「…っ…イタタタ……」
ある日の早朝の霊夢は、ズキズキと脈打つように痛む頭を押さえ、顔を顰めながら体を起こした。頭痛の原因は明らかである。昨晩の博麗神社にて行われた、夜桜鑑賞会と称した宴会のせいだ。
春の博麗神社は桜の名所。故に多くの人妖…今となっては妖怪や妖精達だが、所狭しと詰め寄り、朝から晩まで大酒を飲みながら花見をするのだ。
「…流石の早起き野郎も、まだ寝てるわねぇ…」
自分の隣で枕に涎を垂らして眠る旦那を見やり、誰に聞かせるわけでもなくそう呟く。普段彼は、遅起きな霊夢と娘達に代わって朝食を作っているものの、昨晩は飲み慣れない酒を飲んでしまったものだから、霊夢が起きても尚、眠っている。
早起き野郎も、酒を飲んだ次の日の朝には弱い。
「腹出してるし…。風邪引くわよ、全く…」
悪い寝相により布団と服を乱し、大して割れてもいない腹部を曝け出している旦那、エスカルゴ。霊夢はそれを直し朝食を作ろうと立ち上がるが、何を思ったかそのまま立ち止まり彼を見下ろす。
「…はぁ…」
そのだらしない寝顔を見ている内に彼女は段々とイライラしてきた。…実は彼は、昨晩は酒の席で大暴れしていたのだ。暴力ではない。女性関連、という意味での大暴れだ。酒により普段は理性で抑えられている欲が表に出て、自分と関係のある女性に絡みに行った。その相手方もそれを拒みはしないから、そこは特に問題無い。
問題は、
霊夢は、自分の旦那が目の前で他の女とイチャつのが嫌いだ。普段の彼はそれを分かっているからあまり表立って絡もうとしないが、酔っていると正常な判断が出来なくなるのが彼だ。
酒に弱いくせに、押しにも弱い。おかげで押しが強い鬼…伊吹萃香には毎度の如く絡まれており、それで酔った彼は萃香をはじめとする他の者にも絡みに行ったのだった…。
「何よ……人の気も知らないで気持ち良さそうに寝てさ…!何の夢見てんのか知らないけど、馬鹿みたいにちんこおっきくさせて……ムカつく!」
「ンがっ……」
布団の上からその膨らみを蹴ると、軽く呻き声をあげたエスカルゴ。しかし、それでも目を覚ます気配は無い。意を決した霊夢は彼の布団を捲り、膨らみをグニグニと踏み始めた。
「…うっ………んぐ……」
「寝ながら踏まれて感じてんの?フン、やっぱりあんたはどこまでも変態ね。精液、パンツの中に出しちゃうといいわ!洗濯は大変でしょうけど、そんなの自業自得よねぇ?夢精したと勘違いして朝から賢者タイム?とか何とかになってなさい!
…ほら、早くイキなさいよ変態!こんなに熱く、大きくさせて…出したいんでしょ?折角の精子、無駄撃ちするといいわッ!」
「ゔっ…………」
ズボンとパンツ越しに、霊夢の足には体温よりも数度高い熱が伝わってくる。足コキに慣れている霊夢は、例え彼が眠っていても、彼を絶頂に導くことなどは造作もなかった。
そして霊夢の予想通り、絶頂に達した彼はやっと目を覚ました。しかし霊夢はまだ足を退けない。
「ん……?どした霊夢…踏んでるんだけど……」
「あら、起きたの?あまりにも気持ち良さそうに眠ってるから、永眠させてあげようと思ったわ。今からでも昇天させてあげましょうか?今なら、優しく
「昇天……あっ、この感じ…夢精してる…!悪い霊夢、ちょっと着替えてきていいか…?」
彼は上半身を起こしたが、股間を彼女に踏まれている為に、あまり好きには動けない。着替えすると言って遠回しに退いてくれと伝えるが、霊夢はそれを真っ向から拒否する。
「ダメよ。着替えですって?そんなの許さない」
「え……んぐぁっ…!?待っ、待って霊夢、何か今、敏感っぽくって……あぐっ…」
「夢精したんだもの敏感なのは当たり前よねぇ。ほら、もう一回イカせてあげるからさっさと精液出しちゃいなさいよ。折角、あんたの好きな足で踏んであげてるんだから」
「タンマタンマ、待ってってば…」
「腰引けてるわよ?ほら、気持ちイイんでしょ?素直にイッたらどう?いつも何回も私をイカせるみたいに、自分もイキなさいよ!」
「だったら、せめてズボンとか脱がせてってば…またパンツの中にぶちまけるのは…困、る……!ちょ、やば……」
「ホントに嫌なら足掴むとか何とかしなさいよ、何で自分から受けてんのよ、馬鹿なの?ホントはあんたも私の足でイキたいんでしょ?ほら素直に言ってみなさいよ?そしたら考えてあげるから」
ここで拒否しても生殺しになるだけ。そう考えた彼は、抵抗することをやめて、霊夢に懇願する。
「ッ…お願い、イカせてっ…霊夢…!」
「……♪」
口角を上げて口だけで笑った霊夢。しかし足でのシゴキを続ける事はなく、逆に中断してしまう。当然、物足りない彼は足を離す霊夢を見上げた。
「…?どうして離すのさ…?」
「私は『考えてあげる』って言ったのよ。絶対に足でイカせてあげるとは言ってないわ」
「っ…生殺しは酷いよ霊夢……」
「はぁ……」
小さく溜め息をついた霊夢は、子供のように手をついて座る彼の前に、子供に目線を合わせるかのようにしゃがんで視線を合わせる。
「どうして私が怒ってるかわかる?」
「……分からない」
「昨日の夜、あなたは何をした?」
「…酒飲んだ」
「酒飲むのは別に悪くないわよ。その後よ」
「えっと……確か…………」
「妹とキスしてたわよね?私の前で」
「…そうだっけ…」
「ミスティアの胸触ったり、響子とも色々シたりしてたわよね?私の前で」
「…うーん…」
「しまいには、鈴仙の胸を出して吸おうとしてたでしょ?わ・た・し・の・ま・え・で!!」
「…!?」
「私が何も言わないのを良い事にフランのことを押し倒したりとか!それもこれも全部私の前で!何よ、何なのよ!?私の前ではイチャつかないでって…私の前でのあんたは私だけのものだって、前に言わなかった!?何で酒に呑まれてんのよ、馬鹿!押しに弱いんなら逃げろって前にも言ったはずよね!?それくらいのことができないほど、あんたは馬鹿じゃないでしょ!?酔ってもいい、
血を吸っていいから、それくらい守ってよ!私が好きになったあんたは、これくらい当然のようにこなすハズでしょ!しっかりしてよ、もう!!」
大声で捲し立てた霊夢は、そこまで言うと言葉を切って、若干両目に涙を浮かべながら真っ直ぐに彼の目を見つめる。彼はそんな彼女を見て自分の不甲斐なさに腹を立てる。酒に呑まれてしまったせいで、大好きな霊夢を泣かせてしまった、と。
「…ごめんなさい。謝る事しか出来ないけど……本当に、悪かったと思ってる。次から気をつけるから…今回は許して下さい…」
「………ったく…さっきまで許してやらないって思ってたのにさ……許しちゃうわよ…馬鹿…」
袖で涙を拭った霊夢は、そう言って彼に微笑む。一方その言葉を聞いた彼は、許されたことによる安堵の溜め息をついた。
「あんたはホント…酒には呑まれるし、馬鹿で、変態で…女癖も最っっっ高に悪いけど……今更、どうしようもないのよね……。そういうところも含めて…そんな馬鹿なあんたのことが…誰よりも好きになっちゃったんだからさ………」
「ありがとう霊夢…俺の事…好きでいてくれて」
「…あの時、言ってたでしょ?私の事幸せにしてくれるって。愛人は増やしていいけど…これらの約束だけは守って…?あなたなら、これくらいは出来るでしょう?だって…私が好きになった男は約束も守れないヤツじゃないもの……」
「…ごめん。これからの俺を見ててくれ。絶対、もう霊夢の前ではイチャつかない。例え酒や女に酔ってたとしてもだ」
「うん……信じてるわよっ…♪」
彼を許した霊夢は、飛び付くように抱きついた。そして、結局寸止めで終わってしまった彼にこう囁く。
「じゃ…気持ち切り替えて、ヤッちゃいましょ♡あなたも私とセックスしたいでしょ?」
「したいけど…モロには言わないでって…」
「やーよ、今だけは言わせてもらうわ。あなたが悪いんだからねっ♪」
「うぐ…」
「ほら早く脱ぎなさいよ、もー待ちきれないわ♡
あなたのそれ踏みながら興奮してたんだから♡」
「え…踏む?あ、起きた時確か踏まれてたな…」
「もう、ちんたらしないで!」
ゆっくり脱ごうとしている彼に業を煮やした霊夢は、パンツに手をかけ勢いよく脱がそうとする。しかし彼は、それをやられまいとパンツを掴んで抵抗する。
「イデデデデ、パンツの中で精液固まってっから無理に脱がさないでぇ!!」
「そんなん知ったこっちゃ無いわ、さっさとその手を退かしなさい変態!」
「パンツとかを脱がそうとしてるヤツに変態って言われたくねぇぇぇ!!」
「もう…フェラしてほしいんでしょ?」
「えっ♡」
「隙あり」
「あ゙っぎゃあああああああっっ!!!」
「あはっ、白ぉくパリパリになってるじゃない♡
大丈夫よ、私が舐めて癒してあげるからね…♡」
「あっ…お………やば、気持ちイイ……♡ 普段
みたいに…咥えないで舌で舐めるの…良い…♪」
「出す時は言ってね…全部飲んであげるわ♡♡」
「うん…♪」
「…一件落着、かな?」
「そだね。お母さんとお父さん、仲直りして本当良かった…。でも、朝ご飯どうしようね…」
「二度寝でもしてればすぐでしょ」
「それもそうだね、おやすみ!」
「おやすみ」
別室にて夫婦の喧嘩を聞いていた娘達は、事態が収まったことで安心して二度寝についた。