが自分を売り込みに来てるんです」
ちょうどよかった、サポーターがいてくれたらなって思っていたところだった。
...じゃなくて!
さすがにまだ1人の方がいいだろう。まだ他人を守れるほど強くないのだから。
「いや、でも...」
「お願いです!連れて行ってくださいませんか?」
こちらを上目遣いで見つめて頼み込んできた。
その表情が一瞬悲しく見えたのは気のせいだろうか。
「分かった、じゃあお願いしていい?」
自然と僕の口からその言葉が漏れていた。
「あっ、自己紹介もせずすみません、リリルカ・アーデです。よろしくお願いします!」
「じゃあ、君は無所属のサポーターじゃなくて...」
「そうですよ、リリはちゃんと【ファミリア】に入っています」
大通りからすこし路地に入ったところにある食堂で小さな少女と話をしていた。
「【ファミリア】の名前は?」
「【ソーマ・ファミリア】ですよ、割と有名な派閥です。」
僕はよく知らないけど...
「でもリリはこんなに小さいですし、何も出来ないので【ファミリア】でも邪魔者扱いされているんです。」
話を聞くうちに彼女があまりファミリアでよく思われていないことが分かってきた。
「そういえば、ずっとフードを被ってるけど...」
「あ...これですか...?」
そういうとそっとフードを外した。
「これでいいですか...?」
「あれ...?」
頭の上にあったのは可愛らしくピコピコ動く獣の耳だった。
「リリは犬人なんです。」
僕は無意識のうちにその耳を触っていた。
「あぅ...」
本物だ、ふにふにしてる
って...
「ご、ごめん!」
なんだか悪いことしたような気分になった...
事情を聞いたところで僕達はダンジョンに潜ることにした。
「そういえば契約金とかはいるんですか?」
「いえ、今日はお試しなので探索での収入を分ける形でいいですよ?」
「それだけでいいんですか?」
「はいっ」
「ふっ!」
『ギシャァァ!?』
胸元にナイフを突き刺しキラーアントが断末魔をあげて、灰に変わった。
6階層、今の僕がソロで潜った最高到達階層だ。
最近はかなり対応が早くなってきているなぁと自分でも実感する。
「ベル様ってお強いんですね!」
「いやぁ、そんなことないよ?」
リリに褒められてすこし照れてしまった。
でも今日はかなり良かったかな。
「リリ、そろそろ戻ろうか、」
「分かりました!」
「じゃあベル様、リリに着いてきてくれますか?」
「?分かった。」
その帰り道、僕はほとんどモンスターに出会わずダンジョンを抜けることが出来た。
「リリはなんでモンスターのいない所が分かるの?」
「何回も通って見つけたんです。ベル様も疲れてるでしょうし、あまり戦闘で無理させたくないですし、リリにはこれくらいしか出来ないので...」
話し終わるとちょうど換金が終わったので、今日の収入の半分をリリに渡す。
「え、こんなに!?申し訳ないですよ、ベル様!」
「いいんだって、今日はすごい稼げたし、リリのおかげですごく楽だったしそのお礼だよ。」
「ベル様...」
すみません、ベル様...
そう心の中で言ってダンジョンに潜っているときに盗ったナイフを触る。
「じゃあ今日はこれで!明日もよろしくねリリ!」
「はい!また明日です!」
僕はリリと別れてから今日予定されているギルドの担当のエイナさんとの勉強に向けてギルドの中へ歩いていった。
勉強会も終わりに差し掛かり、今日も疲れたななんて思っていると、
「あれ、ベル君?」
「なんですか?」
「ナイフはどうしたの?」
ん、ナイフ...?
腰に手を当てる。
あれ?
目で確かめてみる、
《神様のナイフ》、ある。
ただし鞘だけ...。
「お、落としたーー!」
ギルド全体に響くような大声で僕は絶叫した。
路地裏を歩いてゆっくり考える。
ナイフだけじゃなくて鞘も盗るべきだった。
あの後ナイフを鑑定士の所へ持っていったらなんと50ヴァリスで買い取ると言われてしまった。
数千万ヴァリスはくだらないと思っていたのに。
やはり鞘もないと認められないらしい、
あれだけ硬いキラーアントがばさばさ切れる業物がそんなに安い訳ないのだから。
そんなことを考えて歩いていると、
「すみません、シル。荷物持ちなんてさせてしまって、」
「全然平気だよ?でもリューはいつもこんな道通ってるの?」
前から人が来た。エルフとヒューマン。
視線を切りナイフを袖に隠す。
そして、彼女達の横を通り過ぎる。
「待ちなさい、そこのパルゥム」
冷たい声が路地裏に響く。
まじで投稿遅くてごめんなさいです。
最近忙しくてほんとに時間取れないんです...
なるべく早く上げれるよう頑張りますのでこれからも応援のほうして下さると嬉しいです!